※この作品はR-18です。

優しき日輪と鬼殺隊の美蝶   作:蓮紅

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※キャプション必読・リクエストに関しての説明あり
*未成年飲酒と未成年喫煙は犯罪行為です。絶対に真似しないで下さい。お酒と煙草は二十歳になってから。
・鬼滅の刃原作に関するネタバレあり。原作未読の方は閲覧注意。
・鬼滅の刃二次創作小説です。
・原作・キャラクターの性格・設定等改変の可能性大。一部キャラ崩壊注意。
・思い付き次第で何度も編集を繰り返す可能性大。お時間がある時で良いので、良ければ読み返してみて下さい。
・誤字脱字等のミス・内容の矛盾等の指摘は大歓迎。理不尽なクレームは受け付けません。
・コメント・メッセージ・タグ編集大歓迎。創作意欲の燃料になります。コメント・メッセージの返信は必ずさせて頂きますのでどしどし御投稿下さい。
・SS内容に関してはネタパクリと言う名の盗作を間違えてしないよう気を付けてますが、もし私が投稿した作品が既に別の作者様と内容が酷似していた場合、メッセージにて御連絡下さい。

※リクエストに関して
メッセージにてリクエスト内容を御連絡下さい。
以下規約参照
・100%受け付けられると保証された訳では御座いません。
・炭治郎×鬼滅女子のみ。
・作者は遅筆で怠惰癖あり。またリアルの都合や他SSの執筆で投稿が遅くなる可能性大。
・CP、全年齢かR作品か、ネタの内容を御記入下さい。ネタの内容が詳細で有れば有る程、筆が進むので御協力をお願い致します。


第拾壱話 夢幻の桜蝶は日輪の大師となる ❤★

東京府・薬師寺ひさ邸

 

大正二年(一九一三年) 三月十日(月)

時間帯:朝

天気:雨

 

「じゅるるるるっ❤……じゅるっ❤……ちゅうぅぅ❤……ちゅうばっ❤」

 

「ふぅぅぅっ……しのぶさん、気持ち良いです。」

 

炭治郎としのぶの居る一室で、卑猥な水音が鳴り響いていた。

 

余韻の口付け(キス)を終えた二人は、息を整えてから行動に移り始めた。炭治郎の精液で埋め尽くされたしのぶの秘部から、これまた真っ白に染まった自身の逸物を引き抜いた。

 

するとしのぶが徐に身体を起こして、炭治郎の逸物を口に入れて口淫(フェラチオ)を始めたのだ。所謂"お掃除フェラ"である。

 

「ああぁっ……あぐっ!……ふぅぅぅっ。」

 

炭治郎は先程で終わりだと思ったからこそしのぶの行動に驚いたものの、拒否するようなことはせず、しのぶの口淫(フェラチオ)を受け入れた。そして、しのぶの口淫(フェラチオ)から来る気持ち良さに酔っているのが現状である。

 

「……っ……しのぶさん。」

 

口元から涎を垂らしながら、炭治郎は快感に耐えて右手を伸ばす。右手を伸ばした先に在ったのは、しのぶの頭部であった。

 

「っ!❤」

 

しのぶの頭に手を置いた炭治郎は、優しくしのぶの頭を撫でる。

 

「じゅぼじゅぼっ!❤……ちゅううぅぅっ!❤……じゅるじゅるるるっ!❤」

 

最愛の恋人が自身の口淫(フェラチオ)で気持ち良くなってくれて、且つその快楽に酔い痴れながらも自分の頭を優しく撫でてくれるとなれば、自然としのぶの口淫(フェラチオ)にも力が入る。そして間も無くそれは起こった。

 

 

 

ビュルルビュルルビュルルルル! ドピュピュピュピュドピュドピュ!!

 

 

 

「んぐっ!?❤……んんんっ~~~~!!❤❤」

 

しのぶは口内を埋め尽くす白濁の溶岩の質量と熱量に驚きながらも、餌を口に咥えた栗鼠の如く両頬を膨らめせて受け止める。

 

「っ……ゴクッ❤……ゴクッ❤……ゴクッ!!❤」

 

我に返ったしのぶは口内を蹂躙する白濁の溶岩を一滴も吐き出すまいと、必死で飲み込んで胃の中へと収めていった。

 

「ゴクッ❤……んちゅるる❤……じゅるっ!❤……んん~~っ❤❤……ぷはぁ❤」

 

しのぶは白濁の溶岩を飲み尽くすと、再び炭治郎の逸物を一舐めする。そして最後に付いていたしのぶの唾液は、しのぶ自身が布で拭き取って完全に綺麗にする。

 

「綺麗になりましたよ❤ 炭治郎君❤❤」

 

「しのぶさん、ありがとうございました。とっても気持ち良かったです。」

 

自身の逸物を一生懸命、ご奉仕してくれたしのぶに炭治郎は感謝を述べた。その瞬間であった。

 

 

 

ズキッ!

 

 

 

「うぐっ……っ!」

 

「っ!?……炭治郎君っ!?」

 

炭治郎が突如、胸を抑えて蹲った。そんな炭治郎の姿を見て、しのぶは焦った様子で慌てて声を掛ける。

しかし、炭治郎は右手を押し出す様に前に差し出してしのぶを制止させる。

 

「だ、大丈夫です……()()()()使()()()()()()()ですから……っ。」

 

()()()()使()()()()()()()?……何を使い過ぎたんです?」

 

炭治郎が苦しんでいる理由を伝えると、しのぶはその肝心の理由が理解出来ず首を傾げる他に無かった。

そんなしのぶの可愛らしい姿を見て、炭治郎が額に汗を浮かべながら苦笑し、そして顔を赤らめながらより詳細に理由を述べる。

 

「その……先刻(さっき)の情交の最後の一回をする前に、俺、疲労があったんです。でも、それでも最後の一回がしたくて、集中するために……口で言うのは恥ずかしいんですけど……呼吸を……"ヒノカミ神楽"を使ったんです。それで"ヒノカミ神楽"を使ったので……最近でも少しの間だけならともかく、普段はあの呼吸を使った後は、身体が一時的に動けなくなるんです……。」

 

「"ヒノカミ神楽"を?……あっ!」

 

炭治郎が口にした理由を耳にして、しのぶは微かに記憶に残っていた事実を思い出す。快楽に夢中で殆ど覚えてはいないが、確かに聞き慣れない呼吸音を耳にしたのは覚えていた。

 

「……ぷっ!……あはははっ!!」

 

「っ!……うぅっ……笑わないで下さいよ……。」

 

先刻まで抱いていた焦燥感や心配は何処へやら、しのぶは面白可笑しく笑声を上げる。そんなしのぶを見て、炭治郎は赤面しながら悪態を吐く事しか出来なかった。

 

「ふふ……っ❤」

 

「あ……。」

 

しのぶはひさから借用している薄紫色の浴衣を羽織る様に着用して半裸状態になると、炭治郎の頭を膝に乗せて膝枕をした。

 

「炭治郎君が動ける様になるまで、膝枕をしてあげます。ちゃんと休んで下さいね❤」

 

「えっと、はい……ふふっ。」

 

炭治郎は頭の下から感じる太腿の柔らかさを感じながら、身体が動ける様になるまでしのぶの膝枕を受ける事にした。しのぶ自身から香る藤の花の匂いも相まって、自然と炭治郎から笑みが零れる。

 

「……っ❤」

 

 

【挿絵表示】

 

提供:椿様

 

自分から炭治郎の表情は伺えないのは残念ではあったが、炭治郎が甘えてくれている事に歓喜の情念を隠せないしのぶは、膝枕で炭治郎を甘やかすのが幸せで仕方が無かった。

 

 

 

♦︎

 

 

 

動ける様になった炭治郎はしのぶに礼を述べてから、二人揃って朝食を貰うために指定されていた部屋に移動していた。

 

二人で過ごしていると、襖越しからひさの使用人がやって来て朝食の時間を連絡して来たからだ。しのぶは炭治郎が動ける様になったのを確認しつつ、移動時間も計算してから移動を開始していたのだった。

 

「炭治郎君。一応お尋ねしますけど、大丈夫なんですね?」

 

「……ええ。すみません、しのぶさん。もう大丈夫です。」

 

しのぶの質問に歩きながら答えた炭治郎だったが、その炭治郎は少々疲弊した様子であった。そんな最愛の恋人の様子に、しのぶは苦笑する。

 

「やり過ぎ……と言うよりも、"ヒノカミ神楽"を使ったから一時的に動けなくなるなんて……その底無しの精力絶倫振りに驚けば良いのか、情交に呼吸術を使い過ぎて動けなくなった事実に呆れたら良いのか……ふふっ。」

 

「しのぶさん、その……もうあんまり言わないで下さい。俺も気にしているんですから。」

 

「ごめんなさい。だって可笑しいんですもの……。」

 

クスクスと笑うしのぶに、炭治郎は頬を膨らませて不服そうに見詰める。

 

――でも思わぬ呼吸術の鍛錬方法かもね……それこそ情交そのものが、結構な負荷が掛かる筋力の鍛錬にもなって……炭治郎君としか、絶対に私はやらないけど。

 

――しのぶさんに笑われちゃったけど……もしかしたら"ヒノカミ神楽"を使い熟す近道になるかもしれない。でも情交をしている最中に息を切らすなんて、しのぶさんを困らせるから今はとても出来ないな……。

 

二人で新たな呼吸術の鍛錬方法の開拓の可能性を見て、各々で考察を心中で繰り返していた。そうしている内に、二人は指定されていた部屋に到着する。

 

 

 

グツグツ

 

 

 

「「!」」

 

「しのぶ様、炭治郎様。お二人共おはようございます。」

 

「おはようございます。おひささん。」

 

「ひささん! おはようございます!」

 

この屋敷の最高権力者であるひさから朝の挨拶をされて、直ぐに二人は返礼した。室内は、鍋を煮詰める音が鳴っていた。

 

「(ゴクッ)……ひささん。それって鳥のお肉ですよね?……でも初めて匂いを嗅ぐ様な……。」

 

「ご明察にございます、炭治郎様。こちらは雉のお肉になります。」

 

「へぇ、雉のお肉ですか? 珍しいですね。」

 

しのぶはそう言って、興味深そうに鍋を見詰めた。しのぶが言った様に、雉肉は比較的珍しい食肉であった。

 

雉の食用の歴史は古い。歴史を少し調べれば、平安時代にまで遡る。この時代から、最高級の食肉として公家を筆頭に"山の河豚"と呼ばれる程に人々から愛されていたのだ。

 

しかし明治時代に入ってからか牛や豚、鶏や兎などの畜産肉の需要が増えた事で、狩猟肉(ジビエ)の需要が減って行ったのである。

 

また、現在の"鳥獣保護法"の原型となる"狩猟法"が明治二十八年(一八九五年)に制定されてから、更に狩猟肉(ジビエ)の需要が減ったのも更に雉肉が希少になった理由であった。

 

しかし更に希少価値が上がったからこそ、食卓に出されれば老若男女問わず喜ばれる最高級の狩猟肉(ジビエ)としての地位は不動のものであった。

 

「本日の朝餉は、雉鍋と雉の(ガラ)から出汁を取って作った雉飯、そして雉の塩焼きでございます。シメは雉蕎麦をご堪能下さい。」

 

「ありがとうございます。それにしてもおひささん。朝からお肉ですか……?」

 

普段から小食なしのぶが、驚きを隠す事無くひさに尋ねる。するとひさが、ニヤッと笑みを零した。

 

「はい、夜遅くまで……そして早朝から()()()()()()()お二人には丁度良いかと思いまして。」

 

「「!?」」

 

ひさが言わんとしている事を察して、炭治郎としのぶは赤面する。

 

「えっと、その……あ、ありがとうございます! 俺、雉のお肉を食べるのは初めてなので、楽しみですっ!!」

 

炭治郎は誤魔化すかの様に、喜色満面の笑みを浮かべてひさに深く礼を述べた。

 

「いいえ、大した事ではございません……それとお食事前に、幻と言われている一品を召し上がられますか?」

 

「「幻と言われている一品?」」

 

炭治郎としのぶは異口同音に、ひさが口にした言葉を復唱した。

 

「はい、その通りでございます。」

 

ひさがそう言って手拍子で二回叩くと、一人の使用人が二つの酒盃を運んで来た。

 

「「!!」」

 

炭治郎としのぶは運ばれた酒盃を見て、驚きを覚えた。酒盃の中には、お酒と思われる液体に焼いた雉肉が入って居たからだ。そんな驚く二人に、ひさは解説する。

 

「こちらは熱燗に塩で焼いた雉肉を付けた"雉酒(おきじさま)"と呼ばれるお酒になります。焼いた雉肉から出る旨味が熱燗に入り、実に濃厚な味がするのでございます。厳密には食前酒という訳ではございませんが、是非ご賞味下さい。」

 

「では、お言葉に甘えまして……。」

 

炭治郎としのぶはそう言うと、熱燗に入って居た雉肉を備えられていた小皿に移してから、酒盃を手に取った。そして二人は視線を交える。

 

「「乾杯。」」

 

室内で軽くカランという音が鳴ってから、二人揃って雉酒を口にした。

 

 

 

*未成年飲酒は犯罪行為です。絶対に真似しないで下さい。お酒は二十歳になってから。

 

 

 

「「っ!……はぁ。」」

 

二人は特に感想を言うでも無く、感嘆深く溜息を吐くだけであった。その様子に、ひさは満足そうに二人を見詰めた。

 

「お酒って初めて飲みましたけど、美味しいですね。」

 

「私もお酒は嗜みませんが、美味しいと言うのは分かります。」

 

炭治郎としのぶは漸く、雉酒について感想を述べる。それから小皿に移した雉肉も口にした。その後に、ひさの使用人が盆に乗せて雉肉料理を運んで来た。

 

「では、失礼致します。何かあればお呼び下さいませ。」

 

ひさはそう言って使用人達と共に、炭治郎としのぶに一礼してから退室して行った。

 

「「頂きます。」」

 

ひさ達が退室したのを見計らってから炭治郎としのぶは両手を合わせて異口同音にそう言うと、用意された雉肉料理にあり付き始めた。

 

「雉肉ですけど、結構弾力がありますね。」

 

「そうですね。でも淡泊だけど、それでいて濃厚な味がして美味しいです。」

 

炭治郎としのぶの二人は雉肉を堪能する。するとしのぶが雉肉を箸で摘まんでからある行動に出る。

 

「はい、炭治郎君。あーん❤」

 

「えっ!?」

 

しのぶが雉肉を摘まむと、炭治郎の口元まで運んだのである。しのぶの行動に、炭治郎は驚きを覚える。するとしのぶの表情に一抹の不安が宿る。

 

「嫌……ですか?」

 

「!! と、とんでもないです!……あ、あーん。」

 

「あーん❤」

 

炭治郎が了承すると、しのぶは喜色満面の笑みを浮かべて食事を運んだ。それから炭治郎の食事の大半は、しのぶによって運ばれる事となった。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「七十六、七十七、七十八、七十九、八十……炭治郎君。八十回目がちゃんと下まで行ってませんよ。さぁもう一度っ!!」

 

「ぜぇ……ぜぇ……はいっ!」

 

炭治郎としのぶは昼食を終えた後、綺麗に清掃された部屋で腕立てをしていた。

 

尤も、腕立てをしているのは炭治郎だけである。しのぶは腕立ての態勢を取っている、炭治郎の背中に座って重りの役割をしていた。

 

何故腕立てをしているのかというと、雨のために室外での鍛錬などは出来ないからだ。

 

出来ないというよりもしないだけであって、やろうと思えば普通に出来るのだが、折角与えられた貴重な休息期間を使って体調を崩す危険性(リスク)を犯す理由など無かったのである。

 

其処でしのぶは雨の中で鍛錬をしようとした炭治郎を静止して、室内での鍛錬の監督をする事にしたのだ。炭治郎もしのぶからの指導が直接得られる事に、否やなど皆無であった。

 

二人は小休止を何度も挟みながら一刻(ニ時間)掛けて鍛錬とその後の柔軟体操を行ってから汗を拭いた後、ひさから昼食として出された絶品の天麩羅を堪能してから、与えられた部屋の中で互いの身をくっ付けて座っていた。

 

この休息期間が終われば、再び鬼との戦いに身を投じるのだ。この貴重で尊い時間を、二人は惜しむように味わっていた。

 

「こうして一緒に身を寄せて過ごすだけでも、良いものですね。しのぶさん。」

 

「ええ、こんなに幸せを感じる日々が訪れるなんて、考えた事もありませんでしたよ。」

 

しみじみとそう話し合っていると、しのぶが炭治郎に寄りかかって共に畳の上にゆっくりと倒れ込んだ。

 

「おっと……しのぶさん?」

 

「炭治郎君、このままお昼寝をしちゃいましょうか?……お昼ご飯を食べたのもありますけど、早朝から情交してここまで眠っていないのもあって実は凄く眠いんですよ。でも、私は今夜もしたいですから……だから……ね?」

 

「っ!……分かりました。一緒に寝ましょう、しのぶさん。」

 

しのぶが言った言葉に炭治郎は了承の意を示す。そしてその言葉を聞いて満足げな表情を浮かべたしのぶは、隠していた眠気から直ぐに目を瞑り、直ぐに眠り始めた。

 

「……すぅ…………すぅ…………すぅ…………。」

 

「…………しのぶさん、おやすみなさい。ふふっ。」

 

緩々に緩んだ無防備なしのぶの寝顔を見て、炭治郎の胸中が幸福感で埋め尽くされる。

 

そして何時の日かの如く自身に寄りかかって眠りに就いたそんなしのぶを見て、炭治郎は懐かしそうに笑いながら自身も夢の世界の住人に加わるべく両眼を閉じる。

 

すると、炭治郎は不意にある事を思い出した。

 

――今寝ても、あの世界に戻れるのかな……今回駄目だったら夜にもう一回試してみよう……()()に……()()()に会えると良いなぁ……。

 

炭治郎はそう願いながら、ゆっくりと眠りに就いた。

 

 

 

 

 

 

夢幻世界

 

 

眼を閉じて過ごす内に、炭治郎は違和感を覚え始めた。背中から畳の感触とその材料である藺草の香りが消え、代わりに多種多様な花や植物の香りが炭治郎の鼻に入って来た。

 

その事実を理解した瞬間、炭治郎は眼をカッ! と見開いて飛び起きる。身体を確認するとひさから借りた薄紫の浴衣ではなく、鬼殺隊の隊服を着用している。

 

「……っ……っ……っ!!!」

 

炭治郎は自身の嗅覚を最大限に使ってある匂いを探る。そして目的の匂いを探り出すと、一気に駆け出した。その勢いは地面に罅を入れる程のものだった。

 

全力で駆け出し始めて十分経ったかどうかと言うところで、炭治郎は立ち止まる。

 

炭治郎の眼前には、蝶々の羽根の如き羽織を靡かせた、両横の蝶々の髪飾りが特徴の黒色の長髪で長身の美女、胡蝶カナエが立っていた。

 

カナエは薄紫色の瞳をした両眼を潤ませて、炭治郎を見詰めていた。炭治郎もまた視界を滲みそうになるのを必死で我慢して、その美女を見詰め続けていた。

 

二人は互いに無言のまま近づいて行く。その距離は互いの瞳に自身の姿が映る程、距離を詰めて行く。

 

「どうしてだろう……この前会ったばかりなのに、もう何十年振りに再会したみたいだっ……。」

 

「ええっ、本当ね。出会ったのはこの前なのに、凄く久しぶりに会った気分ねっ……。」

 

「……でも俺は信じていた。きっと、いや、絶対にまた会えるって。」

 

「私も……絶対にまた会えるって信じていたわ。」

 

炭治郎とカナエはそこまで互いに言った後、駆け出して互いに強く抱擁を交わした。

 

「ただいま。また会えて俺、凄く嬉しいっ。」

 

「おかえりなさい。私もまた会えて、凄く嬉しい……っ。」

 

二人は抱擁を緩めて視線を交わす。そしてそのまま静かに口付け(キス)を交わした。

 

 

 

 

 

 

炭治郎とカナエはそのまま地面に肩を並べて座っていた。何か甘い言葉を言い合ったりせず、ただ肩をくっつけて、黙って手を重ねてその互いの温もりを感じていた。暫くしてその心地良い沈黙も、カナエの笑い声によって破られる。

 

「ふふふふっ。」

 

「どうしましたっ? カナエさん?」

 

「こらっ!」

 

「……っ?」

 

炭治郎がカナエの名前を呼ぶと、カナエは怒ってコツンと炭治郎の額を突いた。そしてフグのように頬を膨らませて睨み付ける。

そんなカナエを見て苦笑しながら、突かれた額を撫でながら炭治郎はカナエに尋ねる。

 

「何で怒ってるんですか? カナエさん?」

 

「……ふんだっ」

 

炭治郎の質問に対して、カナエは答えずに拗ねてそっぽを向いてしまう。カナエは不満と怒りの匂いを漂わせており、これには炭治郎も困り果ててしまう。それでも、互いの手は重なったままだったが。

炭治郎は空いた手で頭を掻きながら、お手上げ状態になって仕方なく、カナエに無条件降伏の意を伝える。

 

「……すみません、どうしてカナエさんがそう怒っているのか、俺には分かりそうにないです。なので、教えて下さいませんか?」

 

「…………。」

 

「……どうか、どうかお願いしますっ。」

 

カナエの横で頭を下げる炭治郎に対し、そっぽを向いたままカナエがぼそっと呟いた。

 

「敬語とさん付け……。」

 

「えっ?」

 

「敬語とさん付けっ!!」

 

「……ああっ、そうだった! そういう事かっ!」

 

呟いた言葉を聞き逃したため、聞き返す炭治郎に対し、カナエはそっぽを向いた顔を戻して炭治郎に向かって大声で不満の原因を伝えた。

それにより炭治郎は漸く、カナエの不満の原因を理解して納得した。

不満の原因を理解した炭治郎は、直ぐに行動に移した。

 

「……きゃっ!?」

 

カナエは小声で悲鳴を上げた。炭治郎が重ねていた手を解いて、カナエの肩に手を置いて抱き寄せる。カナエはそのまま炭治郎の胸元に頭を添える形になる。

炭治郎はカナエの流れる様な美長髪を撫でながら、その耳元で囁いた。

 

「ごめんね、俺が悪かったよ……カナエ。」

 

「……んっ❤ 分かればよろしい……もっと撫でてっ❤……。」

 

「こんなこと言う柄じゃないけど、お姫様の仰せのままに……。」

 

そう言って炭治郎は頭を撫で続け、カナエも機嫌が良くなって幸せそうに両眼を閉じる。二人の間には甘くて心地良い空気が漂い、幸せの時間が流れた。

 

しかし、再びカナエによってその時間が再び終わりを告げる。

 

「さて、このまま過ごしたいところだけれど、やるべき事はきちんとやらないとねっ。」

 

「えっ?……っ??」

 

立ち上がったカナエは、そのまま両手を開いた。すると光の粒子がカナエの両手に集まり始めて、形を構成する。

 

それは二振りの日輪刀だった。

 

その光景に驚く炭治郎を余所に、カナエは炭治郎に日輪刀を手渡した。それは確かに、製作者である鋼鐵塚蛍にグチグチと愚痴や嫌味、警告を言われながら渡された三代目の愛刀だった。

 

カナエは先程の乙女の雰囲気を消し去り、かつての花柱としての威厳を纏いながら凛とした表情で炭治郎と対峙した。

 

「竈門炭治郎君。今から貴方には修行を課したいと思います。」

 

「修行……っ?」

 

戸惑いながらカナエが口にした言葉を復唱した炭治郎に、カナエは分かり易い様に説明を行う。

 

「ええ……夢幻世界(此処)で修業をしても、筋力が増す訳が無いから肉体的向上は見込めません。しかし、呼吸法、足捌き、筋肉の使い方、太刀筋矯正、剣術や剣技、戦闘能力の経験の獲得や向上は見込める筈です……本音で言えば、この時間を貴方との甘い時間に全て費やしたいところですが……しかし、それでは貴方のためにもしのぶ達のためにもならない…………。」

 

そう言ってカナエは両眼を閉じて一旦沈黙する。そして再び眼を見開いて話を続ける。

 

「炭治郎君もしのぶ達も鬼との戦いに生き残って、お爺さん、お婆さんになるまで生きて人並みに幸せな人生を歩んで欲しい……そのためにも、私が貴方を指導します。」

 

「っ!!」

 

カナエの決意を知った炭治郎は、気を引き締めて真剣な表情を浮かべる。そんな炭治郎に、カナエは一転して楽しそうに次を語った。

 

「これでも悲鳴嶼さんを除けば、冨岡君や不死川君、それから宇髄さんにも一度だって模擬戦で負けた事は無いんだからね。

勿論、柱になる前の煉獄君にも伊黒君にもよ。少し前に冨岡君と不死川君の模擬戦をしのぶの隣で覗き見る機会があったけれど、今やっても負ける気がしないわ。」

 

カナエはそう言って勝ち誇るように微笑んで見せた。炭治郎はその言葉に驚愕し、昨日の雨の日の朝に叫びながらしのぶが言っていた、カナエへの称賛の言葉は大言壮語などでは一切無かったと改めて認識した。

 

それと同時に炭治郎は興奮していた。通常であれば、多忙を極める柱から直接指導して貰える好機など、まず有り得ないのだから。

 

「分かりましたっ! 不束者ですが、よろしくお願いします!! カナエさん!!」

 

「……敬語とさん付け、戻ってるわよ?」

 

「そうですね。でも、ケジメは必要だと思うんですよ。何なら"師匠"とか"先生"ってお呼びしましょうか?」

 

非難するように炭治郎を見たカナエだったが、炭治郎がカナエにそう反論すると、カナエは降参とばかりに溜め息を吐いた。

 

「それは私が嫌だから、そのままで良いわ。」

 

そう言って炭治郎からの他人行儀な態度を嫌ったカナエは、炭治郎からの呼称を承諾した。

 

「因みに説明しておくけれど、夢幻世界(此処)では頸を含めて斬られたり突かれたりしても、鬼みたいに痛みはあるけど元通り再生するから心配しないで。私の身体で実証済みだから、安心して良いわ。」

 

「っ!?……色々言いたい事はありますが、言うのは止めておきます。とりあえず、分かりました。」

 

ジト目でカナエを睨みつけながら炭治郎はそう言って、鞘から日輪刀を抜刀する。カナエもまた、鞘から日輪刀を抜刀して構えた。

 

「私を慮って、私を斬る事に躊躇したら許さないわよ……さぁ、何処からでも掛かって来なさいっ!」

 

「はいっ! 胸を借りさせて頂きますっ! 竈門炭治郎っ! 参りますっ!!」

 

そう言って炭治郎は駆け出した。こうして元花柱・胡蝶カナエによる地獄の修業が始まりを告げた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

 

 

水の呼吸 拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)

 

 

 

炭治郎は何度かカナエと鍔迫り合いを繰り広げた後、流流舞(りゅうりゅうま)いや雫波紋突(しずくはもんつ)きなどと言った水の呼吸による剣技を繰り出して来たが、カナエに剣技すら使わせず防がれてしまい、遂に"水の呼吸"の奥義である生生流転(せいせいるてん)を繰り出してカナエに仕掛けた。

 

炭治郎の周りに水龍神が浮かび上がり、カナエを襲う。この剣技は使用中の間、他の剣技に直ぐには切り替えられないと言う弱点があるが、繰り出す連撃が多ければ多い程、威力が上がると言う長所がある。

 

"水の呼吸"の奥義を繰り出されたカナエだったが、彼女は恐ろしい程、非常に冷静だった。一撃、二撃、三撃と炭治郎の生生流転(せいせいるてん)を往なし、そして四撃目でカナエは「ヒュゥゥゥゥ」と呼吸してついに剣技を繰り出した。

 

 

 

水の呼吸 壱ノ型 水面斬(みなもぎ)

 

 

 

カナエは両腕を交差させて、横一閃に日輪刀を振るった。"水の呼吸"の奥義を、"水の呼吸"の最も基本的な剣技で跳ね除ける。

 

「"水の呼吸"っ!?」

 

これには炭治郎は驚愕の色を隠せない。カナエは花柱故に"花の呼吸"を使う筈なのだから、と。そんな炭治郎にカナエは簡潔に解説する。

 

「何も驚く事はないでしょう? "花の呼吸"は"水の呼吸"の派生の呼吸術よ。源流である"水の呼吸"を使えて当然でしょう? 尤も、私は冨岡君程の素質が無いから使ったところで、"花の呼吸"程の精度も威力もないけどね。ちなみに私と同様に、しのぶもアオイも"水の呼吸"が使えるわよ。」

 

「しのぶさんもアオイさんも……ですか?」

 

「ええ……しのぶだって"水の呼吸"も"花の呼吸"も使えるけれど、どちらの呼吸を使っても鬼の頸を斬り落とせないから、使う事自体、嫌っているの。」

 

カナエは当時を思い出す様にそう言った。炭治郎はカナエから悲しい匂いを嗅ぎ取る。カナエは続けて言った。

 

「だからこそ、あの特殊な刺突専用の日輪刀を使って扱う"蟲の呼吸"を編み出した……しのぶは私の死後、私に変わってかつていた継子達に自分の感情を押し殺して"花の呼吸"を教えていた。自分では使っても何一つ、役に立たない呼吸法を他人に指導する……きっと、しのぶは辛かったでしょうね……。」

 

カナエはそう回想すると、しのぶへの罪悪感から申し訳無さそうに両眼を閉眼した。

 

「カナヲの時も、そうだったんでしょうか……っ?」

 

カナヲの修行もしのぶが見ていたのだと思っていた炭治郎は、カナエにそう質問する。すると返って来たのは、炭治郎にとって想定外の回答であった。

 

「あの娘には指導していないわっ。私もしのぶもカナヲが鬼殺隊に入る事には大反対だったから、カナヲがなんと言おうと入隊する事も指導する事も絶対に認めなかったものっ。」

 

「え!? 認めなかったんですかっ!?」

 

カナヲの意外な事実に、炭治郎は声を荒げて驚愕した。しかし、これがまだ序の口である事を知る。

 

「それでもね、カナヲは炭治郎君の人間離れした嗅覚の様に、あの娘は人間離れした視覚を使って見ただけで"花の呼吸"を習得してしまった。訓練を盗み見て、それだけで"花の呼吸"を学んだのよ。」

 

「そうなんですか。それにしても凄いですね……盗み見ただけで呼吸が使えるようになっただなんて……カナヲって、本当に天才なんですね。」

 

炭治郎はカナヲに対して、素直に賞賛の言葉を口にした。

 

「そうね、私もあの娘が指導を受けずに"花の呼吸"を使えるようになっていたのを見た時、本当に天才だと思ったわ。……それでね、その後は炭治郎君が参加した"最終選別"の日、カナヲはしのぶが仏壇に保管してあった私の日輪刀を持ち出して、勝手に"最終選別"に飛び入り参加しているのっ。」

 

「っ!?」

 

当時のカナヲのそんな行動力が有ったとは思わず、炭治郎は驚愕で声が出なかった。

 

「私だけはカナヲが蝶屋敷を飛び出して"最終選別"へ参加しに行くところを目撃したけれど、伝える術が無いし、伝え様が無いでしょう? だからカナヲの書き置きを見て、カナヲが"最終選別"に飛び入り参加した事に気付いた当時の蝶屋敷の皆はその時、大慌てだったのよっ。」

 

「そうだったんですかっ!?」

 

カナヲの意外な事実に、炭治郎は声を荒げて驚愕した。しかし、その後は嬉しそうに微笑んでみせた。そんな炭治郎にカナエは反応する。

 

「嬉しそうねっ、炭治郎君。」

 

「はい、やっぱりカナヲの心の声は小さかっただけで、昔からカナヲは心の声をちゃんと出していたんだって、分かりましたからっ。」

 

「ええ……でも、その心の声を大きくしてくれたのは、間違いなく貴方よ?……本当に、ありがとう。炭治郎君。」

 

カナエがそう炭治郎にお礼を言うと、炭治郎は照れ臭そうに笑った。二人の間に優しい空気が流れる。しかし、カナエは真剣な表情で炭治郎の呼吸法や剣技の評価を始めた。

 

「炭治郎君の"水の呼吸"を見たけど、正直に言うわね? 自分自身で自覚しているかもしれないけれど、やはり貴方は"水の呼吸"と体質が合っていないのよ。私の見立てでは、頑張って完全に使いこなせるようになっても、剣技の威力は冨岡君の半分以上、私の十全以下……十割のうちの六割程度と言ったところかしらね?」

 

「そう……ですか。自分でも分かっている心算でしたが、面と向かって言われると流石に落ち込みますね。ちょっと残念です。」

 

炭治郎はカナエからの評価を聞いて、残念至極な様子を隠せない。落ち込む炭治郎を宥める様に肩に手を置いて、カナエは話し掛ける。

 

「炭治郎君は、やはり"ヒノカミ神楽"を使い熟す事に専念すべきだと思うわ……私も初めて見るのだけれど、使って貰えるかしら?」

 

「分かりましたっ!…………それでは行きますっ!!」

 

炭治郎は"水の呼吸"の使用するのを止めて、"ヒノカミ神楽"を使ってカナエに挑む。カナエもまた"ヒノカミ神楽"を見極めようと真剣に炭治郎を見詰める。

 

"水の呼吸"とは比べ物にならない威力を誇る"ヒノカミ神楽"の剣舞を前に、カナエも流石に剣技無しでは往なす事が出来なくなっていき、ただ"花の呼吸"を使うこと無く"水の呼吸"の剣技で"ヒノカミ神楽"の剣舞を受け止め、往なし、切り払い、相殺して行く。

 

炭治郎はカナエのそんな様子に、驚愕と焦燥を隠せない。

 

――カナエさんに"花の呼吸"を使わせる事が出来ない……っ! しのぶさんの言っていた事は何一つ間違っていなかったっ! 誇張でも何でもない、紛れもない事実。これがカナエさんの……これが"鬼殺隊史上最強の女性(おんな)剣士"……"歴代最強の女柱"の実力(ちから)か……っ!!

 

炭治郎が余計な考え事をしていたせいか、"ヒノカミ神楽"の剣舞が鈍る。炭治郎が自ら作った隙を見逃す程、カナエは優しくも甘くも無かった。炭治郎に隙を作った代償を直接その肉体に支払わせるべく、カナエは"水の呼吸"の剣技を使う。

 

 

 

水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突(しずくはもんつ)

 

 

 

雫波紋突(しずくはもんつ)きは"水の呼吸"の剣技で唯一、日輪刀で頸を斬らねば倒せない鬼に対して有効ではない刺突技だ。主に鬼への牽制や迎撃に対して使用する。

 

しかし、"水の呼吸"随一にして最速の速さを誇る剣技が、炭治郎の"ヒノカミ神楽"の剣舞を吹き飛ばして炭治郎を襲う。咄嗟に日輪刀で受け止めようとする炭治郎だったが、間に合わずカナエの日輪刀が炭治郎の心臓に突き刺さった。

 

「がはっ!?」

 

炭治郎は刺突された激痛に悶えながら、日輪刀を手放しくの字になる。そしてずぼっとカナエの日輪刀が炭治郎の身体から抜けて、炭治郎は血を撒き散らしながら後方へと吹き飛ばされる。

 

周辺の花々や植物、草原が炭治郎の血で赤く染まったが、一瞬にしてその吸収されたように消滅する。そして炭治郎の身体もまた、胸に空いた風穴が光に包まれ、瞬く間にその傷が塞がる。

 

「はぁ~~~~。」

 

炭治郎は深い溜め息を付いて、左手で両眼を覆う。自身の実力と、柱の力の差を残酷なまでに思い知らされたからだ。

 

無限列車の時、杏寿郎と猗窩座の戦闘でも自身の力不足を思い知らされた炭治郎だが、カナエとの訓練で改めて身に染みる結果となった。そんな感傷に浸る炭治郎に、カナエは厳格に言う。

 

「炭治郎君。貴方は何時までそこに寝っ転がってる心算なのかしら? 早く立ちなさい。まだまだ始まったばかりでしょう? 時間は有限なのだから、無駄にしないのっ。」

 

「……そうですね、分かりましたっ!」

 

炭治郎は起き上がり、落とした日輪刀を拾い、再び構えてカナエに挑む。一方で、カナエは再び炭治郎が使う"ヒノカミ神楽"を往なしながら、"ヒノカミ神楽"の存在を考察していた。

 

――"ヒノカミ神楽"……やはり只の神楽として受け継いだと言う割には大袈裟過ぎるわね……ヒノカミ……火之神……日之神……っ!! やはり"ヒノカミ神楽"は"日の呼吸"ではないかしらっ!?……もし"始まりの呼吸の剣士"が無惨一党から"日の呼吸"を隠匿するために、炭治郎君のご先祖様に、竈門一族に託したのかもしれないっ!!……だとしたら名前を変えて受け継がれて来たと言われても辻褄が合う……っ!

 

カナエは自身が打ち立てた仮説に震える。しかし、直ぐに考察し直した。

 

――ああ、駄目ね。状況証拠だけでそうだと言う明確な物的証拠が無い……いいえ、関係無い! "ヒノカミ神楽"が"日の呼吸"で有ろうと無かろうと、関係無いわ! 私は炭治郎君を強くする。愛する人が死なせないために、幸せな一生を歩ませるために、私は私の出来る最大限の働きをするっ。それだけよっ!!

 

カナエは脳内に並べていた"ヒノカミ神楽"の考察を振り払うと、炭治郎との鍛錬に集中した。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。」

 

 

 

水の呼吸 弐ノ型 水車(みずくるま)

 

 

 

炭治郎の"ヒノカミ神楽"から繰り出される剣技を往なしていたカナエは炭治郎の真横に素早く高速移動すると、垂直方向に身体全身を一瞬で一回転しながら炭治郎に斬り付けた。

 

カナエの日輪刀は真っ直ぐ下りて炭治郎の両腕を切断した。炭治郎は両腕を切断されて、滝の如く大量の血が両腕から流れる。あまりの激痛から思わず両膝を地面に着き、大量の脂汗を顔を俯かせて悶絶する。

 

「があああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!?!?」

 

炭治郎の絶叫が夢幻世界に響く。はっきり言って何度目なのか、炭治郎にもカナエも覚えていない。何故なら既に何度も何度もカナエに炭治郎は斬られているからだ。

それに対しカナエは冷静に冷めた眼で炭治郎を見ていた。

 

「炭治郎君。何度も言わせないで。貴方も分かっているでしょうけれど、戦っている間は痛みを感じている暇なんて無いのよ? しっかりなさいっ! 両腕を斬り落とされたなら、口で日輪刀(かたな)を咥えてでも鬼に立ち向かいなさいっ! 貴方に戦う意思が残っているなら、の話だけれどね?」

 

「……っ。」

 

カナエの冷淡とも冷酷とも言える厳し過ぎる言葉に、炭治郎は自身を奮い立たせて片膝を上げる。

 

その頃には両腕の血は止まり、両腕の切り口は光に包まれ、徐々に両腕が元に戻った。そして落とした日輪刀を拾う。

 

一方、斬り落とされた両腕は何時の間にか消滅していた。炭治郎とカナエの修業は続く。

 

「……炭治郎君、今日は此処までしましょう。」

 

「えっ? でも……俺、まだ出来るんですけど?」

 

「炭治郎君、夢幻世界(此処)では肉体的・精神的疲労と言う概念は無いわ。でもね、鍛錬のやり過ぎは却って成長を阻むの……休むのもまた、貴方の大事な仕事よ?」

 

「そうなんですか。分かりました。そういうことならカナエさんのお言葉に従います。」

 

カナエが炭治郎を諫めると、炭治郎は従った。炭治郎は日輪刀を鞘に収める。カナエはそれを見た後、ニコニコしながら炭治郎に言う。

 

「最初の鍛錬お疲れ様。それでね、貴方に見せたいものがあるの❤ ふふっ❤」

 

カナエはそう言うと、右手の指をパチンと鳴らす。すると炭治郎の背後の植物が蠢き、炭治郎は驚いて蠢く植物を注視する。すると見る見るうちに見ただけで分かる程、ふかふかの深緑の寝台(ベッド)が完成した。

炭治郎は完成した寝台(ベッド)を見て、驚いたままカナエに振り向いて質問した。

 

「カナエさん、これは……んぐっ!?」

 

「んっ❤……んちゅ❤……ちゅうぅぅぅ❤」

 

カナエは炭治郎の両頬を掴む様に添えると、そのまま熱い口付け(キス)を捧げた。カナエはその後、口付け(キス)しながら羽織を脱ぎ捨て、自身の隊服と炭治郎の隊服の(ボタン)を外して肌蹴させる。

そこまですると、カナエは口付け(キス)を止めて炭治郎と視線を交える。二人の間には太い銀色の橋が出来て、間も無く決壊した。

 

「んんっ……カナエさん……っ。」

 

「んちゅ❤……さん付けも敬語も止めて……もう師弟の時間は終わって、此処からは夫婦の時間よっ❤……沢山可愛がって行ってね❤ あ・な・た❤」

 

カナエは艶美に微笑むと、炭治郎に再び口付け(キス)をして深緑の寝台(ベッド)に押し倒した。

 

 

 

 

 

 

「はあぁ、はあぁ、ふうぅ。」

 

「ああん❤ ひゃぅん❤ んあああ❤」

 

カナエに押し倒された炭治郎だったが、直ぐに立場が逆転して今は炭治郎が上に立って正常位でカナエを攻め立てていた。

炭治郎の熱り立った逸物が洪水を起こしているカナエの秘部に侵入し膣内を通り過ぎて、子宮口を激しく突く。カナエは歓喜しながら嬌声を上げていた。

 

「ふぁあああ❤ 良いぃっ❤ 気持ち良いぃよぉぉぉ❤」

 

「ふううぅぅ、ぱくっ、じゅる、ちゅううぅぅぅぅ。」

 

「ひゃあああ❤ お、乳房(おっぱい)も良いのぉぉぉっ❤ もっと吸ってぇぇ❤!」

 

炭治郎が腰を激しく動かしながら、同じく激しく跳ねるカナエの乳房に狙いを定め、炭治郎は自身の片手よりも大きなカナエの乳房を揉みながら、時に先端の赤い蕾を摘み、そして吸い付いてカナエを攻め立てる。

 

カナエは更に強くなった快感に悶えながら嬌声を上げる。そう攻める内に炭治郎の逸物が限界に近付き、血管を浮かせる程に膨張させる。

 

「ちゅううぅぅぅ、はぁ、はぁ……か、カナエっ! 出るっ! 出すぞ!!」

 

「あああっ❤! 出してぇ❤! 出してぇ❤!! 全部受け止めるからああぁぁぁぁ❤❤!!」

 

 

ビュルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

 

「んあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ❤❤!!」

 

炭治郎の逸物から射精されて出た白濁の溶岩が、カナエの膣内全体を白く染め上げる。カナエは一際、大きな嬌声を上げて絶頂した。

炭治郎は息を整えると、身体を更に屈めてカナエに近付き、優しく口付け(キス)する。カナエもまた眼を細めながら、喜んで炭治郎からの口付け(キス)を受け入れてじっくりと味わう。

 

「はふぅ❤ ああぁ❤ ちゅっ❤ んちゅぅ❤ あなたぁ❤! あなたぁ❤!」

 

「ううぅん、ちゅうう、うぅむ、んんっ、カナエっ! カナエっ!」 

 

二人は舌を絡ませ、互いの唾液を吸って更に口付け(キス)は激しさを増して行く。炭治郎は口付け(キス)を続けながら再びカナエの子宮口を目指して激しく逸物を突き始める。

 

カナエはその快楽に悶え、嬌声を上げようとするが、既に炭治郎に口を塞がれているためそれは出来なかった。暫くすると炭治郎の逸物は再び限界を迎え、爆発するが如く射精してカナエの膣内を白濁の溶岩で埋め尽くした。

 

 

 

ビュルルルゥゥゥゥ!! ビュルルルルルルゥゥゥゥ!!

 

 

 

「~~~~~~~~❤❤!!!」

 

カナエは先程と同様の大きな嬌声を上げられず、声にならない嬌声を上げて全身を歓喜で痙攣させた。

炭治郎もカナエの様子を見て、満足そうに見つめると、逸物を秘部から抜き去る。

 

「ああっ❤!!……っ。」

 

「そんな不満そうな顔をしないで……まだまだするから……カナエ、四つん這いになってくれる?」

 

「は、はい❤ 分かりました……っ❤」

 

カナエは炭治郎に言われた通り、仰向け態勢だった身体をうつ伏せにする。そして犬猫が背伸びしたように両膝を付いて臀部を突き出し秘部を炭治郎に差し出す。

 

既に秘部からは二回の射精により入り切らなかった白濁の溶岩がドロッと零れ落ちている。その淫靡な光景を目の当たりにした炭治郎の逸物は更に固さを増し、熱を帯びる。

 

炭治郎はカナエの形の良い臀部を鷲掴みにして、一気に逸物を秘部に目掛けて挿入した。

 

「ああぁぁぁぁぁっ❤!! そ、そんないきなりぃぃぃぃんあぁぁぁぁぁぁ❤❤!!」

 

「ふうぅぅぅ、動くよっ。カナエっ!」

 

炭治郎は宣言通り、一気にカナエの秘部から漏れ出す白濁の混合液を撒き散らしながら、逸物を突き始める。カナエはその激しさから善がり狂う事しか出来ない。

そんなカナエに炭治郎は動きながら質問をした。

 

「はぁ、はぁ、カナエっ。今の俺達、こんなに激しい情交をしているよね? それについて、どう思う? カナエの気持ちが知りたいんだけど。」

 

「ああぁぁ❤ そ、それはあぁぁぁ❤ あああああん❤」

 

カナエは分かっている癖にと思いながらも炭治郎の質問に善がりながら答えようとするが、それより先にカナエは絶頂寸前にまで陥り、その事を炭治郎に伝えようとする。

 

「ああん❤ んあぁぁぁん❤ わ、私❤ またイクっ❤ イっちゃうぅぅぅ❤」

 

「答えてくれないか……なら……。」

 

「ああぁぁっ❤……っ❤!?」

 

カナエは嬌声を上げるのを止めて、狼狽するカナエ。四つん這いのまま、必死で頸を動かして炭治郎を見ようとする。

炭治郎は逸物が抜ける寸前まで止まると、動くのを止めて静止していた。あと少しで絶頂寸前だったカナエは、これには堪らず抗議する。

 

「ど、どうしてぇ? うご……いてぇ、お願いぃぃぃ❤!!」

 

「カナエはまだ俺の質問に答えていないからね。もう一度聞くよ。こんなに激しい情交……どう思う? カナエの気持ちを教えて。そうしないと抜いても良いし、このまま我慢大会に突入しても良いんだけど、どうする?」

 

炭治郎はちょっぴり意地悪な笑みを浮かべてカナエにそう言った。尤も、炭治郎もまた汗を掻いており、やせ我慢しているのは明白だ。

しかしカナエは炭治郎の苦しい様子に気付かず、答えを口にした。

 

「……きよ。」

 

「え?」

 

「す、好きよ❤! 好きなの❤!! あ、あなたにこんなに激しく求められて❤️! こんなに愛されて嬉しいのっ❤!!」

 

「……っ。」

 

カナエの言葉に、炭治郎は歓喜で胸がいっぱいになる。匂いや様子で分かっていながらも改めて言葉で聞けたのだから当然だ。お礼とばかりに動こうとするが、カナエは続けていたため、そのまま静止の状態を維持する。

 

「わ、私はっ! 前にあんな事言ったけれど、嫉妬していただけなのっ! 本当は炭治郎君の言った言葉が正しいって分かってた! でも嫉妬してしまったから、あなたに前にあんな事を言ってしまったのっ! 私は愛し合うあなた達を見ながら、自分で自分を慰める事しか出来なかった! 私はしのぶが羨ましかったっ! しのぶが狡いって思った! しのぶばっかり愛されて悔しかったのよっ!」

 

「っ!! カナエっ!!」

 

「あああぁぁ〜〜〜〜〜っっ❤❤❤!!!」

 

炭治郎はカナエの告白を受けて、その自分への想いに応えようと一気に動く。焦らされて敏感になっていたカナエはそれだけで絶頂した。

炭治郎は構わず、カナエを攻め続ける。炭治郎もまた、カナエへの想いで溢れていた。

 

 

 

パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!

 

 

 

「カナエっ! カナエっ! 貴女が……好きだっ!! 愛してるっ!!」

 

「ああっ❤! あああんっ❤!! 私も……私もっ❤! あなたを愛しているのぉ❤!!」

 

「ありがとうっ! ありがとうっ!……そろそろ出すっ! 出すよっ!!……出るっ!!」

 

「っ❤! また、出してぇ❤!! あなたの、たくさん頂戴ぃぃぃぃぃぃ❤❤!!」

 

 

 

ビュルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥッッッ!! ビュルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥッッッ!!

 

 

 

「「ああああああああっ!!」」

 

炭治郎とカナエはほぼ同時に絶頂した。炭治郎が白濁の溶岩をカナエの膣内に向けて出し尽くすと、逸物を抜いてカナエの隣に寝転がってカナエを見詰める。

 

カナエもまた、身体を伸ばして体勢を崩すと、横向きになって炭治郎を見詰める。

沈黙を守ったまま見詰め合っていた二人だったが、不意にカナエが沈黙を破って開口する。

 

「……炭治郎君、私、幸せよ。絶対に会えると信じていたとはいえ、夢幻世界で実際に愛するあなたとまた会えて、こうして愛し合ったり鍛錬で強くしたりすることが、これから何度でも出来ると確信出来た事がね。でもね、そんな幸せな私だけど、炭治郎君に二つだけお願いしたいことがあるの。いえ……二つのお願いというより、二つの約束ね……とにかく、聞いてくれないかしら?」

 

「二つの、約束?……俺に出来る事なら、何でも!」

 

「ありがとう。」

 

カナエはそう言うと起き上がって姿勢を正す。炭治郎もまた、それに倣って起き上がって姿勢を正す。そしてカナエは話し始めた。

 

「まず一つ目。最初に言ったけれど、あなたは必ずこの戦いで生き残って、しのぶ()を幸せにしてお爺さんになるまで生き抜くこと。」

 

「はい!……んっ? ()??」

 

炭治郎は疑問を一つ抱いたが、カナエが強引に話を続けた。

 

「二つ目、良い??」

 

「は、はいっ!」

 

「二つ目は……もしも"生まれ変わり"や"来世"と言うものが存在するなら……今度は私をあなたの本当の妻にして欲しい……私、あなたのお嫁さんになりたいのっ。」

 

「っ!!」

 

カナエの願望と告白を耳にして、炭治郎の胸中はドクッと大きく音を立てて鳴る。

 

「ね? 今世ではしのぶに譲るんだもの……それくらいの……夢幻(ゆめ)や希望は抱いても良いでしょう……?」

 

カナエは不安そうに炭治郎に言った。両手の先は微かに震えていた。すると炭治郎はカナエの両手を包むように握り、固い意志を持って宣言する。

 

「竈門炭治郎はこの場で胡蝶カナエさんに誓います! もしも俺が生まれ変われた時は、必ず貴女を思い出して、どれだけの時が掛かろうと見つけ出してみせます! 貴女を必ず、幸せにします!」

 

「……っ❤」

 

炭治郎の宣言に、カナエは歓喜の涙を流した。そして二人は五つを数える程度の間、見詰め合うとどちらからともなく口付け(キス)を交わして情交《セックス》を再開させた。




お待たせ致しました。

こちらでも椿様から大改訂への激励として挿絵を頂けました! 椿様、何時もありがとうございます!! https://www.pixiv.net/artworks/88911804

2020/02/15に投稿していた第拾話の『人外の撫子蝶は日輪と禁断の愛を交える』の改訂版になります。

改訂部分
炭しのシーンの加筆
挿絵(炭しの)

最後に全体を読んで頂ければお気付きになられると思いますが、話数が大変おかしな事になっております。穴が開いているところが、挿入投稿予定の話数になります。穴埋めをするみたいに、楽しめたらと思います。

次回の投稿をお待ち下さい。

登場人物の性器発言ってどう思います?

  • 有り(エロくなるからばっちこい)
  • 無し(日輪刀、鞘とオブラートに揶揄って)
  • 作者にお任せ
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