「ねぇねぇ、聞いてよ。新一ったら」
蘭の愚痴。そもそもの原因は僕だった。新一を蘭の元へポイしたのだが、ラッキースケベなことに、蘭の着替えている女子更衣室に強制転移したらしい。
「アイツったら、堂々と着替えを見ていたのよ!」
蘭はプンプンしている。
「でも、新一と結婚したら、毎日見られるんだし、今から慣れておけよ」
「それはそうなんだけど…」
何故に、のの字を人差し指で書いている蘭。
「ねぇ、シュウじゃダメかな?」
ダメ?何がだろうか?
「更衣室を覗くのか?」
「そうじゃないよ~。結婚…相手…」
真っ赤な顔で僕の胸に埋めてきた。僕の主砲はとっくに蘭の体内に確保されている。
「新一?僕はそっちの趣味はないよ」
「そうじゃなくてね…私の相手…」
バケモノ相手に結婚出来無いと蘭が言ったはずだけど…
「人間辞める?」
「そこが問題だよね…」
大問題だと思う。
「僕は蘭だけで満足出来無いよ」
初めての結婚の時点で、一夫多妻的な結婚式だった僕。
「それは問題にならない。人間の尺度とシュウの尺度は違うし」
一夫多妻でも桶らしい蘭。
「もう少し悩んでみるわ」
そういう結論が出てから、こういう営みってするんじゃ…今日も懲りずに、蘭とラブホ延長時間突入…
◇
悩める女子高生である蘭を家まで送り、とある人物に夜襲を仕掛けてみる。ターゲットが夜道を一人で歩いて来たので、『エアーバレット』で急所への狙撃をしてみた。
「えっ!」
蹲りながらも、剣タイプのCADを手にして、臨戦態勢を取ったエリカ。そんなエリカに木刀を片手で襲い掛かった。CADで応戦してきたが、『雷斬』で、CADの内部配線ショートさせ、『居合』で、着ている物を総て斬り刻んだ。
「なに?」
夜道で全裸にされ、四つん這いになったエリカへ追撃をしていく。エアーバレットで後ろの穴を狙撃していく。何故そこをって、そこならキズが出来ても、他人に見せられないからだ。
「いやっ!やめてぇぇぇぇ~!」
叫ぶエリカのお腹を蹴り抜く。その反動で、植え込みに背中から落ちていく。その結果、植え込みの樹木の枝で四肢の自由を奪われたエリカ。
「手合わせしに来てやったぞ」
「シュウ…闇討ちとは卑怯だぞ!」
中々そそるポーズのエリカ。
「僕は実戦タイプなんだよ。模擬戦なんかで本気だせるかよ」
こっそり、『催淫』を掛けていく。何やらモゾモゾし始めたエリカ。シチュエーションに感じているようだ。
「どうしたよ。見られているだけで、感じているのか?」
エリカの股間に顔を近づけていく。
「やめろ!嗅ぐな!舐めるな!息を吹きかけるな!」
では、甘噛みはどうだ?
「ダメっ!感じる…はぁ…はぁ…」
クリちゃんの甘噛みでもだえ始めた。では舌の挿入はどうだ?
「うぅぅぅ~、いいっ…」
淫乱化してきたエリカ。ここで淫乱化はマズイので、エリカの部屋へ強制転移させた。さて、帰るか。エス心は満たされたし。
◇
翌日、学校へ行くとエリカは欠席だった。制服がないのかな?斬り刻んだもんなぁ。
放課後、真由美から呼び出し。今日は何もしていないんだけど…真由美の元へと向かった。
「ねぇ、どうして不定期登校なの?!」
怒りの焦点はそこなのか。
「色々と忙しいんだよ。この際、退学でもいいよ」
「退学は認められません!」
うん?鈴音とあずさが真っ赤な顔で僕を見ている。どうしたんだ?
「お小言だけなら、部活していいかな?」
「部活って、早退部とか帰宅部?ダメに決まっているでしょ!」
「そんなに怒ると、血管がブチ切れるよ」
「あなたのせいでしょ?!ねぇ、色々訊きたいことがあるのに、直ぐに帰っちゃうし」
「訊きたいこと?真由美の下着は達也の部屋にあるだろ?」
僕の言葉で、真由美の顔が茹だって行き、達也の視線が冷たくなっていく。
「お前!俺の部屋に盗品を置くな!」
達也が重い口を開いた。開いて、その程度のことか?なら、逆にしてやる。達也の下着を真由美の部屋へ強制転移させた。
「うっ!貴様!」
事態に直ぐに気づき、僕の胸ぐらを掴もうとした達也は、肥だめにポイした。
「まさか…またお兄様を…」
深雪が真っ赤な顔で俯いた。肥だめで溺れるクールな兄を想像したのか、笑いをこらえているようだ。
「で?渡辺先輩はどうされたいんですか?」
視線の合った摩利に声を掛けた。男性である副会長はポイされないように、推移を見守っているだけのようだし。
「模擬戦をしてもらおうか」
摩利がそんなことを言った。服をもいでいいのかな?
「いいですよ。お相手しますよ」
「摩利!止めなさい。勝てる相手では無いわ」
真由美は正しい。CAD使いに対し、負ける要素はない。CAD有りきの剣技であり、CADが無ければ一般人よりちょい上程度だ。そもそも、透過スキルな身体である僕に、攻撃ダメージは入らないしな。
「シュウ、君は昨晩、千葉さんに何をしたの?」
真由美が漸く本題を出して来た。エリカが苦情を言ってきたのか?
「手合わせをしただけですよ。再三申し込まれていましたから」
「シュウ!模擬戦で制服を斬り刻む行為は禁止ですよ」
問題はそこか?しかし、身体を斬り刻んだら、死んじゃうと思う。
「いや、斬り合いをしたら、切れるでしょ?」
「どんな切り方をしたの?」
空間から木刀を取り出して、『居合』で摩利の制服と下着を斬り刻む実演を披露した。
「いやっ!」
しゃがんで身体を丸め、身体の前面を見えなくようにする摩利。服部副会長は、そんな摩利をガン見して固まっている。
「こんな感じです。だって…身体を切るのはマズイから…」
身体を切ったら殺人である。いくら修復蘇生が出来ると言っても、精神ダメージはまっさらには出来無い。斬り刻まれる感覚は、記憶に残ると思うしねぇ。
「…それ…木刀よね?」
真由美の声は震え、あずさが木刀を調べた。
「会長…残念ながら、普通の木刀です」
CADだと思われたのだろうか?服と下着だけを斬り刻むCADかぁ~。性犯罪者に売れそうだな。
「木刀で、そんなことが出来るなんて…」
「出来ますよ。会長の制服もしますか?」
「もう実演は結構です!」
「じゃ、帰ります」
やっと、帰宅部の部活が出来た。
◇
家に戻り、プレイルームに行くと、全裸の美琴がいた。
「なんで、全裸なのよ!」
「見たいからに決まっているだろ?」
美琴は隠す行為をせずに、僕の目の前に立っている。
「で、用件はなんだ?」
「あの子達をどうするつもり?」
美琴の首には、アースに繋がっている首輪が嵌められている。帯電する能力を封じる為だ。
「保護を要請されたから保護をしている。ただ、調理場とかハウスキープとか、保護する代価に関わって貰っている」
「誰に頼まれたの?」
「土御門元春だ。お前の彼氏のダチになるのかな」
「アイツ…」
学生寮で、美琴の彼氏の隣人だと言うつっちー。
「保護だけ?」
「お前、頭悪いのか?調理場とハウスキープなどの仕事をして貰っているって、言っただろ?」
「私をどうするの?」
「躾ける」
「どうやって…」
身構える美琴。今日はエス心は満たされているのでパスだな。
「今は考え中だよ。あぁ、この部屋は録画している。一人エッチの様子とかもな」
僕の言葉で、真っ赤な顔に染まっていく美琴。ハッタリである。美琴がいる場所に電子機器は勿体ない。漏れ出る磁気エネルギーでビデオのメモリは破損する可能性があるらしいから。
◇
翌日…ハジメに呼び出された。ハジメの元に転移すると…ここって…
「なぁ、ここに、どうやって来たんだ?」
「うん?お前がそこまで言うってことは、来ちゃいけない場所だったのか?」
ハジメの頬に汗が流れ落ちていく。連れの兎は楽しそうにハンマーを振るっているし。
「いや、シアとイギリスの森でデートしていたら、人相の悪い魔女に出会ってな。ソイツを退治したのだが、最後の一撃でここに飛ばされたんだよ」
「言っちゃあ、なんだけど…お前達、悪魔払いに払われて、ここに堕とされたんじゃないのか?」
「うん?どういうことだ?あれは魔女でなくて、エクソシストだと言うのか?」
ハジメの頬をいやぁ~な汗が這っている。コイツ、薄々感じていたんじゃないのか?
「ここは悪魔払いされた悪魔達が堕とされる地獄門の中だ」
悪さをしない悪魔は冥界に住んでいる。で、地獄には悪魔は住んでいない。しかし、目の前にはお城やら神殿やら街が広がり、悪魔達がハンマーウサギに叩き潰されている。
「それは、俺達が悪魔だと思われたのか…な?」
頷く僕。ハジメを地獄へ堕とす程のエクソシスト。ソイツは最強クラスだと思う。この世界に元々いる魔王のサーゼクスよりも、転生魔王なハジメの方が強いし。そのハジメを堕とす程の力って…十字教で問題になりそうだ。きっと、その調査は僕に回ってきそうだし。
「ハジメ…証拠を隠滅するつもりで、ここを破壊するぞ」
「シュウがそこまで言うってことは、ヤバい事態なんだな」
「そのエクソシストは確実に仕留めて、ロストしただろうな?」
「いや、確認する前に、ここに飛ばされた」
それは、生き残っているんじゃ…そうなると、ここを無くすとマズイなぁ。堕とされたハジメ達は、消えたにしないとダメかな?
「方針を変える。ここを脱出するぞ」
「もう、この階層は何も無いぞ。シアが撲滅したようだ」
確かに、元気そうな悪魔が見当たらない上、建造物がまるで無い。それはそれでマズイが、この問題をここまでにしよう。ハジメ達と共に、地上へと転移した。
◇
翌日、火織がやってきた。
「ねぇ、英国にある森を調査して欲しいの」
「何の森?」
火織を抱き寄せて、谷間に顔を埋めた。きっと、昨日の件だろうな。
「最強のエクエシストと呼ばれた者が、隠居生活していた森なんだけど…禍々しいオーラを纏った者達に襲撃されたのよ」
ジーンズを脱がせ、ゆっくりと入って行く。
「全力で払ったそうなんだけど、地上に舞い戻っていないか、調査してきて欲しいのよ。あぁ…もっとゆっくり…」
久しぶりの刺激を愉しんでいる火織。
「いいけど…」
これって、ハジメ達の件だよな。どうするかな…
「一応、五和も連れて行ってね。向こうでの書類仕事は五和にさせるから」
五和かぁ~。ごまかせるかな。
火織と2ラウンドして、五和と共に、天草式の英国支部まで転移して、そこから馬車で森へと連れて行かれた。現場ではバチカンから派遣されたっぽいエクソシスト達が、検証をしているようだった。
「被害者はどうなった?」
「亡くなったそうです。検証チームからは、ほぼ相打ちという見解が出ています」
森は森では無くなっていた。高火力で燃やした痕が転々としている。屋敷のあったとされる場所にはクレーターがあるし。あのハンマー兎だな、この痕跡は…
「シュウ様の見解はいかがですか?」
五和に訊かれた。
「どうって…相手は悪魔だったのかな?」
クレーター部分に、隕石の小さな欠片を、こっそり転移させ、クレーターを調査する振りをした。
「うん?これは隕石かな?」
拾った欠片を検証チームに手渡した。
「これは隕石ぽいですね。そうなると相手は」
「星霊術使いかな。もしかして、そのエクソシストは魔女に誤認されて、退治されたんじゃ…」
「う~ん…可能性は否定できません。あの方、魔女のような服装で有名でしたから…」
誤魔化せそうだ。と、安心した時、地表に震えを感じた。
「お~い!臨戦態勢を取れ!何か、地下から来るぞ」
僕の警告に、五和以下検証チームも臨戦態勢をとった。これ、たぶん…城とか神殿を壊した仕返しでは無いのか?クレーターの底を破って、悪魔達が湧いて出てきている。悪魔の湧き出る井戸を『地獄の業火』で焚く。地獄へ堕とされた悪魔達は、本来の地獄には入れない。堕とされた故、アイツらは地獄の業火に弱いと言って良い。コイツらって業の塊だから、地獄では燃料扱いだし。
「あの炎を松明に付け、湧き出た悪魔に引火させろ」
検証チームに指示を出す。問題は、腹黒い人間も業が濃い為、引火しやすいことだ。検証チームの何名かが松明状態になり燃えさかっている。
「カルマの少ないヤツは安全だ。って、言うか…カルマの多いヤツが検証チームに入るなよぉぉぉぉ~!」
検証チームのリーダー格がよく燃えている。コイツが一番腹黒いのかもしれない。
◇
五和と一緒に帰国した翌日…懲りずに学校へ登校する。真由美が大切な話があると言うのだ。告白かな?速攻で断ろうかな、などと考えながら、放課後を迎え、深雪と共に生徒会室へと向かった。達也は臭いが取れずに、今日も欠席だと言う。
「シュウ…やっと来たわね」
真由美に声を掛けられて、
「お断りします」
と、速攻で断言した。
「まだ、内容を話していないのに…深雪さん、代わりにお願い」
真由美の表情が子悪魔チックになった。ずるい…深雪を代打に送って来るなんて…僕の弱点を突くような攻撃である。リンとか深雪とか小動物系に弱い。アレコレしようと思わず、保護したくなるというか…結果的にはアレコレしますけど…
「今度、学校対抗の運動会のような物があるんです。それにシュウ君にも参加して欲しいそうです」
「断る」
面倒な予感がする。面倒事はハジメだけで充分である。
「シュウ君、一緒に行ってくれませんか?」
深雪に言われたら断れないじゃないか…ずっこいぞ!真由美!