軋む寝台。薄暗い室内に、少しだけ陽光が差し込んでいる。
口づけを欲しているのだろうか。仰向いた姿勢のまま組み伏せられている少女が、男に目で訴えかけている。舌と舌。絡み合う。ぴちゃぴちゃという粘っこい水音が、唇の間から洩れている。
「んぅう♡ んあぁあっ……♡ ふぁあっ、兄さんっ♡」
「ン……。本当にいやらしい子だな、
「やあっ、んあぁうぅ……♡ い、言わないでください、兄さん……っ。わたしが親族である兄さんを、ひゃあっ……誘惑するようなふしだらな女だなんて、姉さんには知ってほしくないのぉ♡ それにもし、兄さんと交わっていることが家中に知れれば、きっと
煽るようなつもりで、曹操は曹純の耳もとでささやいていた。言葉によって興奮をかき立てられたのか、膣肉の締め付けが強くなっていく。淫猥な身体。太い男根を奥まで咥えこんで、嬉しそうに華やいでいる。
そんな
兄さん。まぐわうようになってから、曹純は自分のことをそう呼んでいる。なにを今更と初めは思ったが、その理由は至極単純だった。
近親者との、禁断の交わり。そう意識することによって、曹純はより大きな快楽を得ているのである。同門であっても、自分たちには血縁など存在しない。それでも、呼び方ひとつで昂ぶり方が明らかに強くなっているのだ。
手に余るくらいの乳房を、乱雑に揉んでやる。瑞々しい肌。そこに、男の太い指が食い込んでいく。興奮によって尖った乳頭。爪の先で弄んでやると、また締まり方に切なさが生まれていく。部屋に響き渡る嬌声。処女を失ったその日から、曹純は激しい交わり方を好んでいたのだ。
「どうだ、柳琳。そろそろ、俺の精が欲しくなってきたのではないか」
「んくぅう……っ! は、はいぃ、欲しいです。兄さんの濃厚な精液をいただくと、いつも身体が狂おしいほど心地よくなって……んあぁあっ! はっ、はあっ……そのときの気持ちよさが、ずっと頭のどこかに残っているんです。んおぉお……っ!? ああ……っ、ごめんなさい兄さん……っ。わたしは、曹家一門にあるまじき淫猥な女なんです……。兄さんに、おまんこと胸を一緒にいじめられて、感じてしまうような変態なんです……っ♡」
乳房への愛撫を続けながら、先端で最奥を突いていく。その響きがしっかりと子宮にまで伝わったのか、曹純は水面で呼吸する魚のように口をぱくつかせながら、軽い絶頂を何度も味わっている。おびただしい量の愛液。男根の抽送によって、白く泡立っていく。うわ言のように「兄さん」と繰り返しながら、曹純は淫らに腰を押くねらせている。膣肉の締め上げ。甘い疼きに負けじと、曹操は動きを早めていった。
「やあっ、それ気持ちいい……っ。んあうっ、兄さん……、兄さんのおちんちんが、おまんこの奥まできてるのぉ……♡」
情交による熱の高まり。それを強く感じていながらも、曹操の思考は平静そのものだった。別段、曹純との交合を、楽しんでいないわけではなかった。それでも、いまは考えるべきことが多すぎる。洛陽内部の情勢。それがこの数日、荒れに荒れているのである。
先手を打ったのは、大将軍何進の方だった。宦官たちが、自身の暗殺を計画している。その首謀者であるとして、
この勢いに乗じて、全ての宦官を誅殺してしまうべきだと袁紹あたりは考えているのかもしれない。蹇碩の死により、西園軍のほとんどが、袁紹の支配下となっているのである。袁紹が号令をかければ、一万くらいの近衛兵を動かすことも可能なのだろう。残された校尉のうち、独自の行動を取ろうとしているのは曹操くらいなのである。
麾下の兵。曹操の動かせる人数は、約二千である。その兵たちには、当分軍装を解かないように命じてあった。次なる異変。それが起きたとき、洛陽はどうなっていくのか。きっと、決定的なものになる。どう転ぼうとも、それが群雄の時代の幕明けになるのだろう。
譙県に残してきた荀彧とは、書簡で頻繁にやり取りをしていた。普段どれだけ悪口を並べていようが、軍師としての役目だけは忘れていないようである。荀彧から送られてくる書簡。毎回無駄に長ったらしい文章の中に、必要な用件が隠すようにして散りばめられているのだ。恐らくは、荀彧なりに意趣返しをしているつもりなのだろう、と曹操は読んでいる。
洛陽に同行させてもらえなかったことが、それほど不満だったのか。しかし、いくら宦官側との和解が成立しているとはいえ、荀彧を都に連れてくる気にはならなかった。いざ逃した当人を目にすることで、どんな感情が湧いてくるかわかったものではないからだ。そのことは、よくよく説いてから出てきたつもりだったのだが、荀彧からしてみれば納得できない部分があったのかもしれない。
その荀彧から、度々文中で提言されていることがあった。政変が起きた際には、とにかく帝を他者に渡さないことだ。それは、曹操も考えていることだった。
表面的な権力が衰えてきているとはいっても、帝にはやはり価値があった。うまく手許に置くことさえできれば、宮中での力関係を一気に覆すことすら可能なのである。荀彧が敢えて言ってきているのには、念押しという意味が強いのだろう。
「兄さん、兄さん……っ。はあっ、もっと、もっと強く突いてくださいぃ……! わたしの淫乱な穴を、んあっ……めちゃくちゃにするくらい、おちんちん使って突いてください……っ!」
「いいだろう、柳琳。ほら、もっと締め付けてみるんだ。お前の魅力の全てで、俺を夢中にさせてみろ」
「ん、んひぃいぃい……!? んんっ、します、してみせますからぁ……!」
一際大きな喘ぎを洩らす曹純。赤く色づいた肌が、美しく思えた。
こと房事に関してならば、並み居る男たちよりも優れている自信があった。生来の情欲の強さに加えて、女の悦ばせ方を師から教授されたことがあるのだ。それだって、もう十年は前の話なのだろうか。
初めて閨に招かれたときは、さすがに戸惑ったことを記憶している。熟れに熟れた、師の女体。抱いてみろと言われたが、初めは呆然として見ていることしかできなかった。あの頃の自分には刺激が強すぎたのだと、いまになって思うことがある。百戦錬磨の蜜壺。半分犯されるような格好で、魔窟のような肉穴に蹂躙され続けたのだ。強烈な快楽。それを脳内に刷り込まれ、溺れた。獣のように腰をぶつけ、何度無様に精を吐き出したことだろうか。
肉欲に溺れる自分を、師は冷静に見ていたのだと思う。なんとしてでもその余裕を崩してやろうと、様々な方法を試したものだ。その中で、手綱の引き方を理解していくことができた。相手を支配するためには、まず自分をよく律することだ。そういう感覚を、師は伝えたかったのかもしれない。それは、閨の外であっても通じることである。
親子以上の歳の差があったが、師は少しも品を失ってはいなかった。怜悧な双眸に反して、乳房にはなにもかもを包み込んでくれるような温かさがあった。時折、それが無性に懐かしくなる。厳しくされることもあったが、どこか母のような優しさを持つ人だった。きっと、師弟の情を越えて愛していたのだろう。
「兄さん、んあっ……!」
乳首に刺激を与えながら、大きな動きで愛液をかき出していく。蠢動する膣内。曹純の表情は、法悦に歪んでいる。
「ああっ、これすごいんです……! 兄さんの硬いおちんちんに奥押されるの、気持ちよすぎて……っ♡」
「お前の中も、いい締まりをしているぞ。もう少し激しく突いても平気だな、柳琳?」
「はい、ふぁあ……っ。兄さんになら、ああっ、どうされたって平気ですからぁ……! たくさん、んあぁあっ……、兄さんも気持ちよくなってください……! わたしのぐちょぐちょに濡れたおまんこで、おちんちん好きにシゴいていいですからぁああ♡♡♡」
嬌声というよりも、叫び声と表現した方が的確なのかもしれない。男根に突き上げられて、曹純は大きな乳房を揺らしている。扇情的な光景。快楽による痺れが、下腹部を疼かせる。
「柳琳」
「んんっ、兄さん……♡」
手のひらを合わせ、指を絡ませていく。そのことがよほど嬉しかったのか、曹純は膣内を切なげに震わせている。
いじらしいものだな、と曹操は微笑んだ。強烈といっていいくらいの、求愛行動。それも、もとより気にかけていた従妹からのものなのである。当然、悪い気などするはずもなかった。
「ひゃんぅうぅう……! んぐっ、んあぁあぁっ……、き、来てますぅ……! おちんちんで、ずんずんっておまんこ抉られて、わたしすっごく感じてしまっている……っ。ああっ、また来たっ♡ んあっ、おおっ、あっ、んふぅうぅう……!? しゃ、射精されたいんですか……っ? ぷくって膨らんだおちんちん、すごすぎますからぁ♡」
絡みついてくる肉襞。繊細であり、ある意味暴力的でもあった。とろけるような感触。締め付けは変わらず強かったが、動かすための余裕をしっかりと与えてくれるのである。曹操の中で、情欲の炎が大きくなっていく。疑う余地すらない、名器ぶりだった。
「ああっ、はあぁあぁあ……! わたしもう、さっきから何回イッてるのかもわからなくなってぇ……。んくっ、これじゃあケダモノです……っ。大好きな兄さんのおちんちんのことしか考えられない、
切なさに、全身を貫かれてしまうようだった。甘い締め付け。それが、断続的にやって来ているのだ。
絡めた指先に力を入れながら、ぶつけるようにして腰を振った。快楽に塗れた曹純の喘ぎ。それだが、耳に聞こえている。
「んあっ、いい……っ♡ んおぉおっ、それすごくってぇ……! はあ、あぁあぁあ……、だしてぇ、兄さん……! 兄さんのべっとりした濃い精液で、わたしの淫乱な身体をイカせてほしいんですぅ……!」
「ふふっ、そうか。どこに出して欲しいんだ、柳琳?」
「はふぅ……んくっ!? いい、どこでもいいですから……ぁ! はやく、んあっ……、兄さんの熱い精液感じさせてくださいぃいぃ……!」
がくがくと頭を揺らしながら、曹純は懇願している。この分なら、本当にどこにかけられようが満足できるのではないか。唇を舌で舐めながら、曹操は薄く笑っていた。
「んっ、はあっ、んんっ、もう……イクっ……! はあっ、すごいのくる、きちゃうのぉ……! ああっ、かけて兄さん、わたしもう……んあぁあぁああっ♡♡♡」
「ああっ……! 出すぞ柳琳……ッ!」
絞り上げてくる膣肉の中を抜け出すと、男根が大きく脈打った。
噴き出すというのは、まさにこのことをいうのだろう。勢いよく発射された白濁液が、曹純の腹を染めていく。痙攣する四肢。精液による熱が心地よかったのか、曹純は愛液を飛ばして絶頂に感じ入っていた。
「お腹、温かい……。んあっ、兄さんの精液まだ出て……! そんな、んんっ……、顔にまでたくさん出されてしまっていますぅ……♡」
煮こごりのようになった精液が、曹純の肌の上に浮いている。強烈な支配欲に襲われつつ、男根を扱いていく。止まらない。可愛らしいへそを中心に、精液が湖のようなものを形作っている。
「ふあぁあぁあぁあ……♡ 兄さんの匂いに包まれて、んんっ……わたしすっごく幸せなんです……っ。んあっ、兄さんの精液、お口にまでぇ……。んっ、ちゅ……ふふっ、こんなになるまで射精されてしまったのですから、
「ふっ、そうかもしれないな。だが柳琳、こうして発情するのは結構なことだが、場所だけは選べよ?」
「うふふ、心配してくださるんですか? ですが、それは心得ているつもりです。だって、兄さんが力強く抱いてくださるから、わたしは安心して淫らな自分をさらけ出せるんですよ? それに、我慢を重ねてから思う存分気持ちよくしていただくのも、実は大好きなんです……♡」
「ははっ。顔が緩んでいるぞ、柳琳。待っていろ、きれいにしてやる」
曹純の、粘液に汚れた身体を拭ってやる。満ち足りた表情。火照りの残った肌に、粒のような汗が浮かんでいる。血の繋がりこそないとはいえ、似通っている部分があるのかもしれない。心を乱されるほどの情欲。荒々しく渦を巻き、ときにはすべてを飲み込もうとさえするのだ。ある程度抑え込もうとする自分とは違い、曹純はその奔流に身を任せきっているといっても過言ではなかった。
艶めいた金髪に指で触れながら、また寝台で横になった。戯れに、子供のように乳房をまさぐってみる。穏やかな笑みをこぼす曹純。肩口への甘噛は、仕返しのつもりなのだろうか。
衣擦れ。互いに、簡素な寝巻のようなものを一枚だけ羽織っている。だから、抱き寄せれば、曹純の肢体の柔らかさがよくわかった。腿も尻も、どこもかしこも柔らかである。
遠慮がちな動き。曹純が、胸に顔をうずめてきている。交合のときに見せた激しさは、すっかり息を潜めているようだった。手入れの行き届いた長い金髪。指を使って、傷めないように梳いていく。そうされるのが好きなのか、曹純は心地よさそうに声を洩らすのだ。
長い吐息。それを胸元で感じながら、曹操は意識を