抜きゲーみたいな島に住んでるTS娘はどうすりゃいいですか? 作:パチドリくん
郁子から応急処置と軽い診断を受け体に異常が無い事を確かめた後、諸々の事は後回しにして撃墜王の事を考える。
今日は約2ヶ月に一度ある、撃墜王開催の集会が行われる。
撃墜王とは水乃月学園で行われるイベントの一つであり、その内容は女性が男性を射精させた回数を競うというものだ。
回数のカウントは使用済みコンドームの数で判定する・・・・・・のだが、片栗粉を水で溶かした物で誤魔化しが効くという、かなり判定が曖昧なイベントでもある。
原作で奈々瀬がそれを利用してギャルビッチだと誤魔化していたが――皆は疑問に思わなかっただろうか。
そう――――匂いとかですぐ偽物だと分かるのでは無いか?という事だ。
世の男性諸氏と一部の女性なら分かるかも知れないが、アレの匂いというのは中々に強烈で、しかも中々取れない。
順位を競うのだから審判はキチンと偽物かどうかの判断を行うだろうし、何より手に取った時にアレの匂いがこちらまで来ないとおかしいと感じる筈なのだ。
では何故そんなすぐバレるようなズルがバレなかったのか。
それには勿論理由がある。
何かって? それは――
私 が 審 判 だ 。
「本日より撃墜王が開催しております。 射精させたコンドームは我々SSが回収致しますので、女生徒の皆様は正門までお立ち寄りくださーい!」
時は再び流れ、桐香が体育館で撃墜王開催の集会とカリスマを発揮した翌日の早朝。
今日から撃墜王が開催されるため、私はコンドーム回収班として校舎の正門で射精回数のカウントを行っていた。
「さん、にぃ、いち、ゼロ、ゼロ、ゼロっ♡ おぉ、なんと5射精も! 本日一番の数です! それでは、名簿に数を記録しますので、お名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」
「我が名は裸王、この青藍島で天を握る女よ! ――しかし、この程度で一番とは・・・・・・思ったより大した事のない島だったようだな。 フッ、もはやこのわしを対等の地にたたせる女はおらぬわ!!」
そんな感じでSSの仲間と集計を行っていると、なんかすごい性器末覇者みたいな女生徒が居た。
・・・・・・凄い漢女だ。
来る場所を間違えてないかと思ったが、筋肉でパツパツに張っているせいで最早原型を留めていない制服と、彼女が差し出しているコンドームは間違いなく水乃月学園で配布している物だった。
今まで見た事ない人だけど、どうしてこんな抜きゲーみたいな島に一子相伝の暗殺拳を極めたような人が訪れているのだろうか。
もしかして私が前に某世紀末救世主伝説*1の冒頭みたいな事言ったせいか?
そんな世界観が1つも2つも異なる彼女の覇気に耐えられず視線を横にずらすと、丁度奈々瀬がやって来ているのが見えた。
彼女も撃墜王のカモフラージュの為か太ももにいくつかのコンドームを括りつけており、堂々たる様子でやってきている彼女を処女だと思うものは誰も居ないだろう。
だが――私は彼女が淡い恋心を胸に秘め、好きな人の為なら自身の犠牲をも厭わない清純な乙女だと知っている。
どこまでも好きな人を想い続ける――そんな奈々瀬だからこそ、私は彼女を好きになったのだ。
ならば彼女を守り、その健気な思いを成就させてやるのが私の役目、で・・・・・・
「――――!」
・・・・・・今気づいたけど、ゴムを太ももに括ってる奈々瀬クッソエロいな。
え?やばくないあの格好?存在がスケベじゃん。
偽物だと分かってるけどさ、それはそれ、これはこれじゃん。
顔面にミルクアイスをぶっかけてしまった時の女の子がエロく感じるアレと同じじゃん。
※練乳です、って表記してあるくるみ☆ぽんちおじゃん。
――あ、やばい。達しそう。
「あの~・・・・・・集計、お願いしてもいいかしら?」
「・・・・・・はっ!? あっあぁ奈々瀬さん! 勿論大丈夫じゃん!?」
気をやる寸前に奈々瀬の声で意識を取り戻したが、あまりのエロさに思わず水引ちゃんみたいなセリフが出てしまった。
危ない危ない・・・・・・私以外が奈々瀬の集計を行ったらバレるかはともかく、不審に思われるかもしれないからな。
気を取り直して、奈々瀬が持ってきたコンドームを回収する。
さて、どれどれ・・・・・・
「ひー、ふーみーの、 かわいい よっと・・・・・・凄い、19個も! まだ初日なのに、流石は奈々瀬さんですね!」
「あーいや、まぁ、アタシにかかればこの程度楽勝っていうか? もー朝からパンツ乾く暇が無くって大変よぉ」
数を数えて適当な言葉を吐くと、それに合わせてそれらしい発言をする奈々瀬。
だが、その目は少しだけ泳いでおり――まぁ、もしここで精液が偽物だとバレたら立場が危うくなるのだから無理は無いのだけど。
「19個だって!? 流石はあの片桐さんというべきか・・・・・・これはデータの修正が必要みたいだ!」
「奈々瀬の奴もう19回も射精させてきたのかよ! 一体どんなテクでやったんだろう・・・・・・くぅーっ!想像だけでチンポが痛くなってきやがるぜ!」
「バ・・・バカな・・・おれが・・・この裸王が震えて・・・・・・うぬ~~~っ!」
「・・・・・・むべ?」
さて、少々外野が騒々しいが・・・・・・やるなら今か。
私はいたずらを思いついたかのような微笑を浮かべ奈々瀬へ近づく。
ある言葉を伝える為、奈々瀬の耳元に口を寄せ――
「――それで、このうち何発が橘くんのなんです?」
「ぶふっ――げほっ、ちょっ、な、なに言ってるの!?」
私の言葉を聞いた奈々瀬は
すまんな奈々瀬、恥ずかしいだろうがこれも君と私の為なのだ。
奈々瀬が少しでも淳之介の事を意識してアピールし、私がそれを見て尊死する為の、な。
「やだなぁ、私には隠さなくたっていいんですよ? ・・・・・・はっ、まさかこれ全部橘くんのだったり!?」
「お、落ち着いて葉月さん! アタシと橘くんはそんな関係じゃあ無くって・・・・・・ね?」
淳奈々を成立させる上で肝心なのは、淳之介の意識を奈々瀬に向ける事。
それを成すには奈々瀬のアプローチが何より重要だが、それだけでは心配なのだ。
というのも、ここ数ヶ月二人の事を見ていたのだが・・・・・・
『あ、橘くん――・・・・・・制服の襟曲がってるわよ?』
『え、本当か・・・・・・ってうわっ、急に何すんだよ!?』
『そんな驚かなくても・・・・・・ほら、直してあげたわよ』
『あっ、あぁ、そういう・・・・・・そういうの心臓に悪いからやめてくれよ・・・・・・自分で直せるし・・・・・・』
『こういうのは他人がやった方が早いじゃない。 ・・・・・・それとも、アタシにされるのが嫌だった?』
『いや別にそんな事は・・・・・・ただ恥ずかしいっていうか・・・・・・』
『・・・・・・ばーか、冗談よ。 ほら、次移動授業なんでしょ? 早く行ってきなさい』
『あ、あぁ・・・・・・その、ありがとな』
『ふふっ、どういたしまして』
――いや何でこれで付き合ってないねーん!!
おかしいだろ!どこの新婚夫婦だよ!?
シチュエーションが新居を出る前の夫と、夫の曲がったネクタイを締め直す妻なんだよ完全に!!
は?奈々瀬はいつも皆にあんな感じだろって?
確かに奈々瀬は世話焼きオカン系聖母だけどちっげーんだよよく顔見ろや!
どういたしまして、って嬉しそうにはにかんでる奈々瀬の表情はもう恋する乙女だろ気づけよ!!
なーにが「何だったんだ奈々瀬の奴・・・・・・」だよ!?
鈍感系もいい加減にしろこの拗らせ童貞め!!
はぁ、はぁ・・・・・・
いや、あの淳之介にはいくら言ったって無駄だと気付いている。
なにせ原作でアイツの頭が割とアレだというのは知っているし、何より実体験としてアイツの天然具合は子供時代に体験している。
だからこそこうして内心にだけで留めているし――それに、淳之介の意思が一番大事だとは分かっているんだ。
まぁ、とにかく。
淳之介を奈々瀬に惚れさせる――その為には、女の子側が好意を抱いているというのを分からせるのが一番手っ取り早い。
男というのは得てして自分の事を好きな女の子に弱いのである。
「あれ?もしかしてこの子俺の事好きなんじゃないか?」なんて一度でも考えたら最低でも1週間は気にしてしまうのが男なのだ。
それが童貞である淳之介なら尚更気にしてしまうというもの。
――・・・・・・まぁ、このパターンは勘違いだった時のダメージが計り知れないのだが。
だがしかし、奈々瀬ならばその点を心配する必要はない。
奈々瀬を見ていると、やっぱり奈々瀬は淳之介の事が好きなんだというのがよく分かるからだ。
だが鈍感系の淳之介では、奈々瀬の好意に気付けない。
ならば、もっと分かりやすくしてやればいい。
そこで私が立てた作戦“淳×奈々イチャラブ大作戦Part2”の出番だ。
今回の作戦では私が奈々瀬を焚き付ける事で、奈々瀬をより積極的にさせてやるつもりだった。
――という訳で
「へぇー、ふーん・・・・・・でも、仮に付き合ってなくても好きじゃなかったらわざわざ家まで行って料理したりしませんよねぇ・・・・・・」
「ア、アタシは別に橘くんの事・・・・・・・」
「私、人を見る目はそれなりにあると思ってるんですよ。 それでですね・・・・・・」
「そ、それで・・・・・・?」
「奈々瀬さんが橘くんと話してる時って妙に楽しそうというかー? 嬉しそうに笑ってる事が多い気がするんですよねぇー?」
「そっ、そんな事、無い・・・・・・と思うケド・・・・・・」
「好きなんですよね?」
「うっ――」
私の言葉に目を右往左往させて頬を紅くする奈々瀬。
困った姿もクッソ可愛い――じゃなくて。
「――・・・・・・まぁ、奈々瀬さんが付き合ってないって言うならそういう事にしておきます。 けど、気を付けてくださいね?」
「気を付けて? それってどういう――」
「橘くん、結構モテるみたいですから」
「――っ!?」
驚愕した表情でこちらを見つめる奈々瀬。
彼女の視線は、どういうことかとこちらに問い質すような視線であり、それに応えるように私は続ける。
「橘くんってよく見ると顔は結構整ってますし、近寄りがたい雰囲気はありますけどそれがイイって子も居るみたいで・・・・・・」
「い、いやいやでもあの淳よ!?生活能力皆無で脱いだ靴は揃えないし靴下は脱ぎっぱなしでご飯はこぼすし身だしなみに頓着しないどころか服のセンスが壊滅してる整った顔と引き締まった体がカッコイイだけのダメ男なのよアイツは!?」
「めっちゃ早口じゃん・・・・・・」
「と、とにかく! じゅん――橘くんの事を好きになる女の子なんて、そうそう現れないとアタシは思うなぁ・・・・・・!」
「私は結構好きですよ、橘くん」
「――えっ」
意表を突いたその言葉に、奈々瀬は思わずといった様子で固まる。
今回の作戦の要――それは、淳之介に対して好意を持つ女性が居るというのを奈々瀬に伝える事である。
・・・・・・奈々瀬という少女は、勘違いを正せず、物事を諦めてしまいがちな女の子だ。
それは恋愛に関しても同様で、非常に奥手になってしまっている。
その原因は、仕事で忙しい両親から構ってもらう時間を増やす為に、我儘を言わないようにしていた彼女の境遇と――好きな人を傷付けてしまったという負い目のせい。
かつて奈々瀬と淳之介は、同時期にこの青藍島で過ごしていた。
ある日、性器が大きいというだけの理由でイジメられていた淳之介と、初めては好きな人としたいという思想のせいで周囲から排斥されイジメられていた奈々瀬はこの青藍島で出会う。
いじめられっ子同士の二人は、お互いの傷を舐め合う――とまでは言わないが、二人で居る時だけはイジメを気にする事も無く、気が休まる状況であった為、二人で一緒に過ごす時間が多くなるのは当然の事だった。
二人だけの秘密基地――親に構って貰える時間が少なかった二人は森の中の、殆ど人がやって来ない穏やかな場所で、一抹の平穏ながらも楽しかった日々を過ごす。
――――あの日を迎えるまでは。
ある日学校で処女だと罵られ――青藍島では蔑称として使われる――暴行まで加えられそうになった奈々瀬を見てしまった淳之介は、奈々瀬の事を助けてあげようと考えた。
どうすれば彼女を救えるか。
幼いながらも考え、思いついた方法・・・・・・いや、思いついてしまったというべきか。
その方法は――奈々瀬が処女でなくなればイジメは無くなるだろう、というもの。
大体、想像がつくと思うが・・・・・・つまり、淳之介はそういう事を奈々瀬にしようとしたのだ。
その結果――――未遂ではあったが、顔を青ざめさせて震える奈々瀬を見て大切な人を傷つけてしまったというトラウマを淳之介は抱え――絶望と後悔を孕んだ表情をした淳之介を見て、大切な人を受け入れてあげられなかったというトラウマを奈々瀬は抱えてしまったのだ。
二人はその後、一度も会うことなく離れ離れになり――会う事も謝ることも出来なかった二人はずっと、その時の事が忘れられないでいる。
勿論、この結果は淳之介の軽率な行動が原因ではある。
だが、奈々瀬はその時の淳之介の顔を忘れることが出来ず、ずっと後悔している。
だから彼女は自分から告白をしないし、好きな人に別の恋人が出来たら自分の心を諦めてしまう。
彼女は、その時のような後悔を二度としない為に淳之介を支える事だけが、一番大切だと思っているのだ。
だからって初恋を諦める必要なんてどこにもありはしない!
そんな奥手の彼女を積極的にするには多くのフラグも必要だが――危機感が必要だ。
さっき奈々瀬は諦めている、とは言ったが彼女の本心は淳之介に自分の事を気付いて貰いたいと思っている。
その思いが節々に淳之介への甘えとなって発露しているのが奈々瀬ルートではあるが、この世界で明確に決まったルートはない。
ならば積極的に淳之介へアピールする事が何より重要なのだが、あの鈍感さでは奈々瀬の事を意識するのか怪しい所である。
そこで奈々瀬に、自分の他にも淳之介の事を好きな人が居ると伝えて危機感を煽り、より積極性を持ってもらうのだ。
こうすることで奈々瀬がより淳之介を意識すれば良し、大胆で分かりやすい好意を淳之介にぶつけてくれれば万々歳といった具合である。
「・・・・・・なーんて、私はLoveじゃなくてLikeの好きですよ? 分かりやすくて可愛いなぁ奈々瀬さんって♪」
「うっ、ううぅ~~~~っ! 葉月さんあなた趣味悪いわよぉ!?」
からかうようにそう言うと、奈々瀬は顔を真っ赤にしてしまう。
よしよし、良い具合に混乱しているようで何より・・・・・・というか恥ずかしがる奈々瀬可愛いなぁオイ!
正直この顔を見れただけでこの作戦の9割は達成したと言っても過言じゃない・・・・・・うっ――
「ごふっ・・・・・・あはは、すみません・・・・・・でも、さっき言った事嘘じゃないですからね?」
「嘘じゃないって・・・・・・橘くんを好きな子が居るって話?」
「えぇ、まぁ・・・・・・ですから、橘くんは奈々瀬さんと付き合ってるって早く教えてあげないとあの子も可哀想・・・・・・いや本人NTRフェチだからあんまり悲しがらないし何なら喜ぶだろうけど、とにかくそういう事なので、勘違いが起こる前に二人のイチャラブっぷりを見せるようにしてください」
「イ、イチャラブ・・・・・・わ、分かったわ、考えとく・・・・・・」
ふ、ふぅ。
これで少しは奈々瀬も積極的になってくれる筈だ。
まぁこれで駄目でもまだ時間は残ってるし、淳奈々の機会は幾らでもあるのだから無理に焦る必要は無いのだ。
まずは皆の身の安全と、共存を目指すのが優先だからね。
「ところで・・・・・・何でさっきから口元抑えてるの?」
お気になさらず――!
お昼休み。
撃墜王のせいでいつもより盛んになった廊下での性行為の横を通り過ぎ、人目に付かないように学園の裏庭に向かい、そこで昼食を摂る事にした私は今朝の出来事を思い出す。
はぁ・・・・・・奈々瀬可愛かったなぁ・・・・・・。
あの後性器末女子が奈々瀬の前に立ち塞がってケツ闘を申し込むという、少々おかしな展開になったものの、奈々瀬の言葉巧みな処世術で口論を上手く避け、最終的に人差し指の投げキッスだけで周囲の男子生徒を無差別に射精させるという究極奥義で力の差を見せつけ、性器末女子を撃退していたのは良いシーンだった。
ついでに私もイキそうになった。
その後「な、なんという女よ・・・・・・!」って筋肉モリモリマッチョウーマンが奈々瀬に震えだして・・・・・・これでまた奈々瀬の伝説が増えるんだろうなぁ。
さしずめ“邪魔する奴は指先一つでダウン―性器勃つチュウ精出伝説―”といった所か。
・・・・・・何考えてるんだろ私。
クッ、思考が汚染されている・・・・・・!
・・・・・・と、とにかく。
朝から投げキッス奈々瀬という貴重な光景を見れたからには、今日は良い一日になるかもしれないよな。
それだけでいいんだ、うん。
昼食のカップラーメンを食べながら推しの活躍に幸福を噛み締めていると、視界の端にコソコソと動く紫色の影が見えた。
あれは・・・・・・――
「ミサ、ミサミサ・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・
「ミサミサ・・・・・・ミサミサミサミサァーッ!」
「そぉい!!」
「んぎゃあああっ!!? あっつ!?あっつ!?」
紫色の髪に空色の瞳をした美少女が私の背後から現れる。
何やら良からぬ様子で近づいて来たため、手に持っていたカップラーメンを笛吹き男の如く彼女の頭部にぶちまけるが、彼女はすぐに何事も無かったように立ち直る。
「ズゾッ、ズゾゾゾッ、ひふなりはひふる・・・・・・ごくんっ。 いきなり何するんですか葉月ちゃん! 頭から野菜たっぷりヘルシーラーメンぶっかけるなんて酷すぎます! せめて濃厚豚骨醤油ラーメンにしてください!」
「食べながら言うんじゃないよ・・・・・・」
自分でやっといてなんだけど何で平気なんですかねこの子。
「げふっ・・・・・・うーん、味はともかくカロリーが足りません、3点!」
「アホ毛刈り取るぞ」
「いやあああああやめてええええええ!!これは私のせめてもの存在感なんですううううう!!」
うっさ・・・・・・。
面倒に感じた私は、ハサミを取り出して彼女が毎日時間をかけてセットしているアホ毛を刈ると脅すと、それだけは勘弁してくださいと泣き叫びながら私の腕に縋り付いてくる。
その少女にあるまじき猿叫じみた悲鳴と、今までの付き合いからまともに相手をしてもキリがないと分かっている私は彼女に問いかける。
「で、美岬。 一体何しに来たのさ」
「あ、いえ・・・・・・どうも私の第六感が“ちょろちょろネタ枠で出てる癖に未だ本編で全く絡みが無いのは美岬推しに悪いのでは”という電波を受信しまして・・・・・・」
「お前は何を言っているんだ」
「あ、どうも! やる気・元気・美岬! 水乃月学園A等部2年、畔 美岬です! ちょっとエッチな事に興味があるアナル拡張が趣味のごく普通の女の子!」
「唐突に自己紹介を始めないで。 あとちょっとってレベルでも普通でもないよね?」
「え~私は普通ですよぉ」
「普通じゃない奴は皆そう言うんだよ・・・・・・」
そんな可愛い声で言ったって騙されないからな。
「それにそれに、私は影の薄いモブみたいな存在、つまりは大衆その他大勢と殆ど同じ
「言ってて悲しくならない?」
この子はいつも本当に・・・・・・。
そんなつもりは無いのだが、思わずやれやれ系主人公みたいな溜息が出てしまう。
もう本人が自己紹介をしてくれたが、彼女の名前は
ぬきたしヒロインの1人だ。
豊満でたわわな身体に見合った天真爛漫な性格をしており、紫色の髪を二つ結びにした見た目は清楚で大人しそうな女の子である。
・・・・・・そう、見た目は。
「ところで葉月ちゃん、私最近ある事に気付いてしまったんですよ」
「・・・・・・嫌な予感しかしないけど言ってみて」
「ブリッジオナニーって、私に最適なダイエットだと思いませんか!?」
「・・・・・・・・・・・・」
空気が凍った。
「昨日ネット掲示板を彷徨っている時に見つけたんです! ブリッジしながらのオナニーは普段より気持ちのいいオナニーが出来ると書いてあって、やらねば!と早速試してみたんですけどこれがもう本当に良くって、しかも終わった後の疲労感が」
「待って美岬。お願いだから待って」
「あっ、すすすみません! 私オナニーの話になるとつい早口に・・・・・・てへへ」
「最悪すぎる・・・・・・!」
満面の笑みでこの世の終わりみたいな話をする少女。
やめてよ・・・・・・美少女がそんな良い顔でする話じゃないでしょ・・・・・・!
どうしてこんなになるまで放っておいたんだと頭を抱えたくなるが、これには理由がある。
というのも、彼女は生粋の青藍島民であり、幼い頃からこの島の影響を受けて育ってきたからだ。
その行いは全てが全て常軌を逸しており、付いたあだ名*2は数知れず。
とはいえ皆が皆ここまで酷い訳ではないので、もう美岬はこういう奴だと割り切るしかない。
こんなどうしようもない彼女との付き合いは、B等部2年の時から。
未だに忘れられない、修学旅行での出来事が切っ掛けだった――
私が青藍島にやってきて一年が経過し、青藍島の環境にも慣れてきた頃。
修学旅行先の旅館で送迎バスを待っていた時、私はクラスメイトと他愛も無い会話をしていた。
暫くするとバスがやってきて、当時クラス委員――SSという理由だけで推薦された――だった私はバスに生徒が全員乗り込むのを確認していた。
『A班全員揃ってまー、すぅん♡ ちょ、ダメっ、ここは島のそとっおぉん♡』
『・・・・・・修学旅行先ではドスケベ禁止って決まってるでしょ! はぁ、私が壁になるから早く乗って!』
『しゅ、しゅみましぇおほぉぉん♡ お゛っ、子宮の奥ツンツンだめぇ♡』
『子宮ツンツン!ツンツン! いい具合~、いい具合~! ツンツン!ツンツン! いい具合~、いい具合~! さぁ、乗車前の皆さんもご一緒に?』
『『ツンツン!ツンツン! いい具合~、いい具合~!』』
『早く乗れっつってんでしょうが!!』
修学旅行で青藍島から離れているためドスケベ条例は無いし何なら犯罪なのだが、やはり青藍島の住人は身近にドスケベが無いと落ち着かないのか、こういう事が何度かあった。
そういった事を極力起こさせないように、また出来るだけ表に出さないようにするのもある意味SSとしての仕事なのだが、そういうのを処理しながらの修学旅行は私としてはあまり楽しめていなかった。
まぁお金は必要だし、前世含めた年齢のおかげでこれは仕事だと割り切れてはいるのが幸いではあったが。
人目に付かないように乗り込んでいくクラスメイト達を眺めて、一人一人チェックしていく。
そうやって順番に確認していると、ある班の人数が一人だけ足りないことに気付いた。
『ねぇ、この班はこれで全員なの?』
『え? そうですけど・・・・・・』
『そんな筈は・・・・・・まさか!』
この時は1班5人でグループを組んでいたのだが、その班は4人しか居ないのに全員揃ったと言う為おかしいと感じた私は修学旅行で配られたしおりの班員名簿を確認する。
もうこの時点で何となく察していたが、私の予想通りその班のメンバーの一人の名前が「畔 美岬」だったのだ。
美岬の存在自体は島に来た当初から確認出来ていた。
だが、奈々瀬同様深く関わるのは今後に差し支えると思い交流を出来るだけ避けていたのだが・・・・・・この時になって私はあるエピソードを思い出してしまった。
『誰かに探されるなんて経験、初めてで・・・・・・』
『いえいえ、本当ですよ。 修学旅行の時とか、旅館で起きたらバスとクラスメイト消えてましたからね』
――・・・・・・これかっ!!
美岬ルートで明かされる、美岬の悲しい過去の出来事。
それは、彼女の体質が原因によるものだった。
畔 美岬という少女は理由は不明だが、とにかく地味で影が薄く、目の前で奇抜な行動をしてようやく他人に認識されるという謎の体質を持っている。
そのせいで彼女は今まで友達も出来ず、一人寂しい学校生活を暮らしていたとの事。
当の本人は存在感の塊みたいな性格なのにな。
しかしそれは、私には通用しなかった。
私が彼女の事を一方的に知っているせいなのか、それとも転生という奇妙な出来事のせいなのか――とにかく、私は美岬の事を問題無く認識する事が出来たのだ。
そして今、私は選択を迫られている。
――このまま、美岬を呼びに行くか行かないか。
このまま私が呼びに行かなければ、原作通り美岬は自転車を借りて一人目的地へと向かう事になるのだろう。
反対に呼びに行けば、私は彼女と繋がりを持つことになり、原作にどんな影響を及ぼすか分からなくなる。
少しだけ悩んで――私はすぐに美岬を呼ぶことにした。
何をやっているんだという気持ちは勿論あったが、それよりも同情心が勝ってしまったのだ。
だって・・・・・・可哀想だろう。
学生時代の思い出というのはかけがえのない思い出であるべきだと私は思っている。
それなのに体質のせいで友達も出来ず、せっかくの修学旅行では皆に置いていかれるなんて悲しすぎる。
この出来事を美岬はひたむきな前向きさで笑い話にしていたが、普通の人だったらトラウマになるレベルの出来事だろう。
いや――これは言い訳か。
結局のところ私は、美岬に対して話しかける理由が欲しかったのかもしれない。
当時の私は、島のドスケベに疲れていた。
拒否権は存在せず、ドスケベを拒み続けた先には拷問染みた調教が待っているこの島で、心が休まる時間は殆ど無かった。
それは郁子や礼先輩といった推しの人々と一緒に過ごしていても、変わることの無い日常だった。
何故なら彼女たちは、どこまで行っても条例に反する事は出来ない存在だからだ。
覚悟はしていた。
耐える自信もあった。
けど――それでも、徐々に、着実に、ゆっくりと私の精神は疲弊していった。
その中で、美岬という人物はある意味特別な存在だった。
ぬきたしヒロインの一人で、ドスケベから逃げ続けている彼女と話してみたかった。
それはミーハーな気持ちも少し含まれていたけれど、心優しい彼女なら私の気持ちを理解してくれると思ったからだ。
『ごめん郁子! 私ちょっと遅れてる子呼んでくるからバス止めるように言ってて!』
『ええっ、今から!? もう出発間近だよ!?』
郁子にバスの足止めを頼み、旅館の中を駆け回る。
目的の部屋はしおりに書いてあり、迷うことなく辿り着く事が出来た。
幸い鍵が掛かっていなかった為そのまま部屋の中へと入る。
『スピー・・・・・・もう食べられませんよぉ・・・・・・むにゃ』
――居た。
濃厚豚骨ラーメン屋の香り漂う部屋の中には一人分の荷物が部屋の隅に置かれており、その荷物の持ち主と思しき人物が唯一畳まれていない布団の中に包まっていた。
私はゆっくりと近づいて、布団をめくる。
すると――
『――――!?』
――極太バイブを枕元に置き、全裸で眠る少女がそこには居た。
ハッ!?
衝撃の光景に思わず固まるも、島の光景に慣れつつあった私はすぐさま頭を振って再起動をかける。
ええい、裸が何だ、バイブが何だ。
そんなものは島中どこらでも転がっている光景じゃないか。
今更気にする必要なんてない――そう自分に無理矢理納得させて、美岬を起こす為に体を揺さぶる。
『ほ、畔さーん? もう出発の時間ですよ~・・・・・・起きてくださ~い・・・・・・』
ちょっと声が震えたかもしれない。
そのせいか彼女は僅かに身じろぎした程度で起きそうにない。
『お、起きてぇ~・・・・・・! お、お願いだからぁ・・・・・・っ!』
『ぬぐぐぐ・・・・・・ぶぁっくしょいてやんでぃ!』
『ぴぃっ!』
いきなり大きな音立てないでよぉ!?
くそぅ・・・・・・情けない悲鳴が出てしまった。
驚いたせいで心臓もバクバクしてるし、寝ている相手、しかもあの美岬に対してこんな恥を晒す事になるなんて。
当の本人は幸せそうな顔で寝てやがるし。
・・・・・・何かムカついてきたぞ。
こっちは色んな想いを抱えて起こしに来てやったのに、相手は起きない所か反撃してきたのだ。
いくら初対面とはいえ、こちらも仕返ししないと気が済まなくなってきた。
しかしその前にまずは起こさなければ――そこまで考えて、ある事を思いついた。
『ぐぅ・・・・・・すやぁ・・・・・・』
美岬の体――お腹をじっと見つめる。
彼女のお腹は女性らしいしなやかなくびれと、ぷよぷよとした柔らかそうなお腹をしていた。
美岬は自分の体型――特にお腹周りに関してコンプレックスを抱えている。
太った体を誰にも見られたくないが為に、彼女はドスケベセックスから逃走しているのだ。
他人から見たら太っているようには見えないが、そこは本人の意識がダメだと言っているからダメなのだろう。
ともかく、美岬はそういう理由でお腹を見られるのも触られるのもとても苦手、らしい。
・・・・・・柔らかそうなお腹だ、ふむ。
『・・・・・・えいっ』
『お腹は触らないでぇぇええええええ!!』
『うわっマジで起きた』
まさかとは思ったが本当に反応するとは。
先ほどまで熟睡していたとは思えない勢いで飛び起きた美岬は、一転してポカンとした表情で辺りを見渡す。
そして、私が居る事に気付くとぱちくりと目を瞬かせて不思議そうな表情をする。
『・・・・・・???』
『・・・・・・おはよう、畔さん。 起きてすぐで悪いんだけど、着替えて出発の準備整えてくれる?』
『・・・・・・・・・・・・ほとりさん、ほとり・・・・・・畔、えっ、私ですか!?』
『畔さんはあなただけだよ・・・・・・?』
『そんままさか、ハッ――これはもしや、私が寂しさのあまり生み出した幻想、もしくは夢!? そ、そうに決まってます私が家族以外の人に認識されるなんてそんな夢みたいな――』
なんか悲しいこと言い始めたなコイツ。
でも・・・・・・こんな想像するぐらい今まで一人ぼっちだったのか。
そう思うと何かこっちまで悲しくなってくる。
なってくるが――急がないとそろそろ不味い。
バスも待たせてあるし、美岬を一旦落ち着かせよう。
という訳でもう一回。
『むにっと』
『ぎゃおおん!? だからお腹は駄目ですぅ!? ――ってあれ? 触られた実感があるって事は、夢じゃない!?』
『ごめんね畔さん、本当に時間が無いから・・・・・・急いで支度してくれる?』
『あ、はい・・・・・・じゃなくて、ももももしかして、本当に私の事見えてるんですか!?』
言ってる意味は分かるけどそんな自分が幽霊みたいに言わんでも。
『ほら、これ着替えでしょ? ってうわブラおっきい・・・・・・何カップあるんだこれ・・・・・・』
『ちょ、ちょっと私の質問に――着替え? ・・・・・・ぁぁああああ私裸じゃないですかああああ!!お腹、お腹見られ、いやああああああああ!!?』
『うわっ、いきなり暴れ・・・・・・ちょ、どこ行くの!? ――ええい止まれぇ!!』
美岬が裸のまま外に飛び出そうとしたのを
そんなドタバタした出会いが私と美岬の初めての遭遇で、この時の出来事が後に私と美岬が長い付き合いとなる切っ掛けだった。
この後は結局、自分が裸である事に気付いて慌ててお腹を隠して発狂する美岬と、どうにか準備をさせたい私との間で暫く格闘が続き、バスの出発は15分近く遅れてしまうのだった。
「で、本当に美岬は何しに来たのよ。 意味もなく背後から襲い掛かってきたって訳じゃないんでしょ?」
「あ、いえ・・・・・・今日は偶々葉月ちゃんが一人で廊下を歩いてるのを見かけたので、また葉月ちゃんが一人寂しく裏庭でぼっち飯をするのかと悲しくなって・・・・・・!」
「オイ」
「まぁ、私は葉月ちゃんが居なければいつもぼっち飯なんですけどね・・・・・・ははっ」
「自爆するぐらいなら言うなよ・・・・・・」
美岬との付き合いの長さは、SSの皆を除けば一番長い。
お昼休みは特に、ドスケベから逃れる為に美岬と一緒に過ごす事が多かった。
SSの仕事が無ければ、という条件はあったが。
「という訳で一緒にご飯食べませんか? というかご一緒してくださいお願いします!」
「私もう食後のお茶しかないんだけど・・・・・・まぁ、いいよ」
「やったぁーっ! ありがとうございます!」
可愛いなチクショウ。
何だかんだ美岬も推しの一人である。
笑顔を見ればこちらも嬉しくなるのだ。
美岬と二人、ひと時の平穏を過ごす。
滅多に人が来ないこの場所は私にとって安息の場所であり、数少ない心休まる場所であった。
喘ぎ声もここには届かず、周囲に聞こえるのはセミ達の鳴き声だけ――
「イクイクセーシ! イクイクセーシ! イクイクセーェ゛ェ゛ッシ!!」
「イィヨォイイ! イィヨォイイ! イィヨォイイイイイ゛イ゛イ゛!!」
やっぱセミちゃうかもしれんわ。
「・・・・・・ねぇ、美岬」
「もぐもぐ・・・・・・何ですか葉月ちゃん?」
「美岬は今日も夕方に一気に帰るんだよね?」
「えぇ、そのつもりですけど・・・・・・それがどうかしたんですか?」
「・・・・・・いや、あまり速度を出しすぎないようにね。 美岬の運転技術は知ってるけど、傍から見ると怖いからさ」
「はぁ・・・・・・分かりました?」
今夜、美岬はチンピラ達に襲われ、AVの撮影紛いの事をさせられそうになる。
その危機を私は知っている。
だが・・・・・・伝えることは出来ない。
そうすれば、美岬がNLNSに加入する機会が失われてしまうからだ。
分かっていても、友人の危機をわざと放置するのは正しいことなのだろうかと、美岬の顔を見て思ってしまう。
もしかしたら、私のせいで美岬の笑顔を曇らせてしまうのではないか――そう思うのが怖くてたまらない。
だから、今日は美岬と会うつもりは無かったというのに。
「葉月ちゃん葉月ちゃん」
「ん、何?」
「ほんの少しでいいので、ちょっと寝そべって貰えますか?」
「? いいけど・・・・・・」
美岬の突然の要求に戸惑いながら、言われた通りに地面に寝そべる。
丁度草むらだからそこまで不快では無いけれど、一体何をするのだろう。
そう思った次の瞬間、美岬は私の両足を持ち上げ、両足の間に美岬が跨るように立ち上がりこちらを見てこう叫んだ。
「立ち松葉月ちゃん!」
「・・・・・・」
「ふんすっ!」
「・・・・・・・・・・・・」
「あっ、あれっ!? 面白く無かったですか!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「――ぷっ、ふふっ・・・・・・あっははははっ!」
「ああっ、良かったぁ! スルーされたらどうしようかと思いましたよ!」
「ふふっ・・・・・・美岬は面白いなぁ」
「えっ、本当ですか!? いつもツッコミするか呆れていたあの葉月ちゃんが遂に私の事を面白いって・・・・・・! 今日ほど嬉しい日はありません!」
「くくっ・・・・・・はぁー。 何か悩んでる私がアホらしくなってきた」
本当に、美岬は良い娘だ。
私なんかとは比べ物にならないくらい、善良で優しい娘だ。
こんな明るい娘と一緒に居れたから、私は今まで頑張ってこれたのだと確信した。
「・・・・・・葉月ちゃん、何か悩んでたんですか?」
「うん、まぁね・・・・・・美岬のおかげで吹っ飛んだけど」
「そうですか・・・・・・それなら、良かったです。 葉月ちゃんが何を悩んでたのか私には分かりませんけど、昨日からちょっと暗い顔してましたから・・・・・・それを晴らせたなら、私としても嬉しいです」
「美岬・・・・・・まさか、今日ここに来たのって――」
「さーてご飯の続きを食べましょう! 時間は有限ですからね! ガツガツガツッ!」
――・・・・・・本当に、良い娘だ。
持ち前の明るさで場を盛り上げるムードメーカーなれど、時には相手を気遣い励ます優しい心の持ち主――それが畔 美岬という少女の本質。
その純粋さとどこまでも諦めないひたむきな精神は、自分のみならず、周囲をも巻き込んでいってしまう。
けれど、それは決して相手を
そんな彼女を、決して傷つける訳にはいかない。
改めて決心する。
その為にも――今夜も頑張ろう。
――全ては満願成就を迎える為に。
――ハッピーエンドを実現させる為に。
――だから私は、戦い続ける。
「アナルマン、モブナスビ、アナルザフットファッカー、マ〇コデラックス、ミサゴン、デブリ、ピザファット、ワガママクソスペック、歩く背脂、ミスカロリー、微笑みデブ、モブの対義語、存在感の代名詞、畔親方、青藍島の擬人化、SS最大の誤算、シコの暗黒卿、チャーミング異常者、1人で人気投票できる女、魔法少女の天敵」
これ以外にも様々なあだ名を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。