ランチタイムが終わる頃、エリカに呼び出された。人気の無いホテルの裏にだ。溜まっているのかな?
「なぁ、シュウ。お前の秘密って何だ?」
会うなり、そう訊いて来たエリカ。
「ド変態な性癖なことか?」
「それは知っているよ。そうじゃなくて…蘭がお前の他人に言えない秘密を知っているようなことを言うんだよ」
それは僕が化け物であることだな。蘭が思い悩んでいる原因である。蘭がエリカに悩みの相談でもしたのかな?
「私には秘密なのか?」
「秘密は口外しないことを言うんだ。だから、エリカには言え無い」
「どうして?!」
いや、どうして知りたいのかが、理解の範疇の外なんだが。
「そうだな。女性と二人きりになると、ケダモノになることかな」
「えっ!」
エリカが動揺している。シチュエーション的にぴったりだし。瞬動術でエリカの懐に行き、抱きつき、胸を揉んで、布地を透過して指で直に乳首を弄ぶ。
「声を出せないようにしたよ。ふふふ」
『無声』を掛けて、恐怖を煽ってあげる。エリカの股間に透過させた指を這わせて、途中の穴で出し入れをさせていく。エリカの顔は真っ赤に染まり、目には涙を浮かべている。
「だから、二人っきりで会わないことだ」
そう言い残し、その場から転移して逃げた。
◇
一高の本部となるテントに戻った。
「お帰り、シュウ。摩利のこと、ありがとうね」
真由美が周囲の目を気にせずに、僕に抱きついて来た。
「深雪は?」
「達也君とCADの調整中よ」
後、遊べるのは…いないか…
「リンちゃんならヒマかもよ」
真由美が僕の心を読んだかの返答を、耳元で呟いた。そうか、鈴音かぁ…でも、戦士タイプじゃないんだよな。
『大変です。モノリス・コードの新入生の部、相手チームのフライングで、全滅です』
無線から、悲痛な叫びが聞こえた。フライング?事故なのか?一応、現場へと向かった。
事故内容は、作戦タイム中に、相手チームが作戦会議をしていたビルを崩壊させ、一高の選手達を殲滅したそうだ。
「どう思う?」
服部先輩に訊かれた。
「発動した魔法に対し、威力がでかすぎますね。火薬を用いたテロの可能性が大ですね」
たぶん、相手チームに催眠術かな。さっとした爆弾の起爆に魔法を使ったのだろう。
「相手のフライングだから、不戦勝になるが…補欠達が、びびって出たくないって」
十文字先輩が頭を抱えていた。今回の事故の被害は重傷者3名だしな。摩利と違って、回復させたら、再出場はしない気がする。
「なぁ、シュウ。新入生の部に出てくれないか?」
「在校生の部は出なくていいの?」
「そっちも出るんだ」
十文字先輩が無茶を言う。なんで、同じ種目に二度も出ないといけないんだ?手の内が読まれるだろうに。
「新入生の部は、後は司波に打診する。もう一名は、司波のクラスメイトが観戦に来ているそうだから、ソイツに頼む。あとで、作戦会議をするぞ」
達也のクラスメイト?レオかな?
◇
夕食後、十文字先輩の部屋に集まった。僕、達也、レオに真由美と深雪。
「この三名に出て貰う。いいな、七草」
「問題無いわ。オーバースペックが二名いるんだもの」
その二名って、達也とレオだな。きっとそうだ。
「ただ…シュウ、何度も言うけど、ポイ捨てはダメよ」
ダメなのか?肥だめの場所は調査済みなんだが…
「落とし穴は?」
「中身は、アレなんでしょ?まぁ、ポイ捨てで無いなら、見ないことにするわ」
落とし穴は良いんだ。
「シュウ君がいれば、負けはないと思いますよ」
深雪が僕に抱きついている。達也の視線が冷たい。レオは戸惑っているし。
「でも、僕は連携取れないですよ」
「大丈夫だ。誰もそんなことを期待していない」
達也が随分なことを言う。
「仲間に手を掛けるなよ」
レオも言うようになってきたな。
「善処したします」
◇
予選に出場。ジャングル戦のようだ。レオが守備で、僕と達也がアタッカーで勝利。そして本日の2戦目は市街戦。開始直後に僕達のいる建物以外を、『エアースタンプ』で粉砕して勝利。
「お前、オーバースペックすぎるだろう…」
呆れたように言うレオ。そんなに魔力はつかっていないけど…
「明日は決勝戦よ。相手は優勝候補の三高よ」
真由美がハッパを掛けている。三高には、「爆裂」の二つ名を持つ一条将輝がいる。コイツはオーバースペックらしい。
---工藤新一---
アイリーンとい人物から手紙が届いた。俺に会いたいって話で、待ち合わせの時間と場所のメッセージが添えられていた。どのサイドの人物だろうか?一応、シュウへ連絡をしてから、会いにいくことにした。
待ち合わせ場所はホテルのラウンジ。ありがちである。相手の性別も国籍も分からない。向こうは俺を知っていると言うのに。不安と期待が入り交じり、感覚が鋭くなっていく。
「工藤君?工藤君だよね?」
えっ?何故か、佐藤刑事が目の前にいた。
「どうしたんですか?」
「捜査の途中で、君を見かけたから、つい声をかけてみたの。工藤君は、何しているの?」
「依頼人と待ち合わせです」
甘い香り…なんだろうか、意識が霧にまみれていく…そして、柔らかな刺激で目覚めた。なんとも言え無い解放感を感じていた。
「工藤君、溜まりすぎだよ」
佐藤刑事の声…状況が見えない。素肌で感じる佐藤刑事の肉体。これって…うわっ!全裸の佐藤刑事が俺の上にいた。彼女の股間には、俺の身体から生えている物が、吸い込まれていた。どうして、こうなったんだ?
「まさか、依頼人にすっぽかされたからって、私をナンパするとは…」
き、き、記憶に無いんだが…
「強引な君は嫌いじゃないよ」
佐藤刑事の身体…気持ちが良すぎる。やみつきになりそうだ。
「さぁ、一緒にシャワーを浴びよう」
佐藤刑事に手を引かれ、一緒にシャワールームへ…シャワーを浴びながら、濃厚なキスを繰り返す。ますます、佐藤刑事にやみつきになりそうだ。
ゴーン!
えっ?いきなり後頭部に衝撃が…
◇
振り返ると、シュウがいた。
「新一…お前、大丈夫か?精神感応術をくらっていたけど」
ここはどこだ?周囲を見回すと、どこかの部屋で、俺はソファーに座っていた。
「俺…佐藤刑事と…」
やみつきな感触を思い出している。思い出しただけで、悶々とする。
「まだ、解けていないのか?神経もやられているのか」
呆れた顔のシュウ。なんでだよ!
「どういうことだ?」
「美和子は在宅ワークで、家の外に出ていない。そのアイリーンってヤツが化けていたんだろう」
じゃ、あの感触はアイリーンなのか…
「女体に抵抗力が無いやつほど、初めての相手に嵌まるらしいぞ」
あぁ、嵌まった気がする。
「アイリーンのことは、こっちで調べるから、お前は家で静かにしていろよ」
「そうするよ」
家にはシュウに連れ帰ってもらい、俺は自分の部屋で、アイリーンのことを思い出し、悶々としていた。
「そんなにアイリーンがいいの?」
振り返ると、灰原が何故か、俺の家にいた。
「なんで、お前がここに?」
「工藤君が心配だから、私が傍にいることになったのよ」
灰原も元の姿に戻っていた。なので、宮野志保と言った方が正しいか。
「アイリーンって何者だと思う?」
「そうねぇ…工藤君の脳細胞をピンク色に染める存在かしら」
鼻先に甘い香りがする。意識が霧のトンネルを進んでいく。
◇
柔らかな刺激を感じ、意識が覚醒していく。俺の上に知らない女性がいて、俺と行為をしていた。ここは?コイツは誰だ?
「ここは、アナザーワールド。もう1つの世界よ。私はアイリーン。その奴隷は火織よ」
奴隷?まさか、俺の性奴隷か?
「そう。火織を好きにしていいのよ。殺さない限り問題は無いから」
豪快に放出したのか、萎えていた。それを火織が口に含み、元気にしてくれ、再度行為をしだした。
「アイリーン…お前は何者だ?」
「私は人工知能。仮想現実の世界でしか生きられない存在。ねぇ、工藤君。私とこの世界を堅固な物にしてみない?」
ここって、仮想現実なのか。
「ここなら、私は君に色々な特権を与えられる。君が望むなら、毛利蘭も佐藤美和子も、君の性奴隷にしてあげるわよ。好きな時、好きな事をしていいの
よ。どうかしら?」
探偵三昧が出来、蘭も手に入るなんて、魅力的な提案である。
「じゃ、契約は成立ね。以後、君は私の相談役で、作戦立案者よ。君の実体をコチラの世界へ引き込むわね」
「蘭と佐藤刑事も頼めるのか。後、灰原と世良だ」
「実体を手に入れ次第、コチラの世界に引き摺り混むわ。ちょっと待ってね」
◇
アイリーンが俺に、部屋を用意してくれた。推理小説の書物が大量にある本棚。電子ブック化された物は総てあるそうだ。
「ネットの世界なんですよ。電子化されたデータは、なんでも手にはいるわ」
アイリーンは、この世界で神のような存在であるらしい。
「工藤君は、コチラの世界では、ジムと名乗ってね」
アイリーン・アドラーとジム・モリアーティか。どちらもシャーロックを追い詰めた好敵手である。さしづめ、シャーロックはシュウのことになるのかな?
「私達が手を組めば、勝てる相手はいないわよ」
そうだな。このゲームは、俺達が勝ちそうだ。
---代羽周太郎---
消灯時間後、新一の家へ転移したのだが、どこにも新一の姿がなかった。大人しくしていろって言ったのに、どこへ行ったんだ?残留思念を読むと、何者かが転移してきて、新一を連れてどこかへ転移したみたいだ。魔方陣の残骸すら無いことから、能力者の仕業の可能性があった。魔法師の場合、起動式という魔方陣に似た物を生成し、それを起動するのだが、学園都市の能力者は、脳ミソの中の演算領域の中で展開して起動しているので、能力の使用残渣が残らないのだった。
なんで、学園都市が新一を狙うんだ?推理力以外、能力らしい能力は無い推理ヲタである。強いて言えば、スポーツ万能で、銃の扱いに慣れていることだが、学園都市においては、それらは平凡な能力に過ぎない。
ヤマトへ連絡して、捜索依頼を出しておくかな。転移能力者と、たぶん精神感応術者が関わっていそうだ。黒幕はアイリーンを名乗る人物ではあるが…
宿舎に戻る前に、家に立ち寄ると、火織が戻ってきていた。死にそうになると強制転移して、戻ってくるように細工してあった機能で、戻って来たようだ。それは火織は殺されそうになったってことだ。何の為に殺すんだ?アイツらは火織の身体目当てのはずだが。
意識の無い火織を、研究室へ運び、火織に何が起きたのか、ログを調べてみる。
実のところ、火織の身体は、既に人間では無い。僕への供物として確定した時点で、転生ドラゴンになっているのだった。僕の配下の仲間達の殆どは、転生ドラゴンに種族変更される、ドラゴンの駒と言う物を体内に埋め込んでいる。これは、もし殺されたり、死んだ場合、埋め込まれた駒は僕の元に強制転移して来る。蘇生作業をしやすくする為である。この駒には、記憶のバックアップ機能、魂の一時保管機能、ボディの生体図面など、死ぬ前の姿、意識で蘇生出来るように様々な機能がついている。
ログによると、火織の身体を3Dスキャナーで取り込み、細胞やDNA情報を量子データ化していく際に、変換した細胞がロストしていく様子が記録されていた。駒はロストする危険を感知して、強制転移モードを発動し、ここに戻って来たようだ。既にロストした部位を、『修復』『復元』『再生』『治癒』で治して、回復術で体力や気力のチャージをしていく。
「シュウ…ただいま…」
「おかえり。しばらく休め」
「うん…元気になったら、遊んでね」
火織の頭を撫でてあげると、スヤスヤと眠りについた。さらにログを見ていくと、仮想現実世界で、新一と交わってた。なんで、新一が仮想現実世界にいるんだ?どこからデンドロにアクセスしたんだ?そもそも、新一はVRMMOをやるとは思えないんだけど。色々調べたいが、決勝戦の時間が迫っているので、ヤマトに丸投げして、宿舎へと転移した。