※この作品はR-18です。

優しき日輪と鬼殺隊の美蝶   作:蓮紅

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※キャプション必読・リクエストに関しての説明あり
・鬼滅の刃原作に関するネタバレあり。原作未読の方は閲覧注意。
・鬼滅の刃二次創作小説です。
・原作・キャラクターの性格・設定等改変の可能性大。一部キャラ崩壊注意。
・思い付き次第で何度も編集を繰り返す可能性大。お時間がある時で良いので、良ければ読み返してみて下さい。
・誤字脱字等のミス・内容の矛盾等の指摘は大歓迎。理不尽なクレームは受け付けません。
・コメント・メッセージ大歓迎。創作意欲の燃料になります。コメント・メッセージの返信は必ずさせて頂きますのでどしどし御投稿下さい。
・SS内容に関してはネタパクリと言う名の盗作を間違えてしないよう気を付けてますが、もし私が投稿した作品が既に別の作者様と内容が酷似していた場合、メッセージにて御連絡下さい。

※リクエストに関して
メッセージにてリクエスト内容を御連絡下さい。
以下規約参照
・100%受け付けられると保証された訳では御座いません。
・炭治郎×鬼滅女子のみ。
・作者は遅筆で怠惰癖あり。またリアルの都合や他SSの執筆で投稿が遅くなる可能性大。
・CP、全年齢かR作品か、ネタの内容を御記入下さい。ネタの内容が詳細で有れば有る程、筆が進むので御協力をお願い致します。


第弐拾話 赫蝶は日輪を翻弄する

「た、炭治郎っ!? 手前(てめぇ)!? 俺や伊之助が必死扱いて鬼を倒してたって時に、お前は可愛い女の子と甘ーい時間を過ごしてたのか!?」

 

炭治郎がカナヲと仲睦まじい様子で登場したのを見て、両眼を血走らせて炭治郎を問い詰めた。

 

「お、おかえり、善逸っ。 いやっ、その!? 俺だって鬼と戦ってたし決してそれだけって訳じゃ……っ。」

 

「それだけって何だよ!? やっぱり可愛い女の子と甘い一時を過ごしてたのかぁ!! きぃぃぃぃえぇぇぇぇぇっ!!! もう許さねえぇぇぇぇぇっぶっ殺してやるぅぅぅぅぅっ!!!」

 

善逸は炭治郎の言質を耳にして、奇声を上げながら発狂した様に激昂する。一方の伊之助もこのやり取りに何か癪に思ったのか、ぷんすか怒っていた。

 

「おい紋逸っ!? 俺様は鬼如きぶっ殺すのに必死扱いてた覚えはねぇぞ!? 余裕綽々だったわっ! 手前(てめぇ)と一緒にすんじゃねぇ!!」

 

「……はぁ~~~っ。」

 

アオイはこの混沌とした状況に対し、怒る気も起きないのか深い溜息を吐いていた。そしてある人物が事態を収拾させるために動いた。

 

「ひっ!?」

 

奇声を上げながら激昂していた善逸が突如悲鳴を上げて押し黙った。周囲にいた者達は直ぐにその理由を察した。

 

「善逸君。私は鬼の頸は斬り落とせませんが、人間(ひと)の首なら斬り落とせるとは思うんですよ? 試した事はありませんし、そんな機会などこの先皆無だと信じたいのですがねっ。」

 

善逸が自身の日輪刀を抜刀して炭治郎に襲い掛かる前に、しのぶが動いていた。しのぶが音も立てずに素早く善逸の隣へ立つと、先に日輪刀を奪ってその首に押し当てたからだ。

 

しのぶは隊律違反スレスレとも言える自身の凶行を見て震え上がる善逸を見ながら、カナヲが目覚めた後の事を思い出していた。

 

カナヲが目を覚まして炭治郎に口付け(キス)したのを目の当たりにして、しのぶとアオイのカナヲへの心配は那由他の彼方へ飛んで行き、激昂してカナヲを炭治郎から引き剥がそうとした。

 

しかしその直後、すみより急患の連絡を受けたため、そちらに手を回さざるを得なくなったのだ。

しのぶとアオイはカナヲを一睨みすると、部屋から退室して治療の準備に向かった。

 

その際にしのぶは「大人しく死んでいれば良いものをっ……っ!」と思わず口にしてしまいそうになったが、心中で抑えた事に自画自賛したい気分だった。

 

運ばれて来た急患の隊士は意識不明の重体であり、両眼を潰された状態で脂汗を流していた。

 

――こいつは助かったところで、悲鳴嶼さんと違ってもうこの先やっていけないかもしれないなぁ……。

 

しのぶは内心でそう思いつつも、アオイと共に懸命に治療を行い、重体の隊士は一命を取り留めた。

 

施術が終了すると、きよが食事の準備が終わりそうだという事を伝えに来た。あの大騒動で朝ご飯を食い損ねたため、珍しく背腹がくっつきそうな程に空腹を感じていた。

 

藤の花の毒を服用し続けて、食欲不振になっていたしのぶの身体は炭治郎と結ばれてから、その毒を消し去るために毎日解毒薬を服用する日々に変わっている。

 

別段何かが劇的に変わった訳では無い。しかし確実に変化が起きている日常を肌で感じて、思わず笑みを零しそうになったしのぶはアオイにきよと共に手伝いに行く様に命じ、自身は炭治郎とカナヲを呼びに行くために動く事にした。

 

アオイはしのぶに「(ドア)は破壊しないで下さると大変助かります。」と忠告してから承諾してきよと共に向かう。

アオイの言葉に苦笑しながら承諾したしのぶは、遠ざかって行くアオイときよの背中を見届けてから、アオイの部屋に向かった。

 

アオイの部屋に向かう途中、カナヲは思い切り炭治郎に甘えているのだろうと思うとしのぶは徐々に苛立ちが募り始めた。

青筋を立てながらしのぶは部屋に到着すると、ノックもせずに(ドア)を開けようとする。

 

しかし、(ドア)には鍵が掛かっており開けて入る事が出来なかった。炭治郎が(ドア)に鍵を掛ける筈が無いので、カナヲの仕業だろうと思うと無性にしのぶは腹立だしく思った。

 

もともと短気なしのぶはアオイの言葉も忘れ、激昂して(ドア)を蹴破り破壊(こわ)してから入室した。すると

室内では相変わらず、いや先刻よりもカナヲが炭治郎にべったりとくっ付いて甘えていた。

 

しのぶはカナヲに飛び掛かりたい衝動を抑えつつ、何時もの笑顔に青筋を立てながら、二人に食事の用意が出来た事を伝えた。そして今に至るのであった。

 

 

 

 

 

 

しのぶは回想を終えると怯える善逸に構わず、笑顔のまま青筋を立てて善逸の首に日輪刀を押し当てながら、最終通告を突き付けた。

 

「善逸君。貴方には二つの選択肢があります。自分から静かになるか、黙らせられるかです。如何しますか?」

 

「黙ります……静かにしますんで許して下さい……。」

 

「好し好し、良い子は好きですよ。」

 

しのぶは善逸が大人しくなった事を確認すると心にも無い事を言いながら、日輪刀を一回ししてから鞘へと納刀した。

 

善逸がへなへなと座り込む光景に目もくれず、しのぶは静かに自身の席へと戻って座り込む。

その様子を固唾を飲んで見守っていたきよ達はほっとして一安心し、一方の炭治郎はカナヲに促されて善逸を無視して仲良く席についていた。

 

皆が静かになるのを見てから一斉に「頂きます。」と両手を合わせて言うと、蝶屋敷の面々と炭治郎達との食事が始まった。

しかし、始まって直ぐにまた別の騒動が起こる事になる。

 

「はい❤ たんじろぉ❤ あーん❤」

 

『っ!?』

 

「カ、カナヲっ!?」

 

「っ?」

 

カナヲが箸でタラの芽の天ぷらを掴むと、炭治郎の口元まで持って行った。このカナヲの大胆な行動に、カナヲと伊之助以外の一同は驚愕する。

 

「カナヲっ!? 炭治郎さんに何をやってるのっ!?」

 

「はしたないからやめなさいっ! カナヲっ!!」

 

「炭治郎っ!! てめぇ……てめっ!!」

 

しのぶとアオイはカナヲに抗議し、善逸は何も悪くない炭治郎に嫉妬していた。

しかし、カナヲは二人の抗議に対して何処吹く風と言わんばかりに無視していた。

肝心の炭治郎も当惑したが、カナヲの笑顔と期待の匂いを裏切る訳には行かなかった。

 

「あ、あーん。」

 

『っ!!……っ。』

 

パクッとタラの芽の天ぷらを口にして、炭治郎はそれを良く噛んで味わい始めた。その様子をカナヲが頬を赤くして満面の笑みで炭治郎を見詰め、伊之助を除いたその場にいる女性陣と善逸は羨望と嫉妬の念を抱きながら二人を睨み付けていた。

 

炭治郎が原型が無くなるまで噛んでからゴックンと飲み込んで胃に流し込むと、カナヲは炭治郎に向かって言った。

 

「どうだったっ? 炭治郎っ?」

 

「お、美味しかったよ。カナヲ。」

 

「っ❤ よかったぁ❤」

 

「……っ。」

 

「……チッ!」

――それは私が炭治郎さんのために作ったのにっ! カナヲは何もしてない癖にっ! あからさまにあんたが作った様な面しないでよっ!!

 

カナヲは炭治郎の反応を喜びを以て受け止めた。

アオイは苛立ちを隠さず、カナヲを睨み付けていた。

しのぶは苛立ちながら、見てられないと無視して食事を始めた。

因みに善逸は顔を俯かせて呪詛の様なものを吐いていた。

 

カナヲは炭治郎の様子を見て、再び天ぷらを箸で掴もうとした。しかし、その前に炭治郎が行動に出る。

 

「カナヲっ。此処からは普通に食べられるから、カナヲは何もしなくて良いよ。」

 

「……炭治郎、遠慮しないでっ? 好きでやってるんだものっ。」

 

「……はっきり言うよ。俺は皆みたいに普通に食べたいんだ。カナヲに食べさせて貰う必要なんてないから。」

 

「っ!」

 

炭治郎は少しきつい口調でカナヲを拒絶する。するとそれを受けてカナヲはカランカラン、と音を立てて箸を右手から落とした。

 

その落ちた箸に見ている内に炭治郎がカナヲから涙と悲しい匂いを感じ取ったので、直ぐにカナヲに視線を戻す。カナヲの右眼には大粒の涙が浮かんでいた。

 

「カナヲっ!?」

 

「あぅ……ううぅ、ヒックッ……ヒクッ……たんじろうは……いやなの?……か、カナヲのことが、きらい……っ?」

 

『っ!?!?』

 

炭治郎に拒絶された事が相当悲しかったのか、大泣きして溢れ出る涙を拭いながら、嗚咽を漏らすカナヲ。カナヲのその様子を見て、しのぶ達一同は思わず驚愕から絶句して固まってしまう。

 

「ごめん……なさいっ……あやまるからぁ……きらいにならないでぇ……っ。」

 

「っ!? 待ってくれっ! カナヲっ!! 俺はカナヲを嫌いになんて、絶対にならないからっ!?」

 

泣きながら炭治郎に謝るカナヲに対し、炭治郎は絶句した状態から慌てて立ち直ってカナヲの誤解を解きに掛かる。炭治郎は優しくカナヲを抱き締めた。

 

「俺がカナヲを嫌いになる訳が無いだろう? 先刻(さっき)のも嫌って訳じゃないんだ。ただちょっとだけ恥ずかしかっただけで……。」

 

「ひっく……ほんと?」

 

「本当だよ。だからカナヲ、安心しておくれ。」

 

炭治郎はカナヲを安心させる様に頭を優しく撫でる。カナヲを撫でている内に、カナヲから安堵と安らいだ匂いを感じ取った。

 

『…………』

 

「えへへ❤……じゃ、じゃぁ……たんじろうは、カナヲのこと、すき?」

 

「っ!……っ。」

 

カナヲからの質問に、思わず黙り込だ炭治郎。しかし、炭治郎は直ぐに笑みを浮かべてその質問に答える。

 

「うん。俺はカナヲの事が大好きだよ。」

 

「っ!!❤❤」

 

炭治郎の愛の告白とも解釈出来る発言に、カナヲはバッ! と離れて炭治郎を見詰めた。そして、大輪の華の如き笑みを浮かべる。

 

「カナヲもたんじろうのことがだーいすきっ❤!」

 

 

 

チュッ❤

 

 

 

「っ!?」

 

『っ!?!?』

 

そう言ってカナヲはゆっくりだが、飛び込む様に炭治郎に向かって抱き着き口付け(キス)をした。

 

これまでしのぶや禰豆子、アオイと何百回と数え切れない程に口付け(キス)の経験がある炭治郎だったが、衆人環視の前での口付け(キス)は未経験なため、今の状況が飲み込めず再び固まってしまう。

 

「んんっ!?」

 

「んっ~~❤ んんっ~~❤❤」

 

「あ……んたねぇ! 好い加減にしなさいよっ!? こんな昼日中から何やってんのよっ!?」

 

アオイは自身の行いを棚に上げて、カナヲを非難する。食器をダンッ! と乱暴において、アオイは立ち上がった。

 

 

 

バキッ!!!

 

 

 

すると突如大きな音が広間に響き渡った。カナヲと炭治郎を除くその場にいる全員が、音源の元へと視線を向けた。

視線を向けた先にはしのぶがおり、右手に持っていた湯呑茶碗を握り潰したせいで鳴った音だと分かった。

 

その証拠として机には残骸と成り果てた湯呑茶碗の破片が大小散らばっており、冷えた麦茶があちこちと机を濡らしていた。

しのぶが怪我をしていない事と、入っていた飲料が温茶でない事が不幸中の幸いであった。もしもそうでなければ、今頃しのぶは火傷をしていたかもしれなかった。

 

「……あらあら、お茶碗が壊れてしまいましたっ。どうやら寿命(ガタ)が来ていた様ですねぇ。」

 

「……その様で。そんな粗悪品を出してしまってすみません。」

 

「良いんですよ、アオイ。気にしないで下さい。長い年月使っていればどんなものでも、何時かは壊れてしまうものです。」

 

「はい、しのぶ様。」

 

「その湯呑茶碗は、この一週間程前に買って来たばかりの物です。」とアオイは口には出さず、心中でのみの発言に留める。

しのぶは知っている筈だがどうでも良いのか、一切気にせず右手を拭いてから食事を再開した。

 

それは味噌汁に残ったご飯を入れて汁かけご飯にすると、しのぶは一気に流し込んだ。しのぶの普段は取らない行動に、善逸達一同は呆気に取られた。

しのぶは汁かけご飯を完食すると、大皿に乗ってあるおかずには殆ど手を付けずに席を立った。

 

「やる事が多いので先に失礼しますね。ご馳走様でした。」

 

しのぶは破裂寸前までに膨張した青筋を立てながら感情が一切籠っていない発言を笑顔のまま口にして、炭治郎とカナヲを横目で睨み付けて「ふんっ。」と鼻を鳴らしてから、足早にその場を立ち去った。

 

『…………』

 

「ああっ……しのぶさん……っ。」

 

「たんじろう、あーん❤」

 

「っ……カナヲっ!」

 

「しのぶ姉さんの事は今は良いでしょう? 早く食べないと冷めちゃうよ?」

 

カナヲがそう言うと再び「あーん❤」と言って今度は椎茸の天ぷらを炭治郎の口元まで持って行く。炭治郎は仕方なくパクっと口を開けて椎茸の天ぷらを口にした。

 

その後カナヲは炭治郎が自分で食べていると錯覚する程に、頃合い(タイミング)を合わせて炭治郎にご飯やおかずを差し出し、また炭治郎が食べている間にカナヲも食事を進めていた。

 

この時カナヲは、炭次郎が何を求めているのかを視線で察して炭治郎に食べさせると言う、非常に無駄で高度な神業をやってのけていた。

カナヲの人間離れした超人的な視力だからこそ、実践可能な神業である。

 

それを見てたアオイ達はもう突っ込むのをやめて、黙々と食事を続けていた。アオイは青筋を立てながら、バクバクと乱暴に食事を終わらせると、直ぐに立ち去った。

善逸も突っ込むのを止めて、カナヲの様子を観察していた。

 

――しっかし、カナヲちゃんに何があったんだろう? しのぶさんもアオイちゃんもずっと怒っている音が鳴ってるし……でもカナヲちゃんから鳴ってるこの音は……。

 

善逸は首を傾げながら、食事を続けた。炭治郎を羨望から睨み付けながら。

 

 

 

 

 

 

東京府・蝶屋敷

 

大正二年(一九一三年) 三月十三日(木)

時間帯:朝

天気:曇り

 

 

朝昼兼用食が終わり、全員で食器の片付けを終えた頃にある男性が蝶屋敷を訪問していた。

炭治郎の腕に抱き着く様に組んで幸せそうにしているカナヲを見て当惑を隠せないのは鬼殺隊の隠密部隊・『(カクシ)』の隊員である後藤隊士だ。炭治郎は後藤隊士に挨拶をする。

 

「こんにちはっ! 後藤さんっ! お疲れ様ですっ!」

 

「お、おう。お疲れ様……にしてもその……カナヲ様っ、どうしたんだっ?」

 

「カナヲは……あ~すみません、聞かないで下さい。」

 

カナヲの変貌振りに困惑しつつ、その事を炭治郎に後藤隊士は尋ねた。

しかし、説明するのも難しいので炭治郎は口を濁す。そして話題を逸らそうと、逆に炭治郎が後藤隊士に質問をした。

 

「後藤さんこそ、しのぶさんにご用ですか?」

 

「おう、胡蝶様の御依頼で薬の運搬に来たんだよ。丁度運搬し終わったところだから、胡蝶様に御報告をするところだ。車で今日は来てるから、多めに運べたわ。荷車で運ぶより量は少ないけどなっ。」

 

「車っ!? 車で来てるのっ!?」

 

「「っ!?」」

 

炭治郎の腕に抱き着いていたカナヲが、車と言う単語に強く反応して大声を上げる。炭治郎達はカナヲの反応に驚かざるを得ない。

 

「カナヲっ?」

 

「ねぇ後藤さんっ! 車で何処まで行く積もりなの!?」

 

「お、おう。今から銀座まで走る予定だけど……っ。」

 

後藤隊士は思わず敬語も使うのも忘れて、タメ口でカナヲと対話する。しかしカナヲはそんな些細な事など気にも掛けず、興奮してながら要望を口にした。

 

「わたしと炭治郎を車に乗せてって!!」

 

「「……はぁっ!?」」

 

後藤隊士と炭治郎は声を揃えて聞き返した。当然だ。希少な車は産屋敷家と言えど十台と所有していない。使用方法は専ら物流か要人の運搬に使用する。

それを一隊士の私用如きのために車を使用するなど、以ての外である。

 

「出来る訳ねぇだろっ!? いきなり何言ってんだおめぇ!?」

 

「ケチ臭い事言わないでよっ! 次いでじゃんっ! 別に良いでしょう!?」

 

「別にケチ臭くねぇしそもそも良かねぇ!? そんな事したら俺が大目玉を喰らうわっ!?」

 

「カ、カナヲっ! あんまり後藤さんを困らせたら駄目だよっ!」

 

後藤隊士とカナヲの口論が激化して行く中、炭次郎は必死でカナヲを落ち着かせる事を試みるが、カナヲを止める事が出来ない。

 

「なんですかっ? 騒々しいですよっ?」

 

「っ!……しのぶさんっ!!」

 

すると口論を聞いて駆け付けたのはしのぶとアオイだった。炭治郎は救世主を見る様な視線を二人に送る。

炭治郎はしのぶ達に状況を詳しく説明する。説明を受けたしのぶは一歩前に進み、カナヲ達の間に立つ。

 

「後藤さん。すみませんが、カナヲの要望を聞いて貰えませんか? 責任は私が全て取りますからっ。」

 

「ええっ……しかし……まぁ胡蝶様が其処まで言うなら……。」

 

しのぶの説得に、後藤隊士は困りつつも了承する。後藤隊士の了承を受けて、カナヲは両眼を輝かせた。

 

「ほんとっ!?」

 

「お、おう、男に二言はねぇよ。胡蝶様にちゃんと礼を言うんだぞっ。」

 

「うんっ!! 後藤さんっ! しのぶ姉さんっ! ありがとうっ!!」

 

『っ!』

 

カナヲが大輪の華の満面の笑みでしのぶ達に礼を言うと、カナヲ以外のその場にいる一同は、一瞬固まる。しかし、カナヲは気にせず抱き着いていた炭治郎の右腕から離れると、炭治郎の前に移動する。

 

炭治郎が無限列車の任務に赴く前に、カナヲの両手を握った時と同様にカナヲが炭治郎の両手を掴んで、固く握り締める。

 

「カナヲっ?」

 

「炭治郎っ! ちょっと着替えてからお金取って来るからっ! 炭治郎は後藤さんと待っててっ!!」

 

カナヲはそう言って炭治郎の両手から手を離すと、自室へ向かって一目散に駆け出した。

 

「しのぶ姉さんっ! お化粧道具借りるね―――っ!」

 

カナヲは振り返りもせず、そう叫びながら駆け出して行った。しのぶ達は呆気に取られながら、駆け出して行くカナヲを見送った。

 

『…………』

 

「……ぷっ……あははははははっ!!」

 

沈黙を打ち破る様に笑い声が廊下に響く。炭治郎達の視線がしのぶに注目した。しのぶは眼尻を拭きながら話し始めた。

 

「あれ程、元気なカナヲが見れるなんて……()()()()があった後だけれど、良い傾向なのかもしれませんねっ……アオイ。すみませんが、カナヲを見て来てくれませんか? 着替えとかお化粧とか、困っていたら手伝って上げてっ。」

 

「は、はいっ! 分かりました。」

 

アオイはしのぶに言われた事を承諾すると、カナヲの後を追い掛けて行った。

 

「あ、あの……胡蝶様、あの子に一体何があったんですか? それにお二人のお怪我は一体……っ。」

 

「それは聞かないで下さい。私の口から言いたくありません。」

 

「うっ……っ!」

 

後藤隊士の質問に対し、突如目に見えない透明な壁が出現したが如き威圧感のある笑顔でしのぶは答えた。身を竦ませる後藤隊士を無視して、しのぶは炭治郎に話し掛けた。

 

「炭治郎君。先程、御館様から鎹烏が来ましてね。炭治郎君はカナヲの面倒を見る様に、私は()()()()()()の件に関して説明をする様に命令が来ました。」

 

「っ!」

 

「まぁ患者の診察等の業務が終わってからで良いと言われたので、そのご考慮は大変ありがたいですがね……何と言って説明したら良いか正直かなり頭が痛いですっ。」

 

しのぶは溜め息を吐いて困り果てた様子を見せた。炭治郎も困りつつしのぶに断言する。

 

「もしもの時は、俺が全責任を取りますっ! はっきり言ってしまえば、俺のせいみたいなものですしっ。」

 

「いいえ、勝手に暴走したカナヲ(あの子)が悪いんです。炭治郎君は悪くありません……と言う訳で、カナヲの面倒、お願いしますね?」

 

「はいっ!」

 

しのぶは炭治郎の返事を聞くと、その場を去って行った。後藤隊士は炭治郎と共にしのぶを見送ると、炭治郎に質問した。

 

「な、なぁ? 今朝の出来事とか、一体何があったんだよ?」

 

「すみません、()()()については俺も言いたくないんです。本当にすみません。」

 

炭治郎は床に頭を付ける勢いで後藤隊士に謝罪すると、後藤隊士もそれ以上強く聞こうとしなかった。炭治郎は蝶屋敷に預けていた給料を引き出すと、蝶屋敷の門前まで後藤隊士と共にカナヲを待ち始めた。

それから駆け付けて来たカナヲと合流すると、炭治郎と後藤隊士は車に乗り込んだ。

 

「いってらっしゃい。炭治郎君、カナヲ。楽しんで来てね。」

 

「はいっ!」

 

「行ってきますっ! しのぶ姉さんっ!」

 

しのぶとアオイの二人に見送られて炭治郎達は出発した。

 

 

 

 

 

 

「……はぁっ。」

 

しのぶは炭治郎達を見送った後、部屋で一人溜息を吐いていた。その表情は憂鬱な雰囲気が見て取れた。

 

「私が炭治郎君とお出掛けしたかったなぁ……はぁ。」

 

そう言って再び、しのぶは重い溜息を吐いた。そう、しのぶは炭治郎と逢引(デート)に出かけたカナヲが心底羨ましかったのだ。

心身共に炭治郎と結ばれたしのぶであったが、逆に言えばまだそれだけしかしていない。恋人らしい事など、情交(セックス)以外にまだ一つとして実行出来ていないのだ。

 

約二週間前に、”朝田家”で過ごした時間を逢引(デート)と言っても差し支えは無いとも言えるが、その当時は両思いではなく両片思いだったので数には数えていない。

 

それ以前にしのぶはまず業務を終えてから、早朝の乱闘騒ぎについて耀哉に説明するために、急ぎ出頭しなければならない。その事実が何よりもしのぶを憂鬱とさせる原因となっていた。

 

「御館様に何とご説明すれば良いでしょうかね……。」

 

そう言って自身の部屋を見渡す。其処には蹴り壊された(ドア)と真っ二つになった寝台(ベッド)、砕け散った窓が見えた。あの時を思い出して、しのぶは青筋を浮かべる。

 

「大体、カナヲが悪いのよっ……勝手に怒って、勝手に暴れて、挙句の果てには泣き落としで炭治郎君を独占(ひとりじめ)するなんて……炭治郎君も炭治郎君だわっ!!」

 

――どうして、炭治郎君の下には良い女が集まるのかしらっ!?

 

バァン! と苛立ちから感情的に椅子を蹴り飛ばしたしのぶは嫉妬心を隠せない。そのまま親指の爪を噛んで顔を悔しそうに滲ませる。しかし、直ぐに親指の爪から口元を離して溜め息を吐いた。

 

「自分で言うのも何だけど、私って嫉妬深くて重い女よね……。」

 

竈門炭治郎(最愛の恋人)独占(ひとりじめ)したい癖に、その一方で聖人面して己の幸せをアオイやカナヲにも分け与え様としている。この前など、炭治郎が珠世の説明をしただけで、嫉妬に狂って拗ねてしまった程だ。

 

――あ、あれは炭治郎君が悪いのよっ!! 鬼の女なんかをあんなに嬉しそうに語って……つまりは相当な美人って事よね……警戒しておかないと……っ。

 

珠世に対して別の意味で警戒心を抱き始めたしのぶは、一旦その事を思考から切り離すと再び今後について考え始めた。

 

「とりあえず、新しいのを手配しますか……その間は炭治郎君と同じ部屋で過ごさせて貰いましょう。元竈門兄妹部屋の改修も暫くすれば終わると報告を聞いてるし、それだけが楽しみだわっ。」

 

しのぶはそう言うと、漸く本当の意味での嬉しそうな笑顔を浮かべた。しかし、その笑顔も間も無く跡形も無く消え去る事になる。

 

 

 

みゃおぅ

 

 

 

「へっ?」

 

しのぶは間抜けな声を上げて、錆びた人形の如く身体を動かし鳴き声の鳴った方向を見る。

其処には革製の背嚢を背負った三毛猫の茶々丸が窓際に座って姿を現していた。

 

「ひっ!?」

 

しのぶは悲鳴を上げて尻餅を着いた。蝶屋敷の面々や患者には絶対に見せられない光景だったが、そうは言っていられなかった。

幼少期に姉のカナエに救われるまで、野良犬に追い掛け回された恐怖からの精神的外傷(トラウマ)により、生来の動物嫌いになってしまったしのぶ。

 

"最終選別"では自身に充てられた鎹烏にすら恐怖して逃げ回った程だ。慣れるのにも時間が掛かった。あの時の事は今でも思い出すだけで顔から火が出そうになる。

尤も、それを目撃した同期は全員殉職しているのが自身にとって不幸中の幸いとも言えるが。

 

「な、何かご用ですか……っ?」

 

「(コクッ)」

 

茶々丸は首を縦に振ってから、窓際から降りてしのぶの部屋に入る。しかし茶々丸はしのぶに背中の背嚢を見せるだけで、これ以上しのぶに自分から近付く様な真似はしない。

しのぶは如何にか冷静さを取り戻す事に成功したが、未だ茶々丸に近付く事が出来ない。精神的外傷(トラウマ)と言うものを払拭するのは簡単ではないのだ。

 

しかし、事情を知らぬ者を呼んで取りに行かせる訳には行かない。そんなことをすれば事情を説明しなければならなくなる。鬼が関わっている以上、吉凶どちらに転ぶか分からない博打(ギャンブル)は出来ない。

 

炭治郎は丁度カナヲと外出中、禰豆子は絶賛爆睡中であるため自身しか対応出来ない。しのぶは時期(タイミング)を悪さを呪うしか出来なかった。

 

しのぶは幾度も深呼吸を繰り返してから、尻餅状態から四つん這いの状態になって茶々丸に語り掛ける。

 

「あ、あのねっ? 決して、お前の事が嫌いって訳じゃないのよっ? ただ昔から動物が苦手ってだけで……う、動かないでね。いきなり動いたら私、泣いちゃうからね? 良いわねっ?」

 

しのぶはそう話し掛けながら、四つん這いの状態のまま茶々丸に接近を試みる。同時に誰も来るなと祈りながら。もしこの様子を他の誰かに見られようものなら、突発的に自分は自害しかねないとしのぶは思った。

 

一歩ずつ、ゆっくりと確実にしのぶは茶々丸に近付いて行く。近付くに連れて震えが大きくなり、亀よりも歩みが遅くなって行くが漸くしのぶは背嚢に手が届くまで茶々丸への接近に成功する。

 

「い、良いっ? 開けるわよっ?」

 

しのぶは震えが増す手を何とか抑えながら背嚢を開ける。すると背嚢の中には一通の手紙が入って居た。しのぶは手紙を掴むと、先刻と違って脱兎の如き速さで茶々丸から離れた。

茶々丸から一定の距離を確保すると、しのぶは手紙を開封して読み始めた。

 

 

拝啓

 

炭治郎さんと胡蝶しのぶさんへ

 

この前の禰豆子さんの血の提供ありがとうございます。

 

血を確認したところ、一週間も経たずに驚く程の変化が起こっていました。

 

この血を使って血清を作り浅草の男性に投薬したところ、自我を取り戻すとまでは行かずとも、食人本能を抑制し沈静化する事に成功しました。奥方もこの事実に落涙する程、喜ばれていました。

 

こちら側の最大の懸念事項が解決しましたので、そちらの好きな時期に合わせて合流する事が可能になりました。

 

そちらの蝶屋敷にお邪魔する前に、まずはこちらの道具や研究資料を運送したいと思っています。

 

人手の方はこちらで金で雇って運び込ませますのでその許可を頂けないでしょうか?

 

また、私達も蝶屋敷から一番近い拠点に今は滞在していますので、ご連絡頂ければ遅くとも半日で連絡が取れる筈です。

 

最後に、僅かな期間の間に禰豆子さんの変化に気付き、血を提供して下さった事に感嘆と感謝の念に堪えません。

 

是非、お会い出来た暁には気付く事が出来たその理由などを聞けたら幸いに思います。

 

ご連絡お待ちしております。

 

珠世より

 

 

「……成程ね。好ましい状況だわっ。」

 

そう呟いたしのぶは、珠世への返信の手紙を(したた)めるために道具を一式揃えると、蹴り飛ばした椅子を元に戻し、机に紙を広げて手紙を書き始めた。

 

 

拝啓

 

珠世さんへ

 

浅草の男性の方の沈静化、誠におめでとうございます。

 

ご懸念の解消に成功されてそちらのお役に立てたこと、合流出来ることを私も大変嬉しく思います。

 

何より私達の御館様たる産屋敷耀哉様も、珠世さんと協力関係を結ぶ事を大変望まれておりました。

 

この吉報が御館様のお耳に入れば大変お喜びに成られるでしょう。

 

それから研究資料等の運搬に関してはこちらから人手を送ります。

 

人手は禰豆子さんに好感を抱いて居る者達ばかりを選抜致しますのでご安心下さい。

 

禰豆子さんの血の変化の件に関しては、文書では説明しきれないのでお会い出来た暁に説明したいと思います。

 

最後にお会い出来る日を炭治郎君共々楽しみにしております。

 

鬼殺隊・蟲柱 胡蝶しのぶより

 

 

「……ふぅ。こんなものかしらねっ……っ?」

 

しのぶはそう言って手紙を乾かせると、丁寧に折り畳んだ。するとしのぶは、溜め息を吐いて困った様子でこめかみを抑えた。

 

――禰豆子さんの件、どうやって……何と言って珠世さんに説明しよう……っ。

 

まさか近親相姦による精液摂取から齎された変化だと包み隠さず言う訳には行かず、しのぶは禰豆子の変化の説明に関して新たに頭を抱える事になった。

 

「……今考えても仕方が無いわ。先ずは御館様の件を片付けないとっ。」

 

一先ずこの一件は保留にして、耀哉への手土産が出来たとしのぶは喜ぶ。

折り畳んだ手紙を持つと、茶々丸が背中の背嚢をしのぶに向けた。しのぶは反射的にビクッ! と身を震わせた。

 

「……フ――ッ、フ――ッ、フ――ッ。」

 

しのぶは必死で深呼吸を繰り返した。長い深呼吸が終わると、ゆっくりとしのぶは茶々丸に近付いて行った。

 

「こ、これを珠世さんまでお願いっ……っ!」

 

「(コク)……みゃおぅ。」

 

勇気を振り絞って茶々丸に渡すと、茶々丸は一度鳴いて姿を消してからしのぶの部屋から立ち去った。

しのぶは茶々丸が立ち去ると、安堵の溜息を吐いてから産屋敷邸へ向けて出発した。

 

 

 

 

 

 

東京府・銀座

 

大正二年(一九一三年) 三月十三日(木)

時間帯:朝

天気:曇り

 

 

一台の黒塗りの車が悠々と走っていた。車はT型フォードと言う車種である。米国アメリカの大手自動車製造会社“フォード・モーター社”の代表する車種だ。

 

明治四十一年(一九〇八年)に発売が開始され、庶民の手にも届く低価格車両として、「世界の大衆車」として代表される事になる名車である。

 

それでもその希少性から、日本ではとても庶民は手を出せる価格ではなかった。実業家と言った大商人か華族しか所有しておらず、この当時の日本では保有台数は全国でも六十一台前後しか無かった。

その六十一台の内の十台と言う、全体の六分の一の保有率を誇る産屋敷家は、流石としか言えないだろう。

 

そんな希少な車が都市に入ると、嫌でも野次馬から注目が集まる。好奇の視線が降り注ぐ中、車の(ドア)が開く。

 

一人は市松模様の羽織が特徴の少年、竈門炭治郎だ。彼は車から降りると反対側の(ドア)まで走る。

 

「どうぞ、カナヲっ。」

 

「ありがとうっ❤ 炭治郎っ❤」

 

(ドア)から降りたのは桃色を基調とした、全体に梅と牡丹の花模様が描かれている気品のある着物を着たカナヲだった。カナヲの手には赤色のお洒落な鞄を手に持っている。

 

『おおっ……っ!』

 

「……っ!」

 

左眼に眼帯を付けているが、化粧で更にその美貌が際立ったカナヲに野次馬は一瞬息を呑む。炭治郎も例外では無かった。

蝶屋敷でその姿を初見で見た時は、後藤隊士に肩を突かれるまで固まっていたくらいだ。そんな姿をしのぶとアオイに睨まれていたのも炭治郎は気付かなかった。

そうしていると、運転席に座っている後藤隊士が炭治郎とカナヲに声を掛ける。

 

「なぁ、本当に目当ての店の前まで行かなくて良いのか? 直ぐ其処だぞ?」

 

「良いのっ! 炭治郎と一緒に銀座を歩きたいからっ!!」

 

「そ、そうか。俺は補給とか済ませて待ってるから、ちゃんと指定場所に来るようになっ? 言われた店の土産買って待ってるからさ。んじゃ楽しんで来いよ~。」

 

「はーいっ! 後藤さんっ! ありがとうっ!!」

 

「後藤さん、ありがとうございましたっ!!」

 

後藤隊士はそのまま、車を走らせて去って行った。炭治郎達は去って行く車に頭を下げて見送る。

姿が見えなくなった後、カナヲは炭治郎の腕に抱き着く。カナヲの大胆な行動に、野次馬は(どよめ)いた。

 

「カナヲっ……っ!」

 

「炭治郎、まず案内したいところがあるのっ! 行こ行こっ!!❤」

 

「そ、そんなに引っ張らなくても逃げないからっ!?」

 

炭治郎はカナヲに引っ張られる形で、後ろを気にしながらカナヲに先導されて銀座の街並みを歩き始めた。

 

『…………』

 

炭治郎とカナヲの歩き去って行く背中を、黙ったまま見送る野次馬。その沈黙は二人の背中が小さくなるまで続き、一人の野次馬が沈黙を破る様に口を開くと、次々と野次馬が口を開き始めた。

 

「あ、あの女の子は何処の家のお嬢様なんだ?」

 

「きっと名のある家のご令嬢に違いないっ!」

 

「あの男の子はお嬢さんの許嫁かしらっ?」

 

「…………」

 

暫く大通りは騒然となる。少しばかり時間が経つとそれも収まるのだが、暫く間炭治郎とカナヲは銀座で噂される事になる。




あとがき

お待たせ致しました。待たせた挙句何時もより短いですが、ご了承頂けますと幸いです。

目の符が太陽の下では使えないと最近本誌で出て来たけれど、矛盾を感じるのが不満ですね。日中はずっと鬼みたいに日陰に隠れてたの? って質問したいくらいです。
義勇が十九歳で柱になったと言う設定だったのにカナエの生前中には既に柱だったり、
カナエさんの享年が十七歳なのも、
しのぶさんが童磨の初見殺しが避けられなかったのも、
鬼殺隊が上弦の情報が一切持ってなかったのも、
色々と不満です。同時にワニ先生でも設定に綻びが出るんだと思うと親近感が湧きます。

最後に、タイトルを「優しき日輪と蝶屋敷の三美蝶」から「優しき日輪と鬼殺隊の美蝶」に変更します。
次回の更新は四月中に何とかします。
引き続きカナヲに振り回される炭治郎をお楽しみ下さい。

登場人物の性器発言ってどう思います?

  • 有り(エロくなるからばっちこい)
  • 無し(日輪刀、鞘とオブラートに揶揄って)
  • 作者にお任せ
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