「ぅわあぁあああっ!?」
一誠は大声を張り上げて勢いよく体を起こした。
眠りから覚めた場所は見慣れた自室のベッド。乱れた呼吸を繰り返しながら、自分が安全な場所にいるのだと理解し、安心感を覚える。今もバクバクと鳴っている鼓動をゆっくりと落ち着かせるように、深く息を吐いた。
悪夢を見ていた。もう内容の断片すら覚えていないが、とても悪い夢だ。もしも思い出すことができるのだとしても、思い出したくないと感じる。ただの夢だというのに強い恐怖心を抱き、気がつくと全身が震えていた。
「落ち着け……。ただの夢だって……」
自身に言い聞かせ、宥めることで冷静さを取り戻していく。
額に流れる汗を寝間着のシャツで拭ったところで、扉をノックする音が聞こえた。
「イッセーさん、おはようございます。入ってもいいですか?」
扉越しに聞こえるアーシアの声。
「あ、あぁ……」
甘く澄んだアーシアの声に気が緩むのを感じながら、一誠は安らぎを求めてアーシアを招き入れることにした。一誠の声に応じて、「失礼します」という声と共に扉が開かれて、アーシアの姿が視界に入る。
寝間着姿のアーシア。その表現は正しいのだろうが、身に着けているのは一般的な寝間着ではない。アーシアの白い肌とは対照的な、黒一色のセクシーランジェリー。胸元は大きく開き、覆い隠しているはずの肌は薄い生地から殆ど視認できる。成長著しいアーシア・アルジェントという少女の曲線を一誠の視線が這い回る。
一誠は半ズボンの内側で肉棒の熱を高めながら、アーシアを視姦していく。
嫌な気分があっという間に霧散して、一誠は鼻の下を伸ばす。どこに出しても恥ずかしいスケベな発情顔を浮かべた一誠の下に、ニコニコと微笑みを絶やさずに歩み寄ってくるアーシアを観察した。
曖昧だった昨日の記憶が、段々と蘇ってくる。
昨日、一誠はアーシアと結ばれた。アーシアから熱烈なプロポーズを受けて快諾し、遂に初体験を済ませたのだ。部員の誰か、おそらくはリアスか朱乃からプレゼントしてもらったのだろう。一誠の好きそうなスケベなランジェリー姿で迫ってきたアーシア相手に我慢はできなかった。
アーシアはランジェリーの下に、これまた機能性皆無の面積の少ない黒いショーツを穿いている。隠すべき秘所は生地に空いたハート型の穴のおかげで丸見えだ。一誠が処女を奪った狭い膣穴に黒いチンポ型バイブが埋まっているのも容易に確認できる。低い稼働音を響かせるそれが、アーシアの内側をじっくりと解していた。
「ふふ、朝から元気ですね」
一誠の欲望一色の視線を受けたアーシアはそう言って、ランジェリーの裾を両手で摘まみ上げる。社交界の淑女のような仕草だ。表情には普段のアーシアの落ち着いた微笑みと一緒に、わずかな羞恥と高揚感が浮かんでいる。恋人になった一誠を愛おしそうに見つめてくる眼差しは、一誠の肉棒をいきり立たせるのに十分だった。
衝動に駆られた一誠はズボンと下着を脱ぎ、ベッドの端に腰かけて肉棒を扱き出した。
付き合いたての彼女の卑猥な格好をオカズにして自慰など、普通は引かれるだろう。だが、一誠のことをよく理解した上でそれでも好意を寄せてくれたアーシアに嫌悪の感情は見られない。むしろ、一誠の役に立とうとしていた。
「ん、ぁ、っ、んんっ、ぉっ……」
足を大きく開いて腰を落とし、バイブの先端に手を伸ばす。ガニ股になって膣奥にバイブを自らねじ込み、喘ぐ姿には元シスターの面影はない。愛する者を喜ばせるために欲望に従う立派な悪魔がそこにいた。
一誠のオナニーが捗る。発情しきった顔をアーシアに見られながら、忙しく右手を動かす。
今までの自慰の中で一番気持ちいい。素直にそう感じて、一誠の自慰が捗る。
「イキたくなったら、いつでもイってくださいね?」
目の前のアーシアに応援される。
「イッセーさんのお精子は、全部私が受け止めてあげます。もう、ティッシュで包んでゴミ箱に捨てなくてもいいんですよ? 私のお口でも、おマンコでも、好きなときにおチンポさんを挿入して、射精してくださいね?」
こんなことをアーシアに言ってもらえる日が来るとは思わなかった。同じグレモリー眷属の悪魔となってから、一誠はどちらかと言えば妹を可愛がるように接していた。恋人になれれば幸せだとは思ったが、少し前に味わったとある恋と、その末に相手の女から受けた手酷い裏切りのせいで恋愛に対して臆病になっていたのだ。
そんなことがあったのが嘘のように、今の一誠に抵抗感はなくなっていた。もしもアーシア以外の美少女から告白されても受け入れてしまえるだろう。それくらい、一誠はトラウマを払拭した代わりに下半身で物事を考えていた。
一生幸せにする。今みたいに変態なプレイをすることもあるだろうけど、後悔はさせない。
想いを抱き、欲望を積み重ねる。
そろそろ射精しそうになったところで、アーシアが床に膝を突いて座った。一誠の手で扱かれている勃起チンポの先に顔を近づけ、口を開く。赤く、小さな舌を限界まで伸ばして、何かを待っている。
「出すときは、口の中にどうぞ」
目を細めて笑い、口を開いて射精を待つ金髪美少女。それは、以前自慰をする際に一誠が脳内に浮かべた妄想の一つに酷似していた。構図も、台詞も、何もかも同じだった。
だとすれば、アーシアが次に発する言葉は、こうだろうか。
「ザーメンをお恵みください」
祈りを捧げるように、手を組んで瞑目するアーシア。
「うぅっ……!?」
その言葉を聞いた直後、一誠は果てた。尻を少し浮かせて腰を突き出し、アーシアの舌の上に亀頭を乗せて、尿道口から精液を放つ。舌と口内の赤色が、びゅくびゅくと迸る精液の白濁色に染め上げられていくのが見えた。
アーシアの口に大量射精。
やってはいけないことをやっているような背徳感。悪夢によって抱いた恐怖や不安感がごっそりと抜け落ちていく。排泄時のような解放感と、開きっぱなしになった口を閉じる余裕もないくらいの快感。
生まれてきて良かった! 一誠は射精しながら熱い涙を流した。
気持ちのいい時間がたっぷり数十秒間続いて、射精を終えた肉棒の前でアーシアが口を閉じる。一誠に上目遣いの目線を送りながら喉を何度も鳴らし、やがて開かれた口の中に精液の存在はなかった。
「全部、飲みましたよ……? とても美味しかったですぅ……」
男ならば、誰でも見惚れてしまいそうな愛らしい微笑み。守ってあげたくなる庇護欲を駆り立てるアーシアの精飲報告は、一誠の正気など容易く奪い去った。
射精直後の肉棒が早速膨らみ始める。たった今行った射精がなかったかのように、発散された性欲が蘇った。感じたことのない熱が全身の内側を蠢く。それはなぜか一誠の性欲を高めると共に、何か嫌なイメージを一誠に想起させた。
ベッドで大の字になる顔の見えない一人の男と、彼を囲むグレモリー眷属たち。その中にアーシアの姿もあったが、その姿は目の前のアーシアであっても比べ物にならないほどの淫靡な空気を纏っていて、男に跨って嬉しそうに腰を振っていた。
金髪を乱し、尻を振り下ろし、嫉妬するほど逞しい肉棒を膣内に出し入れするアーシアは、表情を幸福に染めていた。それは、一誠がいつまでも見ていたいと思えるほどに綺麗で、それが自分以外の男に向けられていることが、嫌だった。
嫌なのに、一誠はなぜか勃起を強めてしまう。
「アーシアッ……!」
妙な感覚を振り払い、一誠はアーシアを抱え上げると、その小さな体をベッドに寝かせた。上から覆い被さって誰にも奪われないようにするが、この場には一誠とアーシア以外に誰もいない。
そして、目の前のアーシアも、一誠だけを想ってくれている。
一誠の突然の行動に驚くこともなく、アーシアは一誠の顔を見ながら股を開き、膣内に嵌めていたバイブを抜き取った。愛液が絡みつくバイブを枕元の横に放り出して、アーシアは慈愛の籠った笑顔を見せる。
「大丈夫ですよ、イッセーさん」
「ぇ……」
両手を伸ばしてきたアーシアの手が一誠を抱き寄せる。
密着し合う肌。一誠の胸に押し潰された乳房から、規則正しい鼓動が聞こえてくる。
「私はどこにも行きませんから。いえ、私だけじゃありません。グレモリー眷属の皆さんも、ずっと一緒です」
背中を撫でられて、耳の近くで優しく話し掛けられる。一誠の体から無駄な力が抜け出る。脱力した一誠の腰にアーシアの両足が巻き付き、踵で腰を押し込む。その動きによって腰が前に動き、肉棒が膣穴に入っていく。
「う、ぁ……」
狭く、うねるような膣道に肉棒が誘導されていく。ぐねぐねと動き、膣壁から伸びる無数の襞が肉棒を擦る。一本一本が意思を持っているかのように独立した動きを取って肉棒を歓迎していた。
どちゅ、と膣奥で待っていた子宮口に亀頭が衝突する。
どちゅ、どちゅっ。
一誠がせっせと腰を前後に振るたびに、子宮に亀頭が幾度も叩きつけられる。調子を上げていった一誠によるプレスが繰り出された。腰に巻き付くアーシアの足に支援されながら、力強い突きを何度もお見舞いする。
「はっ、ぁっ、んんっ、ぁ、ん……!」
アーシアの喘ぎ声が響く。それを聞かされた一誠はますます怒張を高め、熱々の膣内をさらに熱い肉棒で抉る。昨日が初めてとは思えない使い心地の良さに、一誠は油断した隙を突かれてしまった。
「ぅ、ぁ、でるっ……!?」
高まりすぎた興奮が意図せずに暴発し、精液が放出される。それは真っ直ぐ子宮に伸びて、中に白濁液を溜めていく。容器にミルクを注ぐような勢いで子宮を白濁に染めて、どんどん密度を高めていき、一誠専用の子種袋へと変えた。
「ぅぉおおおっ、ぉおおっ、ぉっ……!」
歓喜に震えた一誠の声。悪魔は妊娠しにくいとはいえ、美少女への種付けはテンションが上がるようだ。一階の居間にいる一誠の両親が見れば嘆くかもしれない程度には、色狂いのだらしのない表情をしていた。
悪夢のことなどすっかり忘れて、一誠はアーシアとのセックスを楽しむ。
ここには愛情も、幸福も、一誠の求める全てがあった。
一誠は考えもしない。目の前のアーシアが本物と同じ性能で作られた偽物であることなど。
一誠では、考えられるはずもない。この場にいる一誠の体もまた本物をコピーして作られた模造品で、アーシアと違って心だけは本物。その心も、遠い場所に幽閉されているオリジナルから飛ばされているものだということを。この一誠が体験した出来事は全て、時間を置いてオリジナルへと一方的に共有されるようになっている。
悪夢の合間に見る優しい夢。それがあるからこそ、悪夢が映える。
そんな悪意に満ちた考えに基づいて、今の一誠の幸福は成り立っている。その幸福を支えるのは、偽物だけで構成されたグレモリー眷属たち。これまで通り人間界の駒王町を拠点として、悪魔として生きていくことになる。もしも、その生活の中で新たな仲間ができたとしても、すぐにその者も偽物に置き換わるだろう。
「アーシア、ごめん、もう、一回……」
「いいですよ。満足するまで私のおマンコを味わってくださいね」
何も知らず、アーシアに頭を撫でられながら腰を振り始める一誠。その顔はとても幸せそうだった。