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久しぶりに一緒に出かけたい、とせがむ柳琳を連れて、曹操は鄄城の城郭を歩いていた。
多分に真面目な性格をしている従妹だったが、それでも溜まる鬱憤がないわけではない。それを解消してやるのは自分の務めであり、同時に役得でもあったりする。
「ところで、ほんとうに私も同行してよかったのか、柳琳?」
「はい、勿論。星さんとも、しばらく普段のことをお話できていませんでしたから。それに、二人きりでいるよりも、兄さんだって安心できるでしょうし」
口では躊躇いの言葉を述べる星だったが、身体の左から手をしっかりと握ってきているのだ。
それに対抗するかのように、柳琳が無性にやわらかな肢体を反対側から寄せてくる。これでは護衛としての役目など少しも果たせないではないか、などと野暮なことを言うつもりはなかった。
人目を盗み、柳琳の髪に唇を寄せる。女らしい華やかな香り。ふっと拡がるそれと恥ずかしがる柳琳の姿が、なにより気持ちを癒やしてくれるのだった。
「ふふっ。よいのですかな、主よ。このような市井の場で柳琳に手を出して、不埒な領主さまだと思われても」
「知ったものか。そうした時は、百戦練磨の趙雲将軍が、周囲に睨みを効かせてくれればいい。それで、少しはこの俺の威厳も保てよう」
「なんと。かような振る舞いをなさっては、間違いなく人心が離れてしまいましょうぞ。むむっ……。この趙雲、如何なる処罰を与えられようとも、主君の横暴には立ち向かう所存でありますゆえ、御覚悟めされい」
そう言った星と眼があったかと思うと、瞬間的に唇を奪われた。
ほんの一瞬だったがゆえに、自分たち以外の誰も気づいてはいないのだろう。ただ、顔を赤く染めた柳琳の動揺は明らかで、わずかに興奮を含んだ鼻息が腕のあたりにずっと当てられているのだ。
「あっ。あそこの服屋さん、一度のんびり見てみたいと思っていたんです。あ、あの……。なので、兄さん?」
「遠慮などするものではない、柳琳。それに、着飾るおまえたちの姿を見て、俺が喜ばないはずがなかろう」
「うむ。われらが主の助平心は、天下に並ぶ者なしと謳われることがあるとかないとか。その御心に応えるためにも、全力を尽くそうではないか、柳琳よ」
「うふふ。星さんのそういうところ、私ですらかわいいと思ってしまいます。ねっ、兄さん」
柳琳に指摘されて急に恥ずかしくなったのか、それまで余裕の態度をとっていた星が顔を背けてしまう。
単身女物を扱う店を訪れることもないから、曹操はなんとなく新鮮な気持ちになっていた。
寒くなる季節に向けて、丈の長い衣服が多く並べられている。その奥の一角に設えてあるのは、下着の陳列棚なのだろうか。あまりじっと見るものではないが、眼に入ってくるものはどうしようもなかった。
時々栄華が刺戟的な装いで寝所に来て驚かされることがあるが、それもこうした店で調達しているのだろうか、などと考えてしまう。装いの自由さは、心の開放にもつながる。それだけ兗州が落ち着いているという証拠でもあり、自分たちの闘いが得た成果だと心の中では誇るべきなのかもしれなかった。
「んっ……。それほど熱心にご覧になられるなんて、兄さんは女性の下着に興味がお有りなのでしょうか。で、でしたら、私も今まで以上にがんばってみようかな、なんて……。あははっ……」
「違う。そうではないのだ、柳琳。おまえはきっと、なにか大きな勘違いをしているぞ」
ここにいると、どうにも気分を乱される。
曹操は柳琳の手を引き、衣服を見ている星のところに向かった。様々な染料が使用されている服が並んでいて、いかにも華やかな感じがする。星はそのうちのひとつを手に取り、身体にあてて寸法を確認しているようだった。
「これなんていかがですかな、主。ごちゃごちゃとした装飾がない分、動きやすそうでよいではありませんか」
「ああ。細身のおまえに、よく似合うのではないかな。普段の着物とは色も違って、気分も変わりそうだ」
「でしょう? きっとそう仰せになると思って、柳琳の着物もこちらに」
後ろ手に隠していたものを、星が嬉しそうに披露してみせる。
青と赤。はじめから、二対として作成されたような感じすらする。生地は薄手であり、上下がひとつになった袍服だった。金糸で施された紋様が、綺羅びやかな色彩を放っている。素材として抜群のものを持っている二人だけに、かえって派手すぎない衣服のほうがよさが引き立つのではないか、と曹操は思うのだった。
「では、さっそく着てみせますゆえ、主はしばしお待ちを。ほれ、柳琳も」
「あっ……。せ、星さんったら」
困ったような表情を浮かべる柳琳だったが、内心では間違いなく喜んでいる。それだけ二人の仲は睦まじく、ほほえましく感じられるのだった。
たまには、こうやって愉しむだけの時間を過ごしてもいい。それが今後に対する活力となり、全体の利益にすらなっていくのだろう。
試着用に仕切られた帳の向こうから、衣擦れだけが聞こえている。無為にふくらんでいく想像。幾度となく密に過ごしている二人だけに、脳裏に肉体を思い描くのはそう難しいことではなかった。
「ふふふ。どうですかな、主よ。自分では、なかなかよい感じに着こなせていると思うのですが」
「ちょ、ちょっと恥ずかしいかもしれません、これ。いつも着ている服よりもその……、なんというか」
堂々とした立ち居振る舞いでいる星と、身体の前で両腕を交差させたまま俯き気味になっている柳琳。青が星で、赤を着用しているのが柳琳だった。
重ね着などなにもないから、豊かな曲線がはっきりと眼で見て取れてしまうのである。丈にしても短く、腕は肩から先がほとんど露出しているような状態で、下は太腿の半分くらいのところまでしかないのだった。
「よいではないか、柳琳。全身余すところなく、兄上にご覧になっていただけるのだぞ? それに、こうしたところもなかなか……」
「ひゃんっ!? せ、星さんなにをっ……」
後ろから星に絡め取られた腕を解こうとしているせいで、柳琳の一部分が大きく揺れている。
腿の側面に入った切り込みはいかにも際どく、男心を刺激するような意匠をしていた。
確実に、星は狙ってそれをやっているのだろう。店の人間の視線が少し痛い。気にするなと言うように手で指図し、曹操は柳琳に一歩近づいた。
「あのっ、兄さん……?」
「かわいいぞ、柳琳。この姿を見られただけでも、付き合った甲斐があるというものだ」
「んっ、えとっ……。あ、ありがとうございます」
まだ身体をもじもじとさせながら、柳琳が応えた。
今ならば、店員や他の客の眼はない。というより、あったところで有無など言わせないつもりだった。
柳琳の肩を抱き、試着用の小部屋に足を踏み入れる。それで星には意思が伝わったようで、するりと距離をつめてくる。ぴったりと閉じられる帳。三人でいるにはかなり狭い場所で、必然的に密着するような格好になった。
「す、すごく緊張してしまいます、私。兄さんと星さんがこんなに近くて、んあっ……」
「おや? いけない声が洩れてしまっているぞ、柳琳。主はまだ、なにをするとも仰っていないというに」
顔にあたる吐息。左右から聞こえる衣擦れ。
短い袍意の下から手を差し入れ、二人の尻をまさぐった。強くなる密着。柳琳の身体は早くも期待にふるえていて、熱っぽい視線をとめどなく送ってくる。
「に、兄さぁん……」
「声は我慢しているのだぞ、柳琳。それとも、こうして塞がれるほうがおまえの好みかな」
「んむっ、んっ、ふちゅっ……。に、にいさ、あんっ、むっ、ひゅふっ……」
やわらかな唇。ねっとりと啄み、味わった。
抱き合った身体がいくらでも熱くなっていく。薄手の生地のさらさらとした感触も、心地よさを加えてくれている。
「主。どうか、私にもお情けを。この状況で捨て置かれるのは、いかにも辛すぎます」
「わかっている。星、んっ……」
口づけを愉しむ傍ら、星の手が油断なく下腹部に触れてくる。
舌同士の愛撫が気持ちよく、男根はすぐに大きくなった。ちょっと冷たいくらいの星の指。直接肌に触れられると、ぞくりとするような快感がそこにはあるのだ。
「ほれ、柳琳も。主の逸物、私の片手ではどうにも包みきれぬのでな」
「あうっ……。とても立派で、さすが兄さんです。おちんちん、すごく熱い。んっ……。このふくらんだところ、気持ちいいんですか?」
「はははっ。最高だな、二人にこうしてもらえて」
狭い小部屋の内部が、じんわりと雌雄の匂いで満たされる。
粘液と粘液の交わり。二人の手によって磨き上げられた男根が、痛いくらいに勃起してしまっている。どちらか片方ずつでは我慢できなくなったのか、柳琳と星が同時に顔を寄せてくる。もはや、誰の唾液の味わっているのかすらわからない。密やかな淫行は理性を甘美に刺激し続け、感覚を狂わせる。特に柳琳の感じ方は激しく、愛液が足の間に垂れ落ちているくらいだった。
「くくっ……。すごいものだな、柳琳よ。主の指が、そんなにもおまえを狂わせるのか」
「だ、だってぇ、兄さん専用の雌犬なんですから、私ぃ……♡ んはっ、んうぅ……。兄さんにおまんこくちゅってされると、それだけで、んおぅ……♡」
「いやはや、ほんとうに知りませぬからな、主よ。柳琳の痴態を見せられて、はあっ、私まで」
本物の犬になったかのように小刻みに喘ぐ柳琳。その唇を愛おしそうに塞ぎ、星は勃起したものを力強く擦っている。
「いれて♡ いれてください、兄さん♡ 私のおまんこ、きっと気持ちよくしてみせますから♡ 大好きな兄さんのおちんちん♡ ぎゅって抱きしめて、最後はとろっとろのお射精♡」
淫欲に染まった柳琳の声が、耳朶を打つ。どちらも臨戦態勢にはとっくになっていて、支障などありはしなかった。
少し体勢を入れ替え、柳琳と向き合うような格好になる。短い袍衣は裾をめくるだけで秘部が丸見えとなり、簡単に交わることができるのも特徴だった。
どこか寂しそうな眼をする星の膣肉を指でほぐしながら、男根を待ち望むぬかるみに先端を侵入させていく。あたたかい。なにより、情熱的な抱擁に全体が包まれている。
「んぐっ、んっ、んふぅ……っ。ふーっ♡ んっ、んふぅ……♡」
柳琳は、必死になって嬌声をこらえているようだった。
唇を噛んだ顔が赤い。大きな動きなどは不要で、ちょっと揺さぶるだけでも絶頂を迎えられるのではないか、と曹操は思っていた。
「兄さん♡ 兄さん、にいさんっ……♡」
膣肉の締め上げが激しすぎる。それだけに、柳琳の気持ちが痛いほど伝わった。
亀頭で子宮の口を押し上げ、ありとあらゆる熱をぶつけた。交わってから柳琳の中はずっとふるえ続けていて、全力で快楽を得ようとしているようだった。
「主。生殺しだけは、どうにも。私のここも、もはや指だけでは満足できぬようにされてしまっているのです。ですから、んっ……♡」
場所が狭いだけに、機敏な動きをすることはできなかった。
すがりつく襞を振り切り、ゆっくりと引き抜く。柳琳の口がぱくぱくと動いてなにかを言おうとしていたが、人差し指を押し当て少し待つように伝えた。
「き……ったぁ……♡ 主に身体の奥底まで支配される感覚、何度味わってもたまりませぬ。ああっ、んっ、くはぁ……っ」
挿入の快楽を受け、普段涼し気な星の目尻がだらしなく垂れている。
柳琳のような猛烈な締め上げではなかったが、その分自在な心地よさに男根が襲われているのだ。緩急のつけかたがとてもよく、ちょっと声を洩らしてしまう。肉感のある尻を引き寄せると、快楽はさらに強くなった。
「うぁ……♡ 星さん、とっても気持ちよさそうです♡ うふふ。でも、そんなの当たり前ですよね。兄さんのおちんちんを前にすると、女は誰だって雌になってしまう。虜になって、快楽を貪ってしまうんですから♡」
「んっ、ふあっ♡ くっ、ああっ、んっ、柳琳……っ♡」
気持ちよさに耽る星の耳を、柳琳が舌でねっとりともてあそぶ。
いつもとは違う立場に追いやられた感覚が、性感の連鎖をもたらしたのかもしれない。星の膣内はいきなり締まりをよくして、精液を吐き出させることに躍起になっている。その変化に気がついたのか、柳琳は愉しそうに笑っている。
「悪いが、つぎは柳琳の番なのでな。しばらく指で我慢していろ、星」
「あっ、あがっ……♡ 主のおちんちん、私の中から抜けてぇ……♡」
狭い場所で運動を繰り返しているせいか、やけに汗をかいてしまっている。
二人の試着している服にも言い訳のできない汚れができてしまっているし、買い取ることになるのは間違いなかった。
「あはっ……♡ んっ、んぐぅうううぅう……♡」
「声が大きすぎるぞ、柳琳。自分が淫乱な女だということを、そんなに知られたいのか」
「だめ、だめですっ。私が雌犬でいていいのは、兄さんの前でだけっ♡ 他の誰かに知られたいなんて、少しもっ♡」
「ならば、しばらく口を閉じていろ。できるな、柳琳」
「は、はひっ……♡ できます、できますからぁ……♡」
自分に命令されたことが、余程琴線に触れたらしい。
律儀なくらいに言葉を飲み込んだ柳琳は、苦しそうにしながら快楽の波濤に耐えている。その姿がやけに愛しく、曹操はたまらない気持ちに襲われた。
強引に唇を合わせ、舌をねじ込む。そのまま口内の隅々まで舐めに舐めてやると、柳琳の身体は激しくふるえて反応を示す。
「んぷっ、んんーっ♡ ふっ、ひゅふっ、んっ♡ れちょ、んあっ、ひゃあんっ♡」
柳琳の限界が近い。
この場所を使っている時間的にも、そろそろ終わらせるべきだった。
「んっ、あるじぃ……♡」
「兄さん、兄さぁん……♡」
二人の膣内を指でかき回し、太腿の間で男根を擦った。
どちらにも、不公平だという気持ちを抱かせるわけにはいかない。滴る汁。子種を溜め込んでいる精嚢が、ずっしりと重かった。
「んふっ、んんっ。いっ、ああっ……♡」
「もう、もうだめぇ……♡ きて、きてください、兄さん♡」
両耳にふりかけられる甘い声。
張りのある肌のうえで最後の快楽を味わい、曹操は腰をふるわせた。
「あはっ、あーっ♡ しゃせぃ、きもひぃ……♡ 兄さんの子種、おまんこにたくさん、んうっ……♡」
「んっ、ふあぁあっ♡ 私の中にも、こんなにたくさん♡ 主のせーえきで、頭変になってしまう。あんっ、んあんっ……♡」
ぴたりと、同じだけの量をくれてやれるわけではない。
それでも二人は満足そうに笑みを浮かべ、下腹部を盛大に痙攣させていた。
「はあ、ははっ……」
得難い光景だと思った。
抜け落ちた男根が、快楽がもっと欲しいとでも言うかのように、びくりと脈打っている。
三人で過ごす休日は、まだはじまったばかりだった。