抜きゲーみたいな島に住んでるTS娘はどうすりゃいいですか? 作:パチドリくん
原作ハメドリくんの正気を疑うパコメントもあるから、生ハメイトもマダハメイトも一度見抜きしてみると良いと思うパチ!
【萌えゲーアワード2019】※R-18注意
それはシコとして今日は6月9日。そう、シックスナインの日なんだパコね。
そんな栄えある日だから初
“あの人”と初めて会ったのは、私が4歳の頃だった。
まだ私が兄の事をお兄ちゃんと呼び、両親もまだ生きていた頃の話。
当時、兄が初めて友達が出来たと嬉しそうにしていたのを覚えている。
最初の頃は、ただ怯えてうろうろするしかなかった。
人見知りの私にとって知らない人が家に居るのは、常に安心出来る唯一の場所がいきなり知らない誰かのせいで無くなってしまった気がしたからだ。
勿論あの人が悪い訳では無いのだけど、当時の私はその一件で苦手意識を覚えてしまい、そのせいであの人の前に立てなかったりと、無駄に心配をかけさせてしまった。
今思えば、あの人に悪い事をしてしまったと反省するばかりである。
とはいえ、時間というのは役立つもので――橘家の常連さんになったあの人が家に居る事にも慣れだした頃。
何時ものように兄と遊ぶ約束をしてやってきたあの人と、二人きりになる出来事が何度かあった。
『ねぇ、麻沙音ちゃん』
『ひぅ・・・・・・え、えっと・・・・・・な、なに・・・・・・?』
『あっ、ごめんね驚かせて・・・・・・ただその、麻沙音ちゃんと少しだけお話してみたいと思ったんだけど・・・・・・駄目かな?』
あの人は私に、そんな事をよく持ちかけてきた。
曰く、兄と話す中で妹――私の事をよく聞くから、本人とも話してみたいという事らしい。
なんで私なんかと話したいんだろう――そんな思いが最初によぎったのを覚えている。
『・・・・・・わたし、え本よんでるから・・・・・・』
『・・・・・・・そっか』
丁度手にしていた絵本を読むから、という理由に私はその提案をいつものように断った。
人見知り故に話したくないというのもあったが・・・・・・その時はまだ彼への苦手意識が拭えてなかったから。
そんな子供みたいな――実際子供だったのだけど――我儘だったが、あの人はそれ以上迫ってくる事は無かった。
それを良いことに、昔の私は何度も理由を付けては、彼との関わり合いを避けようとしていたのだ。
ちょっとだけ、罪悪感を覚えながら。
――けど、その日は少しだけ様子が違った。
『やっぱり、僕の事は嫌い?』
その言葉に、私はハッとして彼へ顔を向ける。
彼は申し訳なさそうに――そして、寂しそうな表情をしてこちらを見ていた。
その顔を見て当時の私は、彼に対してとても悪い事をしていたんだと漸く気付いたんだ。
『僕にお兄ちゃんを取られちゃったって、怒ってるんだよね』
話しかけたら怯えられて。
怯えられないように優しく話しかけて、ようやく対話が出来たと思ったら、断られる。
そんな事を、何度も、何度も。
・・・・・・嫌われないのが不思議な程、酷い事をしていたのだと気付いて私は、謝らなきゃいけないと思った。
私の我儘のせいで、この人を傷つけているのだから――と。
そう思って私は、すぐに謝罪の為の声を出そうとしたけど――声が出なかった。
『あ――う・・・・・・』
こんな時でも私の人見知りは働いてしまうらしく、喋ろうと思っても思うように口が動かせず、出てくるのは意味のない
そんな状態の私を見て彼が余計に暗くなってしまうから、私も情けなさと申し訳なさに段々泣きたくなってきてしまって。
それでも、どうにか喋ろうとした。
でも――
『ひっ・・・・・・ひぐっ、うぐっ・・・・・・っ』
『あ、麻沙音ちゃん!?』
あまりの緊張に、とうとう泣いてしまって。
喋ろうとしてそのまま泣いてしまう私を、彼は驚きながらも介抱してくれて。
・・・・・・その後、泣き止んで落ち着いてから、漸く謝る事が出来たのだった。
それから、少しずつ話をした。
人見知りな性格の事。
一方的に苦手意識を持ってしまった事。
私の我儘で、彼を困らせてしまった事。
声も小さいし、言葉もつっかえながらだったけど彼は文句一つ言わず、ただ頷いて聞いてくれた。
『ぐすっ・・・・・・ごめんなさい、わたし・・・・・・』
『・・・・・・いいんだよ、麻沙音ちゃん。 それより、ありがとね。 話してくれて』
あの人は、そう言ってゆっくりと頭を撫でてくれた。
気が付けば、人見知りで避けようとしていた気持ちは殆ど無くなっていて。
だから、彼の手を躊躇う事なく受け入れられた。
『麻沙音ちゃんは偉いね・・・・・・苦手な事にもちゃんと向き合えたんだね・・・・・・』
その柔らかい手が、まるでお母さんに撫でられてる時みたいで。
そんな状態だったから、気持ちがリラックスしてつい言ってしまったんだ。
『・・・・・・なんだか、おかあさんみたい』
男の人にそんな事を言うのは失礼だと思ったけど、そう思ったのは本当だった。
『ぐっ・・・・・・今の体だと間違ってないけど前世を鑑みると何とも言えない感情・・・・・・これがTS娘あるあるか・・・・・・っ!』
『あ、あの・・・・・・?』
『いやでもアサちゃんのママならそれはそれで――』
彼のおかしな様子を見てやっぱり言っちゃ不味かったのかと、そう思ってまた泣きそうになりながら謝罪をして。
そしたら今度は彼が慌てて、気にしないで、麻沙音ちゃんは悪くないよ、って頭を撫でて慰めてくれて。
・・・・・・嬉しかったけど、ほんと泣いて迷惑かけてばっかりだな私って。
そしてこの後、人生でベスト10に入るレベルの衝撃を受けるんだ。
それこそが、私があの人の事を平気になる切っ掛けで、私のアイデンティティが定まる瞬間だった。
『まぁ、僕にお母さんっていうのは似合わないよ。 さっきのだってちょっと知り合いの真似でやってみただけだし・・・・・・僕に出来るのは精々ちょっと親切な近所のお姉ちゃん、ぐらいかなぁ』
『・・・・・・おねえちゃん? おにいちゃんじゃなくて、ですか?』
『え? うん、だって僕女の子だもん』
『・・・・・・え?』
『あ~・・・・・・やっぱり気付いて無かった? まぁ、それっぽい雰囲気無いもんね僕って』
『え、えぇぇぇぇえええええ!!?』
・・・・・・そこからは、驚きのあまりよく覚えていない。
男の人だと思ってた人が実は女の人だという衝撃な事実に、頭が追いつかなくて混乱してしまったせいだと思う。
ただ・・・・・・一つ、確かに覚えているのは。
『この事、淳之介にはナイショだよっ♪』
そんないたずらっ子のような口ぶりで話す彼が。
普段は大人のような落ち着きを持っていたあの人――葉月さんが、お茶目な姿も持っている彼女だと気付いた時に――私は女の子が好きなんだと、初めて気が付いたんだ。
「―――――――――」
言葉が出ない、とはこういう時の事を言うのだろう。
麻沙音ちゃんが取り出した、日に焼けた一枚の写真。
恐らく額縁などに飾っていた物が、部屋に入り込んだ日光で少しずつ焼けていったのだろう。
そんな、少ないながらも年期を感じさせる写真だ。
その写真には、小さい子供たちが三人並んで写っている。
茶髪に金色の瞳をした少年が快活そうに笑い、その男の子と同じ特徴を持つ、目の前の麻沙音ちゃんによく似た少女が控えめにピースを向けている。
そして、その二人の間に挟まれている黒髪に翡翠色の瞳をした少年――の様にも見える、一人の少女が嬉しそうに微笑んでいて――今でも大切な、あの時の思い出の写真だった。
「その反応・・・・・・やっぱりそうなんですね――!」
「――っ! ま、待ってくれ! 僕はそんな写真に見覚えなんてない!」
その写真と言葉は私の思考を奪うには十分過ぎるほどだったが、既の所で意識を取り戻す。
状況は非常に不味い。
しかも、さっきの反応のせいで恐らく疑惑程度だっただろう麻沙音ちゃんの疑念が確信に変わりつつあるのが分かった。
何が原因でバレたかなんて考えてる暇は無い――ここは嘘でもいいから、否定しないと大変なことになる。
「き、きっと勘違いだ。 さっきのは、その、写真が見えづらかったからよく見ようとして・・・・・・ほら、もう時間も遅いし暗くなってるから――」
「・・・・・・葉月さんの“葉”って、ヨウとも読みますよね」
「んぐっ」
麻沙音ちゃんが逃げ道を塞ぐかのようにポツリと呟く。
い、いや、まだ大丈夫だ。
思いがけず確信を突かれて焦るが、まだ偶然だと否定できるレベル・・・・・・まだ、大丈夫っ!
「それとですね、この写真とこの前葉月さんがウチで撮った兄と奈々瀬さんの写真――フィルムのサイズが同じなんですよ」
「そ、それはたまたまそうだっただけなんじゃ・・・・・・」
「――――私、葉月さんが撮った写真の話をしたのに、どうしてあなたがその事を知ったように話すんです? 普通、何の話だってなりますよね」
「ふぐぅっ!」
お、おかしい・・・・・・麻沙音ちゃんがこんなに賢いだと・・・・・・。
SEやプログラマーとしての才能と野生動物並みの感覚を持ってる代わりに、九九が出来ないくらいお馬鹿な麻沙音ちゃんはどこに行ったんだ。
こんなの、僕のデータに無いぞ――!
「葉月さん・・・・・・なんですよね」
「・・・・・・・・・・・・・」
――・・・・・・これは、詰んだかな。
名前呼ばれたし、驚いたせいで誤魔化しどころか墓穴を掘っていく始末。
正直言えば、今すぐ逃げ出したい。
でもそれは、麻沙音ちゃんの言葉に何も言い返せなかったという事になり、無言の肯定と言わざるを得ないだろう。
こうなった時点で、私の敗北は決定しているのであった。
「・・・・・・どこでバレちゃったかなぁ」
「――!」
自嘲の溜息が出そうになるが、麻沙音ちゃんの手前堪えながら覚悟を決め、ゆっくりと変装を解いていく。
仮面を取って、帽子を脱いで、私が私だという要素を覆い隠していたものを一つ一つ外していく度に、心臓が嫌なくらいに煩くなる。
不安と緊張で口の中は乾ききっているし、嫌な汗も大量に出てる気がする。
・・・・・・でも、人見知りで、臆病で、いつも淳之介の後ろに隠れていたあの麻沙音ちゃんがこうやって自分から行動してきてくれてるのに、私が怯える訳にはいかないから。
――ふぅ、と小さく息を吐いて告げる。
「本当に・・・・・・久しぶりだね、麻沙音ちゃん」
「・・・・・・葉月さんっ!」
本当の意味での再会が、ここで果たされて。
私たちは暫くの間、お互いの再会を喜び合うのだった。
とはいえ、だ。
過去の友人との再会というのは大抵の場合喜ばしいものであるだろうが、私の場合はそればかりではない。
「大きくなったね、麻沙音ちゃん。 ・・・・・・それに、凄く可愛くなった」
「いいいいえっ! そんな事ありましゅけどデュフフ寧ろ葉月さんの方がとても綺麗になられてもう眼福というか私なんかじゃ到底及ばないレベルの美しさでっへっへっ」
「否定はしないんだ・・・・・・」
無論こうして昔の思い出を語り合ったり、今まであった事を話すのは嬉しい事だ。
だが、正体がバレてしまうという事は――必然、私がSSとして活動している事も分かってしまう事で。
表ではSSとして性行為を推奨しておきながら、裏では反交尾勢力として活動している人間――そんなの、複雑な事情を抱えてますと言っているようなものだ。
そういった私の事情を彼らは知る必要なんて無かったし、それに――
「やっべぇよ昔からイケメンだと思ってたけどあの少年のような葉月さんがこんな綺麗な美人さんになるなんてこのアサちゃんの目を持ってしても読めなかったあああしかも男装してるからイケメン度が高すぎてもし今「僕の女になりなよ」なんて顎クイされながら言われてしまったら私は少女漫画のヒロインの如く頭がフットーしちゃってアソコも熱を帯びちゃいましゅぅ・・・・・・♡」
ビッチを嫌い、非処女を憎む今の彼に、“僕”が“私”だと知られたら――
「壁を背中にされた私、逃げ場はどこにも無く迫る葉月さんの顔が私のファーストキスを奪い驚愕と興奮で何も考えれれなくなった私は彼女の行動を止める事が出来ずなされるがままにぃ、うえへっへへぇ・・・・・・♡ って・・・・・・葉月さん?」
「――・・・・・・え? あ、ああっ、ごめん麻沙音ちゃん。 何だっけ?」
あぁ、しまった・・・・・・また変な方向に考えが飛んでしまってた。
くだらない事を考える暇は無いっていうのに――今はそれよりも、麻沙音ちゃんに私の事をどこまで伝えるべきか考えないと――
「――・・・・・・あの、葉月さん。 葉月さんは、どうしてこの島に――?」
「・・・・・・それは・・・・・・」
「あっ――いえ、その、ごっ、ごめんなさいっ! 言いたく無かったらいいんです! だって葉月さんはSSだけど、反交尾勢力で・・・・・・それは、つまり・・・・・・」
麻沙音ちゃんの気遣いで心が痛い。
あぁもう本当に――こうなる予定なんて無かったのに。
自分なんかの為に麻沙音ちゃんを心配させているのがとても辛い。
麻沙音ちゃんにはいつも笑って屈伸煽りしていて欲しいのに。
しかし麻沙音ちゃんが何となく察してしまった今の状況では、このまま何も言わずに帰るなんてことは余計に向こうを心配させるだけだろう。
とはいえ、私の過去は自分で言うのもあれだが中々にヘヴィだし、おいそれと話すわけにもいかない理由がある。
――特に、ヤクザが滞在しているこの島では。
「色々、あったんだよ」
だから私が取った選択は――上手く言葉を濁らせて、この場を凌ぐことだった。
「私がSSで働いているのはそうしないと生きていけなかったからだし――私が反交尾勢力として活動してるのだって、結局は自己満足で自分よがりな行動でしか無い」
嘘では無いけれど、全てを話すつもりは無い。
事実を誤魔化す為の上手い言い訳をこの場で思いつきなんてしないし、例えあったとしても表情に出さず、悟られないように話す自信なんて私には無い。
だったら、取り合えず「暗い過去があるんです~」程度に喋って詳細を伝えないようにして、彼女に余計な気苦労を背負わせないようにしなければならない。
「それに・・・・・・私が淳之介に伝えたこと覚えてる?」
「そ、それは・・・・・・この島の人たちに、恩があるっていう・・・・・・」
「そう――青藍島が無ければ、私はもっと酷い状況になってた筈だから。 だから、今の状況は思ったよりも悪い事ばかりって訳じゃ無いんだよ――だから、気にしないで?」
そう言うと、麻沙音ちゃんがぷるぷると何かを堪えるような表情になって――
「で、でも嫌だったんですよね!? 無理矢理セックスをさせられる事が・・・・・・! そんなの、辛すぎます・・・・・・っ!」
眦に涙を浮かべ、小さく震える麻沙音ちゃん。
他人の痛みに共感して、泣く事も出来る優しい子に育った事に一抹の喜びを覚えつつも、私のせいで泣かせてしまうという事に胸がチクリと痛んだ。
・・・・・・こんな顔させたくなかったから、隠してたのにな。
「ありがとね、麻沙音ちゃん」
泣いている麻沙音ちゃんに近づいて、肩を胸元へ軽く抱き寄せる。
久々の出会いだったから人見知りで拒まれるかと思ったけど、そんな事はなく素直に抱きしめさせてくれた。
麻沙音ちゃんの体は思ったよりも小さくて、抱き心地が柔らかくて気持ちいい――なんて変な感想が出そうになりつつも。
私の為に泣いてくれている麻沙音ちゃんを、そのままにはしておけなかった。
「気にしてない・・・・・・って言ったら嘘になるけどさ。 でも、私は麻沙音ちゃんがそう思ってくれるだけで、十分救われてるよ」
そう伝えると、胸の中で麻沙音ちゃんの動きが微かに弱まっていく。
私の頼りない胸ではあるけれど、少しずつ落ち着いてくれているようであった。
「だから――ありがとう、麻沙音ちゃん」
「ほ・・・・・・ほああぁぁ・・・・・・!」
「・・・・・・麻沙音ちゃん?」
「ぁぁああああっ゛葉月しゃんにまた抱きしめられて清らか且つ芳醇な香りがやばばばしかも頭部に僅かに感じる柔らかい感触はまままさか葉月っぱい!?ああああ
「あ、麻沙音ちゃん!?大丈夫!?」
「葉月さんの胸の中で残るのは、瀕死のアサちゃん一人だけ。今わかりました。宇宙の心は、彼だったんですね――」
「ちょ、えぇ鼻血ぃ!? な、何で鼻血出してる、の・・・・・・って・・・・・・あれ?」
この反応、どこかで見た事がある気がする。
もう随分前の記憶になるけれど、確かPCを操作していた時に似たようなのを見たような。
もっと具体的に言えば、前世でぬきたしをやってる時の記憶というか。
奈々瀬がアサちゃんに抱き着いた時の反応が確か、こんな感じで・・・・・・――いや、流石にそこまででは無い、とは思うけど・・・・・・駄目だおっぱい幻影陣しか思い出せねぇ。
私ってここまでで麻沙音ちゃんに好かれる要素あったか?
無い、よな・・・・・・多分、思い出補正で何かが吹っ切れてるだけだろう。
私アサちゃんの好きなギャルでもビッチでも無いし――近所のお姉ちゃんっていうだけだし。
「・・・・・・んひゅっ、ふごっ、はっ!? ここは一体・・・・・・」
まぁでも・・・・・・――こんなので麻沙音ちゃんが元気になってくれるなら、私としても嬉しい限りだった。
あの後、私は上手いこと深い事情は隠したまま帰宅する事が出来た。
細かい事情は省くが、ざっくり言うと麻沙音ちゃんの気遣いに救われる形となり、更には私の正体に関しても淳之介たちには黙っていてくれることを約束してくれた。
ただ――
『・・・・・・もし兄が条例を潰したら、葉月さんはどうなっちゃうんですか?』
そう問われて私は「問題無い」とだけ答えた。
条例、延いてはSHOが無くなったら生活は困窮し、病気や事故に会えば確実に露頭に迷うだろうが――こんなの聞かせたら麻沙音ちゃんが気を病むだけなので黙る一択である。
まぁ、生きてさえいれば何とかなるさ的なことで濁してその場を退散した。
麻沙音ちゃんには物凄く心配されてしまったが・・・・・・
そんなこんなで時は過ぎて。
週末が明け、仕事の都合でいつもより早めに登校してきた月曜日。
時間的に人は少ないが、それでも水乃月学園は相変わらずドスケベセックスで賑わっていた。
「ねぇおばあちゃん。 おばあちゃんの耳はどうしてそんなに大きいの?」
「それはねぇ、ハメずきんの喘ぎ声をよく聞くためだよぉ」
「じゃあ、おばあちゃんの股間はどうしてそんなに盛り上がってるのぉ?」
「それは勿論・・・・・・お前のマンコを食べる為だよ孕めオラ!」
おばあさん(?)系男子と、ハメドリくんを模した頭巾を被った女子生徒が保健室で童話読み聞かセックスをしているのを開いている扉からチラ見して、何も問題が無い事を確認してから視線を外す。
これはSSとして危険なセックスをしていないか確かめているのだが、これが何気に重要な仕事であったりする。
というのも、性の緩い青藍島では頭のネジまで緩み切った人たちがとんでもないプレイをしてしまう事も稀によくあるので、怪我をする前に止める必要があるのだ。
何事もやりすぎはほどほどに、という奴である。
例を挙げるなら――アナルにフィギュアを挿入する、なんてのが指導対象だ。
――・・・・・・まぁ、そんな奴いるわけ無いけど・・・・・・
「今日はアナルの調子が良くていつもより早く学校に着いちゃいました! でも、どうしましょう。 こんな早く着いてもする事なんて・・・・・・あっそうだ! 今日こそ風紀委員室ドアニーに挑戦してみましょう! この時間ならきっと誰にも迷惑掛かりませんよね!」
いるわけ・・・・・・わけ・・・・・・
「はぁ・・・・・・」
「おっはよーハヅキちゃん♪ って、どうしたのそんな大きな溜息ついちゃって」
「あ、郁子おはよう・・・・・・ちょっと、嫌な事思い出しちゃって」
「えー何々大丈夫?おちんちん挿れる?」
「今の話から何でおちんちんに繋がるんですかね・・・・・・?」
しかもそんな「おっぱい揉む?」みたいなノリでセックスを持ちかけるんじゃない。
「だってほら、あたし嫌な事あってもおちんちん挿れちゃえば大体忘れちゃうしー?」
「・・・・・・私はそんな能天気に出来てなーいの。 はぁ、どこかに私を癒してくれる存在はいないものか・・・・・・」
癒しを求めて周囲を見渡すも、目に入る光景はどこもかしこもセックスばかり。
唯一救いなのは女の子が美少女ばかりという事だが、この島で長い間過ごしているともうそれだけでは何も感じなくなってしまうというのがとても悲しい。
「あっ♡ あめんぼあかいなアイウエオぉん♡ ぼっきちんぽばっくふぁっくちょうろっくぅうん♡」
「声が小せぇぞそんな発声練習で声優やれると思ってんのか!?もっと膣から声出せ!俺が手本を見せてやるよ! スゥー・・・・・・・勃起チンポバックファック超ロックぅ!ハラハラハラ孕めオラァ!!」
今まで気にしていなかったが、さっきのおばあさん(?)系男子と同じ声質の彼は兄弟か何かなのだろうか。
・・・・・・深く考えたらいけない気がする。
「電車で電車で電車で電車で♪ ゼロ♪ゼロ♪ゼロ♡ゼロ♡」
「はぁっ!駄目だっ!ちんちん電車マンinで、精子乗車率が250%突破するっ!精子がちんちん電車から飛び出して踊っちまうぅぅううう!!」
「・・・・・・はっ」
「――じーっとこっち見てどうしたのハヅキちゃん?」
「・・・・・・・・・・・・」
そうして周りを見て、郁子に視線を戻して――気付く。
――癒し要素、隣にいるじゃん。
そうと決まれば郁子を見て原作のてぇてぇを思い出して嫌な事を頭の奥に封じ込めよう。
そうしないと頭がおかしくなりそうだ。
よし、では早速脳内検索だ・・・・・・郁子と言えば・・・・・・
――ちんこ出してまんこハメて・・・・・・違うこれじゃない
――風邪、引いちゃうよ?・・・・・・これ泣くから駄目!!
「ハヅキちゃん何か変な事考えてない?」
――あたしの事、愛して欲しいな・・・・・・うん、これだ!
はーてぇてぇ・・・・・・こがんドスケベな郁子があんな乙女になるギャップ果てしなく可愛いかよ・・・・・・あー好き・・・・・・淳之介に対して趣味合わせるし傷心してる淳之介にめっちゃ優しい気遣いも出来るし何だこの最強に尽くしてくれる女最強じゃん・・・・・・癖っ毛気にしてるのもかわヨ・・・・・・うっ――
「郁子・・・・・・ダーリンって言って・・・・・・」
「何言ってるのハヅキちゃん」
「お願い! 先っちょ、先っちょだけでいいから・・・・・・っ!」
「えぇ・・・・・・だ、ダーリン?」
「もっと妖艶且つ好きな人相手に言う感じで!!」
「先っちょだけじゃなかったの・・・・・・? はぁ、しょうがないなぁ。 んんっ・・・・・・もう、ダーリンったらぁ♪ どこ触ってるのぉ?♡」
「――――――」
なしてこがんドスケベエッチばい?
「ぐふっ」
「うわっ、ちょハヅキちゃん口から血出てるよ!?」
――・・・・・・ふぅ・・・・・・何はともあれ何とか持ち直せた。
やはりマイスイートハニーは偉大だったよ。
「ありがとう郁子・・・・・・!」
「あ、うん、どういたしまして・・・・・・じゃなくて血ぃ!」
私の様子に慌てる郁子。
正にヒロインというべきその顔はどんな表情も似合うスーパー美少女とはいえ、散々見飽きてきた私なら耐えられると思ったのだが、どうやら無理だったらしい。
今日は何だか郁子の事がより可愛く感じる一日であった。
葉月(将来淳之介にリアル「お前女の子だったのか」を体験させてやったら面白いだろうなぁ)
そんな軽い気持ちでナイショにしてた自分の正体。
それがこんな大事な秘密になるとは予想していなかったポンコツ主人公なんだパチね。