※この作品はR-18です。

恋姫異天記~曹操伝~   作:KKS

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六 闇夜に響く音(桂花)

 原野に、砂塵が吹きすさんでいる。

 相対する軍勢。どちらも、いまは静寂に包まれていた。曹操の思惑通り、于毒ら賊軍は、糧食を追って河水(黄河)南岸近くにまで進出してきていた。数にして、五万ほど。仮初といえども、ここまで勝利を重ねていることで、士気は上がっている。一度東郡を追い出された軍勢を相手に、優位に立ち回ることができているのだ。全体として、気分が盛り上がるのは当然だった。

 東武陽から出陣した曹操は、一万五千の兵を率いていた。重装歩兵中心の軍団である。河水北岸に到着した曹操は、そこに陣を構築させた。敵軍は、自分たちの倍以上なのである。それでも、河を挟めば十分に渡り合うことができる。曹操には、その自信があった。

 

「一刀殿。陣中の見分をしてまいりましたが、特に問題は見受けられませんでした。日頃の調練が行き届いているようで、一安心といったところでしょうか」

 

 陣屋に戻ってきた郭嘉が、襟元を指で直している。少しの乱れさえ、気になってしまうのだろう。生真面目な性格は、服装にまで表れているのである。

 

「ほほう。主よ、(りん)はわれらが日々心血を注いで行っていた調練に、今の今まで疑念を抱いていたそうですぞ?」

「別に、そういった意味合いで言ったわけでは……。というか(せい)、ここが陣中だということを忘れているんじゃないでしょうね? 味方をからかって遊ぶ将軍が、どこにいるものですか」

「くははっ。稟よ、それはわたしに対するフリかなにかではないのか? ふっ……。この趙子龍、そのような安い挑発に乗ったりはせぬぞ。ここにいるぞ、とでも叫ばせたかったのだろうが、そうはいかん」

 

 どこにいようが、趙雲は悠々自適である。曹操軍は陣を張ったばかりで、賊軍は河向うにいるのである。今日明日のうちに、戦が起こらないことを趙雲は承知しているのだろう。その退屈しのぎに付き合わされている郭嘉は、疲れたように首を振っている。旧来の友人である程昱は、知らぬ顔で飴をねぶっていた。

 見かねて、荀彧が口を挟んだ。

 

「それくらいにしておきなさいよ、星。力みがないのはいいことだけれど、緊張感がなさすぎるのはどうかと思うわね」

「おお、怖い。しかし、軍師殿のお言葉はありがたくちょうだいしておきましょうか」

「ふんっ。一刀が黙ったままでいるから、わたしが代わりに言ってあげてるんでしょう? 少しは、感謝してもらいたいくらいね」

 

 振り返った荀彧は、不機嫌そうに眉間にしわを寄せていた。

 必要だと思えば、当たり前だが注意くらいはする。ただし、その基準が自分と荀彧では違うだけなのである。調子付いているだけの者であれば、曹操も厳しく接しているはずである。ふざけているように見えても、どこかで必ず線引きをすることができる。それが、趙雲という将だった。

 

「くふふー。ここぞとばかりに、正妻ぶりを見せつけてくれますねえ、桂花(けいふぁ)ちゃんは。ご主君さまに対する思いが熱々すぎて、これ以上近寄ると火傷してしまうかもしれません。稟ちゃんたちも、気をつけたほうがいいかもしれませんねえ」

「はあっ!? ちょっと(ふう)、わたしがいつ……そんな態度をとったっていうのよ!?」

「ええー? もしかして桂花ちゃん、無自覚のうちにされていたんですかあ? どちらかといえば、そちらのほうが末恐ろしいようなー?」

「うるさいわね! どう振る舞おうと、わたしの勝手でしょう!? というか一刀、アンタもちょっとはなんとか言ったらどうなのよ? これじゃあ、いつまで経っても軍議が進まないのだけれど」

 

 荀彧が、口角泡を飛ばして反論している。こうした場合、激したほうが負けるのが世の相場だった。

 普通の話題であれば、ここまで判断を間違うことなどないはずである。硬い芯。荀彧にそれが通っているとすれば、程昱にあるのは変幻自在の柔らかさなのである。眠たげな瞳は、相手に感情を悟らせない。しかし、起伏の読みにくさが、時には仇となることもある。互いに、一長一短の存在なのである。

 すべてが足りている人物など、どこにもいるはずがない。自分にも、欠けているものはいくらでもあった。虚空に消えつつある、幼少の頃の記憶。考えなければ、どうということはなかった。一刀という名。真名としていなければ、それも塵と消えていたのか。

 程昱には、正面から闘う気など初めからなかったのである。言葉の剣をのらりくらりと交わしながら、曹操の影に程昱は隠れてしまう。戦意をあからさまにしているのは、荀彧ひとりだった。

 

「桂花。おまえと稟とで、戦の細部を詰めておけ。しばらくは、にらみ合いになる。兵糧だけは絶えさせるな」

「わかっているわよ、そのくらい。こっちが賊軍を引きつけている間に、秋蘭(しゅうらん)の別働隊が敵の根城を襲う。そのためにも、本気で闘ってるって雰囲気を出さなくちゃいけないんでしょ」

「時が来れば、河を渡ることにもなるだろう。そちらの準備も、少しずつ進めておくことだ」

「一刀殿。渡渉については、わたしのほうで受け持ちましょう。桂花には、全体の動きを注視しておいてもらいたいですから」

 

 郭嘉が、進み出て言った。

 半月もすれば、状況に変化が訪れているはずである。夏侯淵の補佐として、徐晃をつけてあった。着実に事を運べる両人なのである。それに夏侯淵は、進軍の手際にかけては突出したものを持っていた。その速さは、曹操軍においても比肩する者がいないほどなのである。

 

「いまのうちに、河岸を見ておきたい。星と風は、俺の供をしろ」

 

 自分たち以上に、攻め側である敵軍は、渡渉の機会を狙っているのである。

 来るとすれば、どの地点から攻め上がろうとするのか。それを、自分の眼で見て確かめておく必要があった。

 

「はいはーい。それでは桂花ちゃん、しばらくご主君さまをお借りしますねえ?」

「ちっ……。なによ、勝手にすればいいじゃない。こっちはこっちで、一刀に命じられた仕事があるんだから」

「ふふふー。ではでは、そのように。稟ちゃんも、お仕事がんばってくださいねー」

「風をお願いします、一刀殿。居眠りをしていた時には、容赦なく起こしてくださってかまいませんので」

「あうう……。宝譿(ほうけい)、稟ちゃんはこう言っていますが、風はどうするべきなんでしょうかー?」

 

 形勢が悪くなってきたと、程昱は感じているのだろう。頭に鎮座している宝譿が、なにやら言葉を発し始めている。程昱の手を引いて、曹操は陣屋を出た。趙雲が、小走りに続いている。

 会話が聞こえていたのか、外では楽進と典韋が馬を用意して待っていた。河からくる、湿気を含んだ風。それを感じながら、曹操は自分の馬にまたがった。

 

 

 陣を張ってから、十日ほどが経過していた。

 渡渉を企てた敵軍との小競り合いが一度あったが、規模は小さかった。敵はこちらの守りの薄い部分を、見極めようとしているのか。戦機、いまだ熟せず。いずれにせよ、そうした雰囲気が両軍の間に流れていた。

 

「間者から聞いているか、桂花。董卓は、あまり具合がよくないようだ。洛陽を焼いたことを気に病んでいるという者がいるが、果たしてどうかな」

「さてね。それは、わたしたちにとってはどちらでもいいことよ。それに、いま長安でなにか起きたとしても、手を出せるわけではないもの」

「それもそうか。せめて(えん)州一帯を抑えてしまわなければ、うって出ることも叶わぬ」

 

 付近を記した絵図を見ながら、曹操が呟いた。いくら董卓が弱っていようと、その麾下には呂布がいる。呂布の武威による圧力は、かなりのものがあるのだ。それは、曹操も身を以て知っていることだった。

 陣屋内には、荀彧がいるだけだった。将軍たちには、盛んに調練を行わさせていた。こちらに闘う気があるということを、敵軍に知らしめるためでもあった。夏侯淵から、河内郡に入ったという報告が届いたのは、今朝のことだった。朝歌に残った敵軍は、わずかなはずである。夏侯淵には、一万をこえる軍勢を与えてあるのだ。名目上はこちらが本隊ではあるが、通すべき本命は夏侯淵の部隊なのである。

 

「ねえ、この話を知っているかしら?」

「なにか、おもしろいことでもあったのか。稟が鼻血を吹いたくらいでは、いまさら驚かんぞ?」

 

 立ったままの荀彧が、腰に手を当てて背中を反らしている。少し休憩を入れるつもりにでもなったのか、表情にもいくらか緩みが見えていた。

 

「違うわよ。けれど、稟の過敏さは、なんとかするべきなのかもしれないわね。戦の最中に同じことをされたら、さすがにたまらないもの」

「稟のことであれば、俺がどうにかしよう。前々から、手を打たなければとは思っていたのだが」

「ふうん……? さっさと手籠にするかと思えば、泳がせるときだってあるのね。所詮変態の考えることだから、わたしには理解不能なのだけれど」

「はははっ。今日の桂花は、随分と手厳しいな。それで、稟でなければなにがあった」

「なんでも、夜になるとどこかから、妙な物音が聞こえてくるらしいのよ。それで、歩哨に立っている兵士が気味悪がっていてね」

 

 荀彧が、話しながら肩をすくめている。

 軍議のときには話題に上らなかったから、敵軍がなにかやっているわけではないということである。荀彧のことだから、事前になにかしらの調査は行っていたのだと思う。そのうえで、放っておいてもそれほど問題にはならない、と判断したはずなのである。しかし、曹操には引っかかる部分があった。

 

「末端からおかしな噂が拡がると、よくないのではないか。そこから士気が落ちれば、戦にも影響がでるかもしれん。紅波(くれは)の配下を使ってもいい。いま少し、詳しく調べさせておけ」

「了解よ。毎日同じ方角から聞こえてくるって話だから、すぐに音の正体もわかると思うわ」

「調査が済み次第、俺に知らせろ。場合によっては、出向くことも考えておく」

「わざわざアンタが? なによ、まさか女の匂いを嗅ぎ取ったんじゃないでしょうね」

「そんなはずがないだろう。それとも、俺は女を食らう化け物かなにかなのか、桂花?」

「あながち、大きく外れてもいないと思うのだけれど? 性欲にまかせて女を襲う、変態孕ませ精液男じゃないの、アンタは」

「ひどい言い様だな、それは。襲う相手は、これでも慎重に選んでいるつもりなのだが」

 

 後ろから、荀彧の身体を抱き寄せる。

 小さな身体。そこから、甘い香りがふわりと漂っている。細い髪。鼻を近づけると、くしゃりとつぶれてしまう。それで、香りはより顕著なものとなっていく。

 

「んっ……。ほら、やっぱりすぐに女を襲う変態なんじゃない。やっ、そんなものを、押し付けないでちょうだい」

「桂花の魅力に、やられてしまっているせいなのだよ。だから、こうして反応してしまうのだ」

 

 小ぶりだが、柔らかさのある尻だった。着物のうえから押し付けているだけでも、心地よさを感じてしまう。

 嫌がってはいるものの、荀彧は逃げ出そうとはしなかった。陣屋の中で行う情事に、興奮を得ているのかもしれない。

 

「ほんっと、救いようのない変態なんだから。ちょっと、服……ずらさないでよ!」

「安心しろ、すぐに済ませる」

「はあっ!? ちょ……ばかっ……。安心って、そんなのできるわけが、ふあぁあ……!?」

 

 ずらした着物の間から、白い尻がのぞいている。股の間に手を差し込み、曹操は荀彧の陰部の具合を確かめた。

 指に、温かさを感じている。体温のせいだけでは、ないはずだった。粘り気の少ない愛液。それが、指に付着しているのだ。

 軽く入口をかき回してみる。腕の中にいる荀彧。ぞくりと、官能的に身体を震わせる。その可愛らしい姿に、曹操は興奮を高めていった。男根は、すでに限界まで張り詰めている。

 

「挿れるぞ、桂花」

「あっ、ちょ……、ちょっと待ちなさいよ……!?」

 

 荀彧の着物を膝までおろし、膣口に亀頭をつける。幾度も味わっている中なのである。かたちは、すっかり自分に合うように変わっているのだ。腰。推し進めると、すんなりと奥まで飲み込まれていった。

 

「ふあっ、んぐっ、んっ……ああっ♡ やあっ、そんな。わたし、挿れられただけでイッちゃうなんて……♡」

「好きなだけ、気持ちよくなればいい。桂花の可愛らしい部分を、俺はもっと見てみたいのだよ」

「そんな、そんなの……っ。はあっ、ふっ、ああっ。きてる……、一刀の太いのが、奥にたくさんきちゃってる!」

 

 甘い嬌声。脳内に、直接響き渡るようだった。

 興奮を、抑えることができなかった。膣肉が、甘美にまとわりついてくる。ほどよい締め上げ方で、ずっと味わっていたくなるような気持ちよさを与えてくるのである。

 子宮の入り口を休みなく責め立てられて、荀彧は余裕なく感じ続けていた。愛液にも、いくらか粘りがでてきている。男根を半分ほど引き抜くと、女陰(ほと)がぐちゅりと淫らな音を立てた。

 

「一刀♡ ひゃうっ、やぁあっ……。あっ、はあっ、かずとぉ……♡」

「さて、俺はどうするべきかな、桂花。今日は子種を、どこに出して欲しいのだ?」

「やあっ、なかだけはだめ、絶対だめなんだから。アンタみたいな変態の赤ちゃん、孕まされるのやなのぉ……♡」

 

 荀彧が、弱々しく首を左右に振っている。けれども、言葉の端々には甘さが溢れてしまっているのだ。それが、曹操の情欲をさらに大きくしていった。

 

「俺は外に出しても構わないが、桂花は着物が汚れてしまってもよいのか? それでは、俺と交わっていたと、自分で喧伝しているようなものだが」

「ひぐぅ……!? だめ、それはもっとだめ。わたしは、そんないやらしい女じゃ……。ああっ、またイクっ。いやっ、ひゃうっ、んあぁあっ♡」

「結局どうされたいのだ、軍師さまは。さあ、早く答えなければ、勝手に種付けをしてしまうからな?」

「へぇっ……? ン、んあっ、そんなに、激しく突き上げないで。わたしの身体、おかしくなっちゃうからぁ!」

 

 種付けという言葉を強調するかのように、曹操は男根の先端を最奥に擦りつけている。強い締め付け。荀彧の身体は、子宮で精液を飲みたがっているのである。

 

「なかっ、なかでいいから。お願いだから、着物だけは絶対に汚さないで。わたしまで、変態の仲間だと思われたくないんだもの……♡」

「そうか。ならば、望み通り子袋にたっぷり飲ませてやろう。いくぞ、桂花」

「ああっ、きてる。一刀のぶっといのが、中でまた大きくなってる……♡」

 

 竿の半ばまで、精液がせり上がってきているのだろう。荀彧の甘い声に耳を傾けながら、曹操は全力で腰をぶつけていった。

 

「くっ……。中出しするぞ、桂花。おまえの膣内を、俺のものでいっぱいにしてやる」

「ふぁ、あぁああ、あっ、ううぅうう……! はあっ、きてぇ……! ああっ、先っぽふくらんでる。一刀の精液、たくさんきちゃうのぉ♡」

 

 最後のひと突き。気持ちよさが、爆発するように溢れていく。

 荀彧も、それは同じなのだろう。絶叫しかけた口を、曹操が指で塞いだ。唾液の音。激しく、吸い上げられている。かすかに痛みが生じているのは、荀彧が指を噛んでいるせいなのだろう。絶頂の反動が、それほど大きなものだという証拠である。

 

「んむっ、んふぅううう……!! んじゅっ、じゅるっ……。もごっ、んうぅううう……♡」

 

 狭い膣内。溜め込んだ精液を放つと、一瞬で満杯になっていく。

 荀彧は、身体を震わせながら口内に含んだ指をむしゃぶり続けていた。その舌の動きは、あたかも男根に対する奉仕をしているかのようである。

 

「んじゅうっ、れろっ。はぁ、かじゅと……♡ んぷっ、ちゅうっ、ちゅうぅうう」

 

 絶頂の余波。消えることなく、残っている。脳内は、まだぼんやりとしたままだった。

 最初そうしていたように、曹操はまた荀彧の香りを楽しんでいた。甘い。けれども、いまはその中に女の匂いが混じり合っている。

 

「はあっ、ああっ……。なか、熱い……。わたしまた、こんなに出されちゃったんだ……。んっ、ああっ♡ ねえ、いい加減……抜いたらどうなのよ……? こんなの、挿れっぱなしにされていても、苦しいだけなんだから」

 

 言葉とは裏腹に、膣肉は男根を甘く締め上げている。脈打つ男根。出し切れていなかった精液が、搾り取られていく。

 荀彧の本心は、どちらにあるのか。それは、考えるまでもないことだった。頬に口づけながら、ゆっくりと腰を引き抜いていく。最後まで甘えようとしてくる膣襞が、どこか切なさを感じさせる。自分の身体のことだから、荀彧にはそれがわかってしまったのだろう。だから、決してこちらに顔を向けようとはしないのである。

 

「調査の件、確かにまかせたぞ。俺は、調練の様子を見てくることにする。おまえは、しばらく休んでいるがいい」

「あっ……♡ う、うん。なにかわかれば、すぐに報告するわね、一刀」

 

 情交の熱が、まだ燻っているのだろう。荀彧の声からは、艶っぽさが感じられた。

 陣屋を出て、曹操は外の空気を吸い込んだ。すっきりとはしているが、どこか寂しさがあるのだ。典韋が、護衛のために駆け寄ってくる。その小さな頭を軽く撫でながら、曹操は気持ちを戦に向けていた。

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