※この作品はR-18です。

えっちなダンジョンズ&ドラゴンズもの   作:tbc

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“囁き小人(ウィスパー・ノーム)”はお気楽なノームの原種と反する、陰気な性質を持つ。

 地球の歴史におけるジプシーに近い彼らは、他のノームや種族の住処を間借りし、なにか問題が起きそうになったらその街を離れる放浪者の生活を種族単位で行う。

 法や規律のしがらみからも逃げようとするその性質ゆえに集落から爪弾きにされることもしばしばあり、それに対して彼らは一芸を身につけることで迎え入れてもらったり、あるいは勝手に入り込む技術を身に着けることで問題を解(・)決(・)した。“盗賊(ローグ)”への高い適性もそういう経緯(いきさつ)から得たものだ。

 

 オウレンの母は、その典型的な前者だった。

 フェチズムのある異種族に売春婦として身を売ってはタネ銭を稼ぎ、“巫人(ウーイァン)”の魔術の魔法薬(ポーション)を作って売っ払う。

 稼いだ金貨で魔術を研鑽し、ついに“魅了”の魔術によってノームの豪商をだまくらかし、その愛妾に収まる。

 

 オウレンは母とその商人の間に生まれた。

 両親から美貌と魅力(カリスマ)、魔術の知性を授かった彼女は、何もなければ父を超えた豪商、あるいは偉人になり得たかもしれない。

 

 しかし、ある日 ひょんなことから“魅了”の魔術が解けてしまう。

 与えられた偽りの愛に気づいた父は、怒りと怯えから衝動的に母を私刑にしてしまう。妾を殺したことで父は評判を失い、商家は衰退した。

 母の魔術書を引っ掴み、もはや頼れない家を飛び出したオウレンは母譲りの性技術を活かした放浪の売春婦になった。

 だが かつての母と違い、オウレンは魔法のアイテムの作り方を知らなかったので、いくらタネ銭を稼いでもそれを金貨に換える術がなかった。

 なかなか貯まらない金貨にオウレンは悩んだが、ある時 売春相手の冒険者から魔術を見込まれてパーティに誘われる。

 

 初めての冒険でオウレンはあれだけ苦労した金貨を簡単に手に入れてしまう。

 そして自らが修める魔術の価値の高さに気づいた。そして売春業のあまりの安さにも。

 

 オウレンは売春婦をやめ、冒険者に専念することにした。

 しかし今度は母譲りの美貌が邪魔をする。パーティを募ればやってくるのは腕前は弱いくせに性にがっつく荒くれ者ばかりで、とても安心して前を任せられるような奴らではない。

 仮面とフードで自らの姿を隠し、他の女性冒険者と組んだり、あるいはその影に隠れることを学び、ようやくまともにパーティを組めるようになったのが少し前のこと。

 それから何度かの冒険を繰り返し、出会ったのがリリンだった。

 

 

 リリンに抱いた第一印象は、女の子なのにまるで男の子というもの。

 売春婦をしていた頃、何度か金貨を握りしめてお願いしてきた人間の男の子を抱いたことがあるが、あの子の振る舞いはまさにそれ。

 金貨の代わりに魔法に剣技という手札を握って、私より少し高いだけの背丈で冒険に向かう様は傍から見てとても子供らしかった。

 とはいえ、その実力は共にしたウッドエルフの女(イレニア)も認めた通り、並ならぬもの。

 加えて“治癒”呪文と探知能力に若干の剣技を修めるこの子と、攻撃呪文を得意とする私は冒険において不足する分野を補う相性の良さもあった。

 だからなのか、私は自然とこの子のことが気になり、火山麓の集落ではしばらく行動を共にした。

 そんな中、《炎の爆発》という小技をこの子から教わる過程で、私が母の魔術書から学んだ性技術の一種を知られた。

 顔を赤らめ恥ずかしがるこの子を見て、私はこれまでに抱いたことのない強い興味、好奇心を得て、ついこの子へアプローチを仕掛けてしまった。

 

 行為の終わった後に、はて、何故 私はこんな感情を抱いたのだろうと自問自答する。

 その時は自分でも分からなかったが、後に火山島を出て 大陸の宿であの子の願望―――ぐうたらな生活がしたいとか、小間使いが欲しいとか―――を聞いている最中にようやく気づく。

 リリンはかつての私に似ているのだ。

 実家を飛び出して魔術と性技術で食っている私は、自ら家を出て魔法や小技を駆使し冒険者として食いつなぐこの子の生き方に共感(シンパシー)を感じている。

 理性は別に似ていないだろうと言うのだが、私の本能はあの子が自分の写し身のようだと訴えている。

 だから私はそんな血の繋がらない妹に、何かを刻みたいと思い。ベッドの上でよがるこの子を見て彼女の初めてをいただくことを思いつき、男性器(ディルドー)を用意したのだが、よく分からない拘りから全力で拒絶された。

 オークとの戦いのあった後日、あの子は逆に自分で偽物のペニスを用意してきたが、数日前のこともあって私は気分が乗らず、その日は断った。

 そうしたら翌日、あの子から知らない女の香りが漂ってて……私は怒りにかられ、リリンを押し倒していた。

 

 

===

 

 

「オウレ……んっ!」

 

 飛びかかられ、言葉を出す暇を許さないほどの力強い口づけを受ける。

 私の中身を吸い出すような吸引は、ムード、雰囲気を全く無視したいつもの彼女らしくない乱暴な前戯。

 だが、元来 彼女は人間の私より力も体格も劣るノーム。

 のしかかる彼女を持ち上げ、体を捻って半回転、逆に彼女を下に私が覆いかぶさる形で押さえ込む。

 重力と遠心力を受けたオウレンの唇が私の顔から離れ、ようやく言葉を放てるようになった。

 

「……こんなこと訊くのも何ですけど、オウレンは私のこと、どう思ってるんですか」

 

 私は彼女とウィンウィンの関係でいるつもりでいた。

 冒険者として協力し合うのは大前提。ベッドの上で付き合ってもらう代わりに、《炎の爆発》のような幾つかの特技、呪文、最近は上級クラスを教えたり。

 向こうも情を持たないわけではないが、大きな不利益があれば向こうはきっと私を見限るだろう。

“囁き小人(ウィスパー・ノーム)”がそういう種族だと私は知っていたから、そのようなビジネスライクを前提に付き合っていた。

 

「好き。大好き。他の誰にも渡したくない」

 

 だというのに今のオウレンはどういうことか。

 己が鈍感系主人公のつもりはないが、彼女はこれほど私に好意的だとは思えない。

 むしろ呪文かなにかの影響を受けているんじゃないだろうな、と私は彼女の瞳を覗き見る。精神に魔法の影響を受けていれば、それは目に出るからだ。

 だがパッと見、そのような影響を受けている様子はない。

 今が不自然極まりないのは間違いないが……。

 

「うわっ」

 

 押し倒した体勢のまま逡巡する私が油断したところに、仰向けのまま再びガバッと抱きつくオウレン。

 背中に回った彼女の片手はそのまま私の腰に降りて……そこに以前にはなかった存在に気づき、手が止まる。

 そう、今の私には女性器の上、淫核とくっつけた位置に魔法の男性器(ペニス)がついている。おかげで以前と同じように愛撫されることは出来ない。

 

「おちんちん……」

 

 遅れてそれに気づいたオウレンは、顔を赤らめて何故か恥ずかしそうに言う。

 今まで性に熟練した様子を見せたのに、今更赤面する理由も無いはずなのだが。

 それはともかく、止まった今が会話に戻るチャンスだ。

 私は押し倒した姿勢から彼女の上に横向きで腰をかけ、座るような体勢を取る。手と上半身を押さえた今ならキスも愛撫も封じた状態だ。

 ジタバタと動かれる前に、私は彼女に問いかける。

 

「オウレン。私もあなたのことは好きです。でも、それはあくまで『好ましい』程度の気持ちだと思ってました。

 あなただって、馴れ初めの頃は『しばらくよろしく』と言ったじゃないですか。だからいつかは別れる関―――」

「訂正する。私は、リリンとずっと一緒にいたい」

「―――係だ、と……なんだって?」

 

 かつての彼女の言葉を思い出しつつ、それを理由に真意を問う私だったが、あまりにもあっさりと答えを返され、聞き返してしまう有様。

 

「気が変わった。私はリリンのことが好きになった。

 子どもは作れないけど、共にいたいと思っている」

「ぬ、ぬう、でも……」

 

 いとも簡単に過去の前言を撤回され、もしや誂(からか)われてるのではないかと疑い深くなる私。

 いや思い直せ、今の私は童貞ではないのだ。ならばここは怯えず男の度胸、甲斐性を見せてみろ。

 

「んんっ。オウレン、ありがとう。

 私にも叶えたい夢があるけど、今はあなただけを精一杯愛し返しましょう」

 

 告白に愛を伝える言葉で返すと、オウレンは私の腰をギュッと抱いてくる。

 合意を得た私は、なんとも言いがたい喜びが赴くままに体を横に倒し、今度は私から口づけをする。

 

 ほんのり残る花の香りが、彼女の香りでかき消されるまでずっとキスは続けられた。

 

---

 

 突然の告白を経て、私とオウレンの付き合いは本気のものになった。

 結局 何がどうしてその気になったか、オウレンは語らないものの、ともかく夜の付き合いは必要やお遊びでなく、愛を伴うようになる。

 勿論、変わったのは気持ちだけじゃない。

 

「んあああっ!」

 

 前準備は万全で、濡れたひだひだに肉棒を突っ込まれ、喘ぎ声を上げる雌の声。

 大きめの肉棒を突っ込まれた膣がぶちぶちと押し広げ、軽く血を流す。

 

「ふ、ふう……ふっ」

 

 対する肉棒の持ち主も、慣れぬ快楽に軽く喘ぎ声を上げる。

 しかし快楽に対する経験値は伊達じゃない。“男”はすぐに気を取り直して腰を動かし、雌に挿入の快楽を与える。

 

「はっ、はっ、はっ」

「ふん、ふん!」

 

 抜いては突き出し、引いては入れる男性器が女の弱点を貫く。

 愛する“男”のものを受け入れた悦(よろこ)びの感情と、ごく単純な生理現象が雌をより高揚させる。

 

「あ、いい、いく、イクゥゥッ!」

「だ……出すっ」

 

 熱した雌は簡単に絶頂に達した。それに合わせて、“男”も精を放出する。

 絶頂のさなかにドク、ドクと膣内に放出される精を感じ取り、雌は今まで敬遠していた本当の女になったことに満足感を覚えた。

 

「オウレン、私は気持ち良いですか?」

「絶頂の昂りは凄い。けど、気持ちよさは本来(女)のものが好き」

 

 女が問うと、“男”は物足りなそうに感想を語る。

 いや、厳密には女こそ元男(リリン)で、“男”役は魔法の男性器を借りたオウレンだったのだが。

 

「じゃあ、今度こそ私があなたを女にしましょう」

 

 オウレンの告白を受けた私は、もう女の快楽を与えられることに嫌悪感、恐怖を持っていない。

 憂いていた童貞を捨てる目標を達したこともある。ならば己が女のアソコに肉棒をぶち込まれ、この体がもたらす快感を存分に味わうことに遠慮はない。

 とはいえ体は女でも心は男、野郎と突(・)き合うのは未だにゴメンであるが、相手が女性、オウレンであるならば男心に文句はない。

 偽物の(フォールス)ペニスを交代で用いて、一方が男役、もう一方が雌になってベッドの上で互いに挿入し合った。

 

 行為の後に互いの体液に塗れた男性器は淫らな匂いが染み付いており、複数の女性を貫いた背徳的な道具になったのがまた私の嗜好(フェチ)に触れ、興奮を唆る。

 彼女と初めての夜は、これまでの全ての夜を置き去りにするほど激しい交わりとなった。

 

 

 

「先せ……うわ、臭っ」

 

 翌日、パラディン様から知らせを告げに私の寝室へ来た坊主たちは“匂い除き(リムーヴ・セント)”呪文ですら消しきれなかった昨晩の体臭を嗅いでしまい、私たちの関係を察することになる。

 一応 体面を保つつもりだった私はあちゃーと顔に手を当て後悔したが、オウレンはむしろ関係を知らしめたことに満足げな顔を浮かべていたという。

 





・人間はエルフやオークなど、割と沢山の人型生物とハーフを作ることが出来る。
 ノームとドワーフは遠い親戚であるが、間の子を産むことはない。人間とも子作りできないが、ある別世界ではハーフドワーフがいるのでその限りではない。
 ドラゴン、天族(セレスチャル)、魔族(フィーンド)は他の大半の生物と子どもを作れる。
 特に、父親から火や酸への耐性を継承したハーフのトロルやヒドラは高レベル冒険者の間でも悪名名高(なだか)い。
・魔法薬。ポーション、またはオイルと呼ぶ。ごく低レベルの呪文の効果を液体に留めた魔法のアイテム。
 魔法のスクロールと違って、誰にでも使える利点、人や物体を直接対象にした呪文しか留めることが出来ない欠点がある。あとスクロールのほうが安い。
 人を対象にした飲むものがポーションで、物体を対象に塗布するものがオイルとなる。
 一般に飲むことで使用するポーションが広まっているが、聖餅(パン)やルーンなど使用法が異なる形状が伝えられている地域も存在する。

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