----千葉エリカ---
シュウは夕飯を一緒に食べた後、帰宅した。
「父上、あの者は何者なんですか?」
シュウがいなくなった途端、次期師範である兄様が、父上に詰め寄った。
「剣豪だろう…」
剣豪…居合抜きという抜刀術で相手を殺すジョブである。
「お前は見ていなかったのか?儂の木刀が一撃木っ端微塵にされ、首元に刃だぞ。お前ごときが勝てる相手では無い。寧ろ習えるならば習った方が良いくらいだ」
父上はシュウを高く買っているようだ。
「彼の師匠を知っているんですか」
悔しそうに父上に食い下がる兄様。こんなに感情的になる兄様を見たのは初めてかもしれない。
「知らないお前の方が愚か者だろう」
父上は本棚から歴史書を取り出し、あるページを開いて、私達に見せた。そこには彼の師匠だという沖田総司について書かれていたのだが…
「大昔に死んでいるじゃないですか」
そう…多分、父上の生まれる前に死んでいる人だった。幕末に新選組と言う組織に属し、天才剣士と言われていた人物であった。
「だがな、彼の流派は天然理心流で間違い無い。実際に見たのは初めてであるが、書物に書かれていた構えであった」
「どういうことですか…」
シュウのことを知りたくて、父上に訊いた。
「彼は時間を彷徨える能力者だ。彼の木刀は、何も無い空間から取り出されていた。あれは空間系の『アイテムボックス』という能力だと思う。時間と空間を共に扱える時空系の能力持ちなのだろう」
時空系の能力者…そう言えば、転移術も空間系と言われている。
「時代を遡り、剣術を極めたのだろうな。あの歳で…」
嬉しそうな父上、それに対し、兄様の顔から血の気が失せていく。
「能力者でありながら、剣を極めたのか…」
「そうそう修次よ。CADに頼り切りでは、勝て無い壁にぶち当たるぞ。千葉流の真の剣技を極めておけ」
兄様はCADを使った剣技に傾倒していた。シュウのしたこと…木刀で木刀を粉砕…切り捨てることに特化しているCADでは、再現出来無いだろう。
「エリカ…お前の男を見る目は良いぞ。よくあの様な者を連れてきてくれた。礼を言う」
父上は上機嫌で私を見ていた。
---代羽周太郎---
朝、五和に電文を渡された。イギリスで何かが起きたようだった。
「ちょっと、行ってくる」
「わかりました。プリエステスには、私から報告して起きます」
僕はイギリス清教の教会へと転移した。
教会には、第二王女のキャーリサが待っていた。
「あら、早いわね」
スタイルがいい上、強うそうである。ひぃひぃ言わせたいリストで上位である。だが、王女の為、無茶は禁物とつっちーに言われている。
「用件を頼む」
「世間話はしないの?」
「僕、学生なんですよ。通学したいんです」
「ホグワーツを自主退学したのに?」
「色々と事情があるんです。本題をお願いします」
ストレスが蓄積されていく。透過タイプの『エアーバレット』を股間のポッチに向けて狙撃した。
「いやっ…」
見た目に似合わない可愛い声…股を固く閉じる動作をして、僕を睨み付けて来た。
「次は実弾でも撃ち込みますか?」
「貴様…」
剣を抜き、僕に向けてきた。血の気が多いのかな。教会内って、王女ですら抜刀禁止じゃ無いのか?
「そんなナマクラじゃ、僕を斬ることは出来無い」
いや、どんな剣でも、透過スキル持ちの僕を斬ることは無理である。だけど、僕の挑発に乗り、僕を斬るために近寄って来た。透過スキルで、彼女の子宮を直に掴み、投げ飛ばした。
「うっごぉ…」
泡を吹いて意識を飛ばすキャーリサ。信じられないほどの激痛が、彼女の下腹部内部を襲ったことだろう。って、メッセンジャーがこれじゃ、この後、どうするかな?
◇
キャーリサの護衛であるナイトリーダーが用件を知っていたので、彼と共に相手の待つ場所へ移動した。
「あれ、反則手でしょ?」
僕とキャーリサの戦いを見ていたナイトリーダー。キャーリサの抜刀に気づき、止めようとしたがダメだったようだ。
「教会内で抜刀はダメでしょ?」
「ですね。まぁ、これでケンカ早いのが改善されると、次期女王候補筆頭になれるんでしょうけど」
次期女王候補は第三王女らしい。とは言うものの、現王女もケンカ早い。閉経しているような年齢の為、僕の玩具候補にはならないけど、初対面の時、玉間で斬りつけてきたし。
「あまり煽らないでください」
苦笑いしているナイトリーダー。で、着いた場所は、英国魔術協会の本部が置かれている時計塔と呼ばれる場所だった。ホグワーツとは仲がそれほど良くない組織である。ここも学校を併設しているのだが、教師陣がクセ者揃いだし。そして、ここには聖杯戦争に参加して唯一生き残っている男も教師として在籍していた。
僕の通された応接室には、その男の義妹であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテが待っていた。
「辺境の地から態々来て貰って、悪かったわね」
「聖杯戦争事案か?」
現在、聖杯戦争の戦地である冬木氏は、代羽家とエルメロイ家の所有地にしてあった。二度と聖杯戦争が起きないように、僕の仲間を在駐させて、警戒させている。
「そういうことよ。あそこに保管している疑似聖杯を、遠隔で使ったバカがいたようなのよ」
本来、疑似聖杯なんかロストさせてしまえば良いのだが、この星の霊脈の制御に使われているらしく、ロストさせると霊脈が暴走する危険があるのだった。そのため、霊脈の力を無駄に消費させる為、仲間に駐留してもらい、ダンジョンを作り、その維持に霊脈に流れるエネルギーを消費させていた。
「どこのバカだ?」
疑似聖杯はシステムの都合上、システムを解析し理解した者は、そのコピーをつくることが出来る。今回はそれを使われたようだ。
「霊脈を精査しているけど、アメリカで1つ、フランスで1つって感じよ」
2つもコピーがあるのか。疑似聖杯は霊脈に流れるエネルギーを用いて、様々なことが出来る。過去に生きていた英霊達を実態化させたり、違う並行世界と繋いだり、別次元への扉を開いたり…
「アメリカのは扉っぽい。フランスは英霊かな」
まず、フランスの英霊狩りか?イギリスとフランスって仲が悪いから、英霊を兵器化されることを恐れているのだろう。
「そろそろ疑似聖杯をロストさせていいか?エネルギー制御の機能だけ残せば、問題は少ないはずだよ」
「人間は欲深き生き物なのよ。アレを平和利用できれば、巨万の富も夢ではないでしょ?」
イギリス王朝は、既得権益確保なのか。って、他国にいいよう使われているだけな気がするのだが。手元にコピーされた疑似聖杯を『強奪』して引き寄せ、ロストさせた。
「さすが、シュウねぇ」
「だけど、今後は使えないだけで、既に呼び出した英霊と扉は消えないぞ」
「お任せします。この世界に平穏をもたらしてね」
って、簡単に言うな。
◇
フランス領へ潜入した。この国には知り合いはあまりいない。取り敢えず、情報を収集しようと、パリへ向かった。行ったことが無いので、徒歩とか夜間飛行とかを経て、漸く辿り着いた。これで、次回からは転移で来られる。ブティックとかをウィンドウショッピングしていき、蘭に似合いそうな服を、蘭のサイズに『複製』して、蘭の部屋のベッドの上へと『転移』させていく。
ここ、パリでは最近、宝石や貴金属を盗難される事件が多発していた。その手の事件を起こしそうなのは、ギルガメッシュかな?でも、あいつは男子だからなぁ。一緒に悪さをするにはいいが、躾け対象にはならない。さて、どうするか。ギルガメッシュは宝を集めるだけで、敵対しない限りは害は無い。ふと空を見上げると、『天舟マアンナ』が見えた。そうなると、召喚されたのはイシュタルか。それは、躾のやる気が出たかも。
僕もお空の上へと向かうと、僕のエロ心をくすぐる扇情的な衣装をまとった女子がいた。
「何…エロ神…貴様も召喚されたのか?」
「美の女神様…おいしそうな身体ですね」
早速、『催淫』を掛けた。
「おい…空の上で掛けるな…」
『天舟マアンナ』に股間を這わせ始めたイシュタル。それを鑑賞する僕。僕達の周囲には結界を張ってあるので、地上から見えない上、レーダーにも反応していない。
「どこならいいのかな?」
イシュタルと共に、僕の拠点にあるプレイルームへと転移した。自宅のプレイルームでは、イシュタルに破壊されかねないからである。今回の僕の拠点は冬木市にある仲間の作ったダンジョンである。洞窟内にあるので、壁は岩肌のままである。そこに大の字拘束したイシュタルが、腰を捻り、刺激に耐えていた。
「なぁ、女神って悶絶死するのか?」
「知らない…もう止めてよ~」
涙目のイシュタルは僕に救いを求めて来た。
「他人様の持ち物を奪うのは罪だよなぁ?それが例え女神の行いであっても…それこそ、お前が主神として崇められた世界であれば、当然の権利だろうけど」
「ごめんなさぁぁぁぁ~」
太ももが震え、乳首が立っているようだ。これが天使だったりすると堕天使に変わっていただろうが、女神は悶絶するだけだ。今日、何度目かの絶頂に至り、意識を飛ばした女神イシュタル。
「じゃ、この世界では、僕の下僕でいいよね?」
髪を掴み、顔を上げさせ、顔を舐めた僕。
「え…このド変態がぁぁぁぁ~!」
「うん、よく言われる」
慣れているし。
「お前は鬼かぁぁぁぁぁ~!」
「そうだよ。僕の父さんは鬼だし」
僕の魂の器の元は、鬼と天使のハーフである。現在は、それをベースに、戦闘特化生物、所謂バケモノになっているけど。
「うっ…うぅぅぅ…」
泣きながら頷くイシュタル。では、『奴隷の印』をイシュタルの額に刻んだ。これで僕の奴隷扱いである。
「ねぇ、悶々させるだけで、放置ってことは無いよね?」
「え?女神って、英雄、英霊もしくは神としか出来無いんだよね?僕はバケモノだから…」
「えぇぇぇぇぇ~!一応、神でしょ?エロ神様…」
「僕は僕が神であることを否定して生きているから」
泣き叫ぶイシュタルを残し、その場から立ち去る。
◇
いや、女神とも出来るのだが、イシュタルは虐めたい対象であり、ヤリたい対象では無い。意外に淡泊過ぎるというか。入れても気持ちが良くなるわけでもないし。あれって、体力を使うからね。
次の現場へと転移した。異次元への扉は、運良く、僕の仲間が牛耳る正解と繋がったそうで…
「おう!シュウ、元気か?」
何の変哲も無いスライムが話し掛けて来た。
「いや、助かったよ。リムルの世界でさぁ」
スライムにして世界の覇者になった男である。元は人間であったが、異世界転生をした折りに、スライムになったらしい。
「で、俺はどうすれば良い?」
「そうだな。たぶん、友好を深めようという輩では無いと思うから、リムルの判断でいいよ。基本、来たヤツは返さないでいい。判断がしづらいヤツは、僕が判断する。それで大丈夫かな?」
「出来れば、近代兵器は持ち込めないようにして欲しいなぁ。戦車とか装甲車とか核ミサイルはゴメンだよ」
空間に出来た扉に、封印や結界を施していく。兵器持ち込み不可って感じだ。
「後、変な薬もダメだ。拉致誘拐も認められない」
リムルの希望を扉に施していく。
「なぁ、この扉自体を無くすことは出来るのか?」
簡単にはいかないので、封印やら結界やらを施しているのだが。
「出来るけど…その場合、膨大なエネルギーの放出が見込まれ、この辺りの地形や気象に影響するけど、いいか?」
「良くないよ。わかった。エネルギーを使い果たして消滅するのを待つよ」
向こうの入り口はマンハッタン島の地下である。今は使われている無い地下空間に扉があった。
「リムルのいた世界とは違い、現代魔法って言うのがある世界だ」
「それは、深雪のいた世界か?」
並行世界の深雪を3名、既に仲間にしている。その3名共、達也とくっつけようとして失敗している。今回は4度目の正直だが…
「そういうことだ」
「CADってデバイスで魔法を発動だったか?」
「そうだよ。だから、リムルサイドも、向こうへ行かないようにな。来たら、回収出来るのであれば、回収するが、人体実験の素材にされる気でいけよ」
この世界の米軍相手では、リムル達の方が劣勢である。なので、リムルからの侵攻は禁止の方向にした。ただ、向こうから来た場合、兵器持ち込み禁止の為、人海戦術での戦いになれば、リムル達の方に軍配は上がる。個々の能力が上だからだ。
疑似聖杯の件が終わったのは1週間後である。日本出国してから2週間くらい経過していた。で、帰国後直ぐに蘭に呼び出された。なんだろうか?