---渡辺摩利---
オーク達に襲われている。だけど、あの鍛錬の時のオークよりも弱い。簡単に切り刻めるし。コイツらの前のゴブリン達にはやられてしまった。いきなり始まった数の暴力に押し切られた格好ではあるが、あの大タコの仕打ちに比べれば、造作も無いことである。コイツら、自分だけ楽しみたいだけど、私には何の楽しみが無かったので、やれてばかりで無く、反撃で殲滅してあげた。あの大タコは危険だったなぁ。快楽に飲み込まれ、つい刺激を愉しみ、反撃なんか考えられなかったし。
オークの次に現れたのは、ミノタウロスだった。力強そうな感じね。あの口で噛まれたら痛そうだ。コイツらも殲滅だな。
---代羽周太郎---
予想外の結末である。火織は快楽に溺れているのに、鈴音を除いたコイツらは…ゲーム世界で魔物を蹂躙していた。どうやら、大タコとブタさんとの特訓が実を結んだようだ。火織にもやらせてみるかな。
様子を観察している男は、アイツらの恍惚な表情の意味を勘違いしているようで、ヘラヘラ笑っているし。肥だめにポイしておくか。邪魔なヤツラを総てポイして…火織以外の4名を返して貰う。火織には、もうしばらく囮になってもらう。快楽に溺れているし、問題は少なそうだ。
ホテルに戻り、一人ずつ交わって、薬効をドレインしていく。まず、摩利から。
「シュウ…助けてくれたの?」
「一高が優勝しないとダメだろ?」
ドレインした後も、摩利とお互いの身体を確かめ合った。そして、風呂場にあった摩利の着替えを渡し、部屋に帰って休んでもらう。そんな感じで、残り3名も無事に回復させた。寧ろ、解凍組の方が体調が悪い感じではあるが、予選は明日だし、問題は多少有るくらいだろう。
「襲撃した相手はどこ?」
しかし、真由美だけ帰らず、僕の部屋に居座って居る。僕に対して事情聴取を行うようだ。何故かベッドの上で…真由美自ら、僕と交わっている。その上での事情聴取のようだ。
「関わったのは、一高が優勝すると困る賭けの胴元とか、他校に掛けた者達だな」
学園都市サイドの思惑は、この際伏せておく。これを話すと、僕がどこのサイドの者か、バレてしまうからだ。
「闇の組織が絡んでいるのね。ねぇ、乳首を舐めて…」
聴取の合間にリクエストが入る。
「で、今後もチャチャ入れはあるのかな?下腹部を甚振って…」
あの特訓で、真由美は大胆さを手に入れてしまったのかもしれない。
「あるだろうな。競技中のテロ攻撃には注意はいるかもだ」
「そう…注意喚起はしておこうっと。で、もう一度愛して…」
まだ、やるんですか?溜まりすぎです。
---藤丸立香---
目の前には、この世界の冬木市を共同管理している一人、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテが座っている。
「君の言っていることは、俄に信じがたいことだよ。アイツの存在も始めは信じがたかったけどな」
僕は未来から来た。過去の各世界における聖杯による特異点を見つけ、原因となっている聖杯を回収する組織に属している。
「で、冬木市の聖杯を回収したいそうだけど、あそこにあるのは疑似聖杯だぞ。アイツの見立てでは、あの疑似聖杯を退かすと、天変地異が起きると言っておったのだが、その辺りはどうなのだ」
彼女の言うアイツとは、この世界における主要宗教である十字教が、異世界より召喚した救世主らしき者だそうだ。
「その者は本当に救世主なんですか?」
「救世主かどうかは分からないが、人間では無いことだけは確かだよ」
人間では無いって…
「悪魔かもしれないじゃないですか」
「それは無い。この世界には悪魔、堕天使が存在し、人間と共存しているんだよ。既に存在している者を、態々召喚なんかするものか」
「この世界では悪魔が居るのは常識なんですか?」
「いや、常識では無い。共存エリアは限られていてな、アイツはそこに住んでいる。日本の駒王町って場所だ。で、件の冬木市も日本にあるが、一般人には知られていない場所だよ」
この世界の日本が特異点なのか?
「聖杯戦争だって、一般の日本人が知らないはずだよ。そもそも魔法使いがいるのだって、この国の一般人は知らないことだよ」
魔法使いの協会や学校がある英国において、魔法使いの存在は知られていないのか。
「だから、君の言うことは一概に否定はしない。君の手の甲のマスターの印も、義兄上の見立てで本物のようだしな」
彼女の義理の兄であるロード・エルメロイII世であるウェイバー・ベルベットは、実際に聖杯戦争へ参加し、生きて帰ってきたそうだ。
「冬木市のことはアイツに訊いてくれ。共同管理と言っても、私は資金と術式の提供をしただけで、実質的に管理しておるのはアイツだからな」
その救世主に会えば、聖杯についても判るのかな。
「冬木市までの案内は義兄上に頼んでやる。私に出来ることはそれくらいだ」
こうして、僕は聖杯を求めて、英国から日本へと向かうことになった。
◇
目的の人物は、見知らぬ者とは会わないそうなので、顔見知りも一緒に同行してくれるそうだ。同行者は、ロードとその助手であるグレイ、ホグワーツ校でクラスメイトだったハーマイオニー・グレンジャー、後、後見人としキャーリサ王女が同行してくれ、英国王室のプライベートジェットで、向かうことになった。
「彼はどんな人物なんですか?」
ハーマイオニーに訊いた。
「どんな?う~ん…難しいかな。まぁ、女体好きって言うか。女体の神秘を研究したいって、変態かな」
魔法使いの学校で、何を研究しようとしていたんだ?
「キャーリサ王女も知り合いなんですか?」
彼の後見任として王室関係者でありながら、今回の同行に名乗りを上げてくれた。
「ええ、彼はド変態よ。だけど、彼は信用には値する人物である。性癖以外は真面目で真面なのよ」
アクの強い人物のようだ。女王様と謁見した際にも、
「あのド変態に宜しく伝えてくれ」
って、どんだけド変態なんだ?
飛行機は順調に日本へ向けて飛行していた。だが、夕食の後のラウンジでそれは起こった。
「で、何の用だ、キャーリサ」
いつの間にか、知らない人物が飛行機の中にいた。
「久しぶりだし、私を愛してくれるか、シュウ」
王女の顔は嬉しくだ。コイツが目的の人物か?どうやって、ここに来たんだ?
「忙しいから、それは今度な。ライネスから聞いたんだが、この世界の聖杯の在処だったな。その答えは、この世界に聖杯は無い。あるのは疑似聖杯だけだよ」
「なんで、そんなことを言い切れるのかね?」
ロードが質問をした。
「聖杯は僕が持っているからだ。同一時間軸に同一ユニークアイテムは多数存在出来無い」
コイツが持っているのか??
「マシュ!」
僕と契約している疑似サーヴァントのマシュ・キリエライトに声を掛けた。彼女は臨戦態勢を取る。
「おいおい、飛行機の中で戦闘をするのかい?英国の王女が搭乗している飛行機でさぁ」
そうなんだけど…
「聖杯を渡して貰おうか」
「君は本当の聖杯を見たことがあるか?」
「色々な特異点で何度も見ている」
何が言いたいんだ?
「それは、本当の聖杯だったのかな?」
「どういう意味だ?」
「そういう意味だよ。人間の君が手に出来る訳がないだろ。本当の聖杯は、僕達以外が手にすると燃え上がる。それくらい濃度の濃い聖なるオーラを纏っているんだよ。ねぇ、君が手にした聖杯は、君を灰になるまで燃やし続けたのかな?」
本物の聖杯って、人間が手に出来無いのか?じゃ、僕が手にしていたのは?
「それは、疑似聖杯だ。聖杯の破片を練り込んで作った杯だよ。聖なるアイテムが、人間が手にしていい物だと思うのか?」
息苦しい…コイツ、何かしたのか?
「知識の一端を開示したんだ。供物でも貰おうか」
供物だと…
「そうだな。男性には『拘束』、女性には『催淫』でどうだ?」
彼が言葉を発した途端、ロードと僕は動けなくなった。女性陣は、その場であえいでいる。ワンワード詠唱か…
「キャーリサは味見済みだから『昇天』だな」
王女が白目を剥いて、意識を飛ばし倒れた。
「ハーマイオニーには、今度じっくりとするから、お前も『昇天』だ」
ハーマイオニーも白目を剥いて、意識を飛ばし倒れた。
「で、初物はグレイちゃんとマシュちゃんか。『大の字拘束』で『脱衣』だな」
目の前でマシュとグレイが全裸で大の字拘束されていた。一瞬の出来事である。なんだ、コイツの魔法は…時空系なのか?
「僕の魔法大系か?エロ系だよ」
エロ系?聞いたことが無い魔法大系である。
「どう?マシュ…」
アイツの指がマシュの股間を這う。
「やめてください…あぁぁぁぁ~」
指が入ったり出たりしている。それだけで、マシュの意識は途絶えたのか、頭を垂れて、ピクリともしない。
「次はグレイだな」
「拙は…」
グレイには、マシュと同じ事をしながら、彼女の胸を口にしている。
「もう…カンベンしてくださ…」
グレイも意識を狩られたようだ。
「味と臭いを覚えた。どこに逃げようと、遊びに行くよ。じゃなぁ」
アイツの姿が消えた。
---代羽周太郎---
基本、夜行性な為か、朝は弱い。みんなに言わせると、夜遊びは程ほどにと言われる。解せない。そんなに遊び歩いていないはずだ。昨日のレセプションはパスして、旧交を温めてきた。新顔にも挨拶をしてきたし。
さて、今日から予選である。警備でもしに行くかな。予選会があれこれ開かれているのか、会場の熱気が熱い。一高の本部となるテントへと向かった。僕がテントに入ると、みんな僕から離れていく。
「あっ、シュウ。後半の日程が出番だからね」
真由美の声。僕、服部先輩、十文字先輩はシードらしく、予選数が少ないそうだ。
「昨日はありがとうね」
みんなの見ている前で、僕の背中から抱きついて来た。
「あまり溜めないようにな」
「うん」
今日の真由美はかわいい小動物になっている。それは誰の目から見ても明らかで、周囲でそのような声がちらほらと。
「七草は、すっかり、シュウの虜か?」
「う~ん、そうなのかな~」
仕草がらしく無いレベルで、かわいいんだけど…コイツ、本物の真由美か?
「シュウ、索敵をしていてくれ。何かあれば知らせてくれよ」
十文字先輩に指示された。
「あい…あれ?摩利は?」
「予選よ。バトル・ボードの選手なの」
バトル・ボードとは、サーフィンのような板に加速魔法などを駆使してレースするそうだ。そのコスチュームはボディフィットなタイプで、目の保養になるそうだ。
「じゃ、見にいってこようかな?」
その時、索敵に、いないはずの群れを感じた。
「十文字先輩!妖精の群れが何かを攻撃したぞ!」
「なんだとぉ!」
場所を教えようとした瞬間、無線から悲鳴のような声が響いた。
『大変です。渡辺先輩が、あり得ない形でコースアウトし、観客席に激突しました!』
摩利が襲われたようだ。現場へ急ぐ。摩利の状態は悪い。脳内出血に、手足の骨折…その場で摩利に、『修復』『治癒』『回復』の術を発動した。
「ありがとう…シュウ」
一言発して、摩利の意識が途絶えた。あぁ、『造血』するのを忘れた。これは貧血だな。追加で術を発動した。
「どこの勢力か、判るか?」
服部先輩に訊かれた。
「裏組織の連中かと…」
妖精の群れを使役させることは、この国の学生には無理である。それは魔法師では無理なことで、召喚師…大漢というテロ集団の得意とする手段である。
「シュウ、警戒のレベルって上げられるか?」
「仲間に頼んでみます」
ハジメと遠藤に警備の手伝いも頼んだ。で、摩利のレースは、ビデオ判定の結果、攻撃されたと判断され、無効扱いになり、再レースが決定した。
「召喚系のテロは防ぎにくいんです」
本部のテントに戻って、生徒会の面々に、判明している範囲で手口を説明した。
「次もあると思うか?」
「あるでしょうね」
大漢のテロリストは厄介である。大陸系と呼ばれる古式魔術を使う集団で、僕も全部の術式を覚えている訳で無い上、口伝系継承な為、インデックスのオツムにも入っていなかった。
「アイツらの術で一番厄介なのは、人形遣いって術です。人形にする人物の心臓に術式を刻むんですよ。これを掛けられると、一旦殺して、蘇生するしか無いです」
僕の説明で、聞いていた全員の顔から、血の気が引いていった。実際は、心臓を取り出して、刻まれた術式を消して、戻せばよいのだが、刻む時点で、心臓を止められているので、実際はキョンシー状態、要するに死人になるのだった。
「その術を避ける方法は?」
「無いです。有るとすれば、術者の元に近づかないことくらいかな」
誰が術者か判らないので、避けるのも難しい。まぁ、並行世界で知った術者は、先手を打って処分してあるけど…そもそも、賭けの胴元が大漢系と判った時点で、仲間に大漢系の処分を指示してある。
◇
ホテルの自販機コーナーで缶コーヒー三昧をしていると、蘭、エリカ達バイト組がやってきた。
「何をしているの?」
「缶コーヒー三昧だよ。朝から忙しかったからね」
「ふ~ん」
蘭が抱きついて来た。
「お前、モテるのか?」
エリカが妙な事を言う。
「モテる訳ないだろ?僕は、こんなんだし」
エリカが何かを言いたそうだ。蘭は僕の臭いを嗅いでいるようだし。大丈夫か、最近の蘭は…変態にならなきゃいいけど。