濁りのない、澄み切った青空。原野には、そよ風すら吹いている。
三人の少女。広々とした土地にぽつんといるせいか、妙に画になっていた。ひとりは、背を草むらに預け寝そべっている。見事なくらいに実った乳房。それが、重力に引っ張られて少しだらしなく横を向いていた。ぼんやりとしているようで、意思の宿った目をしている。見つめているのは、天の彼方か。
「んんー、どうしてなんだろう。全然来てくださらないね、天の御遣いさま。ねっ、
「申し訳有りません、
寝転んでいるほうの少女が、桃色をした自身の髪を撫でた。つまらないというよりは、本気で困っているのだろう。への字に曲げた口。不満そうに、頬がぷっくりと膨らんでいる。
愛紗と呼ばれた少女。腕組みをしながら、どうしたものかと唸っている。眉間に刻まれたしわが、生真面目さの証だった。
「おまえはどうなんだ、
「そーっと、そーっと。……わっ!」
「う、うひゃあ……ッ!? ぐっ……、いきなり背後から脅かしてくるとは、どういう了見をしているのだ、鈴々!」
「えへへっ、大成功なのだ。愛紗、ほんとはすっごくドキドキしてるんだよね。いつもだったら、絶対気づかれてるはずだもん」
屈託のない笑顔。他のふたりと比べれば、鈴々という少女はかなり幼さを残していた。実際、まだまだ誰かに甘えていたい年頃なのだろう。愛紗も、それは知っているつもりだった。
劉備、関羽、それに張飛。満開の桃園で契りを交わしたその日から、三人は義姉妹となっていた。それでも、実質的には劉備を君主として仰いでいるのである。寝そべる劉備のすぐ横で、関羽が真っ直ぐになって立っているのは、その表れといってもいい。
†
幽州涿郡。それが、劉備の故郷だった。暮らしがどれだけ貧しくとも、志だけは持って生きよと母からは教えられていた。それに真偽の程はともかく、中山靖王劉勝の血筋であるという。劉備がどこか浮わついたくらいの輝きを放っているのは、そのためなのだろうか。
むしろを売って生計を立てるような生活。このままではいけないと思いながらも、劉備はそれを甘んじて受け入れていた。転機を迎えたのは、やはり黄巾党が村々を襲うようになってからなのである。愛紗と鈴々にも背中を押され、桃香は義兵を募ったのである。優しく面倒見が良いだけに、桃香を慕う声は多かった。集まったのは二百ほどだったが、それで充分だった。
愛紗と鈴々。二人は、圧倒的な武力を誇っている。二人が槍先となって敵軍を崩すことができるから、素人同然の兵ばかりでも勝つことができている。そうして、現在は旧知を頼り、自分たちは公孫賛軍の客将となっているのだ。
そんな中、桃香は考えることがあった。自分は、乱れた世の中で、一体なにができるのだろうか。立ち止まった時、そのことばかりが頭の中を駆け巡る。
「ええー? 愛紗ちゃんってば、そうだったんだあ。ふふっ。ちょっぴり、可愛いって思ってしまうかも」
「う……。からかわないでください、桃香さま。しかし、もう諦められたほうがよろしいのでは。こうして、晴天のもと羽根を伸ばすこと自体は嫌いではありませんが」
「でもでも、わたしたちのご主人様に、なってくださるかもしれないお方なんだよ? それに、きっと力になってくださるって、管輅ちゃんだっていってたし……」
天の御遣い。流星に乗って現れ、動乱を鎮めてくれるのだという。
管輅というのは、この辺りでは名の売れた占い師だった。それが、桃香に向かってそう告げたのである。
愛紗が、渋面を作っている。この乱れきった世に、そのような都合のいい存在が本当に現れるというのか。はっきりとは言わないが、信じろという方が無理がある、と思っているに違いない。
それこそ、人心を惑わす化生の類が出てくると言われたほうがよっぽど現実的なのだということは、桃香自身もわかってはいた。
「よろしいですか、桃香さま。我らには、桃香さまがいてくださればそれでいいのです。あなたさまの懸命なお姿を見て、兵の皆は士気を高くしているのですから。この劉備軍を導くことのできるのは、あなたさまただおひとりだけだ。桃香さまだって、本当は分かっておられるのでしょう?」
「そうそう! お姉ちゃんには、もっと自信をもってほしいのだ。みんなだって、きっとそう思ってるよ」
「あう……。ありがとう、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん。わたし、たくさん頑張ってみせるよ。この国を平和にするためにも、いまは闘うしかない。そう、なんだよね」
愛紗と鈴々が、力強く頷いてみせた。
立ち上がると、桃香は表情を改めた。世の中は、どうしてこれほどまでに矛盾で溢れているのかと思う。それでも、やるしかないのである。泥に塗れた、闘いの先。そこには、なにが待っているというのか。
先祖伝来の剣を抜き、桃香は身体の前方に構えた。ずっしりと、重みが腕にのしかかってくる。この重さは、きっと想いによるものなのだ。切っ先を天に向かって掲げながら、桃香はそう思っていた。
†
管輅による占い。それは、完全に外れていたわけではなかった。男には、天の御遣いとして世に出る可能性だってあったのだろう。しかしながら、なにもかもが早すぎたのである。
巡り合わせ。それによって、人の生は大きく姿を変えることがある。外史と呼ばれる世界の潮流にも、それと似たものがあるのかもしれない。
豫州潁川郡。現在、曹操の姿はそこにあった。
会いたいと思う女がいるのだ。悪く言えば、何度かちょっかいを出している女だった。
潁陰の
「姉者、さすがに鼻息を荒くし過ぎだぞ。これでは、われらのほうが衛兵におかしな目で見られかねん」
「ふん。そのようなこと、構うものか。わたしは殿の剣であり、盾でもあるのだぞ。であれば、このくらいのことはやって当然であろう。ですよね、殿?」
雑然とした通りの中で自分たちの周囲だけが、ぽっかりと穴が空いてしまっている。通行人の誰もが春蘭の殺気立つ姿を恐れ、避けるようにして歩いているのだ。
「俺のためにしてくれていることだ、そう止めはせんよ。しかし、ほどほどにしておくことだな。潁川まで来て面倒事を起こすのは、やはり好ましくないことだ」
「は、はいっ! こほん……。
「その言葉、そっくりそのまま姉者に返してやろうか? ですがまあ、殿がそう申されるのであれば、臣下としては従わなくてはなりませんな」
秋蘭が、優雅に口の端を持ち上げている。乱雑さが目立つ姉と違って、しなやかな所作の似合う女だった。
歩調を合わせてきたかと思うと、秋蘭が腕を絡めてくる。そういうことか、と思い曹操は身体を寄せた。そのまま歩いていると、やわらかな感触がたまに二の腕を押してくるのである。表情からして、わざとなのだろう。
「むむむっ……! あ、あのー、殿?」
「ははっ、どうした。
「やっ、その通りなのですが、やはりそのう……」
春蘭が、不満気に唇を尖らせている。
こうなってしまったのには、わけがあった。あの日、着物に血を付けて帰ってきた曹操を見て、春蘭はほとんど泣きじゃくってしまっていたのである。平静を保っていた秋蘭は、さすがだったと言うべきなのか。
これは、自分の血ではない。そう説明をしてみても、やはり落ち着くまでには時間を要したのである。ぐずる春蘭。それを宥めるという名目で、曹操は姉妹を一晩かけて愛してやったのだ。
春蘭が、片時も離れず護衛を受け持つようになったのは、それからなのである。
「ふふっ。どうする、姉者。わたしとしては、殿を独り占めできて悪い気分ではないのだがな」
「ぐっ、ううっ……! ぐすっ……。ひどいです、ふたりしてわたしをいじめるのですから。このようなとき、わたしはどうすれば……」
薄っすらと、目もとに涙を浮かべる春蘭。曹操は、その腕を取ると脇の通りへと引き込んだ。
自分の内側。そこで、なにかが燃え盛っている。春蘭の瞳。期待に、打ちふるえている。ここまでくると、もう留まれそうにはなかった。
「見張りは任せるぞ、秋蘭。埋め合わせは、必ずさせてもらう」
「承知いたしました、殿。ですが、あまり姉者に没頭なされますな。荀家の令嬢も、殿のことをお待ちでしょうから」
「そうかな。秋蘭の言うようであれば、よいのだが」
さり気ない仕草で通りの入口に立ち、秋蘭は人払いを始めた。
いまだけは、他の女のことは忘れろ。曹操は、自身にそう言い聞かせようとしている。
「ああ、殿。よろしいのですか、その……、このようなところで」
羞恥のせいか、春蘭の顔が赤らんでいる。挨拶代わりに、胸に手を添える。服の上からやんわりと揉んでやると、春蘭は小さく声を洩らした。
着物の前を、自分の手で緩めていく。ごくり、と生唾を飲むような音が聞こえている。春蘭の吐息が、熱くなっていた。下着をずらし、わずかに開いた割れ目に、指を這わせてみる。ねっとりとした女の汁で、肌が湿った。
「かなりの濡れ具合だな。それほどまでに、期待していたのか。つくづくいやらしい子なのだな、春蘭は」
「い、言わないでください。殿とこうしていて興奮せぬなど、無理な話ではありませんか」
「かわいいことを言う。春蘭、少し顔を上げてみろ」
「は……い……ッ。ん、あむっ、ン、ちゅく……♡」
強面だった番犬が、子猫のように変貌してじゃれついてきているのだ。赤い舌を吸い上げ、また胸を揉んでいく。ぬかるんだ女の膣内に、欲望に燃えた塊を突き入れたい。その思いは、きっと春蘭にも伝わっていたのだろう。
「殿の逸物、こんなに大きくなってしまっていて……。ああ、もう我慢などできません。早くほしいのです。早くわたしの、はしたないおまんこに、殿のおチンポを突き入れてください♡」
反り上がった男根。それを手のなかで弄びながら、春蘭は懇願してみせるのである。試しに女陰を指で開いてみると、粘り気の強い汁が溢れ出してくる。曹操は淫靡な臭気を放つそれを勃起したものに塗りつけると、有無を言わせず一気に貫いていった。
締まりのいい膣内。対面したまま繋がっているから、相手の表情がよくわかる。春蘭は、強烈な快楽を受けたせいか、絞り出すように息をしていた。
「おおっ♡ かは……ッ♡ ン、はあっ……♡ 奥まで、きています……♡」
「いい顔をしているな、春蘭。動くぞ」
「殿のお好きなように、動かれてください。わたしは、全て受け止めてみせますから♡」
「いい心がけだな、それは。見てみろ、秋蘭が妬いているぞ」
春蘭が、視線を入り口のほうへと向ける。他人が出入りしないように注意しながらも、秋蘭は交合の様子が気になって仕方がないのだろう。
乱れている様子を、妹にじっくりと観察されてしまっている。そのことが、春蘭の理性をさらに崩していくのだ。後先のことを考えずに締め上げてくる膣肉。曹操は、そのなかを強引に割って抽送を行っている。
「やっ、ひゃうっ、うああっ……! んんっ、ふうっ、ン、んふぅうううう……ッ♡」
間断なく快楽を送り込みながら、曹操は春蘭の口を塞いだ。情欲に染まった声。それを、他の誰にも聞かせたくないと思ったからだ。
春蘭の腕。背中に巻き付き、密着がさらに強まっていく。相当、先が深い部分にまで当たっているのだろう。くぐもった声ではあったが、色気が端々にあらわれている。
「んっ、ちゅぱっ♡ んあっ、殿……っ♡」
「可愛いやつめ。もっと、激しく奥を犯されたいのか、春蘭?」
「ひゃあっ、んぁああっ……♡ し、してください。殿のおチンポで、おまんこの奥ぐちゃくにされたいんです♡ そ、そうされると、腹の奥まで気持ちよさが響いてきてっ。くうっ……! 殿の震えまで、すごくよくわかってしまうのですぅ……♡」
膣内を満たしている愛液。それが、ひと突きするごとに溢れ出してしまっている。ちりちりとした焼けるような感覚が、下半身に伝播していく。
「ああっ、いいっ……! わたしの膣内を、殿のチンポがなんどもでたりはいったりしてるぅ……♡ ん、ちゅむ、ちゅう、はあっ……。そこっ、感じてしまうのです……ッ♡」
「おまえの感じている姿を見ていると、俺もたまらなくなってしまうのだよ。だが、まだ足りんな」
抉るような動きだ。腹の内側を引っ掻くようにされるのが、春蘭は好きなようだった。内股を濡らす蜜。深く絡みつく舌同士が、淫らな音を奏でている。
「興奮しているのがわかるか、春蘭」
「ン、ちゅうぅうう……っ♡ はい、はひぃいいい……♡ 殿のチンポの硬さも熱さも、わたしはよく知っておりますからぁ……♡」
いい返事だ、と曹操は愉悦を浮かべている。最深部を重点的に責めたてながら、揉みごたえのある胸を手のひらで潰していく。苦悶しながら、春蘭がよがっている。
何度も軽く達しているせいか、膣肉が変則的に強く締め上げてきていた。
「ひゃふぅううう……っ!? ん、あうっ♡ そこ、ぐりぐりされるとぉ……♡」
「いいのだな。俺も、お前がどう感じているのか、手に取るようにわかってしまうようだぞ? さあ、もう少し頑張ってみせろ」
「ひゃ、ひゃい……ッ♡ んくっ、ちゅぷっ♡ んふっ、んくぅううう♡♡♡」
服の上から突起を探り当て、指で挟み込むようにして刺激していく。身体中が性感帯にでもなってしまっているのだろうか。膣肉の震えが、先ほどよりも強くなってきている。
秋蘭と、目があった。声には出さないが、そろそろ切り上げろと言ってきているのかもしれない。名残惜しいことだが、仕方がなかった。
「そろそろ出すぞ、春蘭。零さぬように、油断なく締め付けるのだ」
「んんっ、んはあ……ッ♡ わたしは、いつでも平気です。ああっ……♡ ですから、たくさんください♡ 殿の子種で、わたしのおまんこいっぱいにしてえ……♡」
乳房を乱暴に揉みしだく。それでも、春蘭は心地よさそうに身体をよじらせている。
もう、我慢しなくてもいい。そう考えた途端、激しい射精欲に尿道が襲われてしまう。多分、亀頭からは先走りがこれでもかというくらい溢れ出ているのだろう。甘い痺れが、全身を突き刺してきていた。
「あ、ああっ……! 殿のチンポ、さっきよりずっと大きくなってえ……♡ んおっ……♡ しゃ、射精されたいのですね♡ チンポの先が、焼けるように熱くなっています……♡」
最後まで蜜壺の感触を楽しみつつ、曹操は下半身に力を込めていった。
弱い部分を徹底して責め続け、春蘭をまずは絶頂させようというのだ。
「はあっ、だめです……っ♡ わたし、頭のなかが真っ白になってえ……! ああっ、イク……っ♡ これすごっ、ひゃうぅううんんん……♡」
春蘭が、限界を迎えている。嬌声の漏れ出す唇を吸い上げながら、曹操は腰を思いっきりぶつけていく。
「出すぞ、春蘭。おまえも、イッてしまえ」
「んあぁああぁあっ、ひゃうぅううう……♡ ちゅうぅううう、ン、んうぅううううう……♡」
大量に吐き出されていく精液。春蘭にはああ言ったものの、おそらく全てを収めきるのは不可能なことだろう。
「んぅ、んぐっ♡ いぐっ、いっぐうぅううううぅぅうううう……♡♡♡ ああっ、熱いぃ……♡ 一刀、かずとぉ……っ♡」
絶頂の余韻に浸る春蘭。
その口内を深く味わいながら、曹操は腰をぐっと押し付けていく。獣のような欲望は、ここで出し切ってしまうべきだ。そうでなくては、これからのことにも支障がでてしまうかもしれない。
「はあっ、はあぁあぁあぁあああ……。んふっ、ちゅく♡ ン、かずと……ぉ♡」
「楽しませてもらったぞ、春蘭。これで、俺も少しは落ち着くことができる」
「は、ははっ、あはっ……♡ そ、それならば、よいのです。んうっ♡ わたしも、殿との交わりが気持ちよすぎて、もうなにがなにやら……」
息の乱れたままの春蘭の頬を撫でると、曹操はゆっくりと身体を離していった。
ずるりと抜け落ちる男根。先端を白濁で滲ませ、だらんと垂れ下がっている。それを見つめ、曹操はふっと息を吐いた。
見張りを終え、秋蘭が近づいてくる。その手には、布が握られていた。さすがに、準備ができている。
「あっ、秋蘭……」
「休んでいろ、姉者。綺麗にして差し上げますので、殿はじっとしていてくださいますか。ふっ……。本当であれば、口で清めたほうがよろしいのかもしれませんが」
「助かる、秋蘭。おまえがいてくれるからこそ、俺はこんな振る舞いをすることができるのだろうな」
「でしたら、今度はわたしから、たっぷりと可愛がってくださることですな。決して、約束を違えてくださいますな、殿」
うなずく曹操。
男根の汚れを取り除いていく傍ら、秋蘭は妖艶にほほえむのだった。