「お゛ぉお゛ぉおお゛ぉ♡♡」
「ん゛ほぉ゛おぉ゛お♡♡」
響き渡る嬌声。その正体は歪な化け物・・・オークに犯され、快楽に喘ぐ者達の嬌声。因みに男の嬌声である。
どういう状況かって?
雌のオークに人間の男二人が犯されてんだよ。言わせんな、虫唾が走る。俺?俺は天井裏で気配消してジッとしてる。助ける気は無い。嫌だよ、下手して捕まりたくないし。
「げへへっ、やっぱ若い男は元気でいいなぁ。ほら、孕ませてやるからもっと勃たせろ」
「お前ら対魔忍なんて、孕ませ棒になる為だけに生まれて来たんだよ!生意気に逆らって・・・自分の立場を分からせてやるよぉ!」
「いやぁ゛ぁ♡オークなんて孕みたくなぃぃ♡嫌なのにタマタマが赤ちゃんの素作っちゃうにょぉぉ♡♡」
「ほぉ゛お゛ぉ♡♡ご、ごめんなしゃいぃ♡♡恋人居るのにオークマンコに負けちゃう淫乱ちんぽでごめんなしゃいぃぃ♡♡」
野太い声で酷いセリフを揃って吐く汚物共。・・・味方だけど、もう纏めて殺そうかな。本当に嫌だ。なんなの、この世界。俺に厳し過ぎるでしょ。せめて、性別の立場を逆にしてよ。寧ろ、そっちの方が自然じゃん。・・・いや、この世界だとこれが普通なんだろうけどさ。
「い、イグゥゥゥ♡♡オークに種付されちゃうぅぅ♡♡」
「あぁあぁぁ♡♡搾り取られりゅぅぅ♡♡」
あ、揃ってイッたな。そんじゃ、脇差しの切っ先をそちらに向けて天井裏から、水遁で刃を形成して・・・・・・グサッグサッと。
「?・・・・・・ぐはっ?」
「?・・・・・・ごほぉ?」
二体のオークが訳も分からず死んで行った。
ふむ・・・・・・特に動き無し。一応、ガスマスクをして飛び降りるか。
「うっ・・・なんかモワッとしてる・・・」
きっと、マスクを外せば
股間にある粗チンは尿道がぐっぱり開いて、中から白い液体が・・・・・・これ以上はやめよう。
生理的に出来れば、このまま放置したいのだがそうすると怒られかねないし、後味悪いので水遁で綺麗にしてから二人を担ぎ、早急にこの場から撤退する。
今回の任務は偵察。ターゲットが魔の者と関わりが無いかを調べるだけの簡単なお仕事の筈だった。しかし、目の前で行われた悪行に我慢ならなかったこの二人が飛び出して返り討ち。
初体験がオークというなんとも憐れな結末を迎えてしまったのだ。そう言えば、片方は恋人が居るって言ってたな・・・・・・うわ、めっちゃ可哀想。あ、彼女の方がね。
オークまんこでヨガってコイツは死ねばいいと思う。
「おっと、危ね」
廊下を走りながら、空気中の水で光を屈折させて廊下の角を見たら敵さんが歩いていた。隠れ場所が無いので同じ要領で自身の周囲を屈折させて姿を消す。
よくよく見たら見破れるような拙い物だが・・・まぁ、なんとかなるだろ。
「さて、あの対魔忍とやらの牡豚オナロの調子はどうだ?」
「オーク達に夢中で腰を振っておりました。商品としてはもう充分かと」
「ぐふふっ、そうかそうか。ならば、私も少し遊んでみるか」
目の前を荒地の魔女並みに太った不細工でケバいおばさんとゲス顔の女性が歩いて行き、俺には全く気付いていない。
この二人が話しているのは俺が抱えているこの二人の事。それから、『オナロ』ってのは『オナニーロッド』の略で個人的に馴染み深い物で言うと『オナホ』の女性バージョン。
最初、聞いた時はメルヘンな道具かと思った。真逆の代物だった。夢をぶち壊されたね。本当、そんなおぞましい物を作ろうとする奴らなんて死ねばいいのに。
そんな訳で脇に担いでいる片方の男を静かに下ろして、脇差を抜く。そして、彼女らの首元目掛けてその場で横に一閃すると水の刃が飛んで行き、二人の首と胴体は綺麗にバイバイした。
「変態死すべし。慈悲など吐いて捨てろ」
さて、ターゲット殺しちゃったけど証拠も持ってるし、どうせ殺す命令が追々出るだろうから、別にいいや。そんな事よりもまずは脱出からだ。
◇
この世界は感度3000倍で有名な対魔忍の世界だ。俺はその世界に転生した。忍法とかは普通に使えるから良かったよ。身体能力も対魔忍らしいものだ。
だけど、世界の方に問題があった。なんで貞操観念が逆転してんだよ。いいよ、そういうの。誰一人として求めてなんかいないよ。
でもさ、それでも最初はなんとか希望を見出して、頑張ろうとしたよ?それなりに対魔忍として頑張ろうとしたんだよ?
ただでさえエロゲの世界なのに、加えて貞操観念が逆転してんだ。ドスケベな女の子とズッコンバッコン出来ると思ってさ、この仕事もいい物だって思えるような所を探そうと頑張ったよ。
でもね、ある時気が付いたんだ。あれ?玉が無ぇな?って。いや、結構最初の方で気付いてたけどさ、怖くて無視してたんだ。でも男の子の日・・・所謂、女の子の日みたいなものが来てからは受け入れたよ。
なーんで男が女みたいな立場なのか?簡単さ、子供を孕むのが男の方だからだ。孕ませるんじゃない、孕むんだ。
きんたま、あるじゃん?今は無いけどさ。引っ込んでるんだよ、中に。股間には棒だけぶら下がってる感じ。じゃあ、なんで仮拠点の床で気絶してるこの馬鹿共(さっき救出した奴らね)は『タマタマ』とか言ったのか。
赤子の製造過程を説明するとだな。女性で言う所の卵巣とか子宮があるじゃん?あれが男のちんぽの奥の方にあって、そこに女はまんこの中にある細い棒みたいな物・・・卵管を尿道に突っ込んで卵を産み付けるんだ。そして、それに男の体内のキンタマで生成した精子をぶっかける。
女性の身体構造も不思議でな。まんこはあるんだよ。いや、この場合はちんぽが無いと言うべきか?まぁ、兎に角きちんと穴があって、セックスは傍から見たら前世のように男が女に突っ込んでるような状態になる。
だが中身は真逆。女性の前世で言う子宮口辺りから生えてるらしい細い棒状の物である卵管が尿道に侵入して、そのままちんぽの奥に卵を産み付ける。
おぉ、神よ。どうしてそんな頭のおかしい性行為へと進化させてしまったのか。もうそれ、元の世界の男と女でいいじゃん。態々、こんな複雑な作りにする必要無いじゃん。
・・・・・・いや、うん。利点はあるんだ。それは分かってる。
まず一つ目、突っ込み突っ込まれてるから、女は性行為中に男を逃がす確率が減る。まんこで締め付けて更に卵管を脆い尿道へと突っ込むから、男の方は下手に暴れられない。
二つ目は妊娠確率が馬鹿みたいに高い。前世と違って、完全にゼロ距離。きんたまが子種を作ってブチ撒ける部屋に卵を産み付けるから、殆どの子種が卵子の殻を突き破ってほぼ確実に妊娠する。
しかし、男の方は最初はマジで痛いらしい。初体験でオークのなんて突っ込まれたら失神するぐらいに。コイツら?コイツらは薬とかで改造された後だったから、割とすんなり受け入れてたよ。淫乱ちんぽだな。
続いて男の子と女の子の日について。女の子の日はその棒の方のまんこから、機能しなくなった卵子を捨てる日だ。この辺は変わらないが前世と違って、鳥みたいに朝起きたら股間辺りの空間に卵があって終わりだそうだ。
割りと潰れてたりするそうだが、前世みたいにダルいとか痛いとか血が出るとかは全く無くて、男で言う夢精みたいなものだと思う。体験した事が無いから知らん。
続いて男の子の日についてだ。子種を孕む孕まないに関わらず、毎月少なからず精子を生成している。生成してる時は勃起がサインだ。そして、無駄になったそれらを捨てる日となる。
もうね、本当にクソみたいな日になる。腹は滅茶苦茶痛いし、尿だって中々出ないし、ホルモンバランスが悪くなるからなのか、気分も最悪になる。しかも、俺は人一倍子種の量が多いからなのか、期間が一週間も続く。
長過ぎだろ。他の連中は長くても三日、かなり性欲が強いヤツでも五日だぞ?なんだよ、一週間って。確かに
後、なんで道が一本しか無いんだよ。女性だって、尿道と膣の二つあっただろ。絶対にこの辺は設計ミスだって。
さて、説明も今は終わり。現在地は絶対にこうなるだろうな、と予想して近くに用意していた仮拠点のホテル。荷物整理し終わったが未だに眠りコケてる馬鹿共を起こすか。
「・・・・・・おい、いい加減に起きろ」
水遁で頭の上から水をバーッと掛けて、無理矢理起こす。すると、慌てて起きた二人が辺りをキョロキョロと見渡した。
「・・・あ、あれ?・・・ここは・・・」
「俺達・・・何をして・・・」
「おい、起きたんなら早く行くぞ。ボサッとすんな」
記憶が混乱してるみたいだが都合が良い。薬も抜けてるみたいだし、今は思い出させない方がいいだろう。下手すれば精神崩壊する。この世界の男は精神がクソ雑魚だから。
・・・まぁ、忘れているどうこうに関わらず、ちんぼの穴はエラい事になってるがな。
「・・・あ、あぁ・・・・・・って、任務はどうなった!?」
「俺ら・・・アイツらを倒そうとして・・・それで・・・」
「任務は完了。ターゲットも殺した。俺達がやる事はもう何も無い。早く撤退するぞ」
クッソ、コイツら本当に早くしろよな。ここだって、いつ見つかるかなんて分からないんだから。またオークの孕み棒になっても知らんぞ。
記憶が混濁したままの二人を連れ、無事に帰還。報告は俺がするから保健室に行けとコイツらには命令を出しておいた。思い出したりなんなりするのはそっちでやっててくれ。連絡は入れとくからさ。
ん?コイツらが孕み棒になる前に助けなかった理由だと?そんなモノ、確実性を上げる為だ。絶頂した瞬間が一番無防備になるからな。
・・・と言うのもあるのだが、実際は試したい事があったからだ。それは俺の使用する水遁の術を応用した避妊。産み付けられた卵を水で洗い流すというものだ。
一応、アイツらが気絶してる間に出来たと言えば、出来たんだが・・・完璧とは言い難い。何せ、初めての試みだ。女性が中につけるコンドームがあるが、裏世界で使う者なんて居たとしてもプレイの一環くらいだ。基本的にまず産み付けられる。
そうすると後はアフターピルのような薬くらいしかこの世界には後付け出来る避妊具が無く、もしもの時は孕むか流産させるしかない。そんな事態にならないのが一番だがこの世界だと割と当たり前に起こるからな・・・準備しておくのに越した事は無い。
「・・・と、言う訳で殺しました。こちらがその証拠です」
「・・・まぁ、いいでしょう。ご苦労様です。・・・どう?任務には慣れて来た?」
今、目の前に居るのは対魔忍を育成する学校である『五車学園』の校長『井河アサギ』であり、どんな人かを簡単に説明すると生きる伝説みたいな人だ。
質問の意味はそのままで、俺はまだ学生の身だが実力を買われてこうして学業の傍らに簡単な任務を熟すようになった。
簡単だがチームメンバーが正義感の強い脳筋ばかりなのでもう少し大人しい者と組ませて欲しい。それか単独で。
「駄目よ」
と、言ってみれば、この様な一言を返された。
「・・・何故です?」
「・・・それより、仮面を取ったらどうなの?」
「すみません、この仮面の下は酷い火傷を負っておりまして。到底、他人様に見せられる様な物では無いのです」
「・・・不知火にそんな事は一度も聞かされた事は無いのだけど」
「行方不明の後の話ですので」
「・・・前は普通だったでしょ」
「はて、そうでしたっけ?」
「・・・そんなに信用無い?」
「はい」
目に見えて落ち込む校長。この反応の理由は俺の格好にある。対魔忍特有のピッチリスーツの上から、原作で『秋山達郎』が着ていたような身体のラインが分かり難い衣装を着ている。そして、顔にはガスマスク。
これは恥ずかしいとか、そんな女々しい理由では無く、きちんとした理由がある。まず服装について。前世の男の対魔忍は反応する素振りはあんまり無かったが、こっちの女はヤバい。酷い奴で他人様の股間を悪びれる様子も無くガン見してくる。
そう、この世界の女性は前世の男よりも性欲が強く、そして厄介な事に割と正直なのだ。しかも、俺はかなりエロい体型らしく、例えば任務とか訓練中とか女性メンバーの気が散って仕方無い。それで発情して寝込みを襲われたら堪ったモノじゃない。
それから俺自身にも問題がある。中身がこんなだから、この世界の男女関係を知っても普通にエロいなーと思って勃起してしまう。
するとこのピッチリ対魔忍スーツだとそれが丸分かりで、相手からしたら誘ってるように見える。それで襲われ掛けたというのが後を絶たない。
仮面は単に美形だからだ。それだけで襲われる。本当、イケメン羨ましいとか美人に産まれて人生楽だろうなー、とか思ってごめんなさい。俺が間違ってた。やっぱ、人生普通が一番だ。
校長の前で失礼じゃないかって?権力あるからって無遠慮にジロジロと視姦したり、舌舐めずりをする方が悪い。おい、お前だよ井河アサギ。他人様の股間を凝視して来た奴筆頭は。
「それでは自分はこれで」
「・・・えぇ、もういいわ。暫くは任務は無いだろうから、ゆっくりと勉学に励みなさい」
意気消沈した校長を置いて、さっさと退出する。すると少し歩いた所で背後から何かが覆い被さって来た。
「だ〜れだ?」
頭を柔らかい何か・・・まぁ、おっぱいなんでしょうけど。中々の巨乳に包まれ、顔全体を抱き締めるようにして視界を塞がれた。
割と頻繁にやられるこの行動。本来なら普通にセクハラらしく、犯罪だ。因みに捕まるのは女の方。しかし、俺にとっては役得であるし、何がセクハラなのかもよく分からない。
理由としてはこのおっぱいらしい。胸が大きい=卵管も大きいという方程式が成り立ち、前世で言うと相手の後頭部にちんぽ擦り付けてる状態なんだとか。
・・・・・・あれ?これだとちんぽ擦り付けられても許しちゃう俺が何故か変態みたいだな。・・・今度、校長にチクるか。
「・・・校長に密告しますよ、さくら先生」
「またまた〜♡そうやって公言してる時点でそんな気が無いのは分かってるよ。んもぅ、ムッツリさんなんだから♡」
「・・・・・・」
人の親切心に漬け込んで更に強く抱き締めて、胸をスリスリと擦り付けて来る。この変態、無駄に実力だけはあるから腹立たしい。
おい待て。なんか、息遣いが荒くなってるぞ。なに興奮してるんだこの変態は。
「んっ♡・・・ふぅ♡ねぇ、今夜空いてない?先生が特別な課外授業を・・・」
「・・・さくら」
「ッ!!?」
背後から背筋が凍るような低い声が聞こえた。見なくても頭にイメージが浮かぶ。般若顔の校長だ。さっき、水遁で助けを呼んでおいたのだ。
さくら先生はパッと反射的に手を離して降参するように両手を上げる。そして、その隙に俺は退散。
「・・・・・・」
「・・・お、お姉ちゃん・・・あはは・・・・・・ただいま」
「・・・おかえりなさい、さくら。貴女がナンパする程に無事みたいで何よりだわ。そんなに元気があるなら、追加で任務を出しましょうか?」
「え、え〜と・・・い、いや〜薬の効果が切れたみたいで・・・ちょっと苦しいから慰めて貰おうかな〜・・・なんて」
「・・・・・・覚悟は出来てるわね?」
「くっ・・・なら!お姉ちゃんはエロい目で彼を見てないって言うの!?どうせ権力に物を言わせて、好き勝手してるんでしょ!!?」
「・・・・・・」
「さっきだって、彼を呼び出してきっとエロい目で見定めてたに違いないわ!」
「・・・・・・さくら」
「それに今も私と彼がイチャイチャしてるのを見て、おまんこグショグショにしてるんでしょ?!」
「・・・さくら・・・その彼、もう居ないわよ」
「え?でもここに・・・・・・あ、これ幻影だ」
「・・・・・・覚悟は出来てるわね?」
「・・・い、いや〜・・・にゃはは・・・一体なんの事かさっぱり・・・・・・・・・逃げるが勝ち!」
「そんなに甘くないわ」
「んにゃー!鬼畜ババァ!!」
◇
悲鳴が聞こえたので速度を緩めて歩く。あの人、影に入るからこうして逃げてもあんまり意味無いが、校長が捕まえてくれていれば、なんとかなるだろ。実力だけは半端じゃないし。
「・・・・・・まぁ、まだマシか」
廊下を歩いているとすれ違う人達に凝視される。大方、マスクを見て驚いているんだろ。結構前から種類は変えてたりしているが着けていたので慣れられると思ったんだが、そうでも無いらしい。
身近な友人は確かに慣れたがこうして学園全体を見るとまだまだ浸透していないみたいだ。まぁ、性欲を滾らせられるよりはマシだが。
「あ・・・」
向こうから見知った人物と目が合った。名を『秋山達郎』という忍法が使えない対魔忍であり、皆さんご存知の通り、寝盗られキャラだ。この世界ではどうなるか知らん。まだその時期じゃないみたいだし。
因みに俺の名前は『
「しゅうー!」
突然、達郎の背後から彼を追い越して飛び込んで来た弾丸を腰を落としてキャッチ。そのままグルグルと回ってストンと元の方向に向かって降ろす。
身軽そうに着地したのは雷撃の対魔忍として既に名を馳せている『水城ゆきかぜ』という次期エース候補筆頭の凄い子。はい、こちらもご存知の通り、達郎の彼女で将来的にはNTR要員となる不憫な子。
今は彼女の家に居候させてもらってる。関係性を言うと友達以上家族未満みたいなもの。恋人では無い。兄妹の方が近いかな?
恋人はトコトコと歩いて来てる達郎だ。もうこの二人は恋人になってるぞ。
「任務終わった?どうだった?」
「んー・・・まぁ、任務は達成した。二人程、ちょっと病院送りになったけど」
「え、何か怪我でもしたの?」
「いや、精神病院の方」
「・・・・・・?」
首を傾げる純情Y豚ちゃん。うん、君はそのままで・・・・・・だから騙されて娼婦堕ちしたのかな。仮にそうだとしても俺はきっと家族で居るよ。
こんなお面野郎にもなんの偏見も無く近寄る良い奴なんだから。・・・まぁ、家族で居るだけで関わるかは別問題だけど。だって、そのまま性に開放的になったら俺まで襲われ兼ねないし。
「・・・相変わらず、仲良いな」
「・・・おい、俺に対して嫉妬を抱くな。虫唾が走る」
「そうよ、達郎。ただの家族のスキンシップよ」
ジト目で睨んで来る達郎に揃って説得すると何故か更に睨まれた。コイツ、こんなに嫉妬深かったっけ?
「ゆきかぜは僕のモノだ」
そう言って、俺から奪うようにゆきかぜを抱き締める達郎。俺は寝盗る気なんて全く無いし、互いに性的な目で見ていないんだが・・・・・・居候だからか、かなり敵視してくる。
どれだけ言っても分かって貰えないので俺もゆきかぜも説得は形だけで既に諦めているが、それでも面倒ではある。これでも昔は懐かれてたんだがなー。
・・・男に好かれても嬉しくないな。
「分かったから、取り敢えず離してやれ。色々と限界みたいだぞ」
「え?・・・あ、ごめん、ゆきかぜ。苦しかった?」
「ふぇ?・・・ッ!?い、いや!な、なんでもないわ!うん、なんでもない!」
「?・・・どうしたんだ?顔が真っ赤だぞ?」
「だ、大丈夫!ちょっと・・・うん・・・そのぉ・・・」
「??」
・・・何を見せられてるんだろうか。これが男女逆だったら、もう少しはマシだっただろうに・・・・・・あぁ、この世界がどういう物かを突き付けられたようで最悪な気分だ。
廊下を歩く女生徒が凄い目で見てくるし・・・・・・これ、元の世界だと美人幼馴染みに取り合いされてるハーレム状態って事だよな。・・・片方仮面の変人だけどさ。
◇
水無瀬 秋水
親は殉職し、幼いながらも天涯孤独の身となった彼を名門水城家がその能力に目を付けて引き取った。そこで彼はメキメキと実力を伸ばし、水城家のご息女であるゆきかぜ同様、次期エースとして注目される事になる。
しかし、注目されるのはその能力だけでなく、幼くも美しいと感じさせる程に完成された容姿。当時の水城家当主である水城不知火が我を忘れて襲う程の魔性さ。幸い、水城家の執事がこれを阻止する事に成功し、大事には至っていないし、この話は当人達しか知らない。(因みにこの次の日に不知火が行方不明となり、執事が自責の念に駆られているのはまた別のお話)
その実力を買われ、まだ十を超えたばかりでありながらも任務へ赴き、任務成功率は八割程であるものの生還率は百パーセントという実績を残している。しかし、その反面で心に傷を負ったのか、最低でも顔を完全に隠せる程の仮面を装着し始める。
本人は女装の一環で肩まで濡れ羽色の髪を伸ばしているが何処からどう見ても身体がエロいので全く誤魔化せていない。同様に服装もラインが分かり難い服を羽織ってるつもりではあるのだろうが、緩いからこそ隙間から見える対魔忍スーツがエロいと評判。隠れフェチが急増した。
鎖骨の辺りとかもう最高、とはよく彼にセクハラをしているさくら先生の談である。
こうまで対策しているのに何かと無防備な所が目立つのがタチが悪い。例えば、学校の制服だと暑いからと言ってボタンを第二まで開けたり、ちょっとやそっとのスキンシップなら普通に許してくれたりなど、年頃の女子を悶々とさせている。
これといった被害が彼に及ばない理由の一つとして、雷撃の対魔忍水城ゆきかぜの存在が上げられる。
普段から抱き着いたり、胸に顔を
ゆきかぜが、かーなーり学園中のヘイトを集めているお陰で水無瀬に矛先があまり向かないのだ。ゆきかぜ本人もどこ吹く風。
だが在らぬ噂は流れるもの。二人の男を使って毎日楽しんでんだろ、とか噂されているが彼女も彼氏も本当に初心なのでそんな事は無い。水無瀬に至っては忌避している。中学生にもなって恋人とキスすらまだなのだ。それは高校生になってかららしい。
幸いなのが達郎が名門なのに未だに忍法が使えない落ち零れであること。これで優秀で人望も厚い生徒だったら、もう毎日が修羅場になっていた事だろう。
因みに秋山達郎の実の姉である秋山凜子は重度のブラコンであり、勿論ゆきかぜの事も妹のように可愛がっているが裏では物凄い我慢してる。もう色々と。
数少ない友人が恋人の姉とギクシャクするのは面倒なので水無瀬が偶にストレスの発散に付き合ってる。内容は明かせないがその次の日はかなりスッキリとした表情になるのだとか。
また変な噂が立つ事は間違い無いだろう。
人の身体云々に関しては完全に適当です。なんか矛盾点があったり、こっちの方がよさそう、なんて事があれば普通に変更すると思います。
次回は凜子さん回です。