※この作品はR-18です。

えっちなダンジョンズ&ドラゴンズもの   作:tbc

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『やはり小人が隠れていたなぁ! 足の数はごまかせんぞ!』

 

“バーニングブレード”が巨人の断面をジュアアアと焦がす音が鳴る。しかし奴は痛みに怯む様子はなく、切断され皮一枚繋がっただけの腕はまるで切り離された光景が逆再生するように元通りにくっついてしまった。

 それもそのはず、モンスターでも名高いトロルの強靭な再生力は、頭を寸切りにされようが息を吹き返す。腕を失っても断面を当てれば繋がるし、そうでなくとも数分かければたちまち生えてくるほどの回復力である。

 その再生力を押し留めてダメージを与えられるのがただ二つ、火と酸だが……“バーニングブレード”の熱刃はどうも腕の再生を押し止められている様子がない。

 

「“元素抵抗(レジスト・エナジー)”をかけていますか。

 予想通り、しかしエンゴングの言う通り、不死身の狩人(レンジャー)とは厄介だ」

 

 

 この地のトロルは長くアンデッドと小競り合いをする上で、技術、武術を身に着けていることが多い。

 特に本来生物に不利な雪原の地形を活かすため、主に狩人(レンジャー)の能力を伸ばして隠密、追跡、生存能力を伸ばしているだろうと。

 当然、魔法の助けがあろうと雪の上を歩いて足跡を残してきた私たちは直に発見され、奇襲を仕掛けてくるだろう。

 エンゴングは道中でそう語った。そして実際に今夜、エンゴングを一人囮にし、子どもたちは“ロープの奇術(・トリック)”異空間に隠し、私は離れた場所に隠れて伺っていたところ、きっちりトロルの狩人の一団が襲撃してきたというわけだ。

 

『だが俺の前に姿を現したのはバカだな! そのままネズミのように隠れていれば、この血塗れの刃に手にかかって死ぬことはなかったものを!』

 

 助言を受けて逆に不意を打ったはいいものの、どうもレンジャー呪文、“元素抵抗”で火に耐性を得ているのか“バーニング・ブレード”程度の熱力で有効打を与えられた様子はない。与えた傷も直に回復するだろう。

 ならば酸といいたいが生憎酸の備えはない。削り合いに負ける気はしないが、回復力を活かして逃げや奇策に出る隙を強引に作り出せるのは厄介だ。

 

『俺の猛撃を受けろ!』

「……二刀流スタイルの方だったか」

 

 トロル・レンジャーは片手に戦斧(バトルアックス)を、逆手は己が爪を構え、大きく腕を広げ、引き裂くような横薙ぎの連撃を繰り出してきた。

 変則的な二刀流の技だ。まさしく獣のように鋭い一撃を何度も何度も繰り出す、最高峰の瞬間攻撃力を誇る刃の雨のような四連撃。

 しかしながらその連撃のどれも掠ることすら許されない。あるものは身のこなしで、あるものは見えない呪文の“盾(シールド)”で、または“祈祷(リサイテイション)”の加護が攻撃を押し留めたりと鎧にも当てさせずに躱しきった。

 

『おのれ、ちょこまかと! なんてすばしこい奴だ』

(逃げ切るのは容易い。だけど相手が付き合ってくれるとは思えないし、逃さないのは大変だな……よし)

 

 私はトロル・レンジャーの前で詠唱を始める。

 少しばかり詠唱に時間のかかる呪文で、その間隙だらけな私からトロルはやり放題逃げ放題であるが、自慢の連撃を当てることへ躍起になったトロルは引き続き攻撃の選択肢を取る。

 そうそうラッキーヒット(クリティカル)が起こることもなく、呪文を完成させた私は少し離れて私たちを取り囲むように砂の壁を盛り上げた。“砂の壁(ウォール・オヴ・サンド)”の呪文だ。

 

『何のつもりだ? 自ら袋のネズミになるとは』

「……馬鹿にできるのは今のうちだけだ」

 

 巨人語を知らない私は相手の言ってることを分からないが、馬鹿にしたような口調だけは分かる。

 だがわざわざ壁を遠巻きに張ったのは咄嗟に逃さないためのもの。本命は次の呪文にある。

 

『なっ、飛ん……! 逃がすかぁ!』

 

 私は最初からかかりっぱなしの“飛行(フライ)”呪文で上空に飛び上がり、己だけ砂の壁を超える。

 逃さないと追撃するトロルの一撃を軽く躱し、砂の壁に目をやったトロルが逃げるより先に呪文を唱える。

 先の呪文と違って、こちらの呪文は一瞬で発動が完成するもの。“砂の壁”と違い、目に見えて危険性が明らかなので順番は大事だったのだ。

 

『これは……しまった、壁が、逃げられ……! ぐおおおお!』

 

 トロルの足元が、奴を囲むようにグツグツと煮え立つ。“元素抵抗”を得ていて熱に強くなったトロルでもそれ以上のやばい熱気を感じ取ったか、咄嗟にその範囲から逃れようとするが、それを阻むのが更に外周を覆った“砂の壁”。

 煮え立つ足元から逃れようとしたトロルは砂の壁に突き刺さり、突破できずに止まる。砂の壁はトロルの巨体でもそう簡単に抜けられないぶ厚さがあるのだ。

 

 そうして砂の壁の内側、煮え立つ足元の範囲から逃げ出せなかったトロルはまもなく湧き上がる溶岩に半身を埋められる。

“溶岩の壁(ウォール・オヴ・マグマ)”、かつて巻物から使った呪文は《炎の爆発》のエネルギー源になるからと学習し、自力で唱えられるようになった呪文である。

 

 火への抵抗を受けているとはいえ、本職の術者でない呪文のパワーでは溶岩の熱量を遮断しきることはできない。

 抵抗の上からじわじわと皮膚を焼き焦がす溶岩から逃れるべくトロルは砂の壁を突破しようとするが、私がそれを黙って見ている理由もない。

 

「“油(グリース)”、そしてもういっちょ“溶岩の壁(ウォール・オヴ・マグマ)”。……さあ、これから逃げきれますかね?」

 

 壁の合間から逃れようとするトロルの足元に不燃油(グリース)を撒き、より逃れにくくしたところへ更に追い打ちの溶岩の壁を張る。

 トロルは熱に苦悶の表情を浮かべ、油に滑るまいとなんとか抜け出そうと砂の壁をかき分けて向こうへ腕を突き出したところで……その腕がジュウウと焼ける。“砂の壁”の向こうに二枚目の“溶岩の壁”を張っておいたのだ。

 

『お、お前! くそ、こんな卑怯な戦いを……グオオオオ!』

 

 逃がれようとしたら更に向こう側にも溶岩の壁があると思わなかったか、トロルは怯み、一歩下がり、そして油に足を転ばせ、また逆の溶岩に上半身を突っ込ませる。

“元素抵抗”の上から何度も何度も炙られたトロルの皮膚が耐えきれず血管を漏出し、その肉も溶岩を浴びて血が蒸発していく。

 それでも起き上がり、砂と溶岩の壁の向こうへ逃れようとするトロルだが、その耐久力を裏付ける再生力が封じられては生命力にも限度があり……ついにトロルは半身を溶岩の壁に囚われたまま焼き切られ、左半身と右半身を二分しバランスを崩してしまう。

 体の半分を失ってもまだ生きているトロルの生命力は非常に恐ろしいものだが、火傷を回復することはない。

 半身を失って、歩行すらままならずトロルはそのまま溶岩が発する熱にじわじわと炙られ、そしてついに完全な黒焦げになる。“元素抵抗”の熱への守りは、生物(クリーチャー)でなくなったトロルの死体を守ることなくそのまま丸焼きにすることだろう。

 

 トロルのレンジャーが歩けなくなった時点でこちらは片付いたと判断した私は、四体のトロルを相手取っていたエンゴングの方を見る。

 再生力への確かな有効打を持たず、ましてや防御力に長けた技術を持たないバーバリアンたる彼女ではトロルの相手は厳しかろう。

 むしろトロルの集中攻撃を受けてもう死んでいるのではないか、そう思っていた私だったが……

 

「……何してるのあの子たちは!」

 

 そこには小盾(ライト・シールド)を構え、懸命にトロル二体の気を引き戦っている子どもたち三人の姿があった。

 エンゴングは血みどろになって二体目のトロルを相手にしている。一体は昏倒させているが、火傷のダメージでない以上すぐに目を覚ますだろう。

 慌てて子どもたちに殴りかかるトロル二体の背後から“豪火(フレイム・ストライク)”を叩き込み、レイピアで追撃を加えて昏倒させ、取って返してエンゴングが相手するトロルを挟撃し、《炎の爆発》でそれぞれを焼き切って完全に仕留める。

 こちらはレンジャーの訓練を経てないただのトロルだったこともあり、凝った手段を取らずとも切り刻むだけで始末はつけられる。

 

「異空間に隠れておけと、言ったでしょう。複数体のトロル相手はベテランの冒険者でも手間取るというのに」

「でも、エンゴングの姉さんが危なかったんだ」

「一体でも気を引けばなんとかなると思って」

「師匠に守りの魔法や、“煌めきの粉(グリッター・ダスト)”も貰ってましたし……。それに、トロルを相手してみろって師匠も言ってたじゃありませんか」

「正面から殴り合えとまでは言ってない。……まあ、私の不準備でもありました。あそこまで手のかかるトロルの戦士がいるとは」

 

 本来は子どもたちに“煌めきの粉”、目潰し呪文を宿した小棒(ワンド)で視界を奪ったところに射程外から錬金術師の火(火炎ビン)や油で体力を削らせるつもりだった。

 レベルの低い彼らでは、トロルの攻撃1、2発を受けただけで死にかねないことから絶対に近接戦でやり合うなと厳命したのだが、エンゴングが数的不利に陥った姿を見た彼らはその言いつけを破り、“煌めきの粉”や錬金術師の火を投げつけてトロルを横から妨害したようだ。

 だがそれで目論見通りトロル二体が彼らの方に向かってしまい、近接戦になってしまっうのは駄目だ。死ぬところだったではないか。

 

「それでも、あなたたちが割って入る心配はありませんでした。私が駆けつけるまで、彼女は十分に時間稼ぎができたはずです」

「そうねー、魔法の守りがあったから……見た目ほどの手傷はー、負っていないわ」

 

 囮となったエンゴングには、あらかじめ“石の皮膚(ストーン・スキン)”の呪文をかけてあった。

 金のかかる触媒と引き換えに、文字通り石のように硬い皮膚を得る呪文で……いくらか貫通したダメージこそあれど、四体のトロルにタコ殴りにされて血みどろになった見た目ほどダメージは受けていない。二日も寝れば全快し、治癒呪文なら一発で治る程度の傷だ。

 それにエンゴングはバーバリアンであるが、盾を片手に構える堅実な盾戦士スタイル。決して削り合いに負ける戦士ではないし、再生を加味しても私が応援に駆けつけるまでの時間は余裕で稼げたはずなのだ。

 だから彼らが悪い、と思っていた矢先に私を咎める声。

 

「だけど、この子たちは子どもで未熟。

 気づかなーいことがあればそれを教えてあげーるのが、あなたの役割でしょー、先生。しっかりしなさいな」

「……それもそうか。そうですね……」

 

 仮にも師匠ないし先生を名乗ったのだから、導き、教えるのは私の役目であると、エンゴングは言う。

 レベルが上がり、使える呪文の知識が増えようとも、数値は増えても人の中身は変わらない。

『知力』が上がるだけで本当に賢くなるのなら、とうの昔に私は大魔術師に匹敵する知性で己が転生した理由や様々な疑問について、自力で答えを出していることだろう。

 強くなると賢くなるは別である、そう自分が思い知っていることを他人にも適用しないのはただの馬鹿だ。

 

「うん。先生も間違えることはあります。次はちゃんと言葉で教えてあげましょう。

 あなたたちも自分のことを大切にして。間違いは、生きてさえいれば正せますから」

「はい、先生」「はい、師匠」

 

 反省し、素直に子どもたちに謝る。先生の威厳もへったくれもないが、まあ見た目の年齢からして今更だ。

 それでも彼らが私を先生と慕うのは、魔法で叶えたい夢や目標があるからこそ。

 決して夢を叶えてあげるとは断言できないが、その期待には応えてやりたいというのが私の矜持だ。

 だって将来は、かわいい子どもたちにモテたいんだもの。

 

---

 

 トロルたちは大した財宝を持ち歩いていなかった。レンジャーだけは魔法で鍛えられた装備を持っていたので最低限の収入にはなったが、彼らの強さに対する相応の財宝とはとても言えない。

 なので翌日、奴らの巣穴を探すべくエンゴングが彼らの足跡を逆に辿っていった。若干の新雪が足跡を覆い隠していたものの、大きなトロルの足跡を追いかけることは難しくなく、山肌の崖に開いた横穴にトロルの巣穴を発見することができた。

 中には数体のトロルが残っていたが、逃げにくい閉所ということもあり弟子たちは援護に徹させて、私たちが前衛となり正面から殴り倒し、後で焼き払う。

 

 トロルは知性は低いが貴金属が取引に使える程度の知識は持っていることもあり、無造作に銅銀金貨を蓄えていた。

 小額の銅貨銀貨でも積み重なれば金貨に化ける。弟子たちは喜んで背負い袋に貨幣を詰める一方で、私はトロルの住処に転がっていた魔法のアイテムを物色していた。

 殆どが安物のポーション等であるし、そこらへんに山積みの貨幣やトロルの魔法の装備の方がよっぽど高いだろう。

 だが貨幣も装備もいかんせん金属だけに重い。そこで力のあるエンゴングにトロルの装備を渡し、子どもたちは人数任せで自力でかき集めた貨幣を、そして私はこの魔法の粗品類と分配することに。

 

『ぐっふっふ、山積みの袋を背負う二足ネズミどもめ。一体何を持って逃げ帰ろうというのだね』

 

 帰り道、コインの山で子どもたちの足が重くなったところに氷巨人(フロスト・ジャイアント)(生きている)が粉雪の向こうから現れ、こちらを見るや襲ってきたりしたが。

 ラッキーヒット抜きに私にダメージを通す攻撃力だけは脅威なものの、再生力もなく火を弱点とし、圧倒的な暴力を振るうわけでもなくまた巨体ゆえに魔法攻撃を避けることも苦手と、こういう輩こそ最も私が与し易いタイプである。

 それがよりにもよって一人で襲いかかってきたため、こちらが二太刀ほど受ける合間に半殺しにしてやると氷巨人は大斧(グレートアックス)を投げ捨てて降伏を申し出た。

 

「勘弁してくれ! ネズミと嘲ったのは悪かった、許してほしい!」

「投降しますか……。

 いいでしょう、この斧と、その石袋だけは取り上げます」

 

 投降を受けてやる義理はないが、かといって殺して取り上げるほどの財産もないように見える。

“魔法感知(ディテクト・マジック)”に引っかかる魔法のオーラもなく、特に価値のありそうな非魔法アイテムを持っている様子もない。

 私の背丈の数倍はある大斧も重量比では安物となり、同じだけの銅貨よりは高いが銀貨より安い。

 既にかなりの重荷を運ぶ私たちが無理に取り上げるほどの相手でもない。殺さなければ経験点(XP)が手に入らないわけでもなし。

 

 粗雑な大斧の柄を切断し、石袋の口紐を切って簡単な武装解除を行う。これで戦闘力が完全に奪われたわけではないが、もはや不意を打っただけで勝てる状況ではない。

 解放された氷巨人は恨みがましい目を向けるが、何やら悪態を吐くだけで去っていく。

 

「いーの? あれ、反省しそーにないわよ」

「殺したところで、利益があるわけでもありませんでしたから。

 お仲間を連れて追ってくるなら、その時こそ実入りが増えるかもしれませんし……どうせこの粉雪です、追ってくるのも大変でしょう」

 

 エンゴングに言った通り、巨人が仲間と合流するまでにかかる時間でこの天気が私たちの足跡を覆い隠してくれる。

 仮に巨人にもトロルのように優れたレンジャーがいたとしても、魔法を感知する術がないために私たちが休むロープの異空間を発見し、呪文で解呪することは出来ず、不意を打たれる心配はない。

 奇襲さえなければ、翌日に念を入れて足跡を隠す呪文を唱えるだけで済む話でもあるし、実際その後に再び氷巨人と出会うことはなかった。

 

「おめでとー。最後まーで、気を抜いちゃーだめよぉ」

 

 行きに二日、帰りに三日。未開の地における冒険としては短い期間で無事、私たちは聖都へ帰りつく。

 遠目に見える聖都の消えない灯火に気づき、貨幣の詰まった背負い袋を振って喜ぶ子どもたち。

 実際、その貨幣の大半は彼らの新しい装備に消えなければならないのだが……初の冒険は喜びのまま終えるべきだ。

 私とエンゴングは急ぎ足で都へ走る子どもたちの後ろをついていく。

 トロルとの交戦に混ざったことは、彼らにかなりの経験になった。

 レベルも上がり、かつてサフアグンとぎりぎりのタイマンを張った時よりの私よりマシではあるが、未だチグハグな才能はとてもまだ戦えるとは言えない。

 揃って後衛であるため、三人でパーティを組んでもアンバランス極まりないのは前々から言っている通り。

 エンゴングも戦闘では頼れるバーバリアンだが、己に降りかかる危険に対しては敏い一方でそれ以外の味方にかかる危険には鈍い。

 最も必要なのは技能役だが、筆頭たる「ローグ」は要するにならず者……冒険者の中でも黒よりのグレーである人種に子どもたちを託すのは心配である。

 だが今回の冒険で一つ名案が浮かんだ。別に知覚に長けた職業はならず者(ローグ)ばかりではない。

 

「別にダンジョンを潜るのでなければ、罠を見つけられずとも良いのですよね」

 

 どの街にも一人はいる「狩人(レンジャー)」……街へ獣肉や皮を持ち帰る彼らは当然獣を探す目と耳に優れている。

 戦闘力は疑問だが、利益は薄くとも安全に経験を稼ぐことができる。

 どう売り込むかは考えものだが、子どもたちを預けて荷が軽く出来ると思うと私もまた足早に帰りを急ぐのだった。

 




 リリン 人間の女性、ゲシュタルト・アーキヴィスト8Lvメタフィジカル・スペルシェイパー1Lv/ファクトタム3Lvソードセイジ3Lvカメレオン3Lv
 エンゴング ハーフオークの女性、ファイター1Lvバーバリアン5Lv
 子どもA(男の子) 人間のヒューマンパラゴン2Lvタントリスト1Lv
 子どもB(男の子) 人間のヒューマンパラゴン2Lvイマージスト1Lv
 子どもC(女の子) 人間のヒューマンパラゴン2Lvタントリスト1Lv

・“魔法感知(ディテクト・マジック)”。目には見えない魔法のオーラを発する呪文やアイテム、あるいは呪文が使われた痕跡の残留を知覚する。
 不可視の力場の壁のような効果や範囲そのものを直接視認できるわけではないが、精神を操られている誰かにかけられた心術効果や、透明化しているものの居場所に幻術オーラが浮かび上がったり、力術や死霊術による危険な魔法の罠がありそうな位置を特定するなど、この知覚能力は危険を回避するのに大いに役立つ。

・“魔法解呪(ディスペル・マジック)”。効果を発揮し続けている魔法やアイテムの力を「終了」させたり、抑制する「対魔法」呪文。
 効果は書いた通り、範囲内にかかっている持続中の魔法を大雑把に、あるいは特定の魔法一つの効果を終了させるが、効果時間を持たない魔法のアイテムなどは一時的に抑制されるだけとなる。
 また多くのダメージを与えるだけの、効果を発揮し終えた攻撃呪文には効果がなく、また呪いや、同じく魔法に対する効果を持つ一部の呪文もこの呪文では解呪することができない。
 高レベルになるほど、レベル相応のクリーチャーが何かしらの呪文発動能力や魔法のアイテムによる効果を受けていることが珍しくないため、戦闘の「挨拶」代わりに解呪が飛び交うことも珍しくないという。

・野伏(レンジャー)。獣や特定の種族を狩ることに長けた軽戦士クラス。“得意な敵”に対して高い攻撃力を持ち、足跡を追跡することに熟練する。
 かつて存在した双剣を振るうカッコいい戦士に因んだ、弓の高速連射または二刀流を操るスタイルのどちらかを修める攻撃回数に特化した戦士なのだが、得意な敵以外には平凡な命中・攻撃力しかなく、特に防御能力も持たないことから全体的なスペックの低さが目につく。
 しかし斥候(スカウト)と複合(マルチ)クラスした《素早き伏兵》は高い機動力によって攻防を補い、更に罠発見能力も持つことから途端に優れた冒険者の技能役となる。
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