抜きゲーみたいな島に住んでるTS娘はどうすりゃいいですか? 作:パチドリくん
小学校に入学して2年が経った。
これまで順調に小学校生活を満喫してきたのだが・・・・・・ここ最近、淳之介の表情が暗くなってしまっているのが分かる。
――そう、橘家が青藍島へ引っ越す時期がやってきたのだ。
今から2年前、小学校に入学する前の話だ。
両親に通う学校を確認した所俺と淳之介は何の問題も無く淳之介と同じ学校に通うことが決まっていた。
そこまでは良かったのだが、引っ越しのことをすっかり忘れていた俺はあの後その事を思い出し、頭を抱えてしまった。
・・・・・・仲の良い友達と離れ離れになるだけでもショックを受けるだろうに、引っ越した先ではイジメを受けるだなんて、小学生が負っていいものではないだろう。
だからといって、俺に出来ることはそう多くは無い。
引っ越しは家庭の事情で止めることは出来ないし、そもそもぬきたし主人公の淳之介の人格形成に関わってくる重要な要素でもある。
この時の出来事が原作での愛の無いセックスを嫌う淳之介の行動理念となり、そしてヒロイン達を救うための力となるのだから、ここで淳之介を引き留めることは俺の目標とも違えることとなる――
正直、自分のこういった考えが嫌いになってくる。
淳之介と仲良くなればなるほど、そういった気持ちがより強くなっていくのを俺は感じていた。
今から9年後に起こるであろう橘夫妻の件にしたってそうだ。
俺が何もしなければ――あの二人は交通事故で亡くなってしまうのだから。
・・・・・・事故が起こる時期だけは分かっている。
9年後の3月・・・・・・それが事故の起こる月だ。
将来俺が何とか言いくるめたら止める事も出来るかもしれない。
――だが、出来ない。
それではぬきたしヒロインの片桐 奈々瀬は報われることは無くなってしまう。
それだけでなく、ヒナミも美岬も文乃も、淳之介が来なければ全員が全員青藍島のドスケベ条例により、不幸な結末を迎えることになるだろう。
あちらを立てればこちらが立たず――どちらがより幸せになれるかなんて俺の杓子では測る事なんて出来なかった。
ならば俺は俺が信じる道を――人が死ぬこと知りながら見て見ぬ振りをする、最早人殺しと罵られてもおかしくない道を進むしかない。
とはいえ、ただ見ているだけというのは俺の方が耐えられそうにない。
だから俺はせめて、引っ越しで淳之介が出来るだけ悲しまないよう、ある準備をしていた。
「飾り付けも済んだし、ケーキもお母さんに頼んでるし・・・・・・よし! 準備万端だな!」
――そう、俺は橘家の引っ越しパーティをやるつもりなのである。
今では家族ぐるみでの付き合いも多く、母さんと愛衣梨さんなどは特に仲良くなっていた。
父親二人もこんな時にはお互いお酒を交わす程度に仲が良くなっており、引っ越しの話が出た時もパーティをしようと言い出したのも実は両親たちが最初だったりする。
まさかこんな事になるとは思っていなかったが、これがあれば淳之介も少しぐらい元気づけられると考えた俺はこのパーティを利用させてもらうことにしたのだった。
「それじゃあ橘家の引っ越しパーティという事で・・・・・・友人が遠くへ行ってしまい、寂しくなってしまうのは非常に残念ですがいつまでもそんな状態でも居られません。 そんな悲しみを少しでも紛らわせるよう、また今生の別れという訳でも無いのですから再びどこかで会えることを祈って、乾杯と致します。 ――乾杯!」
「「「「かんぱ~~~い!」」」」
そうして皆が集まり、パーティが始まる。
皆一様に明るい表情を浮かべており、このパーティを楽しんでいるようだった。
淳之介も比較的明るい表情をしており、妹の麻沙音ちゃん――橘家で遊んでいるうちに知り合い、そう呼ぶようになった――と一緒に料理に味わっているようであった。
「――・・・・・・淳之介、楽しんでるか?」
「あっ、葉月くん・・・・・・うん、楽しいよ。 葉月くんと離れ離れになっちゃうのがずっと寂しかったんだけど・・・・・・でもこの思い出があれば向こうでも何とかやっていけるかも」
「そうか・・・・・・それなら安心したよ。 最近の淳之介ずっと暗い顔ばっかりだったからな」
「こんな事言ってるけど、お兄ちゃん昨日も離れたくないって駄々捏ねてたんですよ葉月さん・・・・・・」
「なっ、それは言うなって言っただろアサちゃん! それにお前だって葉月くんに一緒に来て欲しいって言ってたの忘れたわけじゃないだろうな!」
「ちょ、お、お兄ちゃん! 何も本人の前で言わなくたっていいじゃんバカぁ!」
俺の前でギャアギャアと言い合う二人。
原作では幼い頃は二人とも相当引っ込み思案で兄妹仲も中学生頃になるまではあまり良くないという話だったが・・・・・・俺が居た影響なのか、二人は俺の前ではこうやって度々じゃれ合う姿を見せるようになっているのだった。
幼い姿とはいえ――橘兄妹がこうやって仲良くしてるのは非常に尊いな!!
原作での口汚い麻沙音ちゃんと淳之介の絡みは非常に笑ったものだったが、それが今目の前で繰り広げられているというのは何とも言えない幸せだった。
しかしまだ幼いためワードチョイスが洗練されていないのが口惜しいと言うべきか・・・・・・と、いつまでも眺めるのも良いがそろそろ本題に移らなくては。
「ふふっ・・・・・・まぁその辺で落ち着いて。 寂しがり屋な二人に渡したいものがあるんだよ」
「はぁ、はぁ・・・・・・え? 渡したいもの・・・・・・?」
「あぁ、二人とも遠くへ行って周りに友達とかも居なくなって、ここよりも寂しくなってしまうだろうから、それを少しだけ和らげられたらなって思ってプレゼントを用意したんだ」
「本当ですか葉月さん! 嬉しいでしゅうへへ・・・・・・」
「あはは、そんなに期待されるとちょっと心配になるけど・・・・・・取り合えず、淳之介から。はい、これ」
そう言って、俺は用意していたプレゼント用の箱を渡す。外装はお洒落なクッキー缶を再利用して、肝心の中身は今までの淳之介との思い出の品を入れている。
「あっ、これって・・・・・・この前一緒に川で遊んだ時に見つけためっちゃ綺麗で丸い良い感じの石に・・・・・・これは写真? うわぁあったなぁこんな事・・・・・・」
「続いて麻沙音ちゃんにはこれを」
「あっ、ありがとうございます・・・・・・!」
二人ともプレゼントを受け取ると、表情を綻ばせる。
適当に作っただけの贈り物がこんなに喜ばれると、嬉しいやら恥ずかしいやらでちょっとだけ困惑してしまう。
・・・・・・でも、淳之介が引っ越し先で引き摺らないか心配だったが、今の表情を見る限りは問題無さそうだと感じ、俺は安堵する。
そうやって三人で暫く話していると、俺の父さんがやってくる。
手にはポラロイドカメラを構えており、どうやら記念に俺たちのことを撮りたいらしい。
「それにしても今時ポラロイドカメラなんてよく持ってたねお父さん・・・・・・」
「実は父さん写真撮影が密かな趣味でなぁ・・・・・・一眼レフとかも持ってるんだが、流石に現像が間に合わないだろうから今日はこれで我慢するしかないのが残念だ」
「えっと、ポラロイドカメラって? 普通のカメラとは違うの?」
「あぁ流石に知らないよなぁ・・・・・・ようは撮った写真がその場で印刷されるカメラのことだよ」
「へぇーそんな便利な物もあるんだね・・・・・・って、あれ? ということは今から記念写真を貰えるってこと?」
「そういうことさ! さ、葉月と淳之介くんと麻沙音ちゃん寄って寄ってー! ほら、笑って笑って~~・・・・・・うん良い感じ! じゃ、撮るよ! ハイチーズ!」
パシャリ、とフラッシュが焚かれカメラからは新しい写真が現像されていく。
それを見て嬉しそうにカメラへ寄る淳之介。
・・・・・・本当、良いタイミングでやってくれたよ父さんは。
こうして、淳之介たちのお土産に新しい記念写真が新たに追加されたのだった――
淳之介たちに学園の地下へ向かうメモを渡してから約一カ月。
私はここ数日で忙しくなったSSの業務をこなす日常を送っていた。
というのも、あれから正体不明の反交尾勢力が現れるようになり、SSは通常業務を行いつつもそれらの対応に追われるようになったからだ。
この正体不明の反交尾勢力というのは言わずもがな、淳之介をリーダーとして構成されたチームNLNS――No Love No Sex――のことである。
私の取った行動のせいでちゃんと結成されているかが不安であったが、その心配は杞憂となったようで良かった。
良かったのだが・・・・・・
「まさかここまで忙しくなるとはなぁ・・・・・・」
そんなぼやきが出てしまうほどに、SSは想像以上に忙しくなってしまっていた。
目の前では数多くのSS隊員たちが忙しそうに書類整理やPCと睨めっこしながら作業に追われている。
まぁ、ただでさえ最近は裏風俗による治安の悪化に、文乃捜索と大きな案件が2つもあって忙しいというのに、ここで反交尾勢力の対応まで加わったら仕方のない事ではあるのだが。
「隊長! 前回の反交尾勢力との戦闘報告書を提出しに参りました。 ご確認の程よろしくお願いします!」
「ん、あぁ・・・・・・戦闘時の通信妨害か・・・・・・分かった。 対策はまた今度考えるとして、生徒会長にもこの件は伝えておくよ」
私もSS五番隊隊長として対応に駆り出されている真っ最中である。
SSには複数の部隊が存在しており、その中でも五番隊はSSの電子戦闘部隊として活動している。
普段はSSに集まってくるデータ整理やSHO広報部の手伝い、水乃月学園にある通信設備などの整備を行っている。
戦闘時になると各部隊への情報伝達を主として、集まってきた情報を整理して大隊長に伝達し、その情報を基に大隊長が指令を決め、そして返ってきた命令を各部隊へ送る役目を担っている。
つい先ほどの戦闘報告書は反交尾勢力――NLNSとの戦闘の問題点が纏められている。
戦闘中のジャミングによる通信不良や、こちらの位置が何らかの手段で明らかになっている問題等が記載されており、これらの対策の案も簡易的にだが記されている。
・・・・・・だが、私はこの件に関して手を出すつもりは殆ど無かった。
寧ろ、私の所で意図的に情報を潰してさえいる。
この件で対策を進めてしまえばNLNSの皆の状況は不利になってしまう。
それだけは阻止しなくてはならないのだ。
――例えそれが、SSを裏切る行動だとしても
SSの皆を裏切っているという事実に――SSに入隊した時からこうなる事なんて分かっていたはずなのに、今更になって胸の辺りがヒリヒリと疼くのを感じる。
本来ならば、SSとしてこんな事は決して許される事ではない。
私は今、目の前にいる皆を、家族とも呼べる人達のことを裏切っているのだ。
・・・・・・覚悟はとっくに決めたのに、“この日”になるとどうにも気持ちが揺らいでしまう。
私の目標は皆で大団円を迎える最高のHAPPY ENDだ。
ならばこの裏切りがあってもSSの皆も最終的には幸せで終われると割り切ってもいる。
ただ、不安なのだ――
――だって、それを実現出来るという保障はどこにもないのだから
この世界は決して物語なんかじゃない。
この前のことだってそうだ。
私が少し介入しただけで物語――いや、この世界はいとも簡単に姿を変えた。
たとえそれが極小さな変化だとしても、私という存在が居るだけでこの世界の未来は誰にも分からなくなってしまうのだ。
もし。
もしも。
私の行動のせいで淳之介たちが条例に敗れ、ドスケベ条例が残る未来になってしまった時、私はどんな顔で淳之介たちを見ればいい?
私の行動のせいでドスケベ条例が消えた後、真ドスケベ条例の施行に失敗した場合行き場を失ったSSの皆にどんな顔をすればいい?
もし私の勝手な我儘で未来を変えてしまった時の責任を、私は――――――
「――・・・・・・はーづーきーちゃん♡」
「――――んひゃぁっ!!」
「あははっ♪ 良い反応ありがとぉ~ハヅキちゃん♪」
「い――郁子ぉ!? お前いつの間に!?」
気が付くと、風紀委員室に郁子が入って来ていた。
――しかも耳に息を吹きかけるオマケ付きで。
「普通に入ってきたよ? そしたらハヅキちゃんってばすっごく難しい顔してたからつい♪」
「だからって耳に息かけるなよぉ・・・・・・あぁくそ恥ずかしい・・・・・・はぁ、まぁ気付かなかった私も私か・・・・・・」
「そーそー気付かないハヅキちゃんが悪いの♪ ――・・・・・・それに、ずっと悩んでたってしょうがないでしょ? 悩むぐらいだったら行動するべきだとアタシは思うんだよね」
「・・・・・・」
郁子はこちらをからかいながら、不意に真面目な顔でそんなことを言うと私の隣の席に座る。
先程の言葉について聞こうと思ったが、郁子は既に机に資料を並べ出しており、今から仕事に入るようだ。
・・・・・・流石の郁子でも最近のSSの忙しさではサボる暇は無かったらしい。
「――・・・・・・郁子」
「んー、なぁに?」
「・・・・・・その、ありがと」
「えー? よく聞こえなーい。もっと大きな声で言ってー?♪」
「ぐっ・・・・・・茶化すなよぉ・・・・・・」
人を気遣ったと思ったらすぐこうなるんだ郁子って奴は・・・・・・!
しかし、これが郁子なりの励まし方なのだと私は知っている。
こちらを気遣いながらも、励ますように明るく振る舞ってくれる。
それが、普段おちゃらけながらも根が真面目で、優しい郁子なりの励まし方だった。
「――・・・・・・元気出た?」
「ん・・・・・・少しだけ」
「・・・・・・そっか。 なら良かった♪」
――やっぱり、郁子には敵わないな
自由奔放で、負けず嫌いで、癖っ毛が悩みの種のこの少女は、こんなにも気配り上手で仲間想いな良い子なのだ。
普段サボりで迷惑をかけられているとはいえ、かけがえのない大切な友人であることに変わりない。
現在進行形で郁子をも裏切っている事実にまた気分が落ち込みそうになるのを堪えつつ、SSの業務に取り掛かる。
せっかく郁子がここまでしてくれたのだから、いつまでも気にしている訳にもいかないだろう。
そうして暫くすると――
「はぁ~~~っ! やっと終わったぁ~~~!」
そう言ってぐっと背を伸ばしている郁子の姿と、机に突っ伏しているSS隊員たちの姿がそこかしこに転がっていた。
夏の季節で日の高い時間が長くなっているとはいえ既に陽は周囲をオレンジ色に染め上げており、人によって帰る頃には日が沈んでいることだろう。
「今日も大変だったねぇ・・・・・・早い所帰って、ゆっくり寛ぎたいよ」
「そだねぇ、今日は昨日録画したアクメトーーク!もあるし楽しみだなぁ」
「あぁ面白いよねぇアクメトーーク! 共通の性癖を持った人達がそのジャンルに関して熱く語り合う中で、一人だけ呼ばれたそのジャンルが地雷の人の反論で場が盛り上がるあのお約束は癖になるよね」
「そうそう! たまーに共通ジャンルだったはずなのに細かい解釈の違いでさっきまで仲が良かった二人が急にレスバを始めるのもいいよねぇ。 あたしあれ好きなんだー♪」
アクメトーーク!とはこの青藍島にある放送局「SHK」から放送されている番組のことで、司会の“アクメイったケツしたい”の二人と呼ばれたゲストから織りなすくくりトーク*1が人気の番組だ。
確か昨日のテーマは“鬼畜抜きゲー大好き芸人”だったかな・・・・・・可哀想なのじゃ抜けない私だが、トークの内容としては性癖暴露大会みたいなものだから私も楽しみにしている。
え?本島に似たような番組があるって?・・・・・・知らんな。
「じゃあ丁度時間も合ったことだし、折角だから一緒に帰ろっかハヅキちゃん」
「そうだね・・・・・・あっ、ちょっとごめん郁子。 私トイレ行ってくるから先に帰る準備しててくれる?」
りょうか~い、と気の抜けた返事を返す郁子を後目に私はトイレへ向かう。
そして誰も居ないトイレの中で私はスカートとパンツを下ろすと、付けていた“生理用ナプキン”を外し、持ってきた新品に付け替える。
・・・・・・女に生まれ変わってから随分経って、この日にも随分慣れてしまったものだ。
“この日”・・・・・・つまり生理の日は、私にとって精神が揺さぶられる日だ。
体がだるい・・・・・・というのはあまり無いのだが、その代わりという訳なのか生理の日は無性に不安になるし、過去の嫌なことを無駄に思い出させる。
だから今日みたいな日は難しい事はあまり考えないようにしてたのだが――
「はは・・・・・・いつまでも女々しいなぁ、“俺”って・・・・・・」
そう自嘲する。
勝手に悩んで、落ち込んで、それを友人に慰められる。
私が“俺”だった事を考えると、とてつもなく情けなく感じてしまう。
・・・・・・いつまでもこんなだったら駄目だよな。
トイレから出て、ゴミ箱にナプキンを捨て洗面台の前に立つ。
洗面台の鏡には自信が無さげな“少女”の姿がこちらを見つめていた。
蛇口から流れる水の音と、外から聞こえるヒグラシの鳴き声以外何も聞こえず、私はただじっと鏡の中の少女を――印象的な翡翠色の瞳を見つめるのであった。
『私たちは!鬼畜抜きゲー大好き芸人です!!』
『せやから太マラさん! 鬼畜抜きゲーは清純な女の子たちだからこそ堕ちた時のギャップで萌えるってものなんですよ!』
『いや分からんがなそんなん!!』
「分かってたまるかそんなもん!!!!」
鬼畜抜きゲーだと・・・・・・!?
純愛こそが至高だと貴ぶ俺にとってそんなものは地雷でしか無い存在だ。
くそっ、ただのスケベバラエティ番組だと油断した――こんな所にまで可哀想じゃないと抜けない人間の魔の手が潜んでいるとは・・・・・・!
「分かってるねぇこの“チンポー濃林”って人は・・・・・・やはり今の時代は可哀想じゃないと抜けない、日常パートばっかりのエロゲーにはもう飽き飽きだ!さっさとセックスしやがれ!」
「いいや違う! 恋愛というのは初めて愛し合った人同士がお互いの親愛を長い期間で深め合い、君以外を愛さないと誓い合ってこそが正しくあるべき姿だ! それを否定する所か、酷い目に合わせる事など――例えフィクションだったとしてもあってはならないのだ!!」
「へんっ、これだから拗らせ童貞って奴は・・・・・・やれ処女じゃないと駄目だのHシーンが早すぎるだの可哀想なのじゃ抜けないだの細かい条件が多すぎるんだよね・・・・・・そんなもんそこら辺のビッチに童貞と一緒に食わせりゃ良いってもんだよ、特に葉月さんとか奈々瀬さんとか!」
「ふっ、そんな事は有り得ないから安心しろ妹よ。 俺は決してビッチになど屈したりしない――!」
「話聞いてた?」
「アサちゃんそれ以上言ってもしょうがないわよ相手はあの淳なんだから。 ほら、ご飯出来たから2人ともいつまでもいがみ合ってないで食べましょ?」
「わーい奈々瀬さんのごはんごはんー・・・・・・がつがつずぞぞっばりむしゃぁ・・・・・・はぁうんめぇー・・・・・・奈々瀬ニウムが体に染みるぅ・・・・・・!」
「くっ・・・・・・例え胃袋が屈しようと、俺はまだ誇り高き童貞・・・・・・! この程度で俺に勝ったと思うなよ奈々瀬・・・・・・!」
「はいはいお粗末さまお粗末さま・・・・・・」
奈々瀬が呆れたようにしながらも、アサちゃんの食べっぷりにどこか嬉しそうにしている。
さっきはあんな事を言ったが、正直奈々瀬が家事代行の仕事とはいえ家に来てくれるのは有難かった。
ご飯は美味しいし、掃除の手際も良い。
そして何よりアサちゃんが普段より明るくなっていることが一番嬉しいのである。
それに今では奈々瀬も俺たちNLNSの大切な仲間の一人だ。
ビッチだからと言って、仲間の事を否定するようではリーダー失格だからな・・・・・・
そうして暫くご飯を食べながら、奈々瀬ニウムを補充してゲヘゲヘしてる妹の姿を見て俺は、ふとここである事を思い出す。
そういえば――木戸さんと居た時もアサちゃんが何時もより明るくなってたような・・・・・・?
・・・・・・気のせいだろうか?
・・・・・・まぁ、今は考えても仕方ないか。
それよりも今は重要なお知らせがあるのだ。
それを皆に伝えなくては――
「――・・・・・・実は二人に相談したいことがあるんだ」
「あら・・・・・・どうしたの淳? そんな急に改まって」
「もしかして兄、遂に奈々瀬さんの魅力に気が付いたとか――!?」
「いや違う――これを見てくれ」
そう言って、一枚の手紙を机の上に広げる。
そこに書かれていたのは――
「姦港記念日の夕刻、山裾の集落に来られたし――これって・・・・・・」
「あぁ・・・・・・“あの少年”からの手紙だ」
あれから約一ヶ月、あの少年は姿を現すことは無かった。
彼に恩を返そうと思った俺はあれから暫く彼の事を探してみたのだが・・・・・・俺たちの基地を提供している老人に話を聞いてみても『彼奴の事はワシにも分からん・・・・・・それどころか、誰にも教えたはずのないこの場所に奴は一人でやってきたのだ』と、詳しい情報は何も得られず、今まで彼が何をしていたのか不明だったのだ。
しかし、今日の朝郵便受けを確認するとこの手紙が入っていた。
差出人は不明、内容もよく意味の分からない物であったが、書いてる筆跡が以前貰ったメモ紙と同様だった為彼からの手紙だと分かった。
正直、彼が急にこんな形で接触を取ってくるとは予想外だったが――
「――俺は、この手紙の内容に従ってみようと思う」
「・・・・・・ねぇ兄、その人に助けられたってことは知ってるけど本当に大丈夫なの? そんな怪しい人の言うことに付いて行って騙されたりしない?」
「その可能性は限りなく低いだろう。 彼の目的はドスケベ条例の誤謬を正すこと、そう言っていた。 それに過去には奈々瀬も彼に助けられているらしい・・・・・・そうなんだろう?」
「そうね・・・・・・アタシがこの島に引っ越してきて、まだ逃げる事にもあまり慣れていない頃に前みたいな状況になっちゃって・・・・・・そんな時に彼が助けてくれたの」
「そういう訳だ。 ・・・・・・ずっと前から非性産的行動をしている人が、今になって俺たちを騙すとは考えにくい。 それに――彼には助けてもらった恩があるからな」
そう――あの時、彼のおかげで俺たちはこの青藍島で希望を手にすることが出来た。
窮地を助けて貰うだけでなく、ドスケベを強要するこの島に対抗する手段を――ドスケベ条例を潰す為の手段を彼のおかげで知ることが出来たのだ。
この恩はいつか必ず返すと決めたのだから――行かないという選択肢は俺には無かった。
「というわけで俺は行く。 ――お前たちはどうする?」
「アタシも行くわ。 アタシも彼にお礼したいし、何より淳を一人で向かわせられないもの」
「私も行くよ。 その人の事も気になるし、兄だけで向かわせたら迷子になりそうだしね・・・・・・」
何故だか心配そうにヤンチャな子供を見るような表情で顔を向けられてしまった。
何か俺って目を離したらいけない存在みたいに二人に見られてるんだよな・・・・・・もう十分大人になったと思うんだけどなぁ。
――ともあれ、俺の頼もしい味方たちも問題は無いのならやるべき事は決まった。
「そういう事なら今度の木曜日、姦港記念日はチームNLNS全員集合だ! 彼が何のために俺たちを呼んだのかは不明だが――何があってもいいよう、各自当日に備えておくように!」
「「了解!」」
こうして俺たちは、彼に会うため行動を進めるのであった。
ぬきたし的ギャグを書きたいのに亀頭的非識字と遅漏のせいで全然チ〇ポが進まないパチ・・・・・・
やっぱり原作のライターさんって頭おかしいパコ(誉め言葉)
――追記――
まさかのQruppo様の「抜きゲーみたいな島で溢れる
パコやろう!なんだってこんな奇跡的なタイミングで一緒になるパチ!!?
こんな落書き見てる暇があったら皆カクヨムにイくしかないじゃない!