一週間後に一花とデートをすることになった俺は自分磨きに専念することにした。
まず美容院で二ヶ月ぶりに髪を切った。いつもの美容師さんに事情を伝え、俺に合うお洒落な髪形にしてもらった。
その美容師さんの御勧めで、シャンプー、コンディショナー、トリートメントを購入した。転生前からリンスのいらないメリッ〇一筋だったが、これを機にステップアップすることにした。
美容室の帰りに服屋によって、デートに着ていく服を購入した。
俺はファッションセンスがないので、上杉父の勧めでマネキン買いをすることにした。
店員さんに「マネキンはいりません」と言ったら爆笑された。なんで笑われたのかいまだにわからない。
デートの三日前。上杉と一緒に帰ってたら、美少女がおっさんに襲われてたので助けようとしたらナイフで切り付けられた。
右腕に3針縫う怪我を負ったが、美少女は無傷だった。
おっさんは美少女のストーカーだったようで、警察に連行されていった。
デートの二日前。学校の階段を踏み外した美少女に巻き込まれて転げ落ちてしまった。
右肩を脱臼しただけで、幸い大事には至らなかった。
病院には上杉が付き添ってくれた。いつも申し訳ないと思う。
デートの前日。俺はトラブルに巻き込まれないよう学校を休んで、部屋に引きこもっていた。
夕方になり、トラブルもなく一日を終えると思ったら、隣の部屋の女子大生が部屋に駆け込んできた。
彼氏に暴力を受けて怖くなったようだ。
幸い彼氏は喧嘩が弱かったので、無傷で相手をノックアウトできた。
女子大生には彼氏と別れるようアドバイスをした。
そしてデート当日。
「おっはー」
「おはようさん」
待ち合わせ場所に二時間ほど待っていると一花がやって来た。
俺が二時間待ったのは、一花が遅刻したわけではなく、俺が早く来すぎただけだ。
「今日も暑いね」
「そうだな」
一花は水色を基調としたリーフ柄のチュニックに、黒色のショートパンツを穿いて、美脚を惜しげもなくさらしている。
「ありがとうございます」
「なんでお礼言ってるの!?」
やっぱり女の子は生足が一番だ。
一時期は黒のパンストに浮気をしていたが、生足が至高だ。一花が再認識させてくれた。
「青梅くんって面白いよね」
「そうか?」
「うん。それじゃいこっか」
「ああ」
時刻は午前10時。今日は映画鑑賞してから、高校生に人気のお店でランチの予定だ。
「映画は見るの決まってるのか?」
「特に決めてないよ。青梅くんは見たいのある?」
あるけどアニメだから引かれそう。
「特に。面白ければなんでもいいぞ」
「そっか。それじゃ映画館に着いてから決めようか」
「そうだな」
一花は女優だから実写映画の方がいいだろう。
映画館に着いたら、それとなく実写映画を勧めてみよう。
映画館までは徒歩で10分かかる。俺たちは雑談しながら向かった。
「え? あのストーカーを撃退したのって青梅くんだったの?」
「そうだけど。事件のこと知ってたのか?」
「うん。ネットニュースになってたよ」
「そうだったのか」
「相手はナイフ持ってたんでしょ。怖くなかった?」
「うーん……慣れた」
「どういうこと!?」
転生してから一年以上いろんなトラブルに巻き込まれてるので、感覚が麻痺してるのかもしれない。
一花と付き合えたらもう少し落ち着いた生活をしよう。
俺は密かに心に決めた。
一花が選んだ映画は、名探偵コナ〇だった。
彼女が国民的な作品とは言え、アニメを選んだのは意外だ。
毎年映画を見ている俺にとっては有り難かった。
この後にランチを予定しているため、俺たちはポップコーンは購入せず、映画に集中した。
俺は早起きしたせいで、途中で眠りそうになったが、手の甲を抓って、何とか乗り越えた。
ランチは一花が行きつけのハンバーグレストランだった。
俺は大好物のチーズハンバーグを注文したが、あまりの美味しさに、おはだけしそうになってしまう。
「美味しい?」
「美味しい!」
「よかった。青梅くんハンバーグが好きって言ってたから、このお店なら気に入ってくれると思ったんだよねー」
「気に入った。毎日足を運んでもいいくらい」
「あはは、さすがにそれは行きすぎだってー」
「中野さんはどのくらいのペースで来てるんだ?」
「うーん、ひと月に二回くらいかな?」
「けっこう来てるんだな」
「まぁね。よかったらまた二人で来る?」
「……いいのか?」
「もちろん!」
やった。また一花とデートができるぞ。
今回は映画もランチも一花の奢りだけど、次回は俺が奢ろう。
次回も奢ってもらったら、俺がヒモみたいになってしまう。
☆☆☆
「今日は付き合ってくれてありがとう」
「こちらこそ。いろいろ奢ってもらってごめん」
ランチを終えた俺たちは駅前に移動していた。
まだ13時半だが、一花が14時半からバイトがあるとのことで、ここでお別れだ。
「謝らなくていいから。今日はお礼を兼ねてるんだからね」
「そっか。なら謝らない」
「うん!」
「それより電車大丈夫か?」
一花は先週、電車で痴漢に遭っている。
そのおかげで出会えたわけだけど、あの時の一花の悲壮な顔は忘れられない。
「大丈夫だよ。あれから女性専用車両にしか乗ってないからねー」
「ならいいけど」
「ふーん、そんなに私のことが心配?」
にやけ顔で一花がからかってきた。
「心配だけど」
「っ……」
心配に決まってるだろ。いずれ俺の彼女になるんだから。ほかの男に触られてたまるか。
でも原作通りに上杉に惚れちゃったらどうしよう。俺が上杉に勝てるとしたら運動神経と喧嘩くらいしかない……。
「も、もう……青梅くんは心配性だなー……」
「そりゃ中野さんは可愛いから。心配にするに決まってる」
「か、からかわないでよっ!」
顔を真っ赤にしながら肩を殴ってくる一花。
ふだん頑張ってお姉さんをしている一花とは大違いだ。
一花は顔を赤くしたまま去っていった。
大人な一花も可愛いが、子供っぽい一花も可愛い。
「青梅、こんなとこでなにしてんだ?」
余韻に浸ってると上杉が声をかけてきた。
「美少女とデートしてた」
「時間の無駄だな」
「うるさい! お前もいずれ美少女とデートすることになるんだ!」
「それはありえねえよ」
「それがありえるんだな。恋だっていずれするかもよ」
「ぜったいない。あんなの学業から最もかけ離れた愚かな行為だ」
まだ人間強度が強い上杉君だった。
「上杉」
「なんだ?」
「イノシシが直線的に突進するように、目標物に対してがむしゃらに進むこと。 また向こう見ずに猛烈ないきおいで突き進むこと。この四字熟語は?」
「猪突猛進!」
「正解。それじゃ帰るわ」
「またな」
上杉の猪突猛進を聞けて満足した俺は帰路に就く。
帰りは右足が排水溝にはまっただけで、大したトラブルもなく帰宅することができた。
もしかしたら一花は俺をトラブルから回避してくれる女神かもしれない。
夕食後。そんな女神の一花から電話があった。
バイト(撮影)で失敗したようで、俺の声を聴いて元気を貰いたかったらしい。
『ごめんね、こんなくだらないことで電話しちゃって……』
「俺は中野さんと電話ができて嬉しいけど」
『ほんと?』
「本当」
『……それじゃまた電話してもいいかな?』
「もちろん。毎晩してもいいくらい」
家にいてもアニメ、漫画を見るしかやることないからな。
『ありがとう。それじゃ毎晩電話するね』
「あいよ」
『青梅くんって不思議だよね。同い年なのに、たまに年上に見えるときあるし』
精神年齢は18歳だからな。一花より二学年上である。
「俺って大人っぽいから」
『うーん、でも年下に見えるときもあるんだよねー』
「おい」
『だから不思議な人って思えるんだろうね』
くすくす笑い声が電話越しに聞こえる。
どうやら元気は取り戻したようだ。
『あ、もうこんな時間。そろそろ切るねっ』
気づくと二時間以上電話をしていた。
「わかった。おやすみ」
『おやすみ。また明日ね』
「また明日」
それから一花からの電話は宣言通り毎晩来るようになった。
通話時間も徐々に伸びた。二時間から二時間半、三時間と一花と長電話するのが日課になっている。
また俺が風呂やトイレで電話に出ないと、ライ〇で連絡が来るようになった。
『電話に出なかったけど、どうしたの?』
『大丈夫?』
『トラブルに巻き込まれてるの? 心配だよ』
『他の人と電話したりしてる?』
『なんで出てくれないの?』
『早く青梅くんの声が聴きたいよ』
このように電話に出ないと一花が心配するので、俺はトイレや風呂にもスマホを持ち込むようにした。
そのおかげで、一花からの電話に出れない回数は格段と減り、比例してライ〇も減った。
この時の俺は一花が心配性な性格をしているだけだと思っていた。
☆☆☆
「青梅くん、もう帰るの?」
6月下旬。授業が終わり帰宅しようとしたところ、クラスメイトの女子に話しかけられた。
「そうだけど」
「そっか。あ、あのね……」
「なんだ?」
「えっと、この前助けてもらったお礼がしたいんだけど……」
「お礼?」
「うん。駅前でナンパされてるの助けてくれたでしょ」
思い出した。昨日、駅前でたちのわるい男にナンパされてた女の子だ。
「だからお礼がしたくて」
「別にお礼なんてしなくていいぞ」
いちいちお礼されていたら、一週間の半分はお礼だけで予定が埋まってしまう。
「でも……」
俺の答えに納得しない女子。
「それじゃ今度ジュース奢ってくれ」
「それだけでいいの?」
「うん」
何かしらお礼させないとしつこそうだったので、飲み物を奢ってもらうことで納得してもらおう。
「……わかった。よかったら校門まで一緒に帰らない?」
「いいけど」
こうして女子と校門まで下校することになった。外に出ると校門が大勢の生徒で賑わっていた。近くにいた生徒たちの会話を聴いたところ、別の高校の美少女が誰かと待ち合わせしているらしい。
「あ、やっと来た。青梅くーん!」
「中野さん!?」
騒ぎの原因は一花だった。
一花は俺を見つけると、満面の笑みで駆け寄ってくる。
そんな一花の笑みに周りにいる男子たちは見惚れ、女子たちは黄色い声援をあげた。
「なんでここに?」
「会いにきちゃった」
「来ちゃったって……」
来るなら前もって言ってほしい。
一花と会うとは思わなかったので、寝癖のまま学校に来てしまった。
「それより、隣の子だれ?」
一花がクラスメイトの女子を一瞥する。
「クラスメイトだけど」
「ふーん」
「え、えっと……」
一花に見つめられ困惑するクラスメイト。
美少女同士が見つめ合い、目の保養になる。
「私は中野一花。よろしくね」
「あ、はい……」
「それじゃいこっか」
「え?」
「ほらいくよっ」
一花は俺の手を握り、駆けだした。
校門の前で他校の女子にこんなことされたら目立ってしまう。
明日はクラスメイトたちから尋問されるかもしれない。
「ここまで来れば大丈夫かな」
1分ほど走り続けて、ようやく立ち止まった。
ふだん運動をしていないのか、一花の息が乱れて、エロく感じてしまう。
「急にどうしたんだ?」
「青梅くんに会いにきたんだよ」
「来るなら連絡してくれればいいのに」
「青梅くんを驚かせたかったから。びっくりした?」
「そりゃびっくりしたけど」
蠱惑的な笑みを浮かべて、俺の顔を覗き込む一花。
「それと私の制服姿どう?」
一花も学校帰りのようで、お嬢様学校である黒薔薇女子の制服を着ている。
初めて見る一花の制服姿に、俺の瞳は釘付けだった。
「いい!」
「やったっ」
「それよりどこか遊びに行くのか?」
「そのつもりなんだけど、用事あったりする?」
「16時に宅急便が届く予定なんだ」
待ちに待ったハイキューのブルーレイボックスが届くのだ。
両親がクレジットカードを使わせてくれて感謝感激である。
「そうなんだ。……ねえ、今から青梅くんのお家にお邪魔してもいいかな?」
「え……?」
「駄目かな?」
瞳を潤わせ、上目遣いで見つめてくる。
「駄目じゃないです」
「ほんと? ありがとうっ」
美少女の上目遣いは卑怯だ。
こんなの断れるわけないじゃん。
☆☆☆
「ここが青梅くんのお家かー」
生まれて初めて女子を家に上げてしまった。
「けっこう広いね」
「もともと家族3人で住んでたからな」
一軒家で間取りは4LDK。広いのはいいんだけど、掃除するのが大変だ。
「ご両親は海外なんだっけ?」
「そう。オランダに長期出張中」
「それじゃずっと一人ってこと?」
「だな」
広い家に一人暮らしも慣れてしまった。
一人はいい。親の目を気にしなくていいし、何をしても怒られない。
去年の夏に心霊番組を見た後だけ、怖くて上杉に泊まりに来てもらったけど。
「中野さんは兄妹と五人暮らしだっけ?」
「うん」
一花には五つ子であることを告げられている。
もし付き合えたら紹介してくれるだろうか。
もし紹介してくれたら、上杉がスムーズに家庭教師になれるようサポートしてやろう。
「麦茶でいいか?」
「なんでもいいよー」
一花をソファに座らせ、冷蔵庫から麦茶を取り出す。
6月下旬だが25度を超える日が続いており、冷たい飲み物は欠かせない。
俺と一花はリビングで他愛もない話を延々と続け、気づけば18時を過ぎていた。
「もうこんな時間か」
「うそ? いつのまに?」
「夕食どうする?」
「青梅くんはどうするの?」
「今から作るの面倒だから、出前でもとろうかと思ってる。よかったら食べてくか?」
「えー、さすがにそれは悪いよ」
「たまには俺に奢らせてもいいんじゃないか」
「……いいの?」
「もちろん」
「それじゃお言葉に甘えちゃおうかな」
「中華でいい?」
「いいよー」
一花の了承を得た俺はいつもお世話になっているお店に出前を頼んだ。
「20分くらいで届くと思う」
「けっこう早いんだね」
「お店が近いからな」
「そうなんだ。……ねえ、一つ聞いてもいい?」
「なんだ?」
「一緒にいた女の子って……なんでもないんだよね?」
「っ……」
いつもより低いトーンで問う一花。
表情は変わらないのに、威圧感を感じる。
「どうなの?」
「た、ただのクラスメイトだ……」
「ほんと?」
「ああ。ただ……」
「ただ?」
「昨日駅前でナンパされているのを助けた。けどそれだけだ」
「……そっか、そうなんだ」
何だろう。
こんなに可愛いのに、一花が怖いと感じてしまう。
俺は話題を変えるため、勇気を振り絞って切り出した。
「そ、それよりっ……」
「なに?」
「今日は珍しくトラブルに巻き込まれないで帰宅できたんだ」
「あー、青梅くんはトラブルに巻き込まれやすい体質だもんね」
「そうなんだよ! もしかしたら中野さんと一緒だったからかもしれない」
「私と?」
「そう。中野さんと遊んだ日はトラブルに巻き込まれないんだ」
唯一トラブルに遭ったのが初めてのデートの帰りに排水溝に足を突っ込んだくらいだ。
「だから中野さんと一緒にいたら、俺も平和に暮らせるかもな」
冗談交じりに笑う俺。
これで一花がもとに戻ってくれたらいいんだが……。
「……いいよ」
「え……?」
「ずっと一緒にいてあげる」
「中野さん……?」
「一緒にいよう?」
一花はソファから立ち上がり、座布団に座る俺に跨ってきた。
「それってつまり……?」
「私、青梅くんのことが好きだよ。だから付き合おう」
あまりに不意打ちすぎる。
俺は一花の突然の告白に、思考も身体もフリーズしてしまった。
「青梅くんも私のこと好きだよね?」
首を傾げながら俺の顔を覗き込んでくる。
「す、好きです……」
「本当に?」
「本当だ」
転生前からずっと好きだった。
だから転生後もいろんな女の子にフラグを立てても、立てっぱなしにしてきたのだ。
「嬉しいっ」
一花がぎゅっと抱きしめてきた。
「な、中野さん……?」
「一花でいいよ。真咲くんも抱きしめてくれる?」
「あ、はい……」
言われるがまま、一花を抱きしめた。
温かくて、柔らかくて、いい匂いがする。
マシュマロのような、ぬいぐるみのような、何とも言い難い感触に感動する。
「これで私たち恋人同士だね」
「そ、そうだな……」
まさかこんなに早く一花を恋人になれるなんて。
原作開始前で目標を果たしてしまった。
しばらく一花と抱きあってると、テーブルに置いてあるスマホの着信が鳴った。
応答するためスマホを取ろうとしたところ、一花に腕をがしっと掴まれた。
「だめ。今は私だけ見て」
「……わかった」
そうだな。今のは抱きあってるのに、電話に出ようとした俺が悪かったな。
もう少し女の子の気持ちを考えなくてはいけない。
それから10分ほどして出前が届いた。
夕食を食べ終えた俺たちは一緒に食器を洗い、リビングでくつろいだ。
雑談中も一花はスマホを触らせてくれなかった。
どうやら恋人と一緒にいるときにスマホを触るのはマナー違反のようだ。
「もう21時だけど……そろそろ帰るか?」
父親とは別居しているから門限はなさそうだが、あまりに遅いと姉妹たちが心配するだろう。
「ううん、今日は帰らないよ」
「え……?」
「泊まってもいいかな?」
いきなりお泊りイベントが来てしまった。
この流れだと一花とR-18な展開が待っている。
けれど初日から彼女に手を出してもいいのだろうか。
もしかしたら一花は俺を試しているのかもしれない。
初日から手を出す性欲全開の猿野郎か、彼女を大事にする紳士か。
「付き合って初日からお泊りはやめた方がいいんじゃないか?」
俺は理性を働かせ、紳士であることを選んだ。
これで一花も自分は大切にされていると実感してくれるだろう。
「……え? なんで? 私、彼女だよね? なんで泊まっちゃ駄目なの?」
「あ、あれ……? 一花さん……?」
「私が泊まったら困るの? そんなことないよね?」
「あ、ありません……」
おかしい。シュタインズ・ゲートの選択を間違えてしまったようだ。
「だよねー。もう冗談きついよ」
一花って思ったより肉食なんだな。
アニメだとここまで積極的な描写がなかったので、わからなかった。
「それとも私を困らせたかったのかな?」
「そ、そうかも……」
「もう、真咲くんって意地悪だね」
一花は白い歯をこぼし、人差し指で俺の頬にグリグリしてくる。
「あんま意地悪すると、さすがの私でも怒るからね?」
「き、気をつける……」
「うんっ」
「そ、それよりお風呂どうする?」
「真咲くんから入っていいよ」
「いいのか?」
「もちろん。だってここ真咲くんのお家だし」
「そっか」
この日のお風呂はいつもより入念に身体を洗った。
ボディタオルで擦り過ぎて炎症を起こしてしまうほどに。
風呂から上がると一花はバラエティを見ていた。
「一花、風呂空いたからどうぞ」
「うん。それじゃ頂くね」
「タオルは脱衣所に置いてあるから」
「ありがとう」
一花がいなくなったのを確認し、俺は3時間ぶりにスマホを操作した。
風呂に入る前に置いてあった位置と違うようだが気のせいあろう。
先ほどの着信は上杉からだった。
折り返すと、らいはが俺と喋りたかったようで、らいはに変わってもらい、一花がお風呂から上がるまで話し続けた。
「ふぅ、すっきりした」
髪が若干濡れており、色っぽい。
「湯加減大丈夫だったか?」
「うん。……それより―――――――さっき誰と話してたのかな?」
今回もセックスシーンまでいけませんでした!
次回は間違いないです!