エロ可愛い女淫魔の話 作:エロ好きさん
次はGW前に投稿出来たらいいな。
『デミウルゴス、今大丈夫かしら?』
アルベドからそう<
「あぁ、アルベドか。大丈夫だよ。一体どうしたんだい?」
『少し、相談があるのだけど……。今、何処に居るの?』
「牧場だよ。そろそろ午後のティータイムにでもしようかと思っていた所さ。良かったら君も来るかい?ウルベルト様から賜った、極上の茶葉があるんだよ」
そう言いながら優雅にソファに腰掛けているデミウルゴスは、息も絶え絶えの羊を、愉しそうに見つめている。
『まぁ、素敵ね。じゃあ、今から其方へ向かうわ。お茶菓子は持参した方がいいかしら?』
「いや、大丈夫だよ。菓子類もウルベルト様お勧めの物を持って来ているからね。すぐ来るのかい?」
『そうね……一時間くらいしたら、其方へ着くようにするわ。では、また』
そう言って、アルベドは<伝言>を切ると身支度を整え始めた。ナザリックの外へ出るのであれば、それなりの装備にしないといけないのだから。
「さて。君の生命力は中々の物だったが……。どうも、羊の域を出ないようだね。もう少し粘ってくれたのなら……ポーションで傷を癒やしてあげたんだがね」
目の前で息絶えた"羊"を見下ろし、デミウルゴスは小さく息を吐く。生命力が強いトロールと羊を掛け合わせてはみたものの、産まれた子はほぼ羊で。彼の望んだような結果にはならなかったのだ。
「お前たち、羊を片付けるように。一時間程したらアルベドが来るから、念入りに片付けておいてくれ。茶の用意は私がするから、片付けと案内を頼む。彼女の目に入る範囲は、見苦しくないように特に清潔に保ってくれ給え」
配下にそう指示を出し、デミウルゴスは牧場内での私室へと移動する。念の為、<
「……やはり、女性が来るのだから花もあった方が良いでしょうね。テーブルクロスも少し華やかな物に換えて……」
ブツブツとそう言いながら準備をする最上位悪魔は、先程までの残忍な行為を行った者とは同一人物とは思えなかった。
「こんな物か。そろそろアルベドも来る時間だが……」
懐中時計を取り出して時刻を確認すると、もう少しでデミウルゴスが<伝言>を受信してから一時間になる。と、天幕の外に気配を感じた。
「デミウルゴス様。アルベド様がいらっしゃいました」
小柄な影は、プルチネッラだろうか。彼の後ろには、腰の辺りから翼を生やした女性の影が見えた。
「そうか。では、入って貰ってくれ。お前たちはいつものように羊たちの世話と羊皮紙作成を」
客人を迎えるためソファから立ち上がりそう指示をすると、一礼する影。
「畏まりました。アルベド様、此方です」
「ありがとう」
僅かに開かれた天幕の入口から、アルベドが入って来る。その姿は、いつもの白いドレスとは違っている。紫を帯びた黒いドレスが、彼女の色気を増しているようだった。
「どうしたんだい?滅多にナザリックから出ない君がこんな所にまで来るなんて。さぁ、座ってくれ。ナザリックの物程極上では無いが、此れも中々に質の良い椅子だからね」
「貴方は同じ悪魔だし……一番相談しやすいと思って」
デミウルゴスに引かれた椅子に座ると、アルベドはゆったりと微笑みながらデミウルゴスを見る。
「なるほど。他種族では理解が難しい話……という事かい?まぁ、今日は急ぎの仕事も無いし君も確か休みだっただろう?お茶でも飲みながらゆっくりと君の話を聞かせて貰うとしようか」
そう言うとデミウルゴスは慣れた手付きでティーポットに湯を注いでカバーを掛けると、砂時計をひっくり返す。
「お茶が入ったら、焼き菓子も出すとしよう。折角美味しいお菓子なのだから、温かいうちに食べて貰いたいからね」
「……貴方、随分とマメなのね。セバスと違って執事というわけでも無いのに」
テキパキとしたその様子を見て、アルベドはほんの少しだけ驚いたようにそう口にする。
「主のお望みだったのでね。彼の方が望まれなければ、執事の真似事などはしないが……上手く茶を淹れられると、ウルベルト様は大層お喜びになるからね。ナザリックの食事はお口に合うようで毎食きちんとお召し上がりになるし」
「あら、そうだったの。羨ましいわ。タブラ様は飲食不要の指輪をなさっているし、食事よりも錬金術をしている方が愉しそうなんですもの。アイテムも良くお創りになられているし……」
そんな風に他愛も無い会話をしているうちに砂時計の砂は落ちきり。既に温めてあったティーカップに、デミウルゴスは流れるような動きで紅茶を淹れた。
「さぁ、どうぞ。焼きたてのスコーンも用意してあるから、ジャムでもクリームでも好きな物を使ってくれたまえ。甘くないソルティービスケットもあるので、好みで食べてくれ」
インベントリから茶菓子も出してそう言えば、アルベドはスコーンに手を伸ばす。白いレースのテーブルクロスの上には、取り皿にフィンガーボウル、ナプキンもしっかりと用意されている。手で食べる物しかないので、ナイフやフォークは無い。
「ウルベルト様はいつもどのようにお召し上がりになってるのかしら?」
スコーンに塗るものを少し悩んでいる様子のアルベドがそう訊けば、デミウルゴスはほんの少しだけ首を傾げる。
「……そうだね。その時々で違うけれど……クロテッドクリームとベリーのジャムの組み合わせはお好きみたいだね。生クリームも召し上がるが、甘い物と組み合わせるのが一番多いね」
「美味しそうね。じゃあ私もそうしようかしら」
ストレートの紅茶を一口含み、その風味を楽しんでからスコーンを割って。アルベドはデミウルゴスが言っていた"ウルベルト様のお好み"であるクロテッドクリームとベリーのジャムを塗って齧り付く。
「あぁ……。確かに、美味しいわ。私たちの一般的な食事とは違うけれど、至高の御方が好むのも理解出来る味ね」
「そうだね。私も普段は食事は取らないが……ウルベルト様のお側で働く際は、きちんと食事をする方が彼の方も喜ばれるのでね。ある程度、インベントリにはストックがあるんだよ。この紅茶は先日賜った品だが、香りが高いからクロテッドクリームの濃厚さにも負けないとウルベルト様が絶賛していてね。ミルクもあるから、好みで足すといい」
デミウルゴスもゆっくりと紅茶を味わいつつ、スコーンを手に取っている。
「ありがとう。次はミルクで楽しんでみるわ。そういえば、モモンガ様も仰っていたわね。こうして休息を取り、適切に食事をすることでより仕事の能率が上がると。以前はこの様な時間を取るなど無駄だと思っていたけれど……至高の方々がされている事なのだから、やはり意味があるのだと思うようになったわ。多忙の時は確かに指輪をしていれば問題は無いけれど……皆様、余裕を好まれるし。ゆとりを持つことも重要よね」
可愛らしい桃色のジャムをスコーンに乗せると、途端に強く香る薔薇の香り。その香りを楽しみつつ、アルベドは口を開く。
「ねぇ、デミウルゴス」
「なんだい?」
「私のね、食糧として……精気が美味しい種族を飼おうと思うのだけれど……お薦めの種族はあるかしら?聖王国両脚羊だと、量が少ないから一度で潰してしまうようでしょう?」
可愛らしく小首を傾げながらそう尋ねられ、デミウルゴスは少し思案する。
「そうだね……。精気の美味な種族は解らないが、生命力が強く人型の種族となると……トロールがお薦めだろうね。彼らは多少の肉体の損傷なら自己回復するし、羊に比べれば格段に生命力が溢れているからね」
「……そう。トロール……。流石に彼処まで知性が無くて汚い物は嫌ね。甚振っても死なないのは魅力だけれど」
「だとしたら、
紅茶を飲み干し、小さな火を起こして新たに湯を沸かすと、デミウルゴスは再びティーポットに茶葉を入れ二杯目の紅茶の準備をする。話している内容は、とても不穏な物ではあったが……二人の間では当たり前の事のようだった。
「そもそも、君たち
眼鏡のブリッジを押し上げながらそう訊けば、アルベドはほんの少し頬を染めて答える。
「だって……足りないんですもの。羊は弱いから、三食しっかりと味わおうと思うと、毎日三匹必要でしょう?流石にそれは資源の無駄遣いだと思うのよ。……本当なら、至高の方々にお相手して頂ければ良いのだけれど……皆様、御自身が創造された子たちを優先していらっしゃるでしょう?だから、私が横から奪うような真似は出来ないし……」
「モモンガ様はたかだか羊を毎日三匹潰した所で何か仰るような方では無いと思うけどねぇ。まぁ、確かに至高の方々は愛でている被創造物がいらっしゃるね。ペロロンチーノ様はシャルティアをお召しだし、ヘロヘロ様やホワイトブリム様はメイド達を愛でていらっしゃる。獣王メコン川様はルプスレギナを始めとした獣の姿をした女性を愛でているし……。だが、君の創造主であらせられるタブラ様はどうなんだい?君以外にご寵愛を、という話は聞かないのだけどね」
そう、疑問を素直にぶつけると、アルベドは瞳を潤ませながらデミウルゴスを見つめる。
「その……タブラ様の精気は、とても濃厚だから……毎日の食事としては贅沢すぎるのよ。タブラ様は
「なるほど。興味深い話だね。では、モモンガ様やウルベルト様も精気が濃いのかもしれないね。そうすると……前衛の戦士職のたっち・みー様や生産職のあまのまひとつ様などが君にとっては適度な濃度なのかもしれないが。……流石に、此ればかりは実験することは難しいだろうね」
小さく溜息を吐きながらそう返すデミウルゴスに、アルベドは頷く。
「そうなのよ。だから、代用品として何か無いかしら、って。私は貴方でも良いのよ?デミウルゴス。貴方は純粋な魔法詠唱者という訳でも無いし……同じ悪魔だから、きっと相性も良い筈よ?」
ニッコリ、と
「残念だが、其れは無理だね。私は
「あら、そうなの?私とすることでデミウルゴスも満たされるのなら一石二鳥だと思ったのだけど……。同じ悪魔なのに、残念ね。あと成人男性でフリーの方だとコキュートスだけど、彼は真面目だし食事に付き合ってくれそうなタイプではないものね。マーレはまだ子供だし……」
「そうだね。それに、私はどちらかというと羊たちの鳴き声を愛でる方だけれど……君は鳴き声を不快だと感じるだろう?其処が君と私の違いだね。……紅茶のお代わりはどうだい?ミルクを入れると言っていたけれど、薔薇のジャムもあるしロシアンティーにするのもお薦めだよ」
「そうね、じゃあ貰おうかしら。薔薇のジャムはさっきスコーンで頂いたから、ミルクティーがいいわ」
「解った。では、少し濃いめに淹れるから、ミルクは好みで入れてくれ」
そんなやり取りを経て、紅茶が二杯目になった頃。ふと、アルベドが呟く。
「そういえば、ウルベルト様は誰をお召しなの?決まった相手が居ないのなら、一度お慈悲を頂いてみたいのよね。タブラ様と同じ魔法詠唱者だけれど……やっぱり、気になるじゃない?同族の悪魔としては」
「
二杯目の紅茶には薔薇のジャムを入れて楽しみながらデミウルゴスがそう言えば、途端にアルベドは潤んだ瞳で力説し出す。
「そうだけど!でも、ナザリックの
腰の羽根を激しくばたつかせながらそう言われて、デミウルゴスは無意識のうちにこめかみを押さえていた。
「……。ナザリックを統べる御方のご寵愛が欲しいと言うのは理解出来なくも無いけどね。タブラ様に十分注いで頂いてるんだろう?だとしたら、その発言は不敬に当たるような気もするんだが……」
「そんな事無いわよ?タブラ様は私に複数の男性と愛を育むように、との想いを込めて創造して下さったのだから。魅力的な殿方の種を注いで欲しいって思うのは女として当然の事だし」
元々の美貌を激しく損なう、緩みきった表情に、デミウルゴスは大きく溜息を吐く。
「……まぁ、妄想するのは自由だしね。もしウルベルト様のご寵愛を賜ったとしても、私に惚気るのは止めてくれれば別に気にしないつもりだよ。あぁ、羊なら上質な物が何匹か別の飼育舎にいるから、味見をしても構わないよ。もし潰してしまったら、すぐに牧場へ運んでくれれば構わない。鮮度が落ちないうちに皮を剥いでしまいたいからね」
「ありがとう、デミウルゴス!助かるわ」
デミウルゴスの言葉に、アルベドは上品な笑みを浮かべる。……先程まで本性を露わにした崩れた表情を見せていた者と同一人物とは思えない程の。
「だが、君のさっきの話からすると……羊よりも、エルフなどの魔法を得意とする種族の方が精気は美味なんだろうとは思うけどね。此所の羊は魔力の有無で選別はしていないから」
「あら、そうなの?残念。じゃあ、味見の時に確認してみようかしら。魔法詠唱者なら、この牧場から救い出してあげる、って言えば簡単に名乗り出るでしょうしね」
紅茶を一気に飲み干してから笑顔でそう言うと、アルベドは立ち上がる。それに倣うように、デミウルゴスも同様にして立ち上がった。
「そうだろうね。羊はとても臆病な生き物だし……見目麗しい君のような女性が優しく囁けば、簡単に堕ちるだろうとも。私はその様を愉しませて貰うとしよう。特別な飼育舎は此方だよ。特に見目も良く、生命力に溢れている若い羊だけを選別してある」
天幕から出たデミウルゴスが指し示す方向には、一般的な飼育舎よりも豪華な造りの飼育舎が見えた。
「……ふふっ。本当に、愉しみね。可愛らしい羊の気配が此所からでも伝わってくるもの」
その本性を露わにして大きな口で笑み崩れた女淫魔に、最上位悪魔は小さく溜息を吐いたのだった。
終
感想返信通り、修正入れました。
コキュートスが蟲王で悪魔だと思ったのですが、ソースが見付けられなかったので……。どこで見たんだろう、この情報。