※この作品はR-18です。

悪の不死鳥   作:早見 彼方

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第9話

 夜空に浮かぶ無数の星々。別荘に併設された露天風呂から見る景色は美しかった。山奥であるために空気は澄んでいて、人工的な光も少ないために星が良く見える。冥界の薄暗い空とは大違いだ。

 椅子に座ってゆったりと空を見上げていると、俺の腕が握られた。

「失礼いたします」

 という声とともに、腕を包む柔らかい物体。

 グレイフィアの胸だ。色白い魅力的な裸体を披露し、豊かな乳袋の間で俺の腕を挟んでいる。外気で冷えた肌に伝わる温もりと、石鹸の泡が腕を包み込む。思わず吐息が漏れてしまいそうになる安心感があった。

 ゴシゴシ、とグレイフィアはパイズリの要領で俺の腕に泡を広げる。指先から関節、そこから二の腕へと白い泡が薄く伸ばされていく。その過程で形を変えるグレイフィアの胸に俺は視線をくぎ付けにされ、ゴクリと唾を飲む。

 いつ見ても飽きない胸だ。股間に悪い。

 股間で肉棒を勃起させる俺に、グレイフィアは無表情のまま奉仕を続ける。スポンジ代わりにした胸で俺の腕を隅々まで泡で洗い終えると、立ち上がって場所を移動する。広がる石畳の上に再び両膝を突き、反対側の手を洗い始めた。

 慣れた手つきだ。夫にもやっていたのかと疑ってしまうほどに。

 心の奥で嫉妬の炎が広がった。グレイフィアがどういう過程で夫であるサーゼクスと出会い、子供を設けたのかを俺は知らない。知らないからこそ想像が膨らむ。サーゼクスと愛し合うグレイフィアの姿を思い浮かべると、苛立ちを覚える。

 この女は俺のものだ。絶対に誰にも渡すものか。

 勢いが強くなっていく嫉妬心に途中で気づき、俺は冷静さを取り戻す。一度落ち着いたほうがいい。焦らず、グレイフィアを堕としていけばいい。俺の能力があれば誰の邪魔も入らないことは実証されている。

 そうだ。グレイフィアはもう俺から逃げられない。本人はまだ諦めていないようだが。

 グレイフィアに視線を向ける。メイド姿のときとは違い、今のグレイフィアは髪を後頭部で束ねている。ホワイトブリムも外し、メイド要素は皆無だ。エロい肉体で俺を奉仕する、俺専用のソープ嬢だ。

 俺の指と指の間にグレイフィアの指が這う。こそばゆい感覚に気が緩む。しかし、股間の相棒はいつも元気だ。その威圧的な姿はグレイフィアにも見えていることだろう。もう何度もグレイフィアを犯し、種を注いできたそれを前にして、グレイフィアは時折怯えた様子を見せていた。

「背中を胸で洗いながら、ここを可愛がってくれ」

 俺が股間を指差して言うと、「かしこまりました」とグレイフィアは淡泊に返答した。

 背中に押し当てられる乳房。クッションよりも柔らかい弾力を感じていると、背中から回されたグレイフィアの手が肉棒に触れる。左手の指が竿の部分に掛かり、右手の指先が亀頭を撫でまわすように動いた。赤みを帯びていた亀頭が泡によって白く染まる。竿にも広がっていき、肉棒全体が泡に塗れた。

 肉棒を扱かれながら、グレイフィアの胸でむにぃっと俺の背中を圧迫される。上下にゆっくりと動いて洗浄する範囲を拡大させ、俺は癒されるひと時を味わった。

 ここでグレイフィアに優しく囁かれればもっと気持ちいいだろう。一瞬、そう依頼しようか、もしくはグレイフィアから貰ったあの権利を行使しようかという考えが過った。グレイフィアに俺を愛させる権利。使えば今よりも可愛いグレイフィアが見られるはずだ。

 だが、使いどころは誤ってはいけない。権利を使えるのは二週間分。使いどころを誤れば無意味に終わってしまう。グレイフィアを堕とす道程が遠くなる。今は堪えて、命令程度で済ませるとしよう。

「耳元で囁いてくれないか?」

 ただのお願いだが、グレイフィアは断らないだろう。

 グレイフィアの顔が俺の左肩に移動するのがわかった。小さく漏れた声の後、「こうですか?」という息を含んだ声が耳に届く。近い距離にぞくぞくとしながら俺は軽く頷いた。

「あぁ、いい感じだ。それで、今日はどうだった? リアスたちの修行を見て」

「見込みはあると思います。まだ実るのは時間が掛かりそうですが」

「このままだと、レーティングゲームでわざと負けるのも苦労しそうだな」

「負けていただきますよう、お願いいたします」

「わかってるよ。約束したからな」

 俺はたぶん、おそらく約束を守れる男のはずだ。少なくとも、字面上では守る。俺は今のところリアスたちに『手』を出してはいない。

 今頃、リアスたちの別荘に忍び込んだ俺の『分身体』がアーシア・アルジェントにちょっかいを掛ける準備をしているはずだ。ただ、その際も手は出さない。『肉棒』は出すかもしれないが。

 勿論、俺はレーティングゲームでもリアスたちに勝利を譲る。リアスたちが弱くてもハンデなどを与えればどうにかなるだろう。ハンデなんていらない、と負けず嫌いなリアスなら言うだろうが、無視だ。

「ありがとうございます」

 グレイフィアはそう口にし、肉棒を扱く速度を上げる。尿道から垂れてきた先走り液が泡に混ざってぬちゅぬちゅっと音を立てる。これまでの蓄積もあって肉棒の準備は整っていた。下腹部がじわじわと熱を抱き、先走り液の量が増す。

 背中を擦る大きな乳房。肉棒に刺激を与える両手。グレイフィアに抱きしめられるような格好で続けられた奉仕によって肉棒が膨らみ、臨界を超えた。ひと際強い快感が湧き上がると、それは精液となって尿道口から飛び出た。

 びゅるるっ、びゅるっ、どびゅっ、どくっ、ぶびゅっ、びゅくっ、びゅるるっ!

 亀頭を覆っていた泡の一部を押し退け、精液が正面に噴出する。

 ごく、とグレイフィアの喉が鳴った気がした。精液の量と質に改めて恐怖を抱いたのかもしれない。今回もなかなかに濃い。子種がギッシリと詰まったそれらが床を着弾して白い水溜りを作る。

 びゅーっ、びゅるーっ。グレイフィアの手コキによって射精が長引く。できるだけ絞り出してしまおうという腹積もりなのだろう。床に精液が溜まっていく。普段グレイフィアの中にため込まれるそれが強い臭いを放っていた。

 射精が終わり、肉棒が大人しくなる。それでもまだ小さくならない肉棒をグレイフィアが引き続き扱こうとしているのを見て、俺は声をかけた。

「もういいぞ。次は俺が洗ってやる」

「え……」

「遠慮するな。たまにはいいだろ?」

 俺が顔を向けると、グレイフィアは戸惑ったように口を噤んだ。予期せぬ提案を受け、何かを考えている様子だが、俺には何か特別な思惑があるわけではない。大好きな女の体に触れてみたいと思うのは男としては当然のことだ。

「かしこまりました……」

 眉を顰められたのは気に食わないが、許してやる。

 俺は自分の体を使って――というのはさすがに少し抵抗がある。女がやるのはいいが、男がやるのは何か違うだろう。

 俺はグレイフィアを椅子に座らせると、その背後で同じように椅子に腰を下ろしてグレイフィアの体を洗っていく。柔らかいスポンジを使って泡を作り、それを肌に広げる。肩、背中。視界に入らない場所を丁寧に擦る。

 正面の壁に取りつけられた鏡には、どこか不安げなグレイフィアが映っていた。

 そんなに俺が親切にするとおかしいだろうか。俺は自分のことを屑だと認識してはいるが、優しい一面だってあると思う。俺の子を胎内で大切に育ててくれているリヴェルのことは労わってやっているつもりだし、レイヴェルのことも妹として愛することもある。奴隷として扱うことのほうが多いが。

「どうした?」

「いえ、何でもありません……」

 不信感は拭えないようでグレイフィアは居心地が悪そうだ。

 少し気分を変えてやろう。俺はスポンジを膝に置いて泡だらけの手を伸ばし、グレイフィアの胸を掴む。

 両手で乳房を握る。泡立てるように揉み解し、乳肉の感触を楽しむ。

「本当に、エロい胸だよな」

「っ……」

 グレイフィアの耳に口を近づけて呟く。一瞬、グレイフィアが反応を示す。それを見て俺は口元を吊り上げ、嬲るように乳房を揉みくちゃにする。他人から囁かれるという行為に慣れていないようだ。声を上げかけた口を閉ざし、俯いて耐えている。

「耳、弱いな」

 囁いた後に耳穴へ息を吹き込むとわずかに身じろぎしたのがわかった。十分な反応だ。攻めがいがあるが、また虐めてやるとして、今日のところはこれくらいにしておこう。

 俺はスポンジを手に取ってグレイフィアの体を洗っていく。太股や尻の触り心地に誘惑されて触ることに夢中になってしまったが、どうにか洗い終えると、泡を湯で洗い流した。

 頭はすでに洗ってある。あとは夜空でも見ながら湯に浸かるだけだ。

「グレイフィア、こっちだ」

 湯を張った浴槽の中に肩まで入った俺は、木材でできた縁に背を預けて座る。両足を伸ばしたまま呼びかけると、グレイフィアは気が進まない様子で俺の下へと歩いてくる。スタイルの良すぎる美女が湯で赤く火照った女体を見せつけ、俺の傍に立った。

「座れ、意味はわかるな」

 元気に勃起する肉棒。それを指差した俺を見て、グレイフィアは無言で頷く。

 俺に背を向け、ゆっくり腰を下ろすグレイフィア。伸ばした片手で肉棒に触れ、角度を確認しながら徐々に体が湯へと沈ませていった。

 亀頭に触れる柔らかい感触。それを感じた直後、膣肉が肉棒に絡みつきながら奥へ奥へと肉棒を呑み込んでいった。

 程なくして、グレイフィアとの合体が完了する。肉付きのいい尻がむちぃと形を歪めて俺の股間に置かれる。素晴らしい感触に笑みを浮かべながら俺はグレイフィアを抱き止め、背中から抱きしめた。

 左手でグレイフィアの乳房を握り、右手を細い腹回りに回す。膣内に肉棒の杭を打ってあるため、グレイフィアは殆ど身動きを取れない状態だ。そんな状態で俺はグレイフィアの肩に顎を乗せ、綺麗な横顔を見る。

「なあ」

「はい」

「サーゼクスとは、こんな風に風呂に入ることはあるのか?」

「ありません」

「本当か? 随分慣れた手つきで俺の体を洗っていたようだが」

「もっと若い頃に、少しだけ……」

「ふーん」

 魔王であるサーゼクスはいつも冷静沈着な美青年だ。見た感じは至って真面目で、俺のような男にも丁寧な物腰で接してきた。スケベそうには見えなかったが、やることはやっていたらしい。

「子供が生まれてからはサーゼクスに可愛がってもらったのか?」

「いえ、あまり……」

 俺との会話で感情を悟られないようにしていたグレイフィアだったが、今の言葉には残念がっているような空気を感じた。

 なるほど、セックスレスか。こんな女が身近にいれば毎日でもハメ倒したいと思うのが普通だと思うが。おそらく、単純に忙しくて抱く暇もないのだろう。そうでなければ浮気をしているか、もしくは男性機能が低下しているかだが、どちらも違うとは思う。浮気をするような男には見えないし、魔王まで登り詰めた悪魔の男が雄として貧弱だというのも情けない話で信じたくはない。

 今度確認してみるか。グレイフィアを堕とす材料にもなりそうだ。

「それじゃあ、代わりにこのドスケベな体を俺が味わってやるよ」

 俺がグレイフィアの首筋を舐め上げると、グレイフィアは「ありがとうございます」と口にした。その声に動揺は窺えない。つい数秒前まで見せていた弱気な態度が嘘のように強かな女に戻っていた。

 まぁ、そんな風に取り繕ってもどうせメッキは剥がれる。

 俺はグレイフィアの人妻マンコに勃起チンポを収納したまま、空を見上げる。

 美女と繋がりながら見る空はさっきよりも特別に見える。このままずっとこうしていたいと思えてしまう。

 俺は空を眺めながら小刻みに腰を振った。グレイフィアの体温と湯の温かさに包まれた状態でのセックスは心地よく、俺は好きなだけグレイフィアの中に射精した。

「サーゼクスの代わりに俺がたっぷりと精液をご馳走してやるからな」

「ありがとう、ございます……」

 グレイフィアは俯いて目を瞑る。サーゼクスの話を出すと簡単に動揺してくれるようだ。悔しそうな声を滲ませるセックスレスなグレイフィアに、俺はどびゅどびゅっと精液をまき散らした。

 俺は射精しながらグレイフィアの下腹部を撫でる。

 俺なら一人産ませた程度では満足できない。十人、百人、可能ならもっと、サーゼクスとの間に作ったミリキャスのことを忘れてしまうくらいに妊娠させ、出産させ、俺の子どもに愛情を注いでもらう。

 サーゼクスとミリキャスには悪いが、この女は絶対に返さない。その代わりに、二人には別の何かを与えてやろうと思う。グレイフィア以外で、家族が崩壊しないように繋ぎ止める何かを。

 やはり俺は優しい男だ。改めて思いながらグレイフィアで射精を続けた。

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