これ以前の話にも追記します、たぶん。
騎馬の一団を引き連れ、曹操は原野を疾駆していた。
土埃が周囲を流れていく。不在にしている間、絶影も退屈をかこっていたのだと思う。指示をくれてやると、どこまでも脚を速める。繋いでいるだけでは、馬は段々と駆けなくなる。だからこうして、定期的に身体を動かしてやる必要があるのだった。
「常磐さんはともかく、ほんとに私なんかがお供でよかったのかなあ。あはは……。自分で言うのもなんだけど、剣の腕なんてさっぱりだし」
「城に籠もりきりで、余計な肉がつくのも不本意だろう? たとえば、腿のあたりなどにな。はははっ。そういう桃香も、俺は嫌いではないが」
「わわっ、そんなの絶対よくないよぉ。確かにこのところ、鈴々ちゃんと一緒になって、調子に乗って食べすぎてた気もするし……」
馬上で項垂れる桃香だったが、それで進路がふらついたりすることはない。
義妹の武威が図抜けているせいで侮られることがあっても、劉備玄徳は乱世をここまで渡ってきた群雄のひとりだった。その夢と理想は、臣従の誓いとともに自分がもらい受けた。数多の夢想を喰らい、覇道はどこまでも伸び、分岐していく。ただ、その中心に自分という芯棒さえ通っていればそれでいい、と曹操は思っている。
「このあたりでいいだろう、婿殿。そこの水場で、馬を少し休ませたい」
「承知した。あまり帰るのが遅くなると、桂花にまた叱られる」
「おかしな感じがするよ、まったく。天下の曹操孟徳を相手に、あんな小娘が怒鳴り散らしているんだからね」
「あれでも、随分と場を選ぶようになったのだ。大人になったよ、桂花は」
本人を前にしては言えないような言葉だった。それが伝わったのか、常磐も桃香も同情するように笑った。
馬から鞍を外し、自由に動けるようにしてやる。桃香の乗ってきた馬はそれほどだったが、絶影と常磐の乗馬はこちらの意図をよく理解している。三頭が水場で休息している後ろで、曹操は地面に腰を落ち着けた。食めるくらいの草があたりに拡がっているから、しばらくは楽にしていられる。
絶影は翠が目利きした馬だと教えてやると、常磐は小さくだが数回頷いた。
「西涼の大地を、あのようなかたちで踏むことになるとは思いもしなかった。倚天の剣が見せた光景のすべてが、夢や幻でなければ、という話でもあるが」
「あれが夢だったなら、私たち全員が揃って同じ夢を見ていたことになる。北郷一刀。天の御遣い。婿殿そっくりなのに、どこか違う妙な男だった」
「だねえ……。ちょっとふにゃっとしてる人だったけど、心の広いところはご主人様と同じだったのかも。鈴々ちゃんとも、愉しそうに遊んでくれていたし」
持ち歩いても桂花の不興を買うだけだから、倚天の剣はしばらく居室に封印することにした。あれから、あの道士たちが姿を見せることはなかった。
「西涼のその先。常磐は、西域に行ったことがあるのか」
「交流のために、若い頃は年に一度はね。普通の生活では得られないなにかを、砂漠の旅は教えてくれる。いまは翠が出ていっちまったせいで、下の娘が代わりにやってくれているよ」
「翠さんの妹さんかぁ。蒲公英ちゃんもあれでなかなかだし、きっとみんなおっぱい大きいんじゃないかな。ねっ、ご主人様もそう思うでしょ?」
「あははっ。鉄、一番下の娘なら、桃香の期待に応えられるかもしれんな。少々変わり者ではあるが、婿殿ならあのくらいどうってことあるまい。よろしく頼んだぞ、なぁ?」
ずいっと肩を寄せ、常磐が意味深な眼で見つめてくる。
最初あった剣呑さはどこへやら、今では年長者としての役割をよく果たしてくれている。それだけ、自分は多くの思いを背負っているということなのだ。
なにもない野外ではあるが、その開放感が悪い虫を自由にさせているのかもしれなかった。近くにあった常磐の顔。反射的に逃げ出される前に、唇を強く吸った。反対にいる桃香が、驚きの声を発している。
「んむっ、あふっ、んっ、んむぅ……。ああっ、ほんとうに、あんたって男は」
「馬だけでなく、羽根を伸ばそうではないか、俺たちも」
「んーっ。だったらご主人様、私にも……して?」
唇に人差し指をつけ、桃香がかわいらしく催促をする。
そんなことは、言われるまでもなかった。桃香を抱き寄せ、舌を小刻みに吸い上げる。淡い靄が頭の中に拡がり、理性を心地よく融かしていく。なにか考えがあるのか、常磐は自ら服を脱ぎはじめていた。
「うわわっ……。常磐さんのおっぱい、つんとしてすごくきれい。桔梗さんにしてもそうだけど、維持する秘訣があるんだろうなぁ」
「いやいや、婿殿と過ごしていると、嫌でも女を磨くことになるじゃないか。それ以外といったら、毎日のように馬を責めて、剣を振るう。そのくらいのもんさ、私がしてきたことなんてね」
「う、馬と剣……。やっぱり、私もそっちの方面でがんばらないといけないのかな、ご主人様」
ちょっと涙ぐむ桃香の頭を撫でてから、やわらかな乳房に触れる。あまり根を詰めて、この緩やかさが消えてしまうのも悲しくはある。
「なにごとも、ほどほどにな。かの孔子の教えにも、そうあるだろう」
「んっ、あっ、ああっ……。ご、ご主人様ぁ。それって絶対、おっぱい揉みながら言うことじゃないと思うんだけどぉ……?」
「ほう。どうせいじめられるなら、乳首がいいのかな、桃香は。ははっ。布越しにもこんなに主張して、男を狂わせる淫乱な子だ」
「ひゃ……、んうっ!? ち、乳首ぃ、そんなにこりこりしちゃだめぇ……♡ ご主人様に気持ちいいことされたら、頭ぼーっとして、んあっ♡ な、なにも考えられなくなっちゃうからぁ……♡」
桃香の嬌声が、風に乗って原野に流れていく。
三頭はおとなしく休息を満喫していて、乗り手の痴態には少しも興味がないようだった。
「おい、桃香。いつまでも乳繰り合ってないで、こっちに来な。婿殿のチンポが、奉仕をお待ちかねだ」
「ふ……、んんっ……ぇ? わ、わかりました、常磐さん」
常磐と同じように上半身だけ裸になり、桃香が場所を移動する。大きさだけで比較すれば、桃香の方がわずかに上なのか。
わずかに下垂しているだけ、常磐の乳房は長く包み込んでくれそうな感じがする。若々しい膨らみと並んでいると、余計に視覚に訴えかけてくるものがあり、曹操はつい機嫌をよくしていた。
「うふふっ。亀頭も金玉も、こんなにぱんぱんにしてしまって。ほんとうに婿殿は、女の敵だねぇ」
「はふっ、んっ、んあぁ……♡ 常磐さんのおっぱいと擦れて、なんだか私まで変な気分になってきそう。んっ、ご主人様は、きっとすごくいいんでしょ?」
都合四つの乳肉の間から、赤黒く腫れた亀頭の先端が飛び出ている。
強すぎない刺激が間断なしにやって来て、期待感を煽り続けている。男根が肉を押し上げる感覚。それに、時々突起のようなものが、心地よく雁首に触れる。
「はあ、ああっ、ははっ……♡ でっかい亀頭に乳首すり潰されるみたいで、最高だ……♡ それに、こんなに我慢汁を溢れさせて、すんすん、ふふっ……♡」
「ふえぇ……。常磐さん、ご主人様とする時はこんな顔になるんだねぇ。すっごく幸せそうで、なんだか私まで」
乳房に両手を添え、桃香が積極的に性感を与えてくる。やわらかな肉に埋もれ、夢見心地で曹操はゆっくりと息を吐いた。
自分が覇道を完遂するまで、若者のふりをしていようと思う。常磐は以前そんなことを言っていたが、今の蕩けた表情を見ていると、ふりなどする必要が少しもないように思えてくる。
「婿殿のチンポ、いつ見ても凶悪ですごく素敵じゃないか。こんなのに躾けられたら、嫌でもメスの顔になっちまう。ああっ、乳の中までくっさい汁が拡がって、ぬちゅぬちゅってぇ♡」
「すごいね、常磐さん。ご主人様のおちんちん、ずっとうれしそうにびくってしてるんだもん。むにむに、気持ちいい? それとも、二人分のおっぱいで、上下にずりゅずりゅってされる方が好き?」
意外なくらい冷静に、桃香が男根の反応を伺ってくる。
引き込まれるような色をした瞳。ぐっと腰に力を入れ、魅惑の谷間を曹操はくぐった。常磐が先にたまらないといった声で鳴く。桃香の双眸は、まだじっとこちらを向いている。
「擦られて、二人の乳の中に吐き出してしまいたいな。水場があるが、洗わずにそのまま服を着る、というのはどうかな。帰るまで、俺の匂いを堪能するのも悪くあるまい」
「えへへっ。さすがは、私たちのご主人様だね♡ おっぱいでたくさんされながら、ずっとやらしいことだけ考えていたんだ。でも、とっても素敵かも、それ……っ♡」
桃香が上下する動きが激しくなる。合わせようと、蕩けた状態の常磐がついてくる。
「ふ、ふっ、ふふっ……♡ 婿殿の白濁で胸をどろどろにしたまま、帰城するなんてぇ♡ そんなことをしたら、翠に、娘に、母親が精液狂いなことを知られてしまう。ああっ……。チンポをのぼってくる匂いを感じるだけでも、頭が変になってしまいそうなんだ。直にぶっかけられでもしたら、はーっ、ははっ♡」
「うふふ。たくさん射精してもらおうね、常磐さん。おっぱいの間も表面も、ご主人様の匂いでいっぱいになるんだよ。馬で駆けている時だって、おちんちんのこと、ずっと思い出して」
「あ、ああっ、それは最高だな、桃香♡ 早く射精しろ、婿殿っ♡ われらの乳を孕ませるくらい、大量の射精、早くきてくれぇ♡」
常磐の乳肉の間で、亀頭が好きに弄ばれている。それまで緩やかだった快感が急激に転換し、尿管を精液がせり上がってくる。
腰を突き出し、射精に向けてさらに気持ちよさを貪ろうとした。常磐も桃香も、夢中になって乳で快楽を得ようとしている。そのすぐ近くでは三頭が平和に草を食んでいるのだから、ある意味この光景は異様だった。
「あっ……♡ くる、きちゃうんだね、ご主人様。おちんちんの穴、苦しそうにぱくぱくってしているんだもん。えへへっ、とっても気持ちよさそう」
「ああ、ふーっ、んふふっ♡ 濃厚な匂いに、頭の中まで犯されてしまいそうだ♡ これが、覇者の風格を備えたチンポ♡ どんなに勇ましい群雄だろうと、メスに変える最強の槍……っ♡」
吸い付いてしまいたいのを、ぎりぎりのところで我慢している。今の常磐は、そんな顔をしている。
管を押し上げる精液が、塊となって扉をこじ開けようとする。たまらない快楽に思わず笑みを洩らし、曹操は最高の瞬間を迎えようとしていた。
「よく我慢できたな、常磐。おまえの、主たる男の精液だ。娘を育てた乳房で、存分に味わうといい」
「んっ、うおぉっ……! き、きてる。どくどく、ものすごくて、射精の感覚が私にまで伝わる……っ♡」
「やあっ。私にもいっぱいちょうだい、ご主人様。これからお乳をたくさん出せるように、ご主人様の精液でおまじないするの♡ お肌にも、敏感な乳首にもたっぷり塗り込んで、それで……ぇ♡」
言いようのない圧迫の中、射精を開始した。
搾り取るような感覚ではない。それでも、延々と出してしまいたいくらいの気持ちよさがある。
「ああっ、さ、最高だ……♡ 婿殿の精液、もっと、もっと欲しい♡」
「精液のぬるぬるで、おっぱいいくらでもにちゅにちゅってできちゃう♡ えへへっ。これって、ちょっとおもしろいね♡」
恍惚の表情を見せる常磐と、嬉々として奉仕を続ける桃香。
どぷっ、とぷっ、びゅくっ。
そんな二人の肌を染め上げるべく、真新しい精液が亀頭の先からこぼれでていた。
†
襄陽の城郭。娘たちを呼び寄せ、炎蓮は卓を囲っていた。宿老たちの姿はなく、完全に親族だけの集まりである。
揚州から駆けつけた雪蓮が、疲れたように肩を揉んでいる。曹操の軍は、東西に分かれて侵攻の準備を整えている。指揮系統が数日乱れていたという報告があったが、今では元通り引き締められているようだった。
「それで、いったいなんの用だってのよ、母さま。これでも私、忙しいんだからね。向こうの東方軍団だっけ? その動きにも、ずっと気を配っていなきゃいけないんだし、楽じゃないのよ」
「姉さま。だからこそ、われらの意思をここでかためておく意味があるのだと私は思います。曹操はかつてない難敵。それでも、孫家の誇る絆があれば打ち破れましょう」
「ほんと真面目ねえ、蓮華は。知らないわよ、母さまが気まぐれで呼びつけただけなのかもしれないってのに。お酒飲んではい解散ー、とかだったら笑えないわよ、まったく」
「むーっ、さすがにそれはないってー。ねっ、母さま?」
妹二人に嗜められるようなかたちで、雪蓮が渋々槍を引っ込めている。
場が静まったのを確認して、炎蓮はようやく口を開いた。
「おまえたちに、報告しておきたいことがある。今日呼び寄せたのは、そのためでな。ついでに、軍議にも顔を出していけ。曹操との決戦を前に、みなで集まるのは、これで最後だ」
腹のあたりに軽く触れてから、炎蓮は椅子から立ち上がった。
娘たちの視線が集まる。どうしてか、口もとは自然と笑みを刻んでいた。
北郷一刀(曹操)
外史の寵児。早すぎた転移により、『天の御遣い』としての道を閉ざされた男。
一刀は実子のなかった曹嵩に拾われ、やがて曹家を継承することになった。新たに覚醒した曹操は、次代の覇者となるべく邁進する。
董卓、袁紹、劉備、馬騰。正史とは異なる軍団を従え、曹操は孫堅との決戦に挑む。