城外に設営した陣屋で、曹操は一夜を過ごした。防壁に囲まれた環境が、油断を生むこともある。それに、野外で過ごしているほうが、戦に向かう気力を養える気がしていたのだ。
張邈は、自分の反撃に対し有効な手を打てていない。暗殺の企ては悪くなかったが、成功しなければただ信を失うだけだった。起死回生の一手。決戦にて自分を破る以外に、巻き返しなどあり得ない。そして、正面切っての戦を望んでいるのは、曹操も同じなのである。
あるいは、
ただし時期が来れば、
木陰で休み、曹操は竹筒から水を飲んでいた。明日には定陶を経ち、鄄城まで駈けることになる。戦となれば、呂布軍の存在を大いに喧伝するつもりだった。深紅の旗が、誰のもとにあるのか。敵味方の双方に、それをはっきりさせておきたかった。
かすかに感じる甘い香り。右手に
「堪忍してなあ、一刀。ウチが斬ったところ、まだ痛むやろ?」
「あの程度の傷、どうということはない。それよりも、おまえと闘ってよく眼が覚めた。大義を失えば、同時に人心を失う。それだけは、避けるべきだったのだ」
戦を直前に控えていても、
女体。しなだれかかってくる。両腕で抱きとめ、曹操はほほえんでいた。いたずらっ子のように表情を崩す霞。すかさず自分の膝の上に寝転ぶと、甘えるように顔を擦りつけている。
「まったく、図々しいことこの上ない女だ。でしたら、私はこちらを」
星の瞳に、情念の色が見えている。先日から、働きに対する褒美がなにか欲しいとねだられていたのだった。戦までに余裕があるとすれば、今が最後か。ふくよかな乳房の感触を腕で愉しみながら、曹操は考えた。
雰囲気の変化を察したのか、霞の眼の色が変わる。股の間をまさぐる指。硬直しかかった男根が外気にさらされるまで、時間はそうかからなかった。
「にししっ。一刀のチンコ、いじられたそうにかたくなってるやん。んっ、あむっ、ちゅぱっ。んっ……。味濃くて、たまらんわ」
「むう。主よ、お許しあれ。戦の前なれど、不埒者からここをお守りするためには、手段を選んではおられませぬ。ほれ、少々横にどかんか。これでは、私が主に奉仕して差し上げられん。降将はそれらしく、慎ましくしているがいい」
「んむっ、れろっ、ちゅぷっ……。んなこと、こんなもん見せられて、できるわけないやろ。まっ、あんたの頼みやったら、聞いてやらんこともないけどな。ほら、これでどうや?」
「おや、案外素直なところもあるのだな。それでは、失礼をば……」
二枚の舌が、男根の上で躍っている。霞はやや荒々しく、星はどこか粘っこい。そんな両者による違いを確かめながら、曹操は竹筒に残った水を飲み干していた。
周囲に人の眼はない。これならば、もう少し大胆に愉しんでも問題はなさそうか。二人の尻を撫で回す。肌は吸い付くようで、いかにもさわり心地にすぐれている。下着に包まれた女陰。指で刺激し、反応をうかがった。
「んっ、あっ、はあんっ……。一刀、そこっ……」
「主も、その気になられたようですな。んむっ……。もうこんなに大きくなって、素敵です」
気分が乗ってきたのか、どちらも奉仕に熱がこもっている。霞の舌先。尿道をこじ開け、中に入りたがっているようだった。強い刺激が通り抜ける。かと思えば、星が優しく陰嚢を揉みほぐしつつ、付け根に向かって口づけの雨を降らす。両者による塩梅が心地よく、曹操は思わず声を洩らした。
「ふうん。一刀も、そんな声だせるんやなあ。なあ、もっと聞かせて?」
「あむっ、はっ、んふっ……。主のここ、とてもかたくなっておりますな。匂いも強くて、頭の隅まで犯されてしまいそうになる。そんな、雄の匂いです」
奉仕の進行に従い、二人の女陰の濡れ具合もずっと激しくなる。
ぬかるんだ星の腟内に指を突っ込み、同時に陰核をこねた。ふるえ。内部に走り、星がちょっと感極まったような声をあげた。
「い、いきなりはずるいでしょう、主。あっ、んっ、ああっ……。こ、このような声、霞に聞かせたくなど」
「かかかっ。悪いけど、とっくに手遅れやで? しっかし、あんたもかわいい顔するなあ、星? 一刀の指、そないに気持ちいいんや。……って、あっ、あぐっ、んうぅうう……!」
霞の奥に指を突き入れ、大きくかき回した。少々の動きで満足できないことは知っている。だから、最初から絶頂させるつもりで、愛撫をしていった。
「あっ、はあっ、うふっ……。ははっ、あまり偉そうな口はたたかぬほうがよいのではないか、霞よ。主の不興を買って、生殺しにされても助けてはやらんぞ。んあっ、んっ、んあぁあ……!」
「抜かせ、趙子龍。あんたのほうこそ、お口が留守になってるんやないか? そんなんじゃ、じゅぷっ、じゅるるっ……、一刀の愛人失格やで」
「ふふっ。愛人などという地位は、とっくに捨てているのでな。主の妻たる私には、つまらん戯言など通用せぬわ」
「なんやてぇ? 星の言ってることってほんまなん、一刀?」
「袁紹を室として迎えたあと、関係をはっきりさせようという流れになった。星の話に、偽りはない」
勝ち誇るかのように、星が小さく鼻を鳴らしている。一門には負けるが、旗揚げ前からの付き合いは短くなく、軍では古参に数えられる部類に入っている。冗談ばかり言っているようで、その実周りからの信頼は厚い。それゆえ霞も、星との一戦をけじめとして選んだのではないか、と曹操は思っている。
「奥さんかあ。ウチも、気が向いたらその輪に加えてもらってもいいん、一刀?」
「意外だな。霞は、そうした括りにあまり興味がないのかと思っていた」
「えー? ウチかて、それなりに寂しい思いしてたんやで? それがわからん鈍ちんには、こうや」
男根を包んでいた熱が消えていく。
袴を脱ぎ捨てた霞が、覆いかぶさるように接近している。粘液の付着したくちびる。ついばみは情熱的で、感覚が解け合っていくようだった。
「二人のことを、同時に感じていたい。俺のわがままを許してくれるか、霞」
「ったく、しゃあないなあ? あんたみたいな、強欲な男に惹き寄せられたのが運の尽きや。それにウチも、どっちかだけなんて我慢できそうにもないし。ほら、星?」
霞と星。双方の重みが心地いい。ぬかるみ。男根が、優しく抱きしめられているようだった。
「あっ、んんっ、はあっ。主の熱いものが、気持ちのいい部分に擦れて……っ」
「はははっ。星の身体、めっちゃ熱うなっとるやん。こんなん、ウチも感じてしまう。やっ、はっ、はうっ……。あんっ、一刀……♡」
それぞれの敏感な箇所がふれあい、混じり合っていく。愛液に溺れる亀頭。快楽のざわめきが次々と伝わっていき、理性を焦がす。
興奮に飲まれているのは、霞にしてもそうなのではないか。喘ぎを洩らす星の口。くちびるで塞ぐと、霞は小さく笑うのだった。
「あっ、はむっ、ちゅう……。んっ……。なんなん一刀、その視線は?」
「いや。二人の絡み合う姿も、美しいと思えてな。気にせず、続けてくれていい」
「へへっ、そうやろ? ご主人様の了承も得られたことやし、星ぃ?」
「まったく、美少女同士の口づけを肴に劣情を発散しようとなされるとは、恐れ入りましたぞ。んっ……。擦られているここも、ずっと雄々しくされて」
恥じらう星の表情が、興奮をより駆り立てる。二人のくちびる。再び重なり、淫らな水音を奏でていった。
隙間から、時折赤い舌が垣間見える。互いに快楽を求め、複雑に絡み合っているようだった。さらしが窮屈になってきたのか、霞が結び目をほどいていく。上下する身体。呼応して、乳房が揺れている。
「いいぞ、二人とも。眺めているだけというのも、たまには悪くないな」
「んふふっ、せやろ? 一刀は、じっとしててくれたらええで。んっ、んむっ……。ウチと星とで、きっちり気持ちよくしたるから」
「ああっ。これ、気持ちいい……。主と霞の熱に、おかしくされてしまうようで」
ぬちゅり、ぬちゅり、ぬちゅり。
蒸れた女体に挟まれて、男根がぞくぞくとふるえている。甘く狂おしいような快楽。せり上がってくる精液の重みを、曹操は感じずにはいられなかった。
頭の奥が熱い。くちびるの間。飲みきれなかった唾液がこぼれていく。決して激しくはないが、満足できないほど鈍いわけではない。亀頭の厚みに陰核を潰されるのが、二人は気持ちいいのだろう。小刻みな痙攣が、何度か伝播してきているのだ。その甘い微動に誘われるように、曹操も限界を近くしていた。
「あっ……。もしかして、一刀もいきそうなん?」
「受け止める準備は、いつでもできておりますから。主のお好きな場所に、精を放ってくださいませ」
二人の密着が強くなる。男根全体にかかる圧力が増し、搾り取るような動きに変わっていく。
「汚したいな、おまえたちのことを。俺だけのものだと、示したいだけなのかもしれん。小さい男なのだ、そうやって考えてしまう程度には」
「ははっ、ご謙遜を。主の欲深さを、私はよく存じておりますとも。そして、それはやがて、天下の隅々にまで拡がっていく。そんな予感があったから、お仕えしたいと思ったのかもしれませんな、私は」
穏やかな星の笑み。触発されるように、男根が強くふるえた。
「あっ……! くるっ、一刀の精液っ……。かけて、思いっきり……! ウチらの身体、真っ白になるくらい汚してほしいねん……!」
「うあっ、ひゃふっ……♡ すごい勢いで、私の顔にまできています……♡」
離された男根がぶるっとふるえ、思う存分に白濁液を撒き散らしている。
乳房、腹、それに顎のあたりまで粘っこい汁で汚され、二人は淫蕩な表情をさらしていた。止まらない。星の純白の着物が、獣欲にまみれた色に変えられていく。再度擦り上げられる男根。張り詰めた筒先から、真新しい粘液が飛び出していった。
「ほんまに、底なしの化け物やな。なんぼでも出てくるやんか、これぇ♡」
「ふふっ。霞め、今になって理解したのか、そのようなことを? ああっ……。この匂い、たまりませぬな……♡ 武人である前に、自分が女であるということを思い知らされてしまう匂いなのです♡ 主、私にもっとこのどろどろをくださいませ。着物の汚れなど、気にいたしませんから♡」
星の瞳が、妖しく輝いている。
男根に絡まる五本の指。子種を搾ることに夢中になっている星に、曹操は微笑し頷き返すのだった。
†
定陶陥落から五日ののち、曹操は鄄城の南方五十里に迫っていた。
搦手であった暗殺が上手くいかず、張邈は焦りを大きくしている。軍議は平行線をたどるばかりで、進展はなかった。この戦も、そろそろ幕引きを迎える時が見えてきたのか。最後の仕事に向かう
遅れて軍議の席に参加した風は、意見の往来をぼんやりと眺めていた。
中途半端に発言したところで、このやり取りに流されるだけだった。籠城か、それとも出撃か。どちらの意見も決定打が欠けていて、これでいこうとならないのが現状なのである。
「あのー、張邈さま。方々のご意見も出尽くしたようですし、私の考えを披露してみても?」
「申してみよ、程昱。よき案がなく、辟易としていたところなのだ」
張邈から、期待を込めた眼差しを向けられている。意見がひとつにまとまらず、もどかしく感じているはずだった。どちらでもいいから、方針さえ決まれば人は動く。とにかく、軍が浮ついた状態での離反だけは避けたいという思いが、張邈の根底にはあるのだろう。
「はい、それでは。率直に申し上げますと、籠城策には未来がありません。南からは曹操軍が迫り、北には不気味な動きを見せる袁紹の兵がいます。その両方に包囲されては、やがて音を上げるしかなくなりますね」
「孫堅との同盟はどうか。こちらが曹操を引きつけている間に、豫州を奪ることもできよう。話としては、悪くないとは思うが」
「同盟を結ぶにしても、戦捷の報なくして、あのお方の関心を得ることは難しいでしょう」
「となると、やはり戦か」
「はい。時をかけただけ、こちらは不利になります。迅速に出動し、曹操の先陣を叩く。それでわが軍の士気はあがり、まとまりも生まれます。陳留の張超さまにも、援軍を要請されるのがよろしいかと。緒戦で勝利をあげても、退路を塞がなければ曹操を討ち取ることはできませんから。よろしいですか? とにかく、迷わないことです。出足が鈍れば、それだけ敵軍に自由を与えることになりますからねえ」
確実に押し切る気で、風はまくし立てた。
迅速な決着を望んでいるのは、曹操とて同様なはずである。兗州を再びひとつとし、孫堅との闘いに兵を向ける。そのための助力は、惜しまないつもりでいた。
「よくぞ申してくれた。私も、曹操とは戦で雌雄を決するべきだと思っている。でなければ、みなの信を得ることなどできるはずがあるまい。すぐに戦支度を。曹操を破り、私は兗州をひとつにする。ここが、そのための正念場だ」
戦意にあふれた声で、張邈が宣言する。
これで、命運はいよいよ坂を転がり始めた。終局まで、誰にも止めることなどできはしない。張邈にも、自分にも、そして曹操にも。
軍議の帰り、張邈と
「どうか、無事におもどりください、張邈殿。非力な身ではありますが、私もそう祈ろうと思います」
「それはありがたい。月殿が加護してくだされば、勝てるという気が強く湧いてくる。つぎ会う時には、きっとよい報告を持ってこられよう」
月の声音。そこに潜む刃のような冷たさに、張邈は気づいていないようだった。
未遂に終わったとはいえ、曹操に対し刺客を送り込んだことは事実なのである。愛する男の命を狙われて、月が強い反感を抱かないわけがなかった。そもそも、月が親身になって張邈と接していたのは、自分たちの争いに巻き込んでしまったという負い目があるからだった。
狂気にも似た曹操への思慕の念。ふくらみきった時、なにが起こるのか。それが少しも見えていない張邈に、風は悲しみを含んだ視線を向けている。
R-18回の頻度について
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今くらいのペースでいい
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もっと多い方がいい