急に休みを与えられると、かえってなにをしていいかわからなくなる場合がある。
一日寝て過ごすのも悪くはないが、それではいかにも刺激がなさすぎる。思い立ったが吉日、
午前中に調練の仕事を済ませてきたようで、星は居室で寛ぎきっていた。かたわらにあるのは、メンマと酒。それさえあればこの世は幸せだと言わんばかりに、星は機嫌よく手酌を重ねている。自分は酒があまり得意でないから、そうした怠惰な午後を送ることもできないでいる。妙な寂しさを感じて、風は自前の飴にかじりついていた。
「ねえねえ、星ちゃん」
「なんだ、風よ? それともなにか。おまえもついに、私の説くメンマの素晴らしさに気づいてくれたのかな」
「いえー、それにはちょっと及びませんねえ。食感も味も、好きではあるのですが」
自分の返事につまらなさそうに首を振ると、星は杯の中身を一息にあおった。戦場では飲めない分、浴びるほど味わっておこうという算段なのか。酒飲みの気持ちはわからない。だが、飴を取り上げられたと思うと見えてくる辛さはある。
飴の輪郭。舌でねっとりとなぞりながら、風は話を続けた。
「
「身体つきの幼い
「むむむ……。星ちゃんは、いじわるなのですよ」
険しい表情をしていることが多かった月も、曹操の近くにもどってからは自然な笑顔を見せるようになっている。女としての充実した時間。それを過ごせるようになったのが、やはり大きく影響しているのだろう。
愛する男の世話をしつつ、母となる日に向けての備えをする。親友が妊娠したという事実を知らされて、
「しかし、主の子を孕みたいのであれば、このような場所で油を売っていても仕方がなかろう。この酒と同じで、一日にいただける子種の量にはかぎりがある。それに競争相手が少なくないことも、よくわかっているのではないのか?」
帰順が叶ったよろこびからか、
だが、天下無双の飛将軍が相手だからといって、引き下がっていい勝負はない。そして現在の時刻、曹操は単身政務を行っている可能性が高かった。
「……星ちゃんの言葉で、眼が覚めたような気がしています。善は急げともいいますし、今からご主君さまに奇襲をかけるのもありかもしれませんね」
「くくっ。応援しているぞ、風。真正面から寵愛を欲するおまえの姿を見れば、主とて愛を注がずにはおられまい」
「はい、それでは行ってまいります。いい報告、期待していてくださいね、星ちゃん」
星と別れ、風は一路曹操がいるであろう役所を目指した。
護衛と数人出くわしたが、なに食わぬ顔でやり過ごしている。目指すは大将首ひとつ。不思議なくらいあがる息をどうにか我慢しつつ、風は居室に潜り込んだ。
「風? 今日は確か、非番を与えていたはずだったが」
「ご主君さまの記憶に、間違いはありません。ですが、お会いしたいという気持ちをどうしても抑えきれず、ここまで来てしまったのですよ。お邪魔……、でしたでしょうか?」
「そんなことはない。おいで、風。区切りがついたから、俺も少し休憩を入れようと思っていたところだ」
いつもとは違う自分の様子。そこになにか期するものを感じたのか、曹操は笑って手招きをしてくれている。
休憩するつもりだったというのは、自分を気遣う方便なのかもしれない。処理を終えていない書簡はまだ積まれていて、作業は途中のようなのである。それでも構ってくれる曹操の優しさがありがたくて、風は膝の上でほころぶ顔を隠すのに必死だった。
「ご主君さま。失礼ついでに、不躾なお願いをしてもよろしいでしょうか」
「聞こう。風のような忠臣がいてくれたおかげで、俺は戦に勝つことができた。その願いは、軽んじていいものではない」
真面目な言葉を並べる曹操。それとは裏腹に、触れてくる手つきはどこか官能的でもある。
指。くちびるを割り開かれ、強引にしゃぶらされてしまう。かすかにするのは、汗の味なのか。たったそれだけのことなのに、自分の身体はよろこびを感じてしまっている。
「んっ、ちゅうぅ、ぷあっ……♡ もう、ひどいのですよぉ、ご主君さま」
たっぷりとまぶした唾液。その垂れ落ちる様を、間近で見学させられている。
「それで、願いとはなんなのだ。まさか、指をねぶりたかったわけではあるまい?」
「あう……。その、ご主君さまのお情けを、どうしてもいただきたくなりまして。赤ちゃん、ほしいんです。ご主君さまのどろどろのせーえきで、風のちっちゃなおまんこ、孕ませてくださいませんか♡」
われながら、よくもこれだけ蕩けた言葉ばかりでてきたことだと思う。
言ったあとから羞恥が募り、身体全体が熱くなってしまう。それだけではない。曹操の手が下腹部の周辺を這い回り、女を開かせようとしているのだ。抗うことなど無意味だった。早く太いモノを感じたい。大好きな人の熱で、腹の奥を灼かれたい。
溢れ出す欲求。抑えることなど、できるはずがなかった。
かたくなった男根を手早く取り出し、靡肉に擦りつけ挿入をねだってみる。今日一日は素直な自分で過ごしたい。それに、ため込んだ思いを解き放つ快感がそこにはあるのだ。
「くちっ、くちっ、てやらしい音していますね。私はご主君さまの肉奴隷ですから、いつでもおまんこしてほしいのです。ねっ、挿れてくださいますよね、ご主君さま……? ご主君さま専用の気持ちいい穴、すっかり準備できていますから」
言うより早く、曹操に下着を剥ぎ取られてしまう。陰毛を弄ばれる感触。恥ずかしかったが、交合に対する期待がそれを遥かに上回っている。
男根の先。ぬめりをまとい、膣内への侵入を試みているようだった。来る。待ち望んたものが、ついに来てしまう。想像しただけで、甘い痺れが何度も走り抜けていく。
微小な絶頂。極太の芯で下腹部を突き通されたのは、ちょうどそれを感じていた時だった。
「おっ、おぐっ♡ おっ、んっ、んおっ、んふう……♡ はーっ、はーっ♡ んっ、んぐぅううううっ♡」
強烈な快楽のせいで、自然と声がふるえてしまう。
淫らで荒々しく、軍師の職務につく女が出していいような類のものではなかった。曹操以外の誰にも、聞かせるわけにはいかない声。肉塊に埋められ、頭の奥がぼやけている。なにも考えられない。考える意味など、なにもない。
曹操による責めが続く。気持ちよくなる箇所は、すべて把握されているようなものだった。断続的な絶頂。息をつく暇すらなく、肉体が快楽だけで染め上げられていく。
「かわいいぞ、風。おまえの乱れている姿は、俺だけのものだ。俺だけの風。それで、いいな?」
「はっ、はひっ……! 風はずっと前から、ご主君さまだけのものですから♡ おっ、くふっ、あはあっ……♡」
意識が軽く飛ぶ。曹操のものだと宣言する度に、その感覚は強くなっていく。
墜ちる。快楽に狂い、イキ狂うだけの雌に堕ちてしまいたい。
「で、ですからっ、ご主君さまの好きに風を犯してください……! たくさん愛して、それしか考えられないように変えてください……っ!」
「ははっ。今日のおまえは、一段と大胆なのだな。少し身体を動かすぞ。けだものがするように、後ろからかわいがってやろう」
軽々と持ち上げられ、政務用の机に身体を押し付けられた。腕に弾かれ飛んでいく書簡。気にかけることもなく、風は曹操から与えられる快楽だけに意識を集中させている。
「おほっ♡ んっ、んあっ、おっ……♡ こっ、これぇ、おちんちん深いぃ……! ご主君さまの先が、風の赤ちゃんのお部屋とんとんってぇ……!」
「だらしない声ばかり出して、恥じらいというものを無くしてしまったのか。さあ、ここが感じるのだろう? おまえの弱い場所など、俺はすべて知り尽くしているのだからな」
「あひゃっ、はっ、んはふっ……! すごっ、すごすぎますっ……♡ こんなの風、ずっといってしまいますからぁ……!」
「犯せと頼んだのは、風ではないか。こうやって押さえつけられて、中出しされて気持ちよくなりたいのだろう? どうだ、違うか」
びりびりとした刺激が、絶え間なく脳内を溶かしていく。
中出し。絶対に、中に出されたいと思った。必死になって緩みそうになる膣を締め上げ、風は男根を愛している。肉を擦り上げられる感覚。焼けつくような熱さで、わけがわからなかった。
「ほしい……。おまんこの中に、だしてほしいのです。ご主君さまの精液♡ 白くてとっても濃厚な、子種汁♡ 風の子宮に注いで、孕ませてください。大好きなご主君さまの赤ちゃん、授けてくださいっ♡」
「おねだりが上手になったな、風。いいぞ、まずは挨拶代わりに一度くれてやろう」
「うおっ、お゛っ、んっ……お゛ぉっ……♡ くる、またきちゃう……♡ おまんこでせーえきごくごく飲んで、思いっきりいっちゃいます。あっ……。おちんちんがぷくってなって♡ あっ、はあっ、んはぁあああああぁあ♡」
出されている。流れ込んでくる精液に、理性が押し出されているようだった。
下品な声がとまらない。それどころか、もっと曹操に聞いてほしいとさえ思ってしまう。全身が馬鹿になってもいい。快楽漬けになって、死ぬまで曹操に依存して生きていたい。狂っていく思考の中で、そんなことばかりが浮かんでしまう。心の奥底から、そうなりたいと望んでしまう。
「なにを休んでいる。今日ここで、俺の子を孕みたいのだろう?」
「ほふっ……!? んおっ、お゛っ、んあぁああっ……♡」
弛緩した自分の身体。腰を掴み、曹操が容赦なく快楽を送り込んでくる。
肌を打ちつける音が部屋全体に響いている。机に垂れ落ちる涎。ぐったりとしたまま、風は強すぎる痺れに身を焦がされていた。
「ははっ。このくらいで、音を上げていてどうする。それとも、これで終わりにするか? 俺は、どちらでもいいのだぞ」
「やっ、いやなんです。ご主君さま、もっとぱんぱん続けてください。風のおまんこ、おかしくなるまで気持ちよくしてください……!」
「かわいいな、必死になるおまえも。いらないと言うまで、感じさせてやる。だから、しっかり子種を飲むのだぞ?」
「ひゃいっ♡ 今日だけ、風はご主君さまの精液お便所になります♡ ですから、たくさん使ってください……♡ 精液びゅーってしたくなったら、いつでもかけていいですからっ♡」
自分でも、ほとんどなにを言っているのか理解できていなかった。
ただ、曹操に愛してもらいたい。愛された証として、子種を注がれたい。その思いだけが先走り、淫猥な言葉となって紡がれていく。
「いぐっ、またいぐっ♡ ご主君さまの凶悪極太おちんぽ突き刺されて、風のおまんこいくのですよおっ♡」
曹操に触れられている部分のすべてが、あり得ないくらい多量の快楽を生んでいるようだった。
絶頂の大波。失いかけた意識が、抽送によって強引に取り戻されている。
これだから、曹操という人の軍師はやめられない。底抜けの情欲。女体を蹂躙してしまえる狂気。だが、そんな中であっても、どこかに優しさを感じさせるのだ。
「あ゛っ、はっ、んはうっ……♡ また、熱いのきてるっ♡ おまんこで飲みきれないくらいの精液、びゅるびゅるってくるぅう……!」
背中をのけぞらせ、二回目とは思えない量の精液を風は受け止めている。
孕む。これだけ凄まじい交わり方をしているのだから、確実に曹操の子を孕んでしまう。腹の奥が熱で満たされている。意図していない笑い声。洩らしながら、風は全身を打ちふるわせていた。
†
おかしくなるような臭気。二人分の粘液で汚れた男根に、風は舌を這わせている。
結局、あれから五度は中に出されてしまっている。これ以上は、いくら出されようと確実に入らない。床にこぼれている分もちょっとやそっとではなく、正気にもどるのが嫌になるような景色がそこには拡がっていた。
「んふふー。ご主君さまのおちんちん、すっごくいやらしい匂いがしていますよ? ちゅっ、じゅぽっ、ちゅぱっ……」
「しっかりきれいにするのだぞ。俺には、まだやるべき仕事がある。だから、感謝を込めて汚れを舐め取るのだな」
「んくっ、んっ……♡ はい、ご主君さま♡」
男根全体に、べっとりと粘りが付着してしまっている。舌を使ってそれを丁寧に剥がしていき、嚥下する。淫靡な味で、頭がおかしくなりそうだった。
曹操に肩を叩かれた。あれだけ濃厚な交わり方をしても冷静さを失っていないようで、そこにも凄みを感じさせられてしまう。どうやっても敵わない人間が、世の中にはいくらかいるものなのだろう。そのうちのひとりが、間違いなくこの曹操だった。
「机の下に隠れていろ。ただし、奉仕はやめるなよ?」
「んふっ、んっ」
男根を咥えたままなせいで、まともな返事ができなかった。
足音。真逆のことだからわかりようがないが、誰かが部屋に入ってきているようだった。その対応中も自分に男根をしゃぶっていろというのだから、曹操の感覚もまともではなかった。
「ちょっと……。なにか匂うわよ、この部屋。まさか、身体を洗っていないんじゃないでしょうね!?」
「昨日も、水を浴びている。おまえに文句を言われないように、そのあたりには気をつけているつもりだ」
「そっ。だったら、尚更気になるわね、この匂い。というか、どこかで嗅いだことのあるような……?」
「もういいだろう、それは。俺も暇ではないから、用件は手短に話せ」
足音の主は、
その足もとで、自分が勃起したものを頬張っていると知ったら、桂花はどんな顔をするのだろうか。あるいは、なんだかんだで流されて、淫欲の輪に加わるのかもしれない。口でどう言い繕おうと、桂花が曹操に飲まれきっているのは周知の事実なのである。
「わかってるってば。豫州に同行する将の選定。それと、
搾る。口を小さくすぼめ、男根を吸い上げた。
まったくの無音というわけにはいかない。あるいは、桂花の耳に奉仕の音が届いている可能性もある。それでも、やめられなかった。魅惑的ですらある男根から、離れたくなかった。
「出すのは、いつでもいいのか」
自分と桂花。どちらに向けて、曹操が言っているのかわからなかった。
もちろん、射精を歓迎する体勢は整っていた。口内、顔、それとも髪を汚したいのか。頭を前後に動かし、敏感な先端に刺激を集中させていく。にじみ出る粘液。甘美な味が、舌を溶かしていった。
「なるべく、早くお願いしたいわね。出せるのなら、今すぐにでも結論を出してもらいたいくらいなんだもの」
「そうか、ならば少し待て。出すものは、もうそこまできているのでな」
「はあ? 言っている意味が、よくわからないんだけど。それに、書簡が床に落ちてしまっているじゃない。子供じゃないんだから、整頓くらいちゃんとしなさいよね」
桂花の声に苛立ちが混じっている。
さすがに、射精が迫っているなどと考えるほうがおかしいのだ。突き出される腰。喉奥まで、男根が無理やり入ってくる。ふくらむ。反動で思わず抜け、風の眼の前で太いものが弾けた。
飛び散る。すぐさま男根を手で抑え、風は亀頭の先を自分の顔に向けた。はじめと比較すれば、少々薄まってはいるのか。それでも、濃厚で粘り気のある塊が、顔全体に降り掛かっているのだ。熱い。それに、匂いもすごかった。
「ふふっ……♡ ああっ、ご主君さま♡」
身体の内外ともに、曹操の色に染まりきっている。
これほどの幸福は、ほかでは味わえない。顔についた精液を手のひらでのばすと、また快感に襲われた。一体、今日だけで何度絶頂を迎えたのだろうか。数えることなどできるはずがない。射精を終えた男根に口づけながら、風は淫蕩な笑みを浮かべている。
しばらくして、桂花は帰っていった。違和感はあるようだったが、深く追求する気にはならなかったようだ。そんなことよりも、戦のことで今は頭がいっぱいなのだと思う。
「後先のことを考えずにやったのは俺だが、そうか……」
「元気をだしてください、ご主君さま。風も、後片付けはお手伝いしますから」
「そんな顔をして言われても、説得力がなさすぎるな。まずは、おまえからどうにかするべきか」
「むー。こんなになるまで出されたのは、ご主君さまなのですよ?」
「ははっ。言ったではないか、今日一日だけは精液便所になると。望まれたように、俺は使ってやったまでだ」
「それはそうですし、うれしかったのは確かなのですけどぉ……」
精液まみれになった自分と床。その両方を見比べて、曹操はおかしそうに笑っている。そこには一片の暗さもない。この切り替えの早さが、多くの女を手中にする秘訣なのかもしれない、と風は考えてしまう。
待つように言い残して、曹操が部屋をでていった。所在なくしゃがみ込み、風はもう一度机の下に潜り込んだ。交合の残滓。床に、はっきりと残っている。
ほんとうに、子を孕んだのではないか。確信めいた予感。交わりの途中から、それが胸中に去来しているのである。
強張りかけた精液を指でいじくる。これを綺麗さっぱりわからなくするには、結構な労力がいるのではないか。ほかの誰かに、手伝いを頼めるようなものではない。となると、きっかけをつくった自分が全力であたるしかなかった。
「お休み、きっと返上しなくてはなりませんよねえ」
頭の上の宝譿を指で小突く。口でこそぼやいているが、風の顔は清々しく笑っていた。
R-18回の頻度について
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