戦陣で起居する日々が続いている。
柳琳と詠から送られてきた書簡を、曹操は陣屋内で眺めていた。裁可権のほとんどを与えてあるが、それでもいくつかの案件に対する質問が来ることがある。
新たに加わった青州に向けた方針の指示。すでに真桜が部隊を率いて入っていて、各地の復興に務めているらしい。戦に出るよりも、作事などの物作りに才能を発揮する将だった。
ただ、真桜の好きにさせすぎると、資金がいくらあっても干上がってしまうことだろう。適度に釘を指し、優先順位を明確にしてやることも、自分のするべき仕事だった。
「お疲れさまです、主さま。お留守居役からの報告を、見ていらしたのですか?」
丁寧に頭を下げてから、真直が陣屋に入ってくる。
刺激的にも映る格好は相変わらずで、座っている位置からだと短い裾から布地越しの下着が見えてしまう。戦で得た昂揚が、抜けきっていないのか。この程度のことに反応してどうすると思う反面、視線が艶めかしい太腿周辺に吸い寄せられていく。
あの戦のあと、孫堅の軍はひとまず矛を収めていた。なんとか凌いだとはいえ、本陣を強襲された上に孫権にも危機が迫ったほどなのである。
睨み合いはしばらく続くのだろうが、孫堅であっても遠征をいつまでもしていられるわけではない。獲得した領土を維持するだけの兵力を残し、引き上げる。あるいはもう一度闘い、こちらの戦力を削ぎ落とそうとしてくるのか。
そうした意味では、いまは束の間の休息時と言えるのだろう。
「えと、そのっ……。あまり見られると恥ずかしくなってしまいます。もっ、もちろん、主さまのことはお慕いしておりますが」
慌てる様がかわいらしい。
ちょっと意地悪をしたくなって、曹操は腕組みをしたまま背もたれに体重を預けている。
「ほう。男を誘うような格好をして、いざ見られると恥ずかしがるのだな、おまえは。てっきり、そうした趣味嗜好の持ち主なのかと思っていたぞ」
「そ、そんなぁ……! いくらなんでもひどいです、主さま」
真直の涙声が屋内に響く。
表情がころころと変わる女だった。ほほえみながら、曹操は真直の手をとっている。赤くなる顔。からかわれているだけだと思っていたのだろう。軽く引き寄せると、体勢を崩したように真直が胸に飛び込んでくる。
「あっ、あのっ、主さまっ」
「いけないか、真直? おまえがほしい。嫌とは、言ってくれるなよ」
「は、はいっ。私は、いつでも覚悟できておりますから……って、んっ、あむっ、んふうっ!?」
惚けた顔に狙いを定め、唇を吸い上げる。
しっとりとした感触が心地いい。やや強引な舌の侵入にも拒む素振りを見せず、真直はされるがままになっていた。
「はふっ、んっ、はうっ……。どこまでも強引なお方なのですね、主さまは」
「そうでもないさ。洛陽で会った時は、きちんと我慢できていただろう? 本気になれば、あそこでおまえを手篭めにすることもできたのだぞ、真直」
「そっ、んっ、んむっ、そうなのかもしれませんがぁ……」
真直の洩らす声。甘く、蕩けるような響きが混じるようになっている。
興奮を隠す気にもならなかった。かたく猛りだした男根。衣服の内側で暴れ、早く外に出せと叫んでいるようだった。真直の尻を持ち上げ、陰陽を擦り合わせる。興奮と熱さは伝わっているようで、控えめだった舌遣いにも変化がみられるようになっている。
「はっ、はむぅ、ちゅっ、じゅろっ」
男女のすることに興味がある。加えて、そこに対する欲望も決して弱くはないようだった。
自発的に振られる腰。抱きつきながら淫らに舌を絡ませてくる動き。もっと直に熱を感じていたい。乱れていいのなら、とことん乱れてしまいたい。
吐息の熱さで、真直の眼鏡が白く曇っている。愉しげに笑って、曹操は勃起しきった男根を外気にさらした。
「すっ、すごいです。擦りつけていただけなのに、主さまのものがこんなにも大きくなって」
「気になるか? 興味があるのなら、触ってみてもいいのだぞ」
「はい、主さま……♡ んっ……。とても、熱いです。先端は柔らかくって、ちょっと触り心地がいいのかも……?」
真直のちょっと冷えた五本の指。亀頭を包むように触れられると、思わず反応を返してしまう。
「あっ、すごいです。びくってなって、また少し硬度が増しているような? こうされると、気持ちがいいのでしょうか。ふふっ。なんだか愉しいですね、これ」
男根への理解が深まったのがうれしいのか、真直は新しい玩具で遊ぶような感覚で先端を弄んでいる。
着衣のままでも大きさのわかる双丘。眼の前で揺れる二つの塊を眺めつつ、曹操は気分をさらに昂揚させていた。
「いい顔をしているな、真直。男のものを握ることができて、そんなに嬉しいか?」
「もう……。主さまはそうやって、私をいじめようとなさるのですから。そんなの、んっ……決まっているじゃないですか。お慕いする殿方に求められて、こんなふうになっているんです。嬉しくなるのが、当たり前です」
自分で言って恥ずかしくなったのか、真直は照れ隠しのように男根を上下に扱きはじめた。
雑ではあるが、気分としては悪くなかった。素早く帯を解き、豊満な乳房を露出させる。真直はそっぽを向いたまま、気がつかない振りをするつもりのようだった。あたたかで柔らかい。指を何度も沈み込ませ、弾力を愉しんだ。声。知らない素振りをしていても、性感まで断ち切れるわけではないのだ。
そうするべきだと直感したのか、真直が腰を降ろして秘部に男根を擦りつける。さらさらとした繊維の感触。興奮によって滲んだ我慢汁が、黒い表面を汚していることだろう。
「あっ、んはっ、んんっ……。気持ちいいですね、これ。やっ……。私のおっぱい、そんなにぎゅってしたらだめなんですっ♡」
「そうなのか? おまえの身体は、存分に揉み込まれるのが好きなようだが」
「んぐっ、ふあぁあっ……! だめ、だめなんですっ。いやらしい声、止まらない。主さまのおちんちんもすごく熱くて、こんなのすぐにだめになる……っ」
布越しに擦っているだけだというのに、真直はかなり感じているようだった。
ここまで溜め込んできた欲望が、一気に押し出されようとしているのか。布を汚しているのは、自分の汁だけではないことに曹操は勘づいている。重量感のある乳肉。手のひらでしっかりと感触を愉しみつつ、女体に快楽を与えていく。切なそうに揺れる真直の前髪。刺激によって身体の力が抜けてしまったのか、額同士がやや派手にぶつかった。
「も、申し訳ございません!? ああっ、私は主さまになんてことを!?」
「ははっ。このような細事、気にするまでもない。おまえのかわいい姿さえ見られれば、俺はそれで満足なのだよ」
「あうっ……♡ い、いけません。いまそんなに優しくされてしまうと、私、わたしぃ……♡」
裏返る真直の声。
高みに至るきっかけなど、ほんとうに人それぞれなのである。男根を陰部に押し付けたまま、真直は身体を小刻みに震わせる。感じている。それも、かなり強い快楽を得ているようだった。
「やっ、だめっ……♡ んあっ、んふぅ……。ああっ、絶対だめなのに、抑えられない……っ。くっ、はあっ、んんんん……っ♡」
熱。声とともに迸っていく。
快楽のうねりの中、真直は粗相を我慢できなかったようだった。血管の浮いた男根の表面を、熱い液体が流れている。なかなかに勢いが強く、すぐに止まるような気配もない。下腹部と床が濡れてしまうことを忘れて、曹操は真直を抱き寄せた。
「あうぅ……。わ、私、主さまになんてことを……。いくら気持ちよかったからって、こんなのありえません。あっ、はあっ……。もう、どうして止まってくれないのよぉ……」
自身の意思とは関係なく放出される液体。いけないことだと理解していても、真直の声には快楽の色が滲んでいる。
「真直」
「は、はいっ、主さまっ。んっ、あむっ、んくっ……」
唇を塞ぎ、真直の口内を貪った。
倒錯的な唾液の味。液体をぶっかけられている下腹部が、猛りに猛っている。勢いの弱まった放流。そのあたたかさを手のひらで感じながら、爪で肌を覆う繊維を裂いていった。早くつながってしまいたい。その思いに衝き動かされ、曹操は亀頭をぬかるむ入り口に沈めた。
「あぐっ……!? うあっ、ああっ、くふぅうううっ……!」
蕩けていた真直の表情が歪む。
太い鉄心に、予告なく体内を貫かれているようなものなのである。侵入を防ごうとする肉壁。突き破り、さらに腰を進めた。苦しくはあるが、満たされるなにかがある。眉間に皺を寄せて耐える真直の姿を、美しいと思った。
「きてるっ……! 主さまのおちんちんが、私の中を無理やり押し広げてっ……! はっ、んぐぅううっ」
容赦のない責めに、腹の奥から嬌声が絞り出されている。
濡れていなければ、痛みはこの程度ではなかったはずだ。真直の求めに応じて、舌と舌とを絡ませる。こうしているのが一番安心できるようで、曹操も拒みはしなかった。
濡れそぼった結合部。最奥を穿ち、男根は真直の体内で存在感をより強くしている。馴染んできた、というにはまだ早すぎるのか。それでも、落ち着きが生じているのは確かだった。
真直が一度大きく息を吐く。呼吸と一緒に、柔らかな乳肉が上下しているのが見てとれる。
椅子の軋み。艶を含んだ声が、真直の口から洩れ出ている。
「平気なのか、動いても。もう少し、待ってやるつもりだったのだが」
「これだけ強引に、大切にしてきたはじめてを奪われたんです。それは、ちょっとは痛いですけど、でも……」
抱きついた状態で、真直が懸命に身体を揺する。
多少の痛みがあるからと、このつながりを捨てるわけにはいかない。そんな決心を、真直はしているようだった。
「んっ、んはっ……。主さま……。主さま……っ」
健気な奉仕に、心まで揺さぶられている。
戦場に身を置いている以上、余計にいまこの時を大切にするべきだと思った。
生きている証。誰かに好意を抱き、感情任せに身体を重ねる。この瞬間だけは、それがすべてでいいのではないか。膣肉がうねる。真直の女陰が自分を欲し、より深い場所での交合を望んでいるのだ。
口づけを再開させる。そのまま、下から濡れた中を突き上げた。
声。洩れる前に、舌を伝って自分の中へと消えていく。程度はともかく、真直がこのつながりによって快楽を得ているのは間違いない。
「不思議な感覚ですね、ひとつになるって。あれだけのことをしてくれた主さまのおちんちんですら、愛おしく思えてくるんです。これって、私がおかしいだけなのでしょうか」
「感じ方は、人それぞれなのだろうな。だが、おまえとこうなれてよかったとは素直に感じている。麗羽から無理に奪いとらなかったのも、いい選択だったように思うな」
「敬愛するお二人が、同じ道を歩んでくださってほんとうによかった。あっ、ふあっ、んんっ。こんなの、声我慢できなくて……っ」
「聞かせてくれ、もっと。真直のよろこびは、俺のよろこびでもあるのだよ。なんなら、もう一度漏らしてしまっても構わないのだぞ?」
「あわわっ……。そ、それだけはご勘弁を。絶対に内緒ですからね? 私がそのっ……、途中でお漏らししてしまったこと」
「真剣に懇願されると俺も弱い。仕方がないから、黙っていてやろう」
「えへへ……。あ、ありがとうございます、主さま」
無駄口を叩く余裕が生まれている。
突き上げる動作に合わせて、真直は中を締め上げてくれている。割り裂くような感覚が気持ちいい。抽送により膣肉はいくらか柔らかになっていて、男根のかたちを受け容れられるようになってきている。
この短時間でも、進歩を見せてくれているのだ。数回交われば、真直の膣内は確実に自分だけのものに変化していくのだろう。
「んっ、あうっ……! そこ、好きなのかもしれません。主さまのかたいのでこりってされると、お腹の内側がきゅうってしてしまうみたいで」
「ここか、真直?」
「は、はいっ♡ やっぱり、そこが気持ちいいみたいなんです。あっ、ああっ……♡ それ、いいですっ」
二人で考え、協力した上でしかたどり着けない高みがある。
膣の中ほどを重点的に責めながら、押し付けられた乳房を刺激する。結合部は真新しい汁でぐちゃぐちゃになっていて、淫靡な香りを撒き散らしてすらいた。
「そろそろいいか、真直。俺も、一度出したくなってきた」
「来てしまうんですね、私の中に。いよいよだと思うと、少し緊張してしまいます」
「ははっ。緊張しているからといって、こんな時に腹痛は起こすなよ?」
「へ、平気ですっ。いまは、主さまのお身体でしっかりあたたまれていますから」
「それはよかった。困った時には、いつでも頼れ。もっとも、いまの麗羽ならば心配するだけ無駄だとは思うが」
「あはは……。でも、私もそのご意見には同意いたします。自慢などではありませんが、私は主さま以上に麗羽さまと一緒にやってきておりますので」
「違いない。……いくぞ、真直」
「来てください、主さま。んっ……。おちんちんがまた大きくなって、これが射精するってことなんですね」
真直の言葉に頷き、曹操は溜め込んだ欲望の塊を解放していった。
「あっ……♡ どくどくって、注がれてる♡ んふっ……。これっ、激しいのと違う気持ちよさがあるんですね」
穏やかな絶頂。互いに味わい、身体を寄せ合った。
物欲しそうに覗く真直の舌。つかまえ、口内を舌で犯す。
「むっ、くちゅっ、あむっ……♡」
射精が止むまで、このままでいたいと思った。
搾り取られるような感覚ではない分、ずっと優しい気持ちでいられている。
「ふはっ、あるじひゃま……♡ ちゅっ、れろっ、あむむっ」
真直も、この余韻を愉しんでいるようだった。
こうした絶頂の迎え方も、悪くはない。ゆっくりと長い射精をしながら、曹操は意識をぼんやりとさせていた。
「ちょっといいかしら。涼州からの客人よ。なんでも、あんたに用があるみたいなんだけれど……」
不意に、どちらでもない声が屋内に響く。
驚いて振り返った真直が、来訪者の顔を見て身体を強張らせている。
おそらく、入り口からは結合部が丸見えになっているのではないか。奥深くまで挿入された男根。溢れ返った精液が、黒い布地を汚している様子は想像するに難くない。しかも床は盛大に濡れていて、いかにも濃厚な触れ合いをしていたことを示唆しているのだ。
「あっ」
「あっ」
互いになにかを言おうとして、どちらも言葉を失ったようだった。
怒りを多分に含んだ闘気。並の武人くらいなら圧倒できそうなそれを、入り口に立つ桂花は放っている。
「死ね、変態!」
罵声。単純明快な一言だけを残し、桂花がどこかへ去っていく。
取り付く島もないというのは、まさしくこのことを言うのではないか。
「あ、あはは……。やってしまいましたね、私たち」
いろいろな意味で腹のあたりを擦る真直。開けっ放しになっている入り口を見つめ、曹操は苦笑するばかりだった。