「ぬろぉ」
俺の亀頭に舌が這わせられる。控えめな動きだ。慣れていないそれは少々焦れったいが、たまにこういうのも悪くはない。リラックスした俺は部屋着姿でソファーに深く腰掛け、正面の大画面スクリーンに流れる映像を見る。
左右で二分割された映像。
『んぉおおおぉっ!?』
『おぉっ!? おぉおっ!?』
右側に映るのは、透明な肉塊に全身を丸呑みされ、肉塊の内側に生えた大量の触手に犯される少女が二人。名前は、ゼノヴィアと紫藤イリナというらしい。耳の穴に入った細長い触手で脳を犯され、目元を覆うバイザー型の触手によって強制的に何らかの映像を見せられているようだ。
現在、調整を受けているその少女たちは、教会から駒王町に送られてきた戦士、エクソシストだ。駒王町にやってきたのは何かの事件に対応するためのようだが、詳細は知らない。駒王町のことはソーナに一任しているからだ。
今、大改造が進められている駒王町。女を性欲処理用の道具として扱い、男たちの欲望を発散させる。ソーナの理想的な世界が作られている。少し前まではアーシアが好き勝手に住人を殺して回っていたが、規則を定めたソーナによってそれは禁じられている。
駒王町は雄の楽園。理不尽な死は訪れず、普通に過ごしているだけで女を抱ける。望めば男でも理想に近い女の体に性転換することができる。たとえそれが架空の物語の人間だろうが関係はなく、完璧に再現した肉体に変えられる。
男には人権はあるが、女にはない。
欲望渦巻く魔都に迷い込んだ少女二人がこうなったのは必然だった。オークションで販売されるコピー体と、オリジナルに成り代わるコピー体が作られた。残されたオリジナルは今までの人生を投げ捨て、雌として調整されてから俺の下に届けられる予定だ。
騒がしい二人の様子を横目に、対照的に穏やかな左側の映像に視線を移す。
俺の部屋に似た洋室のベッドで、俺と抱き合う女がいた。
思わず、吐息をつきたくなるほどに美しい女。穢れはなく、清廉さと純真さを形にしたような儚げな金髪美女。目尻が垂れて気弱そうな眼の内側で、見る者の心を虜にする宝石のように移しい瞳が潤んでいる。
雄と雌として交わるわけでもなく、ただ抱き合って女と見つめ合う俺。
いや、俺に見せかけた幻の俺。
これは夢だ。四大熾天使の一角であるガブリエル。天界一の美女と称えられているその女は、さっきから夢の中で恋人の俺と生活を送っていた。
朝起きて、一緒に食事を取って、外へデートに出掛ける。何故か外は人間界で、二人で素性を隠して街を出歩く。買い物をしたり、映画を見たり、夜景を見に行ったり。山も谷もない、あり触れた日常。
ガブリエルはそれを楽しんでいた。見る物全てに目を輝かせていた。
ガブリエルに誘われていったゲームセンター。クレーンゲームの中にある景品を覗き込むガブリエル。奇妙な熊のぬいぐるみをじっと見つめる彼女に、俺は獲得したそのぬいぐるみをプレゼントした。
たったそれだけで、ガブリエルは花が咲き誇るような笑みを見せた。
途中、俺がトイレに行っている間にガブリエルが大学生のガキ共にナンパされていた。困った様子でたじろぐガブリエルだったが、戻ってきた俺がそこに介入すると、ガブリエルは俺の背中に隠れた。
ガキ共を追い払ってから肩を抱いてやると、ガブリエルは安堵したように笑った。
ガブリエルの中で、俺という存在がどんどん確立されていく。
天使として体験できなかった人間界での日常と、そこで過ごす優しい恋人。天使と悪魔という身分を忘れ、二人は愛情を深め合う。口の中が甘くて仕方なくなるような糖度たっぷりのなんて事のない退屈な日常を、ガブリエルは心の底から喜んでいるようだった。
この夢の日常は、レイヴェルによって作られたものだ。ガブリエル本人は、自分が意図的に作られた夢を見せられていると認識してはいないだろう。自分が望んだものとして、恋人と過ごす平穏な日常を受け入れている。
この先に待つ、自分の運命も知らずに。
「ぬぢゅっ、ぐぢゅっ、ちゅぷ、くちゅっ」
正面の映像を眺めていた俺だったが、亀頭に吸いつく唇の音に気を引かれた。
俺の足元に跪き、俺の亀頭を舐めている少女。体格は小猫とそう変わらない。長い紅色の髪と、幼さをたっぷりと残した愛らしい容貌。将来は大勢の男を惑わす魔性の女になることが確約されていそうな美少女。
幼い頃のリアスとよく似ている。
そう思わせる少女の名前は、ミリキャス・グレモリー。
かつては美少年だったミリキャスは肉体を雌に改造され、男であったという過去を捨て、メイド服に袖を通して俺に奉仕をしている。眼前で勃起した俺のチンポを差し出され、おどおどしながらも舌を這わせる。
「あ、むっ、ぐぢゅっ、ぢゅるっ……」
自分にはない雄の象徴を咥え、唾液を纏わせるミリキャス。俺が何も言わないために、どこが悪いのかもわからないのだろう。ただ、それでも自分なりの答えを導き出し、気持ちよくするにはどうすればいいかを模索しているようだ。
「ぐ、ぢゅっ……ぐ、っぽ、ぬぽぉっ、ぶぢゅぅっ……」
分厚い肉竿を両手で掴み、大きく開いた口で亀頭を頬張って、俺に上目遣いの視線を送る。俺の反応を確かめながらという思惑であって、狙って上目遣いにしたわけではないだろう。それが良い興奮を与えてくれた。
雄の証を奪われ、雌として生きるための膣と子宮を用意され、雄に媚びるミリキャス。ギャスパーたちと同様に、ミリキャスも俺に逆らうつもりはないだろう。心と体にあった雄の尊厳を徹底的に叩き潰され、代わりに雌の快楽を与えられたのだから。
「ぬぽっ、ぐぽっ、ぬっぢゅっ、ぐぢゅっ、ぐぷぉっ、ぢゅるるっ……」
ミリキャスは蕩けた眼で俺を見つめ、ぷにぷにとした頬の内側で禍々しい肉棒を出し入れする。さすがは、男に抱かれるために生まれてきたグレモリー一族の血を引く者だ。女になったことでその才能を露わにしていく。
元男として同じ境遇の先輩であるギャスパーたちに奉仕のやり方を教わっていたらしいが、実践は初めてだ。自分の知識と本番で得た体験を照らし合わせ、どうすれば俺が気持ちよくなれるのかを急速的に学習していく。
「ぢゅぽぉっ、ぐっぽぉっ、ぢゅぽっ、ぢゅぽっ、ぢゅぽっ!」
激しく響くフェラ音。巨大な肉棒全体を口に収めることはできていないが、竿の中腹から亀頭に掛けて熱々の粘膜で包まれ、絞り上げられる。前半は慣れるまでに時間が掛かったが、後半は怒涛の勢いだった。
やはり、ミリキャスは生まれてくる性別を間違っていた。
俺は正しい性別を与えてやれたようだ。
雌として雄のために生きる。それがミリキャスの幸せだ。
「ほら、そろそろいくぞ?」
その言葉を投げかけた直後、俺はミリキャスの口内で達した。
「んぐぅっ!? んんん~っ!?」
びゅるるるっ、どびゅっ、びゅるっ、びゅるるるっ、どくっ、ぶびゅっ、どびゅびゅっ!
口の中で迸る精液に、ミリキャスが目を白黒させていた。それでも竿から口を離さず、必死に精液をごくごくと飲み下す。決してこぼしてはいけない。そう思っての行動なのだろうが、果たして全て飲み干せるだろうか。
「んんんんぅ~!?」
頬をリスのようにパンパンに膨らませ、ミリキャスが大きく見開いた眼の内で瞳を震わせる。息苦しさから涙をぼろぼろとこぼし、それでも口で一生懸命チンポに縋りついていたが、口から漏れた精液が竿に伝い落ちていた。
次々に漏れるそれを、ミリキャスは泣きながら眺めていた。指で拭い取ろうとしているが、対応できる量ではない。放たれる精液をごくごくと嚥下し、こぼしてしまった事実に責任を感じて恐れを抱く少女。
「はははっ……」
哀れな元少年の情けない姿をオカズに、俺はミリキャスに精液を投げ捨てた。
「んっ、むちゅっ、ぁっ、はぁっ、ぁああ、申し訳、ございませんっ、ライザー様……」
精液に濡れたチンポ。亀頭の先から伝い落ちる精液を吸い取って、ミリキャスは謝罪を口にする。竿に伝っていってしまった精液を舌で拭い取り、掃除を始める。だが、金玉にまで届いた精液には気がついていないようだ。
経験が足りていない未熟なメイド。それを導いてやるのも主人の務めだろう。
「ミリキャス、お仕置きだ。ベッドに上がれ」
「は、はいっ、ご主人様……」
お仕置き。いや、ご褒美と何も変わらないか。
それを知ってか知らずか、ミリキャスは慌ててその場を立つ。もう男だった頃の面影もない女らしい歩き方でベッドへ近づき、どぎまぎした様子で腰掛ける。それでも、雌として期待を抱いているらしく、ミリキャスの白い頬は真っ赤に色づいていた。