珍しくレンに呼び出された。
「コレなんですけど…」
ゲーム内で撮ったと思えるスクショを見せてくれた。それはGGOで見た事の無い街並が広がっていた。
「新しい舞台か?」
「違うようなんです。相棒のフカ次郎と一緒に調べて見たのですけど…」
GGOのコンセプトとは違うアイテムが写っていた。
「これって、杖か?」
「そうなんですよ。彼女達のジョブは魔法使いでした。おかしいですよね?」
おかしい。GGOの世界に魔法と言う要素は無かったはずだ。
『兄さん、GGOの運営会社が、IDサプライヤーに吸収されたみたいだよ』
僕の思考をモニタリングしているヤマトから念話が届いた。
「後ですね。新しいパーティーメンバーなんですが…」
禍々しい装備の少女と、青い衣の少女がレン達と一緒に写っていた。
「彼女達はGGOでは無く、VRMMO『NewWorld Online』をプレイしているって、言うんですよ。どう思いますか?」
デンドロのAI達は、他のVRMMOを吸収して、フィールドを拡大しているのか?しかし、何の為に?
「調査は必要だが、う~ん…」
『ヤマト!吸収合併された経緯はわかるか?』
『金銭の動きは無いです。後、吸収されたサイドの運営陣は行方不明になっています。なので、事情は聞けそうも無いですよ』
AIだけに演算速度が速いのだろうか。僕達の思考の先を走られているようだ。
「レンは、そのまま遊んでくれ。出来れば、デンドロのプレイヤーと友達になり、ソイツらとの違いをレポートしてくれるかな?」
「いいけど…ご褒美は期待していいかな?」
って、既に下着姿のレン…いや香蓮。そのまま、ベッドへ持ち去られる僕。積極的な女性は苦手なんですが…
◇
香蓮と2ラウンドして、新一の家へと向かった。
「また女漁りしていたのか?」
新一の第一声。
「なんで、そう思うんだ?」
「石けんの匂いが、いつもと違うぞ」
なるほど…探偵しているんだな新一は。ってまずは、蘭はどうしているのかって、マズ聞くべきではないのか?
「頼まれた件は調べておいたぞ。IDサプライヤーって、怪しい会社だと思う。税金は払っていない。本社が宇宙にある、それも公海上の上にあるので、どこの国にも属さないと言っているそうだ」
「宇宙でも登記って、出来るのか?」
「あぁ、米国は宇宙ビジネスの先進国で、本社が月にある企業もあるようだぞ」
公海はどこの国にも属していない。宇宙に本社がおける米国のビジネスシステムもスゴイけど。
「登記上の社長は?」
「アリス・デンドログラムって人物だ。住所は…宇宙ステーション内…う~ん…」
新一もうなり始めた。この世界は何でも有りではないようだ。
「プライベートで宇宙ステーションを持っているってことだな。NASA辺りで確認済みなんだろうな」
確認出来無いと、いくらなんでも登記は無理だろう。この時、あることが閃いていた。が、新一に話すべきことでは無い。
「米国の高官とかにコンタクトは取れるか?」
「FBIに知り合いはいるけど、どうだろうな」
X-ファイル部署かな?
「探りを入れてみるよ。あぁ、それから、蘭のことは頼む」
最後に蘭のことか。お前にとって、蘭は…二人の問題である。僕が関わるのは避けておくか。ヤマトの元へ転移した。
◇
ヤマトのアジトでは飾利が、PCの前で唸っていた。ネットの専門家でも、IDサプライヤーのことが追えないみたいだ。
「考えたんだけど、IDサプライヤーっていう名前なんだけど…」
興味津々な顔で僕を見るヤマトと飾利。
「IDの供給を主な業務にしているのかと。この場合のIDはデンドログラムの住民としてのIDだよ」
「あっ!アルフガンと似た役割って、ことですか?」
ヤマトが気づいたようだ。アルフガンとは、とある並行世界で、核の撃ち合いをして滅んだ地球を救うために、僕の作った仮想世界のことである。
救えるだけ集めた魂を使い、ソウル・トランスレーターで分身体を作って、ゲーム世界で生きて貰う。彼らがゲーム内で生きている間、彼らの魂の器である肉体を修復、再生、時には創造して、作り直し、魂を戻して、本来の寿命の残りを生きて貰う取り組みである。
「デンドログラムもそれに似たシステムだとすれば、あのAI達は、未来から来たんでしょうね」
「あぁ、この星の破滅後、若しくは破滅直前から来て、今を生きる人間をデンドログラム内で保護しようとしているのかもしれない」
SAOというデスゲームのように、ログアウト出来無いようにすれば、実体に戻る手段を失うはずだ。その場合、デバイスを外しても、意識はデンドロ内に閉じ込められるのだろうな。その上で、サーバー内でAI達と同じ存在にして生かすのだろう。
「まだ、推測段階だよ。ヤマトはシステムの解析を優先してくれ。僕達、人間以外の種族でもゲーム内に入れる方法を模索して欲しい」
「わかりました」
たぶん、データベースに登録されていない種族は排除しようとするはずだ。AI達は人間だけを救助したい、いや、そう指示をされているのかもしれない。本当の黒幕は誰なんだ?
---滝壺理后---
悪夢を見ていた気がする。知らない男性に性奴隷のように扱われていた。カエリタイ…
なんとも言え無い感触の中、意識がしっかりとしてきた。何かの器に入れられて、何かに覆われていた。ここはどこ?
「目が醒めたかな?」
知らない男性が覗きこんできた。
「あなたは?」
「エロ好きな男子ですが…」
「おい!その言い方だと警戒されるぞ」
女の子の声…この声は聞き覚えがある。レベル5の御坂美琴さんだろう。
「かまわないけど。美琴の身体よりもそそるし」
「私は成長途中だって言っているでしょ!」
彼は御坂さんの彼氏か?いや、彼氏は上条当麻さんだったよな。彼は上条さんではない。
「ここの説明をしたらどうだ?」
違う女性の声。この男性は、女ばかりを集めてハーレムでも作るのかな。
「ハーレムなんか作らない。やりたい時にやりたい女と居られれば良い。なれ合いは好かない」
うん?ハーレムはいらないけど、やりたい時にやりたいって?
「まぁ、当分、ここに入院はしてもらう。薬の成分が脳に染みこんだみたいで、除去に時間が掛かるからな」
薬…そうだ、一服盛られたんだ。それで、身体の自由を奪われ…
「ここは病院ですか?」
「違う。ここは研究所みたいな場所だよ。薬物の毒を抜く研究をしている場所と言えばいいのかな?」
彼は研究員なのか?
「研究員と言うか、目の保養中と言うか…」
私の身体で目の保養?なるのかな。そんなに身体に自信は無いんだけど…
「美琴に比べれば、そそるボディだよ」
「おい!私と比べるなぁぁぁぁ~!私は成長途中だぞ」
目の前の男性は悪いやつには思えない。だけど…身体の自由が無い上、悶々としていることに不安がつきまとう。
「悶々とするのは、生きる為の力を引き出す為だよ。性欲の強い人って長生きするだろ?それと同じだ」
性欲ってそんな効果があるのか。初耳である。
「で、身動き出来ない件だけど、君が今いる容器内にはスライムが多数群生しているんだよ」
スライム?ゲームでおなじみのスライムかな?実在するのか?
「そう、そのスライムだ。普通は人間の生息域にはいないけど、このスライムは冥界に生息している種をベースに品種改良したスライムだよ」
なんか、ファンタジー塗れな言葉が並んでいるような。スライム?冥界?
「人間の生息域にいるドクターフィッシュを参考にしたスライムだよ。冥界スライムは、元々、女性の分泌する液体を食し、栄養成分満載で催淫効果のある液体をお礼に注入していたんだけど、この種は、身体に不必要な成分も食し、古い細胞を食べ、健康なやれる身体にしてくれるんだよ」
相当無理のある説明が並んでいるような。で、最終的にはやれる身体にされるのか…
「あなたは、何者?」
「エロ好きな健全な男子だよ」
本当のことは教えてくれないみたいだ。
---代羽周太郎---
四葉家、七草家の情報収集能力を以ても、IDサプライヤー社の詳しい情報は集まらなかった。姉に頼み、この星のアカシックレコードを調べて貰い、未来に何が起きるのか、調べて貰うことにした。あのAI達が未来から来たとすると、この世界の並行世界には未来に到達している世界があるはずである。
当面、やることが無いので、久しぶりに学校へ行くと、九校戦が来週になっていた。あれ?
「シュウ、分かっているわね。あなたは選手だから。必ず来なさいね」
真由美は特訓のおかげか、より精悍な顔つきになっている。そういえば、摩利とエリカのスタイルが良くなったような。
「シュウ、向こうでは不純異性行為は控えてね」
って、摩利。不純でなければ良いんだよね。
「後、初対面の男子をポイ捨てしないようにね」
真由美の顔が近い。
「善処いたします」
あくまで善処ではある。そうだ、現場近くの肥だめの位置を把握しなくては…
学校内のいたる場所で、競技の練習をしている。だけど、僕は練習を免除されている。仮想敵役に誰も名乗り出てくれなかったのだ。達也でもいいのだが、メンテの仕事が忙しいらしく、先手を打った真由美にメンテの者に手を出すなと言われていた。
「シュウ、移動の際の警備を任せていいか?」
誰も遊んでくれず、生徒会室の片隅で、体育座りをしている僕に、十文字先輩から声を掛けられた。
「バスは何台ですか?」
「3台」
「了解です」
そうだ。ハジメと遠藤にも手伝って貰うかな。
◇
夜…廃ビルの一角で火織と会った。
「なんで、こんな場所なんだ?」
怪訝そうな火織。
「こういうシチュエーションって、そそるでしょ?」
火織の太ももがモゾモゾしている。身体は正直な物である。いくら意思が強くとも。
「で、情報は集まっているのか?」
ジーパンの裂け目から臭いを嗅いでいる僕に、質問をしてきた。語気は強いが、太ももは震えている。
「薬の件だけど、たぶん外国の組織絡みだと思う。国力をそぐには、人口を減らすことだけど、敵国の女性全員を薬で性奴隷のようにしていけば、出生率は下がるし、外国へ性奴隷として輸出すれば、お金も入るしね」
「あぅ…そうか。じゃ、大元を叩かないと、あの薬はなくならないのだな?」
ジーパンが湿って来た。臭いを嗅いでいるだけなのに…こういうのは吸姦と言うのだろうか?
「たぶん、九校戦も狙って来ると思う。前途ある女性の能力者を骨抜きにすれば、国力低下は確実だからね」
「そうだな…はぁ…はぁ…」
臭いを嗅いでいるだけなのに、呼吸が荒くなっていく火織。Tシャツ越しであるが、乳首も立っているのが分かるくらいだ。
「火織へのワナは、まだ有るかもしれない。注意しておいて損は無い」
「あぁ、大丈夫だ。シュウ以上の変態はいないと思うし…」
火織は膝を付き、僕の股間に顔を埋めた。
◇
薬の対抗策も完成しつつある。問題は時間経過により、脳まで汚染されることだけになった。
「コレばかりは、解毒は難しいわね」
科学担当になってくれた宮野志保が、頭を抱えている。今の処、一番有効な対処手段は、僕のドレインスキルで、吸い取ることである。これの難点は、僕と交わらないとダメなことである。僕だって好みはある。そこが問題であった。
「女なら誰でもいいんじゃないの?」
「そうでもないよ。爆乳は好みではないし」
好み的には、蘭とか火織程度が良いのだが、中には爆乳系の被害者も居る訳で…
「で、研究病棟には、あと誰がいるんだ?」
蘭と美和子の汚染は軽い物だった上、彼女達の了承は取れているので、やりまくった。その結果、ドレインしまくり、完治に至ったようだ。
「シュウっと出来無い、了承が取れていない、滝壺理后と御坂美琴だわね」
後、ここでは無い、違う病室に、多少いるそうだ。
「じゃ、スライム君たちだけで完治するかどうかだな」
「そうなるわ」
美琴の了承は取れているのだが、僕的には未だ青い果実である。未だ食べ頃を迎えていないので、僕が拒否しているのだった。