※この作品はR-18です。

泣き虫の白球と明日の天気は?   作:ヨコヨコ

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僕は僕が嫌いだ。

嫌われたくないからって自分の意見を出せない自分が嫌いだ。

自信がないのが嫌いだ。

なんていうか。いつも僕の中には雨雲が漂っていた。

僕には、何もない。


1-出会い

歓声轟くスタジアム。鳴り響く応援歌と舞い踊る選手。

 

ここは潮鳴市。すぐそばに海が隣接し、最近大きな発展を遂げた地方都市・・・の中にある、潮鳴マリンスタジアム。平たく言えば野球場。

 

そしてここが、僕の職場だ。

 

「8回の裏、ドルフィンズ選手の交代をお知らせいたします。9番三原に代わりまして、小鳥遊。バッター、小鳥遊。背番号33.」

 

名前がコールされ、バッターボックスに向かう。点差は一点。ツーアウトランナーなし。

 

とりあえず、塁に出ることだけ考えよう。うん。

 

相手投手が振りかぶる。やるしかないなら、それしかない・・・っ!!

 

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「で、結果デットボールか。」

 

ところ変わってその日の夜。とあるレストラン。先ほどとは別の盛り上がり。いわゆる合コン会場ってやつ。

 

「そもそもルーキーに何を求めてるのさぁ・・・」

 

小鳥遊空。それが僕の名前。潮鳴ブルードルフィンズに所属するルーキーだ。

 

隣にいるのは朝比奈翔、大学時代の同期。・・・今日は数合わせで合コンに来たけど。正直早く帰りたい。

 

「で、彼女持ちのリア充くん。僕帰っていい??」影薄いからかな。まったく相手にされてないんだけど。というか、泣きそう。

 

「お、おう・・・ま、また今度!また今度な!!!」

 

店にを出ると、夏にしては少々涼しい風が頬をなでる。最近昼間が暑すぎるし、たまには日中もこんな風ふかないかなぁ。

 

「だからっ!~・・・」

 

・・・あれ?なんか聞き覚えのある声。振り返ると40後半ぐらいの男性ときれいなブランドががtt・・・あっ!あの人この間一緒に飲んだ人!?

 

確か、あの時は待ち合わせドダキャンされた挙句、人間違いしちゃって結局いい感じで落ち着いたけど。・・・まさかまた会えるなんて。でも、なんか様子が変?

 

「だから、毎回いきなりあって決めるなんて乱暴すぎない?」

 

「いいたいことはわかるけどよぉ・・・で?肝心な理由を聞かせろよ!今度は何が一体駄目だったんだ!?」

 

「確かにいい人だったわ?お仕事の話よりプライベートのお話も多くて、緊張している私にもすごくよくしてくれたし。」

 

ええ、逆タマレベル断っちゃったの!?僕だったらホイホイいきそうだけど。

 

「それに、父のことは気にしなくて結構です。恋愛ぐらい自分でできますので。」そういって彼女はどこか・・・海の方へ歩いて行った。うわ、あのおじさん周りから白い目で見られてる。うわぁ・・・

 

けど。なぜかはわからないけど、僕の足は彼女の向かった先に歩いていった。

 

「あ、あの!」

 

声をかけた彼女は振り返って、一瞬間をおいて一言。

 

「どちら様でしょう?」

 

うわ、絶対わざとらしい笑顔!覚えてるよこの人!!

 

「ふふ、冗談。・・・もしかして聞いてた?」

 

ちょっと困ったような顔でこっちを向く彼女。そりゃそうか。誰だってそういうのは聞かれたくないよね。

 

「・・・ねっ、ちょっと付き合ってくれない?そこの海辺まで。」

 

潮鳴の海岸は、この街の観光地の一つだ。時間関係なくカップルや学生たちが騒いでいる。夕日の名所の一つだ。

 

そんな目の前の彼女は、寂しそうな顔をしながら・・・とても、きれいだった。特に首筋。

 

「え、えっと・・・」しまった。

 

よく考えたら名前知らないじゃん!!!

 

「咲よ。鳴瀬、咲。」

 

「咲さんは、その・・・付き合いたくない理由とかあるの?」

 

咲さんの話は、どこかやっぱり寂しそうで。確かに、異性とあまり付き合いがないと誰かと恋愛するなんて、考えにはあまりならないよね。どこかのやつに教えてあげたい考えだ。

 

・・・けど、僕も同じ。付き合うとか考えたことなかった。けど・・・

 

「咲さん。・・・僕と、付き合ってもらえませんか。」

 

なぜか、この人だけは。勘違いで会話したあの日からずっと

 

自分の中で特別になったんだ。

 

「僕もあまり恋愛とかわからないけど、たぶん一目ぼれで・・・!だから!」

 

「ええっ、それもいいかもしれないわね。」

 

・・・えっ?

 

「あら?女性に冗談で告白したの?・・・少なくとも私はもっとあなたのことを知りたいって思ってる。これは事実よ?」

 

・・・夢みたいだ。憧れの人と、恋人になれる・・・?

 

こうして、二人の恋愛初心者は晴れて恋人同士になった。

 

そして、物語は動き出す。

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