※この作品はR-18です。

恋姫異天記~曹操伝~   作:KKS

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五 愛に飢えるけもの(恋)

 帰順が決まってから数刻、(れん)は片時も自分のそばを離れようとしなかった。

 食事中は言うまでもなく、あまり興味のなさそうな軍議にも、終了するまで横につきっきりでいたのである。

 (れん)の気持ちはありがたい。しかし、互いに兵を率いる立場にあり、しかも今は戦の最中だった。

 軍議の解散を宣言した時にも、曹操は桂花(けいふぁ)から鋭い言葉を浴びせられている。

 

「いますぐにどうにかしなさいよね、それ。べたべたくっつくのは勝手だけど、それじゃ戦にならないっての」

 

 参加者の総意として、桂花は諫言してきたのだと思う。子犬のようにまとわりついている恋。その愛らしさを前にして、遠慮なく批判の言葉を浴びせられるのは、並大抵の精神力でできることではなかった。

 桂花の矛先を笑って逸らし、その場をあとにした。どうにかするための方策は、すでに立っていたのだ。

 曹操は恋を連れて、湯殿に足を運んだ。城攻めをすることなく取り戻すことができたから、定陶の施設はすべて無事である。それに、こんな機会でもなければ、戦でついた埃を落とすこともないから、ちょうどいいといえばよかったのだ。

 臣下たちに湯を順番に使わせているから、曹操たちで最後となる。汚すことなどわかりきっているから、あえてそうしたようなものだった。

 暗殺されかけたばかりなのもあり、警備は厳しくされている。入り口には華侖(かろん)(なぎ)が立ち、周囲を紅波(くれは)の配下が固めている。

 やや落ち着かないが、文句は言っていられない。建物の中に入ると、曹操は恋の身体を抱き寄せた。

 

「一刀とお風呂に入るのも、久しぶり。だから、ちょっと愉しみにしてた」

「はじめておまえを抱いた時も、湯の中だった。あの時は華侖と(りん)が一緒だったが、今夜は二人きりだ」

「んっ……。あむっ、ちゅぱっ、んむうっ……。一刀、恋と交尾がしたい?」

 

 優しく口づけながら、恋の衣服に手をかけていった。

 緊張がはっきりと伝わってくる。どうにかほぐそうと、必死に舌が伸びてくる。そんな恋の頭を撫でつけ、褐色の肌に触れていった。

 敏感な脇腹。無防備な腋。そこから少し手を動かし、乳房を露出させる。重みすら感じる柔肉を持ち上げ、たっぷりと揉み込む。

 恋の吐く息が熱い。久しぶりの情交に、気持ちの制御がきかなくなっていてもおかしくはなかった。

 

「あっ……。一刀の指、動くと気持ちいい」

「俺のことも、脱がせてくれるか。恋だけされているのは、不公平だろう?」

「んっ……、やってみる」

 

 たどたどしい動き。口づけながらでは難しいと悟ったのか、恋の顔が離れていく。

 

「胸のあたりぺろぺろってされると、気持ちよくなる。一刀も、恋と同じ?」

「くすぐったいくらいだが、続けてくれ。恋の思うように、してくれていい」

 

 服を脱がすかたわら、恋がへその付近から上に向かって舌を這わせてくる。

 熟達した動きではないが、懸命さは感じられる。赤子のようにかわいらしく乳首を吸い上げられると、じくじくとした痺れが走り男根をかたくさせた。

 

「ふふっ。ちんちん、出てきた。びくってしてるのは、寒いせい?」

「そうではない。恋のことが欲しくて、勝手にそこが反応してしまうのだよ。場所を、移そうか」

 

 立ち上る湯気。手をつないだまま、二人でくぐった。

 木桶で湯をすくい、恋の身体にかけてやる。まずは、たっぷりとかいた汗を洗い流したかった。背の低い椅子に腰掛け、前後に並ぶ。

 自分が前で、恋が後ろだった。どうせなら、同時にやってしまったほうが効率がいい。そう促されて、恋は用意してあった米の研ぎ汁を身体につけている。

 

「これでいいの、一刀? 恋、上手にできてる?」

「その調子だ。もう少し、強めに擦ってくれてもいい」

「んっ……、わかった。んっ、んしょっ……。あっ、んふっ、はっ……。一刀の背中で、おっぱい擦れて……っ」

 

 背中から、ぬるりとした感触が拡がっていく。

 豊満な乳房。自在に潰れ、上下しているのだろう。興奮を得ているのは、恋も同じようだった。段々と激しくなる動き。それに合わせて、洩らす声もずっと甘くなっている。

 

「ここも、たくさん汚れがたまってる。だから、きれいにしてあげないと」

 

 ぬめりを帯びた手のひらに、勃起した男根が握り込まれている。

 本能的に、するべきことを理解しているのではないか。そう感じてしまうほどに、恋は的確に快楽を引き出してくる。

 

「お手々でちゅこちゅこってしてあげると、ちんちんびくってする。ちょっと、かわいいかも」

 

 短期間で拙さは大幅に改善され、胸を擦りつける動きと、手の上下運動とがいい具合に噛み合ってくる。

 

「ちゅこちゅこ、ちゅこちゅこ。んっ……。一刀のちんちん、洗う前よりもぬるぬるになってる? でも、そのおかげで動かしやすくなった」

 

 分泌された先走り。恋の指が巻き込み、男根を泡立てる。

 戦場での昂揚が興奮に転嫁されているせいか、普段では考えられないほど早く射精感が高まってくる。恋は自分の快楽を引き出そうと必死で、全身をぴったりと密着させている。

 いきたい。このまま、簡単に射精してしまいたい。

 疲れた身体が、楽になりたがっているのだ。恋の手のひらが亀頭を包み込み、さらなる快感を与えてくる。先走りはとめどなくあふれ、恋の肌を汚しているのだろう。

 

「びゅるびゅるって、いつでもしていいよ。一刀が気持ちよくなってくれると、恋もうれしくなる。だから、んっ……♡」

 

 せり上がる精液。恋の言葉による催促がきいたのか、男根がほどなく大きく脈を打った。

 亀頭を包む両手を押し上げ、精液が隙間から垂れ落ちる。ゆるゆると上半身を動かしながら熱を享受し、恋は満足そうに息を吐いた。

 

「はふっ……。びゅーって、まだ射精終わらない。一刀、ちゅってしててもいい?」

 

 頭を横に向けると、すぐに恋がくちびるを合わせてくる。

 慈しむような舌の動き。とろけるような快感に、頭から下腹部まで満たされている。

 

「あむっ、ちゅぅう、ちゅぱっ……。びゅるびゅる、そろそろ収まった?」

「ああ。上手だったぞ、恋」

「えへへ。褒めてもらえると、恥ずかしいけどうれしくなる。もっと、してあげたいって思うようになる」

 

 射精で敏感になった男根が、粘液まみれの手でやんわりとしごかれる。

 硬直を放棄している暇などなかった。恋の情欲は、まだまだ小さくなってはいないのである。今度は、自分が攻めに回る番だった。

 あらかた汚れを洗い流し、二人して湯に浸かった。

 大人しく入っていられるはずがない。動いた恋が、座っている曹操の膝の上に身体を乗せた。自然と抱き合うような格好になり、性器同士が擦れあう。湯の中にいても、わかるくらいの興奮の仕方。恋の女の部分が、寂しさを埋められることを強烈に望んでいる。

 散々焦らしてから、曹操は隆起したものを挿入していった。

 

「ふっ、んんっ、んあぁあっ♡ 一刀のちんちん、お湯よりあったかくて気持ちいい。お腹の奥の方まで、ぽかぽかしてくるみたい」

 

 じゃれついてくる膣肉をゆっくりとかき分け、曹操は男根を押し進めた。

 絡みつく肉襞。そのふるえで、恋が軽く絶頂していることに気がついた。自分との交わりを、恋の身体は芯から愉しみにしてくれていたのだろう。

 恋が尻を揺らすと、水面に波紋が拡がっていく。それは次第に大きくなっていき、音も激しく変化していった。

 

「もっと、自由に動いてみてもいいのだぞ。おまえの中の感触を、俺に味わわせてくれ、恋」

「うん、一刀。はふっ、はっ、おっ、んあっ……!」

 

 激しい抽送。水面が弾け、無造作に飛び散っている。

 加減すらわからず、恋は獰猛にあえいでいた。痛々しいくらいに揺れる乳房。そこに狙いを定め、曹操が食らいついた。

 ほどよい大きさをした突起。口内に唾液をためてから、一気に吸い上げる。嬌声。触れ合っているすべての箇所から、恋は快楽を得ているのかもしれない。もう片方を手で愛撫していくと、反応はより強くなっていく。

 

「これ……、好きっ。一刀のちんちん挿れながら、おっぱいぎゅーってされるとおかしくなる。もっと、もっとたくさんぐちゅぐちゅってするから、一刀にも気持ちよくなってほしい」

 

 淫蕩に染まる表情。そこからかすかに覗く母性が、曹操の興奮をより高めていった。

 

「もう、離れたくなんてない。ずっと、死ぬまで一緒にいる。あっ、あんっ、はっ……! ゆ、(ゆえ)も、きっとそう思ってる」

 

 胸にあるのは切なさなのか。埋めるように、恋は曹操の身体を抱きしめている。

 甘く締め上げられる男根。亀頭の先が子宮の入り口に何度も擦りつけられ、犯されているような気分になる。

 

「案ずるな。連れ戻してみせるさ、月のことも。誰にだって、邪魔などさせるものか」

「うん、一刀っ……! あっ、んあっ、はぅ、あぐっ……!」

 

 ばしゃばしゃと巻き上がる湯。恋は限界が近いのだろう。嬌声は一際大きくなり、甘い響きが乗っている。

 乳房をしゃぶるのと同時に、揺れる尻肉に指をくいこませた。それがよかったのか、恋の内側がぞくりとするような締め付け方に変わる。

 子種を欲して、子宮が段々と降りてきている。そんな錯覚をしてしまうほど、つながりは深く、境界線は曖昧になっていった。

 

「いいっ、うあっ……! 恋、もういきたい……。だけど、いく時は一刀と一緒がいいから……っ」

「心配するな。恋の中が気持ちよくて、俺も出してしまいそうになっている。一緒にいこう、恋」

「うれしい、かずとっ……! あっ、あひっ、んっ……! はっ、いくっ、ああっ、んあぁあああっ……!」

 

 小さくふるえる腟内。絶頂を向かえた恋は腰を深く落とし、曹操をさらに強く抱きしめる。

 二度目の射精。ぼやけることなく、一度目以上の快楽があるようだった。あたたかな肉に包まれたまま、精を解き放っていく。歓喜の声。恋の野性的なあえぎが、湯殿にこだました。

 

「びゅくびゅくって、ちんちんまだふるえてる……♡ いくっ、いくいくっ……♡ 一刀の赤ちゃんのもとで、お腹ぽかぽかにされちゃってる♡」

「まだまだ、出してやる。大喰らいのおまえのことだ。この程度の射精で、腹が満たされるはずもなかろう」

「はぁあああ……! あふっ、はっ、おおっ、んぐぅうっ……! 気持ちいい、一刀のあったかいので、恋の中がいっぱいにされていくみたいで。もっと、もっとたくさん飲ませてほしい……! 恋のそこ、一刀にならめちゃくちゃにされてもいいからっ♡」

 

 奥の奥まで突き挿れながら、連続で大量の子種を送り込んだ。

 このくらいしてやらなければ、恋の感じていた切なさを埋めてやることなどできはしない。口づけ。やはり、一番好きなのはこれなのではないか。両手をつないだまま、粘液の交換にしばらく夢中になった。水面に漂う白濁。恋の飲みきれなかった精液が、虚しくそばを流れている。

 

「あっ……。一刀の、ちょっともったいない?」

「捨て置け、そんなもの。恋の欲しいだけ、今夜は出してやる。それとも、この程度で満足してしまったのか?」

 

 真っ赤になりながら、恋が勢いよく頭を左右にふる。

 湯の中から立ち上がり、体勢を入れ替える。浴場の縁に手をつかせ、曹操は背後から覆いかぶさった。

 

「ひゃふっ、んんんんっ……♡ さっきと、あたってる場所が全然違う。ああっ、んっ、はあぁあっ。きて、一刀……♡」

 

 男を狂わせる眼差し。交わるごとに、恋の秘めているなにかに火がついていくようだった。

 挑発に全力で乗ってやるようなかたちで、曹操は粘液であふれた媚穴を突いていく。褐色の肌がさらに赤くなるまで、二人の交合は続いた。

 

 

 曹操の脅威が去った徐州。訪れると思われていた平和な時は、あまり長くは続かなかった。

 南方。揚州の八割ほどを制した孫策の軍勢が、徐州への侵攻を開始したのだ。全体像はまだつかめていないが、予想される兵力は四万から五万。それを、血気盛んな孫策が率いて、直接打って出てきている。

 下邳にて情報に触れた桃香(とうか)は、すぐに義妹たちを呼び集めた。

 

「率直に申し上げて、厳しいですね。曹操軍との争いで、徐州軍は疲弊しています。それに前回と違って、援軍を呼ぶあてもない。とにかく、戦までに再び軍勢を鍛え上げなくては。緩んだ兵卒では、孫家に抗う術などありません」

 

 軍部を預かる愛紗(あいしゃ)の言うことは、もっともだった。

 徐州壊滅を宣言する曹操軍が相手だったから、あの防衛戦は統率が上手くいったということもある。連戦となり、しかも相手が柔軟な戦をする孫家となれば、どこまで自分たちのやり方が通用するのか不明だった。

 それに、不安の種はほかにもある。まさかとは思ったが、孫策は自分に追放された陶謙を匿っているようだった。復帰を助け、簒奪者である劉備軍を排除する。そうした建前を用意すれば、大義名分がたつ。

 消え入りそうな声で、雛里(ひなり)が言った。

 

「陶謙さまの名をもって、あちらは内部の切り崩しにかかってくることでしょう。当人がどれだけ嫌われていようと、靡きやすくなるのは確かです。土豪のみなさんの動きには、注意しておかなければなりません」

「かといって、そちらにばかり間者の手を割くわけにはいかんだろう。戦に勝てば、離反は防げる。桃香さまへの信は、それでより厚くもなるのだ」

 

 行った不義が、いつか自分に返ってくることはわかっていた。だが、なにもここまで早くなくてもいいのではないか、と桃香は下を向きたくなる。

 様々な選択肢が、頭の中を駈け巡る。抗戦。降伏。あるいは頼み込めば、曹操は兵をいくらか貸してくれるのかもしれなかった。

 溜飲。下すことができずに、ずっと滞っているようだった。

 

「えへへ。いっその事、ぜんぶ捨てて逃げ出してしまおうか。私がいなくなれば、徐州で戦は起こらない。そうだよね、みんな?」

「徐州に住んでるみんなは、お姉ちゃんのことを慕っているのだ。だから、逃げたりしたら絶対悲しむもん。そんな人たちを、お姉ちゃんが見捨てられないのは、鈴々(りんりん)知ってるよ」

 

 鈴々の純真な瞳。それがわかっているから、苦しかった。わがままで、欲深い女。それが自分の一面なのだと、自覚がないわけではなかった。つないだ手を、自分からは離せない。その輪をもっと大きくしたいという願望は、衝動に近いものがある。

 それに、陶謙が州牧に復帰したところで、民衆になんの益があるのか。陶謙が風見鶏のような動きを繰り返したせいで、曹操の養父は殺され、兗州との関係は急激に悪化した。欲望に忠実という点では、あの男は自分となんら変わらないのかもしれない。それでも、認めたくはなかった。

 諦めることなど、いつでもできる。その前に、やれるだけのことを自分はやるべきなのか。

 

「ごめんね、弱気になってしまって。もう一回、私にみんなの力を貸してくれるかな。曹操さんにだって、徐州は負けなかった。今度も、負けないことを目指してがんばろう」

「その意気です、姉上。早速、私は孫軍の迎撃に向かいます。おまえも来てくれるか、鈴々」

「任せろなのだ。誰が相手でも、鈴々負けないよ。愛紗のことも、守ってやるから安心していいのだ」

「言っていろ。それでは、桃香さま」

「うん。お願い、愛紗ちゃん。軍備が整ったら、私もすぐに行くから」

 

 ひとつの戦が終わったかと思えば、また新たな戦がはじまる。こんな状態では、人の心が休まることなどありはしなかった。

 やはりこの国は、確固たる覇者の出現を早急に求めているのではないか。義妹二人の出動を見送る桃香の脳裏には、大軍に毅然として立ち向かう曹操の姿が浮かんでいた。

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