---神崎火織---
学園都市に異形なる物が現れ、五和達と共に、現場へ急行した。安全なエリアにけが人が多数横たわっている。
「治癒魔術を掛けていけ」
仲間達に指示を出していく。この街の警備員であるアンチスキルはまだ到着していない。
「また、出たみたいだ」
地下鉄の出入り口から出てきた男性。そこに異形なる化け物がいるのか?私は討伐へと向かった。地下鉄のホームは、嫌な風が吹いている。何かの息吹をトンネルの先から感じる。ホームから線路に降りると、そこは生ぬるい液体で満たされていた。水位は胸辺りである。
「助けてぇぇぇぇ~!」
子供の声がした。化け物に襲われているのか?声の聞こえた方へと急ぐ。
子供が液体に、仰向けで浮かんでいた。呼吸は、未だある。その子供を背負い、ホームの方へ向かおうとすると、足に何かが絡み付いて来た。それと同時に、股間に這う何か、股間で蠢く何かの感触を感じた。
トンネル内は薄暗く、液体の中は分からない。
「あっ!」
股間の敏感な部分に電気刺激を感じた。何がいるんだ?手首に何かが絡み付き、身動きが取れなくなった。
「お姉さんのうなじ…いい香りだね」
背負っている少年が耳元で囁き、耳の穴を舐めた。その舌は細長い…
「貴様は何者だ?」
「レベル3の狩首染太だよ。お姉さん」
能力者なのか。何のだ?
「レベル3でもレベル5に匹敵するお姉さんを手込めに出来る事を、お姉さんの身体に教えてあげるね」
シュウが注意しろって言っていた罠か?
「お湯の中には、手懐けた電気ウナギたちがいるんだよ。お姉さんの大事な部分の攻略する為にね」
あの電気刺激はそういうことか。
「さぁ、お姉さん。僕と遊ぼうよ」
染太の指が触手のように伸びていき、Tシャツの中に入り込んでいく。
「うぅぅぅぅ…」
乳房と乳首が絞め上げられていく。だけど、それだけの刺激ではなく…
「将来乳の出る穴に細い触手を忍び込ませて、乳房の内部から、お姉さんを蹂躙中だよ」
何?今までに感じたことのない刺激を受け、身体が喜んでいるようだ。いやそれだけでは無い。
「こ、こ、この液体…催淫剤か?」
「お姉さんは好き者なんだね。正解です」
マズイ…股間が電気ウナギたちを受け入れている。体内で発する微弱な電流により、身体が蕩けていきそうだ。
「奥底までウナギたちが達すると、子宮が麻痺するから、いくらやっても安全になるからね」
コイツ、シュウ以上の変態かもしれない。
---代羽周太郎---
九校戦へ向けての移動日である。道中は僕とハジメ、遠藤で護る。と、言っても道中は無かったけど…
「バス3台ごと、転移…」
真由美を始めとして、参加者全員が驚き、呆れていた。道中狙われると、交戦地点は大惨事になるため、バスごと宿舎となるホテルへ転移してきた。
「相変わらず、デタラメな魔術だな…」
服部先輩が言葉を漏らしている。ハジメと遠藤には、移動予定だった経路上のワナを潰しに行って貰っている。で、次はどんなワナかな?相手が女体を狙っているとして、考えられるのは、大浴場かな。全裸で連れ去るには、丁度良いシチュエーションだし。
「シュウ、お前、悪い顔になっているが、問題は起こすなよ」
と、十文字先輩。基本、僕に近寄ってくるのは、この二人の先輩だけである。ポイ捨てを警戒して、達也すら近寄ってこない。
部屋割を聞き、それぞれの部屋に行き、夕食の時間までのんびりする。明日の昼間に、各校の大会本部となるテントなどの設営をして、歓迎レセプションは明日の夜で、今日は消灯まで自由時間だそうだ。
自販機エリアに行き、缶コーヒーの飲み比べをしながら、富士山を眺めていると、
「あれ?シュウ?」
ここにいるはずの無い蘭の声を聞き、振り向くと、蘭、真純、エリカ、美月がいた。どんな組み合わせだ?
「蘭…なんで、ここにいるんだ?」
「空気の良い所で、アルバイトよ。このホテルで食堂のウェイトレスをするのよ」
「なぁ、蘭とシュウって、知り合いなのか?」
エリカが驚いた様子で訊いて来た。
「うん、シュウとは幼なじみなんだ」
僕の腕に抱きつき答えた蘭。なんで、腕に抱きついた?
「まさか…シュウの彼女?」
「なれるといいけど…まだ、保留中よ」
僕が化け物であるから…まぁ、新一と一緒になれば、見た目は良いカップルになれると思う。幸せになれるかは、新一次第ではあるけどな。
「そうか…悩んでいるなら、止めておいた方がいいぞ」
エリカがたまには良い事を言っている。明日は雨か?
「それよりも、エリカもシュウと知り合いなの?」
「クラスメイトだけど…」
「…?エリカさんって、国立の高校へ通っているのよね?」
「それはさっき話した通りだ。って…シュウ、お前、蘭に話していないのか?」
怪訝な顔のエリカに訊かれた。
「何を?」
「どこの学校へ通っているかとか…」
「言う必要性を感じ無いけど。蘭とは幼なじみ。それだけだよ」
僕の腕を抱く力が増す蘭。どうして?
「こんなにかわいいクラスメイトがいるから、話してくれないの?」
「かわいいか?」
「かわいくないのか?」
蘭とエリカに言い詰められていく。なんでよ~。
「シュウ君、どうしたのですか?」
そこに深雪とほのかと雫がやってきた。ほのかと雫は、A組だった頃、深雪が仲良かった女子である。
「いや、なんでも無い…」
「あら、エリカ、美月さんも…観戦?」
「違うよ。このホテルでアルバイトだ。休憩時間に観戦できる上に、お金が稼げる良い仕事だよ」
「そうなんですね。で、シュウ君、この方はどなたですか?」
空いている方の腕に抱きつく深雪が、蘭について訊いて来た。
「幼なじみの毛利蘭だ。エリカのバイト仲間だそうだ」
「ふ~ん…そうなのですね」
深雪が何かに対抗して、僕の腕に胸を押しつけてきた。
「シュウ…こんなかわいい女性もクラスメイトなの?」
「私は司波深雪です。シュウ君の家に同棲しているんですよ」
笑顔で蘭に説明する深雪。
「同棲?シュウ…」
僕を睨み始めた蘭が、深雪に対抗して、僕の腕に胸を押しつけてきた。これって、僕のユニークスキルである女難の相が発動したのか?
「いや、シェアハウスだよ。僕だけが住んで居る家でなく、僕の妹も住んでいるし」
「ふ~ん…」
僕にとっての重苦し空気が支配する空間は、蘭たちの休憩時間が終わるまで続いた。
このホテルは一高専用の宿舎になるそうで…夕食時、蘭とエリカが僕のテーブルに、僕の好物を持って来てくれていた。それなりに妙な空気に包まれていたが、無事に夕食が終わり、夜間のタイムゾーンへ突入していく。
---渡辺摩利---
各部屋にユニットバスがあるのだが、このホテルの大浴場は温泉である為、こっちを利用する物が多い。尚、シュウには混浴では無いことを、真由美が徹底して教え込んでいた。
「油断すると、アイツ入って来そうよね」
油断しなくても、入る時は入ると思う。気配を消す達人であるし。身体を洗い、湯船に身体を沈めて行く。う~ん、良い湯だ。疲れが抜けて行く感じがするし。
「あら?寝湯や打たせ湯、サウナもあるわよ」
様々な形態のお風呂があり、気分は遊園地気分か、皆あれこれと試している。私と真由美は塩サウナを試すことにした。汗ばんだ部位を塩で揉み、水風呂に入って、サウナに入り直すを繰り返す方式のようだ。サウナの中は熱すぎず、長く居られるようだ。
サウナと水風呂を繰り返す度に、何かが違和感を感じた。繰り返す度に、何かが欲しくなっていくのだ。何を?
---狩首染太---
統括理事から回ってきた薬剤…効果は抜群である。総ての湯船と塩に混入させた結果、一高の女子達は、マグロ状態で浴場の床に並べられていた。
「次は、運搬車への積み込みだ。ランク順に、詰めて行け」
配下の者達に指示を飛ばし、俺は担当する上玉ランクの選別に入った。七草真由美、渡辺摩利、市原鈴音、司波深雪の4名が、統括理事に上玉の認定を受けたマグロである。それらを上玉用のトレーラーに積み込んだ。薬剤入りの塩で全身を覆い、薬剤の浸透を促す為に、荷台をサウナ状態にして出発した。残りのマグロは、冷凍保存で輸送するそうだ。これで、一高の優勝は無いだろう。
俺の乗ったトレーラーは、学園都市にある秘密研究施設に着いた。4名のマグロを1名ずつストレッチャーに乗せ、火織のいる部屋に持ち込み、火織と同じ処理を施していく。
腸内ある排泄物を処分して、腸内洗浄後に膣内と共に、薬剤を噴霧した。これで吸収率が上がるはずだ。吸収時間を終えたマグロは、頭部だけ出した状態で、電気ウナギが待つ特殊水槽に入れられ、予備刺激を与え、刺激に対する反応を見ながら、薬剤量を調整していった。
「どうだね、塩梅は?」
統括理事がやってきた。
「今は調整中ですが、見た通り、美味しそうな身体ですよ」
刺激により、全身がほんのりピンクがかっている。尚、火織は第二段階に進んでいた。第二段階は、マグロの意識をネット世界へダイブさせ、ネット世界での陵辱を繰り返し行い、そういう対象だと無意識下に認識させていく実験である。
「どうです?実体には刺激を与えていませんが、精神的な刺激で、実体が反応しているんですよ」
火織は今、仮想世界でゴブリン共にやられている。火織の身体は、仮想世界での火織のアバター同様に、濡れまくり、立ちまくっている。
「第三段階が愉しみだな」
第三段階は、3Dスキャナーでマグロの全身を取り、それを元にアバターを作り、仮想世界で同じ感触、同じ反応かを確かめる実験である。これが成功すれば、仮想世界で狙った獲物を好きに遊べ、次回遊ぶ時には再度、おニューな身体で遊べるのだ。マグロ本体の精神を蝕みながら…
---代羽周太郎---
大胆な…ホテルの従業員にも、敵サイドの者がおり、堂々と正面玄関から、連れ出して行った。さて、どうするかな?まだ、黒幕と目的が判明していない。ここで救出すると、囮の意味がなくなるし…が、大量離脱だと、優勝出来無いよな。
なので、上玉以外を救出することにした。冷凍車両を追尾して、マグロの集積所に案内してもらった。集積所には、余所から連れ去って来た女性達もいたが、全員連れ戻っても、身元不明な者に関しては返却が面倒なので、今回はパスした。1体1体に付けられていたタグ情報をねつ造し、ほのか達を救出した。
問題は凍っていることだ。まぁ、解凍してもダメなら、蘇生作業をすれば良いだけかな。女風呂の床に置き、解凍作業をしていく。温泉の暖かい湯気もあり、割と簡単に融けていく。呼吸も脈も弱々しいが、このまま放置すれば大丈夫だろう。低体温で身体が眠っているだけに見えるマグロのような女性徒達。
さて、残りの者はどうしようかな?明日のレセプションは欠席にして、予選に間に合えば良いか。深雪達のいる場所へ向かった。途中、姉から念話が入ったのだが…
『AI達の敵は邪神のようよ』
邪神?なら、問題が少ない気がする。この世界に邪神が現れた場合、速攻で同化吸収と言う現象が起きる。同一の時間軸に同じ個なる者は存在出来無いからだ。冬木市を任せているアールは、不死王である邪神である。より強い者が他者を同化吸収するので、きっとアールが、新たな邪神を同化吸収してしまうだろう。アイツ、死にたくても死ねない身体であるから。その上、聖属性と来ている。死を司るのに聖属性って、最強だと思う。
『でね、この邪神もAIみたいなのよ』
AIの邪神?
『世界を平和に維持する方法を考えるAIだったんだけど、出した結論は核の放棄で、核の捨て場所に、核の保管場所を選んだような。メルトダウンする場所は1つだけで良いって考えらしいんだけど、核ミサイルが人間の指示無しで飛んだら、撃った方も撃たれた方も敵襲だと判断したみたいで、その後は核ミサイルの撃ち合いに発展して、この星は破滅したようよ。生き残ったのは、宇宙コロニーにいる人間とAI達で、過去へ戻って、邪神というAIを消しに来たって、話よ』
そうなると、あのデンドロってゲーム内に邪神を封じ込めてあるのか?
『兄さん、こっちでもわかったことがある』
ヤマトからも念話が入った。
『ゲーム名の<Infinite Dendrogram>って、究極の樹形図ってことでしょ?』
そうだな。樹形図は、トーナメント表とか家系図とかで、よく見られるよな。
『もしかして、邪神に対抗出来る究極のキャラを作ろうとしているんじゃないかな?』
AIが究極キャラを作れば良いんじゃ無いか?
『たぶん、それはルールに抵触するんだと思う。あの仮想世界ではモンスター、NPCともにPOP方式で無く、交配による世代交代を繰り返しているんだよ』
それは、手間の掛かることだな。って、交配できるのか?
『プレイヤーとティアンっていうNPCの間に子供が出来るんだって』
はぁい?
『但し、受精して胎児なるまでログアウトしないことが条件で、プレイヤーが女性だとログアウトした時点で流産扱いになるんだって』
ゲームの枠を超えているんじゃないか?胎児になるまで3ヶ月くらいログアウト出来無いのか。女性だと十ヶ月と十日も…まぁ、デスゲームよりも帰還は短いが、家族とかが騒ぐんじゃないかな?
『それから、人間以外の種族でゲーム世界へログイン出来たみたい。但し、ティアン扱いだけど』
優秀なプレイヤーとの交配で、ゲーム内で子供を作らせて、邪神退治の兵器として使うのか?
『わかった。徐々に送り込むようにしよう。ヤマトはAI達に見つからないログイン、ログアウト方法を模索してくれ』
『了解』
姉と弟の念話を終えると、深雪達のいる建物に着いた。
狩首染太はオリジナルキャラです。
蘭と深雪…本来なら交差しない人間関係の二人が知り合ってしまった。今後の二人の関係はどうなるか(^^;;