結局、
流浪の軍を率いる将軍。そこから徐州を統治する立場にまでなり、ついには道を違えていた想い人の旅路に割り込んでみせたのだ。言い方は少し悪いが、その強引ともとれる意志の力が桃香の備える資質なのではないか、と
持ち前の明るさと、人を惹きつけてやまない笑顔。経験を重ねている曹操にとっても、その輝きは特別なものであったに違いない。それに比べて自分はどうなのか、と
指摘される程度には堅物であり、相手が胸襟を開いてくれなければなかなか懐に飛び込めやしないのだ。
今はいい。だが、いつまでもこの状態を続けていいものなのか。どこかで、愛想を尽かされたりはしないだろうか。輝きを増した桃香を見ていると、漠然とした不安におそわれる。やはり、姉上にはかなわないと敗けを認めるような心境になってしまう。
どうして、こんなにも戦場と勝手が違うのか。洩れそうになるため息を押し留め、愛紗は城内を歩いた。
せっかく出歩いているのだから、ついでに腹ごしらえをしておくか。そう考えて、一軒の飯屋の戸をくぐる。最小限の被害で済んだから、こうして城郭の生活は死なずに機能しているのだ。一度は恐怖した曹操に、住民たちは感謝の念を抱いている。
食欲をそそる匂い。なにかを揚げているような音が、厨房から聞こえている。
「あっ、一刀殿……」
そこに見えたのは、求めてやまない人の姿だった。
かたわらでは、従妹である曹仁がむずかしそうに首を捻っている。孫策との戦に備えて、なにか戦略でも話し合っている最中なのか。なんとなく苦手に感じていたのだが、最近になって
気さくで、元気が有り余っているところなどは義妹にも通ずる部分がある。それでいて、戦場に立てば激しく闘ってみせるのだから、人は見かけで判断できないものである。
「およ? 愛紗も、ご飯食べにきたっすかー?」
「まあ、そんなところだ。一刀殿との時間を、邪魔するつもりはなかったのだが」
「んん? いいから、愛紗も座って座って」
笑顔の華侖が、空いている席を指さしながら言った。
血のつながりがなくとも、二人の間に流れる情愛は本物だった。はじめは鈴々の態度に疑問を持っていたが、打ち解けるほどに曹操を慕う気持ちは大きく強くなっている。あれほど渋っていたのに、真名を呼ばれることにすらよろこびを感じているのだ。
驚くべき変化だったが、人の感情とはそうして遷移していくものなのだろう。
「華侖が加減をせずに注文するから、どうしたものかと思っていたところだ。好きに食べていってくれ、愛紗」
「は、はいっ。それでは、いただきます。あに……んっ……、一刀殿」
野菜と肉の炒めものを口に入れる。うまいのだろうが、ぼんやりとして味はよくわからなかった。踏み出す勇気が、もう少し足りていない。そもそも、これは踏み出そうとしてできるものなのか。
自分が隣りにいる状況であっても、華侖は自然体のまま曹操に甘えている。食べさせてもらう姿などは恋人としても様になっているし、曹操も特に周りの視線を気にすることなく堂々としている。
「んふふー。これもおいしいっすねえ、一刀っち。んっ、今度はあたしがしてあげるっす。ほら、お口あーんてして?」
邪魔など、最初からできるはずがなかったのだ。甘い雰囲気。それがどうして、今はこんなにも心苦しいのか。
曹操の顔を見る。よもや、自分は試されているのかもしれない。この戦況を打破するために、どのような一手をしかけることができるのか。麾下として、そして女として、勝負に敗けたくはなかった。
意を決して椅子を立つ。もう、どうにでもなればいいと思った。
「あああ……、兄上っ!」
「ほえ? 知らない間に、愛紗のお兄ちゃんにもなってたんすね、一刀っち。やっぱり、あたしも一刀兄ぃって呼んだほうがいいような?」
華侖の言葉は、少しも耳に入らなかった。
顔が熱い。いや、どうやら身体全体が熱されているようだった。構わず曹操の腕を取る。考えがあるわけではないが、勢いがそうさせているのだ。
「華侖。悪いが、兄上を少し借りていくぞ」
「んー、わかったっす。あっでも、あたしあんまりお金を持ってなくて……」
持っていた銭。叩きつけるようにして、卓に置いた。気が動転していて、それで足りるのかどうかすらわからない。ひいふうみいと数える華侖。今は、少しの時間すら惜しかった。
「すまんが、あとは任せた! 埋め合わせは、いずれ」
「あははっ。そんなの、んっ……あたしは全然気にしてないっすよ。一刀兄ぃも、ねっ?」
「からかうなよ、華侖。
「了解っす。それじゃあ、がんばって!」
華侖の明るい声が響く。
とにかく、曹操と二人になりたかった。そこから先、どうなるかなど知ったことではない。ただ、この募りに募った感情をどうにかするには、それ以外の方法がないと直感していたのだ。
†
曹操の腕。引いたまま、人気のない路地裏に駈け込んだ。
さすがに、力を入れすぎていたのではないか。今さら、そんな心配をする自分が滑稽だった。
「す、すみませんでした、兄上。いきなり、このような振る舞いをしてしまい」
「気にするな。それより、俺を斯様な場所に連れ込んで、愛紗はどうしたい。それを、聞かせてくれないか」
鼓動が高鳴る。曹操の送ってくる視線。普段とは段違いに、熱が込められているように見えていた。
なにをすれば、自分の心は満たされるのか。答えなど、わかりきっているはずだった。つばを飲み込む。すべてを受け入れるつもりで、曹操はいてくれているのか。
「兄上のものになりたい。それだけでは、いけませんか……?」
「いいや。その言葉だけで十分だよ、愛紗」
額同士が触れている。唇が合うまで、もう少し。ここで突き出すのは、不躾が過ぎるのではないか。そんなことを考えている間に、はじめてが奪われていく。
「あっ、んむっ、ちゅっ……。あっ、兄上……。はむっ、んっ、んうっ」
あたたかい。触れている部分だけの話ではなかった。心にあった隙間が、瞬時に埋められていくようなのである。
もっと、もっと曹操と口づけていたい。その思いに突き動かされて、押し付けるように唇を吸った。
「はあっ、はあっ……。兄上……、んっ……。すごいですね、これ」
「ははっ。かわいいな、愛紗は。これだけでも、満足してしまえそうではないか。だがな」
「あっ、それっ。どうなさるのですか、兄上……?」
鳴り続けている心臓が、さらに跳ねた。
着物の内側から取り出された男根。ひどく膨張しているうえに、重たげな袋を二つぶらさげている。なんとなく、奉仕をすればいいように思えた。しかし、その方法がわからない。
「舐めてほしいな、愛紗の口で。無理にとは、言わないが」
「遠慮など、なさらないでください。兄上によろこんでいただけると、私もうれしいのですから」
緊張にふるえる膝をどうにか折り曲げ、曹操の足元にしゃがんだ。
間近で見ると、男根の大きさがさらによくわかる。女は、これを迎え入れることで母になることができる。そのくらいの知識は、持っていた。
「兄上の逸物、とても雄々しいです。こんなにも張り詰めて、期待してくださっているのですか?」
「当たり前だ。俺も、この日を心待ちにしていたのだよ。愛紗との出会いは、必然だったような気がしている。とはいえ、そのあとのことは誰にもわからない。今、こうして好き合えているのは、俺たちがあがいた結果なのではないかな」
「ふふっ。素敵ですね、そういうのも。あっ、ぴくって動きましたよ? 吐息があたるだけでも、反応してしまうものなのでしょうか」
「待ち遠しいのだな、愛紗にしてもらうのが。だから、少し敏感になっているのかもしれない」
「なるほど。でしたら、早急に慰めて差しあげなくてはなりませんね。そ、それでは、まいります」
赤黒い男根の先。試しに、唇で触れてみる。熱い。それに、吸い付くような感触が不思議だった。
これが、曹操の味なのか。割れ目を舌でなぞりながら、そんなことを考えた。少し、舌の上がぴりぴりする。刺戟的な味だ。こんなものを口いっぱいに味わえば、自分はどうにかなってしまうのではないか。
曹操の手が、やさしく頭に置かれている。たぶん、やり方は間違ってはいない。ただ、この張り詰め具合を見ていると、もっと大胆に奉仕するべきなのかとも思えてくる。
「んっ……。むっ、ぐぽっ、んむっ……。兄上、私うまくできているのでしょうか」
「いい感じだ。そのまま、愛紗の思うようにしてくれていい」
「ふぁ、ふぁいっ。んちゅっ、ちゅっ、むぐっ……。もごっ、くぷっ、じゅっ……」
口内が、雄の味覚であふれている。
たぶん、二度と忘れることなどできないのではないか。男根の熱さ。愛しいと思えてしまうふるえ。粘度の高い汁が、先端からこぼれている。興奮の証。そうなのだと信じて、愛紗はすすり上げた。
「ずじゅっ、ずずっ。んっ、あっ、はあっ♡」
独特の香り。鼻腔内まで、曹操に支配されているようだった。
「すごい味です、これ。人生で味わってきたどれとも違う、これが兄上の味」
淫猥な香りを放つ汁。際限なく欲してしまう。自分の思い。応じるかのように、男根は汁を吐き出し続けている。
ここが外だということすら忘れて、愛紗は男根への奉仕に夢中になっていた。自分の口で、曹操をよろこばせることができる。それが、なによりの励みになっていた。
脈動。意味はわからないが、感じてくれている証拠なのだと思っていた。太い血管。いやらしく窪んだ先端と幹をつなぐ溝。くまなく舐めあげ、唾液をまぶした。
「くぷっ、くぷっ……。んっ、ちゅっ、んはぁ……♡ 兄上の逸物、また立派になられたのではありませんか? どう頑張ったって、私の口では入りきりません。むっ、もごっ、んぐっ」
「上手だぞ、愛紗。かわいくて、いやらしい自慢の妹だ」
「んっ、うれひぃ……。むっ、あむっ、ぐぽっ。んじゅ、んっ、ちゅぱっ……!」
男根を限界まで飲み込むと、喉奥まで曹操に犯されている気分になる。
気持ちいい。奉仕をしながら、自分の身体は感じはじめているようだった。胸の奥。下着に包まれたままの秘部。そのあたりから、じわりと熱が拡がっている感じがする。
「このあたりで、一度出しておこうか。はじめての愛紗の身体に、あまり負担をかけたくはない」
「んむっ……。出されたいのなら、いつでも。ですから、兄上」
出る。もうすぐ、男根から子種があふれ出てくるというのか。
どんな風になるのか、ちょっと期待してしまう。曹操のもの。愛しい、兄上の大切なもの。全力で受け止める覚悟で、愛紗は口淫を続けた。
反応が明らかに大きくなっている。それに、先端からにじむ汁の味も濃い。子種には、これ以上の濃厚さがあるのだろうか。そもそも、口で受け止めていいものなのだろうか。わからないが、本能の命じるまま口をすぼめた。
こうすると、曹操はうれしそうに頭を撫でてくれるのである。それが好きで、つい頑張ろうという気になるのだ。
「いくぞ、愛紗。少しくらいこぼしてもいい。とはいえ、何事も経験だ」
「んっ♡ んっ♡ んむっ♡」
曹操の声は、ほとんど聞こえていなかった。
口内の男根。一回り大きくなったかと思うと、いきなり弾けてしまう。熱い汁。それも、先走りよりも数段濃厚な粘液が、頬の内側で暴れまわっている。
「ふっ、んむっ……!? ふーっ、んっ、はふっ……! んくっ、むふっ、ぐっ、ごくっ……♡」
これが、精液の味。濃密な味と匂いで身体を満たされていく感覚が、たまらなく甘美だった。
絶倫という言葉があるが、それはまさしく曹操のような男のためにあるのだろう。飲み干すのが追いつかないくらいの量。それを、延々と注ぎ込まれているような気分になってくる。白濁した雄の汁。地面にこぼれ落ちたものを、愛紗は男根を咥えたまま見つめている。
腹の奥。そこが、急に熱くなった。口で飲んでいるだけでも、こうなのである。想像するだけでも、甘い痺れが下腹部を覆う。
「ふはっ、はっ、んはっ♡ す、すごいです、兄上のこれ。いくら飲んでも、飲みきれなくて……んっ。たくさん、こぼれてしまいましたね」
「気にするな。本番は、まだこれからなのだからな。壁に手をついてみろ、愛紗」
「んっ……。こうですか、兄上?」
「ああ。おまえのかわいい尻が、これならよく見える」
「あっ、んあっ……! わかります。兄上の逸物が、私のそこを擦って……。ひゃっ、んっ、ああっ……!」
「声を出してもかまわないが、あまり叫びすぎるなよ? 静かではあるが、ここはまだ街中だ」
「ど、努力してみます。ですが、あっ、ああっ……! 私の中に、兄上が……んあっ」
身体がこわばる。はじめての逢瀬に、このような場所を選んだのは自分なのである。
もし、曹操以外の誰かに乱れた姿を見られたら。考えただけでも、悪寒が走った。ぞくりとするような感覚。それが股の内側から押し上げられ、痛みに変わっていく。これが、処女を散らすということ。感じたことのないような異物感。これが、曹操のものになったという証。
「うあっ……! あっ、はーっ、はっ、んうっ……! 私は、ちゃんとできているのでしょうか、兄上」
「そのうち、感覚が馴染んでくる。大切な愛紗に、無理はさせないさ」
「あっ……♡ んっ、はむっ、ちゅっ」
口づけ。挿入の辛さを我慢しているせいか、数倍甘く感じられている。舌。触れ合わせているだけなのに、どうしてこんなにも幸せだと思えてしまうのか。送られてくる唾液。味わいながら、愛紗は歓喜の涙を流している。
曹操の手が服にかかる。胸の前。留具が外されていく。汗をかいた肌に、外気が心地よくあたっている。
「少し脱いだほうが、楽にもなる。心配せずとも、裸に剥いたりはしない」
「はふっ、んっ……♡ 兄上の手、気持ちいいです」
「そうか。しばらく、こっちに意識を集中させていろ。できるな、愛紗」
「は、はいっ、兄上。んむっ、ちゅるっ、ぷあっ、あっ……」
胸を揉む手。労るような舌遣い。なにもかもに慈愛が込められていて、言いようのない感動を愛紗は得ていた。
これが、愛する人と交わるということなのか。乳房の先端。指でこねられると、甘い声を口から洩らしてしまう。その間も、男根の存在は忘れられなかった。ぼんやりとしていたものに焦点が合い、はっきりとなっていくような感覚。自分は、中で感じはじめているのかもしれなかった。
「あ、兄上」
愛撫の手を止め、曹操が自分の言葉に耳を傾けている。
まったく痛くないわけではない。しかし、これは勲章のようなものなのではないか。はじめてのよろこび。それは、この瞬間にしか味わえないのである。その機会を逃すのは、ちょっと勿体ないと思えている。
「試しに、動いてみていただけませんか。多少は、馴染んできた感じがしているのです」
「いいだろう。だが、無理はするなよ」
「はい、兄上。あっ、んあっ、んぐっ……! はっ、ああっ……。これが、兄上とひとつになるということ。気持ちいいとまではいきませんが、なんだかうれしいのです。伝わってくるものが、ずっと多いからなのでしょうか。ひゃっ、ふあっ……! 兄上のことが、よくわかって」
「すまないな、俺ばかり気持ちよくなって。だが、愛紗のここは少しづつよくなっているはずだ。しっかり濡れているから、こうして苦もなく動けているのだよ」
激しくしていない分、男根の状態がしっかりと見えてくる。
奥底まで到達したかと思うと、ずるりと入り口まで抜けていく。自分のどこを責めればいいのか、探っている段階なのかもしれない。交合をするにしても独りよがりのものでないから、曹操はこれだけ多くの女を惹きつけているのだと思えてくる。
「んあっ……!? はあっ、そこっ……!」
「ははっ。少しは、わかってきたようだな。いいのだろう、ここが」
「はっ、あんっ、ああっ……♡ あ、兄上の逸物が、壁の弱いところをぞりぞりってぇ……♡」
動きの変化。腹の内側を押し上げるように突かれると、不意に声が出てしまうのだ。入り口から中腹にかけてそうして擦られると、気持ちいいと感じられる。
その感覚が全体に馴染んだ時こそが、ほんとうのはじまりなのかもしれなかった。交合というものは、想像していた以上に奥が深い。愛し方ひとつとっても、合う合わないがいくらでもあるのではないか。
脳内に、快楽の色を塗り拡げられているようだった。染まっていく。そのことが、たまらなくうれしかった。最後には、きっと真っ白にされてしまう。あの勢いに、自分が抗えるはずがない。抗う気など、はじめからかけらたりともない。
「こっ、これが兄上の……! ようやく、理解できたのかもしれません。ああっ……! これっ、んあっ……!」
「だったら、この一度きりでやめてしまうか? わかったことを繰り返すのは、おまえもつまらないだろう」
「そ、そんなっ!? 今理解したことなど、ほんの一欠片に過ぎません。ですから、あんっ……今後とも兄上にご教授いただきたいのです。交わりについての深さ、そして素晴らしさを」
「ははっ。まったく、どこまでも勤勉な子だな、愛紗は。だが、こんな顔をしていては、勉学どころではないのではないか」
「いいんです♡ 兄上の前でなら、私はすべてをさらけ出すことができる。それすら、心地よくて」
「いけない子だ。だが、そんな愛紗も悪くはないな。さあ、ここもいいのではないか。締め付け方が、どんどん甘くなっているぞ?」
「あ、兄上……♡ んうっ、あっ、兄上……っ♡」
小刻みな抽送。解れた肉をかき回されるのが気持ちよくて、声がいくらでも出てしまう。
最高の気分だった。大好きな人に思う存分甘え、快楽を与えてもらっている。このままでは、確実にやみつきになってしまう。それでも、止めたいとはちっとも思わなかった。
もっと深みにはまりたい。むしろ、そう考えている自分がいることに、愛紗は気がついている。
「あっ……。わかります。兄上の逸物が、私の中でぷくってふくらんで」
射精の前段階。それが察知できる程度には、この短時間で自分は変えられている。
打ち込まれる腰に合わせて、膣内に力を入れてみる。気持ちいいのか、男根の突き入れがわずかに力強くなっている。
「はあっ、んくっ、ああっ……! 私は、いつでもいいですから、兄上」
うなじ。そこを、舌の表面で舐めあげられている。腟内から伝わってくるものと合わさって、脳内にまた白が拡がっていく。快楽による絶頂。すぐそばまで、やってきているようだった。
曹操が好きだと言ってくれる黒髪。手入れは、かかさずしているつもりだった。
密着するような体勢。きっと、このまま注ぎ込まれてしまうのだろう。奔流を受け取る期待に、身体がふるえた。
「あんっ、あっ、んあっ……! くる、ああっ、きてしまう……っ。兄上、ふあっ、んうぁううぅ、兄上……っ♡」
入り口付近を焦らすような動き。最後は存在を誇示するように奥に打ち付けられ、愛紗は果てるに至った。
来る。口ですらどうにもならなかった勢いを、子宮で味わわされてしまう。
弾けた。そう感じてから染め上げられるまで、ほんの一瞬だったように思う。
「くあっ……♡ あ、ああっ、あぁああああぁあああ♡」
凄まじい勢いだった。最初となんら変わりのない量の精液が、立て続けに送り込まれている。
あたたかい。いや、どちらかというと熱いのか。満たされすぎて、逆にぼんやりとしてしまうのだ。男根の先。最奥にぴたりと口をつけたまま、微動だにしていない。曹操はまだうなじを愉しんでいて、離れる気など少しもないようだった。
どぷっ、どくっ、どぷっ。
男根のふるえ。枯れることのない湧き水のごとく、膣内が新しい精液で満たされていく。そのすべてを、受けきることなどできるはずがなかった。
少し視線を落としてみる。結合部のすぐ下には、白濁した水溜りができていた。ぞくりとするような快楽が走る。膨大な量を注がれたせいで、腹がちょっと重いくらいだった。幸せな重み。やがては、自分も感じることになるのだろうか。
「あっ……。兄上のが、抜けてしまう……」
「そう残念な顔をしてくれるな。きれいにしてくれるな、愛紗」
「んっ……、はいっ♡ すごい匂い。これが、私と兄上が交わった証なのですね」
腹の奥の疼き。先程のようにしゃがむと、開いた膣口から出された精液が流れ出てしまう。
もったいない。そう考えるのは、仕方がないことなのではないか。
「んっ、むちゅっ、むぐっ♡ ふはっ、あっ、んっ、ずずっ♡」
興奮を誘う匂い。こんな場面でなければ、自分で身体を慰めようとしたことだろう。
曹操の手が、またやさしく頭を撫でている。淫乱な姿を晒しているはずなのに、無性に安心できてしまう。
不思議な感覚。そして、一線を越えたのだという達成感。その二つを感じながら、愛紗は汁塗れになった男根を頬張っている。