※この作品はR-18です。

恋姫異天記~曹操伝~   作:KKS

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九 白月の輝き(月、恋)

 気分のいい目覚めだった。出陣を控えた朝。あの日あったようなざわめきは、心のどこにもない。少し身体を動かして、差し出されたままになっている腕に頭を置いてみる。たったそれだけのことなのに、どうしてこんなにも満たされてしまうのか。しばらくまぶたを閉じ、(ゆえ)は怠惰な朝を愉しむことにした。

 すぐ隣には曹操が眠っていて、その向こう側では(れん)が幸せそうに寝息を立てている。自分のあるべき場所に戻ってくることができた、という思いが強かった。もう一度、今度は少し大胆に、身体を擦り寄せてみる。

 

「んっ……、一刀さま」

 

 真名を呼び、脚と脚とを絡ませた。かたい感触。無意識に起きる現象なのだと承知はしているが、どうしても胸が昂揚してしまう。

 昨晩は(えい)とも一緒に夕食をとり、自分と恋だけがそのまま閨に残った。激しい交わりがあったわけではない。ただ三人で横になり、眠気がやってくるまで語り合った。これまでのこと。そして、未来に向けたこと。離れていた時間。そう長くはなかったのかもしれないが、身を裂かれるような感覚が常にあった。驚きはない。自分たちだけでなく、袁紹、劉備といった群雄までもが曹操に影響され動いた。天下を巻き込む資質が、あの人にはある。当人は否定したがるのだろうが、それはまさしく天命だった。

 自分には子ができ、恋には新たな象徴が与えられた。一欠片の希望。それがあれば、人は迷わず進んでいくことができる。たとえ転んだとしても、立ち上がることができる。

 

「女の顔になっているな。もう我慢が効かなくなったのか、月?」

「起きていらしたのですね、一刀さま。お恥ずかしい姿を、見せてしまいました」

 

 ふくらみに添えた指。ちょっと動かしはじめたところで、曹操が目覚めてしまう。

 咎めるような感じではない。母になったというのに欲望を抑えきれないでいる自分を、曹操は愉快そうに見つめていた。

 しばらくの間、直接的な行為は控えた方がいい。雑談の中で、それとなく桂花(けいふぁ)から釘をさされたことだった。子を宿した経験などあるはずもないし、こればかりは先達の言に従うに越したことはない。それに、つながらなくとも愛する方法はいくらでもあるのだ。

 

「えと……。一刀さまさえよろしければ、お口でして差しあげたいのですが。朝はこうなるとわかっていても、やはりお辛そうですし」

 

 返事をもらうよりも早く、下腹部のほうへ移動してしまう。

 大きく隆起した着物の前。丁寧に頬ずりをすると、期待にふるえた男根がびくりと脈打った。

 

「ははっ。月にこうまでされて、誰が奉仕を断れようか。少し話したいこともある。そのまま、続けてくれないか」

「うれしいです、一刀さま。それでは、んっ……失礼いたしますね」

 

 帯を緩め、男根を外に出す。自分でも、慣れた所作になってきたように思う。ちょっとした生き甲斐。曹操への奉仕が、そうしたものになってきているのかもしれない。待ちに待った雄々しいもの。寝汗のせいか、普段よりも匂いがちょっと濃い。たっぷりと吸い込むと、俄然やる気がわいてくる。

 いきなり咥えたりはせずに、まずは周辺から舌で愛撫を加えていく。舌先。微妙な力加減で、眠った快楽を引き出そうとした。曹操の手が、頭を撫でてくる。硬度を増す男根。亀頭は悠然と天を向いていて、月の顔に影を落としている。

 

「へう……。こうして撫でていただくのも、なんだか久しぶりのような気がいたします……。一刀さま、それでお話しというのはいったい?」

 

 自分を母にしてくれた子種。それがつまっているであろう袋を念入りに揉みほぐし、慈しんだ。

 恋はまだ夢の中のようで、起きる気配はない。孫家との戦でも、呂布軍にかかる期待は小さくないはずだった。孫堅の猛々しさと、獲物を狩る周到さ。対抗するための剣として、恋は相応しい力量を持っている。自分が最後まで導いてやれなかった輝き。曹操ならば、活かしきってくれると月は信じていた。

 そして、かつての董卓軍で武威を示していた者が、孫堅のもとにはいる。華雄。そう簡単に死ぬはずがないとは思っていたが、やはりその推測は正しかった。新たな主君。あるいは、孫堅を友のように感じているのか。直接交流してきた詠たちの話から、月はそんな印象を受けていた。

 自分は曹操に惚れ、華雄は孫堅に惚れている。ただそれだけのことであり、なにも悲しむべきことはなかった。出会いと別れ。その繰り返しで、人の歴史は紡がれていると言っていい。

 

「董の名に、復してみる気はないか」

 

 予想外の切り口だった。

 聞こえていないふりをして、奉仕を続けた。雁首を軽く指先でいじり、肉竿に口づける。勃起したものが額に触れていて、そこから熱が明瞭に伝わっている。

 

「なにも、再び董卓と名乗れと言っているわけではない。なにより、そんなことをしては恋たちの努力が無駄になる。しかし、生まれてくる子の将来を考えると、そのままというわけにもいくまい」

 

 董卓の復活を、今になって曹操が求めるはずがない。わかりきっていることなのに、片意地を張ろうとした自分がちょっと恥ずかしかった。舌の表面で会陰を何度もなぞり、手を使って大きくなった剛直をしごいた。満足したように曹操が深く息を吐く。もっと、自分の奉仕で気持ちよくなってもらいたい。その一心で、愛撫をし続けた。

 本来ならば、悪名を残した暴君の血筋をまともに遇する必要はないのである。董の名に復するという意味。それが小さくないことを、月は直感的に理解していた。名をもどせば、曹操の築く秩序の中に表立って加わることもできるようになる。いずれ生まれてくるわが子に、父が曹操だという事実を堂々と伝えられることにもなる。

 

(はく)、と名乗るのはどうか。卓の字から、余計なものを削いでいくと白となる。身軽になった月には、似合うようにも思うが」

「あむっ、むっ、ちゅう……。白……、董白ですか」

 

 澄み切った声。淫らな奉仕を受けているにもかかわらず、曹操は少しも動じていなかった。

 董白。悪くない響きだと思った。恋にとっての深紅の曹旗と同様に、その名は自分の新たな一歩の手助けとなるのではないか。

 

「ありがたく、頂戴する所存です。この董白のすべては、あなたさまのもの。名を変えても、その思いは生涯変わることなどありません」

 

 誓いの口づけ。男根の先を唇でしっとりと濡らし、月はほほえんでいた。

 そのまま、熱くなった亀頭を頬張った。唾液であふれた口内。頭を揺さぶるのと同時に、舌をねっとりと絡ませる。

 先走りの官能的な苦さが、唾液と混ざり合っている。その味は媚薬のように思考を歪ませ、情欲を増幅させていく。呼吸がむずかしくなるまで深く男根を飲み込むと、その傾向はより顕著になった。

 

「んぷっ、んっ、じゅくっ……。あふっ……、わらひ()ひょうふにでひてひまふでひょうか(上手に出来ていますでしょうか)?」

「ああ、さすがの居心地だ。月のくれるあたたかさが、俺は好きなのだろうな」

 

 うれしくなって、もっと頑張りたくなってしまう。

 じゅぷじゅぷ。ぐぷっ、ぐぷっ。水音を派手に立て、唾液と一緒に快楽を送り込もうとした。曹操の指が髪を撫でる。それだけで感じてしまうほど、気持ちが昂ぶっていた。

 

「もうひとつ、話をしてもいいか」

 

 曹操の言葉に、月は何度も頭を振って頷いていた。

 なんだって受け入れる。曹操に寄り添って生きると、自分は誓ったのだ。

 

「わが子の養育のことを、以前から考えていたのだ。それぞれの裁量に任せるのもいいが、それではつながりが薄くなる。競争は必要なのだろうが、兄妹の相克は家を割り、果てには国を割ることになる。みなが母であり、姉でもある。そのような環境で、わが子には育ってほしいと俺は願っている」

「んっ、んむっ、ちゅぱぁ……。それは、よきお考えかと。次代の育成は、戦と同じくらい大切に扱われるべきです。私も、一刀さまのご意見に異存はありません。詠ちゃんや恋さん、それにほかのみなさんとも一緒に子を育てられると思うと、愉しみでなりません」

「月に同意してもらえると、俺も心強い。理想を実現するためにも、体制の整備が急務となってくるのだろう。その任を、そなたに命じたいのだ、董白」

「そのような仕事を私に? ほんとうによろしいのですか、一刀さま?」

「俺のまわりを見渡しても、おまえ以上に乱世を知る者はいないのでな。その経験の大きさから鑑みて、誰よりも適任だと思っているのだよ。いきなりの要請ではあるが、受けてくれるか、月」

 

 迷いはなかった。自分に董白の名を与えたのは、このためでもあったのだろう。

 少しだけ姿勢を正し、月は言った。

 

「御意のままに。ご信頼に応えるためにも、励むつもりです」

「よろしく頼む。職務の補佐として、詠をつけるつもりだ。二人でなら、上手く進められよう」

「詠ちゃんと一緒に? ご配慮ありがとうございます、一刀さま。詠ちゃんと二人で一刀さまをお支えできるだなんて、ほんとうに夢みたいで」

 

 感謝の念を込めて、男根にじっくりと舌を這わせた。

 曹操も口淫を愉しむことだけに気持ちを切り替えたようで、先ほどよりも反応がずっとよくなっている。

 汗のたまった亀頭のくびれ。唇と舌先とで、余さず汚れを取り去っていく。男根の熱さ。それすら、愛おしくなってくる。ゆるやかな快楽。愉しむ曹操の隣で寝ていたはずの恋の姿がないことに、月はまだ気づいていなかった。

 

「おはよう、月。一刀のちんちんが、今日の朝ごはん?」

「へうっ……!? お、おはようございます、恋さん」

 

 死角からいきなりあらわれた恋。挨拶もそこそこに、いきなり曹操の男根を咥えた。

 

「あむっ、ちゅっ、もごごっ……。ぷあっ……。おっきすぎて、恋の口に入りきらない。月だったら、たぶんもっと無理」

「うふふっ。だけど、困っている私たちを見るのも、一刀さまはお好きみたいだよ?」

「一刀は、ちょっとだけ意地悪。すんっ、すんっ……。ちんちん、月と一刀の匂いがして、いつもよりどきどきする」

 

 無造作に寝ていたせいで、恋の着物はすっかり乱れてしまっていた。

 さらけ出している肌。女である自分から見ても、健康的な魅力にあふれている。

 男根を舐めながら、曹操の反応を伺った。口淫に不満はない。それでも、視線は恋の身体に注がれているようだった。乳房。やわらかな肉が動く度に揺れ、曹操の情欲を誘っている。使わない手は、ないと思った。

 

「恋さんの胸が気になって仕方がないんですね、一刀さま。だったら、恋さん?」

「んっ……。おっぱいで、ちんちんぎゅってする? そうしたら、一刀は気持ちよくなれる?」

 

 恋の身体。乳房で男根を挟めるように誘った。

 褐色の谷間から、赤黒い先端が飛び出している。恋はまだ要領をつかめていないようで、自分と曹操の顔を交互に眺めていた。

 

「おっぱいで挟みながら、上下に擦って差しあげるの。そうしたら、絶対よろこんでくださるから」

「わかった。月の言うとおりに、やってみる。んっ、んしょ、んっ……」

「そうそう。上手だよ、恋さん。それなら、私はこちらを」

 

 豊かな乳房に挟まれた男根。

 包みきれていない先端に狙いを定め、月は奉仕を再開させた。二人分の快楽。曹操のよろこびは明らかであり、分泌される先走りの粘度も増している。

 

「んっ、はっ、はあっ。これ、すごい。月のよだれで、恋のおっぱいぬるぬるになる。擦ってるだけなのに、気持ちよくなる」

「かわいい、恋さん。ねっ、一刀さま」

 

 自分の意図を、曹操は即座に理解したようだった。

 上気している恋の頬。そっと手をあて、唇を合わせた。小さな驚き。しかし、それはすぐに消えていく。

 いつの日か、恋も曹操の子を宿すことになるのだろう。考えると、たまらなく胸が熱くなった。同じ男を愛し、そして子を育む。壊すだけしかできなかった自分を、曹操が変えてくれたという思いがある。

 たどたどしく触れ合う舌。恋も、口づけを愉しんでくれているようだった。そうしている間も、亀頭は手のひらで刺激し続けている。粘液の感触。生々しく、昂揚する気分を抑えられなかった。

 

「んっ、ちゅっ、んはっ……♡ ふふっ、気持ちよかったね、恋さん」

「うん。一刀とちゅってするのとは、少し違う。けど、すごくどきどきした」

 

 ぼんやりとしたまま、恋が感想を述べている。女同士の戯れ。見守っていた曹操の眼差しは優しく、父性すら感じさせられている。

 

「ほら、一刀さまを気持ちよくして差しあげないと。私たちのご主人様で、愛しい旦那さま。たくさん、ご奉仕いたしますね♡」

「んっ……。一刀は、恋のご主人様?」

「違いない。胸でもっと感じさせてくれるか、恋」

「一刀の、ご主人様の命令は絶対。おっぱい、ぬちゅぬちゅってして、ちんちん気持ちよくしてあげないといけない。んっ、んべえ……」

 

 口内にためた唾液を、恋が胸の谷間に垂らしている。それが潤滑剤となり、上下運動の助けとなっているようだった。奉仕によって恋自身も興奮を得ているのは確実で、色のきれいな乳首が主張を強めていた。

 

「おっぱいでご主人様にしてあげながら、恋さんも感じているんだね。私も、がんばらないと」

 

 射精感を高めようと、亀頭を念入りに刺激していった。

 曹操の手。臀部を撫で回されるのが心地よく、男根を咥えながら声を洩らしてしまう。

 

「んっ、んふっ……♡ ごひゅりんひゃまのて(ご主人様の手)きもひいいんれふ(気持ちいいんです)。んじゅぷ、もっほひへくらひゃい(もっとしてください)……♡」

「あっ……。ご主人様のちんちん、ひくってしてる。白いの出したくなったら、いつでも出してくれていい。恋のおっぱい、ご主人様のでぬるぬるにしてもらいたい」

 

 恋の天才肌な部分が、閨においても発揮されている。乳圧。的確に加えられているようで、男根は幾度となくひくついていた。

 

くらふぁい(ください)ごひゅりんふぁま(ご主人様)♡ じゅぷ、じゅぅぅううう、じゅるっ。わらひほれんひゃんに(私と恋さんに)、じゅろろっ、ひゅふひゅふってらひてくらはい(出してください)

「狙ってしているのか、月? ははっ。だとしたら、たまらないな」

 

 もごもごと言葉を発する動き。それを、曹操は気に入ってくれているようなのである。わかっていて、何度も繰り返した。気持ちいい射精を味わってほしい。精液を、自分たちに浴びせてほしい。

 情欲を解き放つ瞬間。すぐそこにまで、来ているのか。曹操の指が、優しく剥き出しの陰部を擦っている。押し寄せる波。飲まれつつあるのは、曹操だけではなかった。

 

「ああっ……。そのまま締め上げていろ、恋。出る……、出すぞっ」

「うあっ♡ ご主人様のちんちん、びくびくってふるえてる。んっ……、今日もすごい量。月のおでこ、真っ白にされちゃってる」

「んっ、んんっ、あっ、あふぅ……♡ どろどろなのは、恋さんも同じだよ? ここだって、ほら♡」

 

 絶頂の瞬間を見計らって、月は口を離していた。

 恋の乳房に降り注いだ精液。塗り拡げる途中で、乳首に刺激を加えた。

 ふるえる声。奉仕をしていて、かなり敏感になっていたのだろう。面白いくらい恋の身体は反応を見せ、かわいらしくひきつっている。

 

「あっ、んあっ……! 月の指で、こりこりってされるの気持ちいい。恋の身体も、ちんちんみたいにびくってする♡ はーっ♡ んんっ♡ ぴりぴり、とまらない♡」

 

 恋の持つ美しい褐色の肌。一段と紅潮したその上を、精液の白が染めていく。

 幻想的ですらある光景。小刻みに昇ってくる快楽を受け入れながら、月は見入っていた。

 

 

 軍人の顔となった恋。近くでは、ねねが赤兎を曳いている。

 残留する詠とともに、月は出陣の見送りにでていた。間もなく、田豊率いる袁紹軍が到着する予定となっている。その合流を待って、曹操は豫州に進軍するつもりでいた。

 

「はい、これで大丈夫。だけど、怪我には気をつけてね」

「ありがとう、月。恋の命は、一刀のもの。だから、死ねって言われるまで恋は死なない」

 

 噴き出した血にも見える赤い布。呂布奉先の、目印ともなっているものだった。しっかりと首に巻いてやると、恋はうれしそうに笑ってみせた。

 曹操と交わした誓い。それがあるかぎり、恋は軍神となり闘いの中に生きるのだろう。待っているしかない自分が、少し口惜しい。それでも、帰る場所があるから人は闘える。誰であろうと、それは同じだった。

 

「しっかりね、恋。呂布軍の強さ、孫家のやつらにも見せつけてやるのよ」

「わかってる。詠たちの分まで、恋は闘う。勝って、一刀と一緒に帰ってくる」

 

 頼もしい言葉だった。それに恋が口にすると、大言を吐いているような感じが少しもしないのだ。

 おびただしい数の軍勢。静かに通り過ぎていく。月が探しているのは、曹操の姿だった。

 「馬」、「徐」、といった旗をかかげた部隊を見送った。体格のいい黒馬。その背に揺られて、待ち人はようやくあらわれた。

 

「いってらっしゃいませ、一刀さま。お帰りを、お待ちしております」

 

 高く上がった曹操の右手。深く頭を下げる月の心は、穏やかだった。




馬……徐……
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