*神崎アオイについてオリジナル設定あり。
・鬼滅の刃原作に関するネタバレあり。原作未読の方は閲覧注意。
・鬼滅の刃二次創作小説です。
・原作・キャラクターの性格・設定等改変の可能性大。一部キャラ崩壊注意。
・思い付き次第で何度も編集を繰り返す可能性大。お時間がある時で良いので、良ければ読み返してみて下さい。
・誤字脱字等のミス・内容の矛盾等の指摘は大歓迎。理不尽なクレームは受け付けません。
・コメント・メッセージ大歓迎。創作意欲の燃料になります。コメント・メッセージの返信は必ずさせて頂きますのでどしどし御投稿下さい。
・SS内容に関してはネタパクリと言う名の盗作を間違えてしないよう気を付けてますが、もし私が投稿した作品が既に別の作者様と内容が酷似していた場合、メッセージにて御連絡下さい。
※リクエストに関して
メッセージにてリクエスト内容を御連絡下さい。
以下規約参照
・100%受け付けられると保証された訳では御座いません。
・炭治郎×鬼滅女子のみ。
・作者は遅筆で怠惰癖あり。またリアルの都合や他SSの執筆で投稿が遅くなる可能性大。
・CP、全年齢かR作品か、ネタの内容を御記入下さい。ネタの内容が詳細で有れば有る程、筆が進むので御協力をお願い致します。
東京府・蝶屋敷
時間帯:昼
天気:晴れ時々曇り
「ん…………ん〜〜。」
鬼殺隊隊士・竈門炭治郎が蟲柱・胡蝶しのぶと共に昼頃に蝶屋敷に帰還して、炭治郎がしのぶの心を覆っていた闇を照らしその
炭治郎は目を擦って残っていた眠気を払うと、時間を確認するために時計を見る。すると自分達が寝てから、思っていたより時間は経過していない。そして部屋の
――真新しい人の匂い…………これはアオイさんの匂いだな。気を遣わせちゃったかな。
アオイが炭治郎達の寝姿を見て落ち込んでる事を微塵も考えていない炭治郎は、見当違いな勘違いをしてから自分の身体の上に乗っかって無防備に寝ているしのぶを見る。
その可愛らしさに笑みを零しながら、頭を撫でようと手を伸ばし掛けた。しかし、クン、と一度匂いを嗅ぐと手を止めた。
「……しのぶさん、おそようございます。起きてますよね?」
「……バレちゃいました? 本当に便利ですねー炭治郎君の鼻は。」
しのぶは「てへ❤」と舌先を出してから、いそいそと炭治郎から起き上がり、
「炭治郎君。私は今、とても爽快な気分です。ありがとうございました。」
「お蔭で元気百倍ですよ❤」と満面の笑みを浮かべ、両手をぎゅっと握ってガッツポーズをしてみせた。炭治郎はその仕草に思わず身悶えそうになったが、しのぶから漂うある匂いに気付いてそれを指摘した。
「それは良かったです……でも俺、しのぶさんから寂しい匂いを感じます……。」
「……っ。本っ当に、便利ですねー炭治郎君の鼻は。」
「炭治郎君の前では隠し事は出来ませんね。」と言って炭治郎の言葉に先程の満面の笑みは影に潜み、指摘通り寂しさを感じる笑みへと変わる。
「あの……もしも、俺がしのぶさんにまだ甘えていたい、と言ったらどうしますか?」
「あら……それは炭治郎君の本心ですか?」
「はい。俺がしのぶさんに甘えたいんです。」
「〜〜〜。で、でしたら仕方ないですね。うん、仕方ありません。ええ、仕方がありませんとも。んもぅ、炭治郎君ったら甘えん坊なんだからぁ❤」
炭治郎の言葉にしのぶは身悶えながら心底嬉しそうにクネクネと身体をクネらせると、炭治郎に近付いてから飛び込むように炭治郎に目掛けて力強く抱き着いた。炭治郎もしのぶを受け止め、抱き返した。
しのぶは普段炭治郎が匂いを嗅いでいるようにクンクンと炭治郎を嗅ぐと、蕩けるような笑みを零した。
「炭治郎君からは、お日様のような温かくて優しい、良い匂いがしますね。」
「自分の匂いがどう言うものか分かりませんが、しのぶさんからそう言って貰えたら嬉しいです」
「癖に……成りそうです❤ 十分……いや、十五分だけ…………❤」
「時間が増えちゃってますよ。でも、しのぶさん。時間なんて気にせず、俺が満足するまで甘えさせて下さいね。」
「……はい❤」
二人はそこで会話を打ち切ると、炭治郎は再びしのぶの腰に左手を当て、右手を頭に乗せて撫で始めた。それを合図にしのぶは更にぎゅっと力を込めて炭治郎を抱き締め返した。
これではどちらが甘えているのか分かったものではないが、炭治郎としのぶは心底幸せそうに戯れ合いを続け、二人が抱擁を解いて部屋を出たのは、結局目が覚めてから三十分以上が経過してからであった。
♦︎
一方、炭治郎としのぶが互いに抱き合って眠っていた光景を目の当たりにして、多大な衝撃を受けた神崎アオイは何とか自身の心を落ち着かせて表面上は普段通りに装えるまでに回復していた。
内心ではまだ嵐の如く荒れ果てていたのだが、彼女の生来の生真面目な性分と責任感の強い性格が衝撃から立て直すのに役立った。また、アオイのある一つの決意が彼女を突き動かしていたのもあった。
――まだ…………まだしのぶ様と炭治郎さんがお付き合いされていると決まった訳じゃないっ。直接お二人の口から「付き合っている。」と聞いた訳でもないのに私の勝手な判断で決め付けるのは早計だわっ。何とか機会を作って、お二人から直接聞かなきゃ。でもどうやって聞けば…………「先程、仲睦まじく抱き合って眠ってましたけど、お付き合いされているんですか?」なんてとても言えないし……。
二人の関係を直接問いただそうとアオイは密かに決意していた。本人達が認めなければ、外野が何と言おうと何の意味もなく、ただの憶測でしかない。
これでもし、アオイの勘違いだったら炭治郎としのぶに余計な迷惑を掛ける事に他ならない。機会を見つけて本人達に直接言質を取ろうと決意したアオイ。
そんなアオイに人の気配を感じ、立ち止まる。そして耳に神経を集中すると、楽しそうな笑い声の混じった声が聞こえた。
――炭治郎さんとしのぶ様だっ!……「仲が宜しいですね。もしかして、お付き合いなさってますか?」とさり気無く近付いて思い切って質問してみようかしら?
そう思ったアオイだが、彼女の思考とは裏腹に身体は近くにあった物置の部屋へと進んで身を隠した。まるで炭治郎達から見られては困ると言わんばかりに潜み隠れた。
――な、何で隠れちゃうのよ私の馬鹿っ! 別に疚しい事なんてないじゃないっ!
自身の行動と思考が合ってない事に戸惑いながらじっとしていると、炭治郎としのぶが物置の前まで来た。そして二人は足を止めて会話を続けた。
「炭治郎君、此処までで良いですよ……ですが、今度こそ安静にしていて下さいね。分かりましたね?」
「分かりました。しのぶさんの言う通りに安静にしています。」
「よしよし、良い子です。」
しのぶはそう言うと炭治郎に微笑んだ。だが直ぐに真顔になってキョロキョロと周囲を確認し、誰もいない事を確信すると炭治郎に抱き着いた。しのぶからの抱擁に驚く炭治郎。
「しのぶさん……?」
「大声を出さないで。人が近くに居ない事は確認しましたから……。」
しのぶはそう言って炭治郎を黙らせると、顔を上げて炭治郎と目線を合わせる。
「炭治郎君、先程は本当にありがとうございました………正直、こんなに気が楽になったのは死んだ姉が生きていた時以来ですっ。」
「そんな、大袈裟な…………でもしのぶさんにそう言って頂けると俺も嬉しいですっ。こちらこそ、素敵な一時を過ごせました。ありがとうございました。」
しのぶは炭治郎にお礼を言うと、炭治郎も恐縮だと言わんばかりにしのぶに返礼した。するとしのぶは顔を赤く染めて先程と違い、口籠りながら会話を続けた。
「その…………時間が有る時で私達が二人揃った時でないと駄目ですが…………そ、その時は炭治郎君は何時でも私に甘えに来て下さいねっ。私、待ってますからっ。」
「……はい、その時は遠慮せずしのぶさんに甘えに行きますねっ……ぷっ、くくく。」
「わ、笑わないでくださいよぉ。」
「すみません、しのぶさんがつい可愛くて。」
「~~~❤」
炭治郎はしのぶが頑なにも「私が炭治郎に甘えたい❤」と素直に言わない事が可笑しくて、されど可愛過ぎて仕方がないのか、つい押し殺していた笑いを漏らすと、しのぶは顔を赤くしてそれに抗議した。
尤も炭治郎がしのぶに誉め言葉を口にすると、今度は別の意味で顔を赤くしたが。
そして二人は離れると、炭治郎が「失礼します。」と言ってその場を離れた。しのぶは炭治郎の背が見えなくなるまで見送ると、あの時の事を思い出して幸せそうに笑う。
「……ふふっ❤」
そう笑ってから、機嫌良く軽い足取りでその場を離れた。
「…………。」
アオイは先程のやり取りを一部始終、自身の耳で聞いていた。物置から出ようとしたが、足腰が言う事を聞かない。そして膝を抱えて座り込んだ。
「大丈夫……大丈夫よ、アオイ。しっかり、しっかりなさい。御二人から直接そうだと聞いてもいないのに、勝手な判断で決め付けなんて良くないわっ……そうよ、まだそうだと決まった訳じゃないわよっ。」
アオイは自身を鼓舞するように言い聞かせた。しかし青みがかった両眼の色彩は消え、虚ろな眼から涙が止まらなかった。
その日、しのぶと炭治郎に何回か会う機会はあったのだが、とても関係について聞く勇気は無く、業務だけ熟して眠りに着いた。
その働きっぷりは普段よりキレが一切無く、普段しない様な失敗も多かった。
♦︎
時間帯:朝
天気:晴れ
次の日の二日目は昨日以上に、アオイは元気を無くして業務に普段ならしないような失敗を繰り返した。
アオイは昨日と同様に周囲に感づかれないように平静さを装ったが、時間が経つに連れ小さくとも失敗は増え続け、二日目の夜にはアオイの様子に気付いたなほ達がアオイを心配して休むよう進言した。
しかしアオイは頑なに聞かないので、三日目の朝には、すみが炭治郎を引っ張って来て洗濯物を干そうとするアオイを説得しようとした。
「アオイさん。きよちゃん達も心配しているから、休んだ方が良いと思うよ。別に少しくらい休んだって、誰もアオイさんを責める人なんかいないんだからっ。」
「大きなお世話です。炭治郎さんは私の事なんか放っておいて下さい。そもそも、炭治郎さんはしのぶ様に安静にしているように言われている筈です。私なんかの相手なんてしてないで部屋に戻って下さい。」
「アオイ、炭治郎君の言う通りですよ。」
「……っ。」
取り付く島もないアオイの拒絶するような言い方に炭治郎は困り果てていたが、事態を知って駆け付けたしのぶがアオイに近づいた。
アオイはしのぶの姿を見て動揺を隠せない。
「第一、何なのですか? 貴女の事を思って炭治郎君は言ってくれているのに、その言い草はなんです? 今すぐ炭治郎君に謝罪して言う通りに休みなさいっ。」
「っ! お言葉ですが、しのぶ様。私は別に休む必要など御座いませんのでご心配なく。私の事なんかお気になさらなくて結構ですっ。」
普段ならしのぶに対して絶対に言わないような毒の籠った返答に、炭治郎を始め周囲は唖然となる。しのぶも驚きを隠せなかった。
「…………でしたら柱として貴女に命じます。神崎アオイ。今直ぐ、直ちに全ての業務を終了して自室待機してなさい。良いですか? これは上官命令です。」
「……卑怯な真似をっ。」
鬼殺隊の最高位である柱の命令は一隊士如きでは逆らう事など絶対に出来ない。
組織である以上、上下関係は絶対だった。
しかしアオイは不服と言わんばかりに俯いて毒を吐くが如く言葉を口にした。尤も、アオイの声が小さ過ぎて誰にも聞こえなかったが。
「聞こえませんでしたか? ならもう一度だけ言います。今直ぐ、直ちに全ての業務を終了して自室待機してなさい。従わなければ、拘束してでも休ませますよ?」
「ちょ、しのぶさん……それは幾ら何でもあんまりでは……?」
「良いんですよ、炭治郎君。聞き分けの無い分からず屋にはそれぐらいが丁度良いんです。アオイが素直に言う事を聞いてくれたらそんな面倒な事はしません。」
「だ………せ………こ………の………っ。」
「「ん?……アオイ(さん)?」」
炭治郎はしのぶのきつい言葉に思わずアオイを庇ったが、しのぶは聞かず炭治郎を制した。
その時アオイは何かを口にしたようだが、炭治郎としのぶには声が小さすぎて聞こえなかったので聞き返した。
「誰のせいで私がこんな思いをしていると思っているのよっっ!!??」
『っ!?』
アオイの怒りに満ちた絶叫に周囲は騒然となる。アオイの顔は真っ赤に染まり、眼からは怒りの業火が見て取れた。
「こ………の………っ!」
「ちょ!?………アオイさん!!」
アオイは洗濯物が入った籠を投げ付けようとしたが、フラっと身体を揺らすと籠から手を放して意識を失った。
炭治郎が慌ててアオイを受け止めたため、アオイは地面に叩き付けられる事は無かった。
「アオイさんっ!? アオイさんっ!!??」
「炭治郎君っ! 今直ぐ、アオイを医務室まで連れて来て下さいっ!」
「はいっ!」
しのぶは動揺を抑えて、炭治郎にアオイを運ぶよう指示した。炭治郎は即諾してアオイを医務室まで運んで行った。すみ達は泣きながら心配そうにその様子を見送った。後には散らばった洗濯物だけが残っていた。
♦︎
「風邪ですね。過労と心労のせいで、重症化してます。」
熱冷ましを何とかアオイに飲ませた後、意識を失い
「そうですか………アオイさん、頑張り屋さんだから無理しちゃってたんだろうなぁ。」
「ええ、全く。炭治郎君と良い勝負です。貴方もアオイみたいにならないで下さいね?」
「あ、あはははは………善処します。」
しのぶの唐突な忠告に、炭治郎は乾いた笑みで笑いながら答えた。そして話題を変えようと炭治郎は思い付いたある提案をしのぶに進言した。
「そうだっ! あの、しのぶさん! その……アオイさんがしているお仕事ですが、俺に引き継がせて頂けませんか?」
「炭治郎君が、ですか? その申し出はありがたいですが、良いのですか?」
「はい、現場復帰どころか、機能回復訓練への参加もまだ無理な状態ですけど、身体を動かしたかったんです。尤も、アオイさんみたいに薬の調合は出来ませんし、包帯だって上手に出来るかは分かりません。ですが医療に関係した仕事は兎も角、包帯の巻き方はなほちゃん達から教わります。後、掃除や洗濯、料理は得意ですから大丈夫です!」
「これでも長男として、弟妹達の世話をしながら家事を熟してましたから!」と太鼓判を押すように自信を持ってしのぶに笑顔で断言して見せた。
しかしその時、死んだ弟妹達を思い出したのか炭治郎の笑顔に少しばかり陰りが見えた。しのぶはそれを見逃したりはしなかったし、ましてや指摘するような無粋な真似はしなかったが。
「……分かりました。炭治郎君がそこまで言ってくれるなら、私の方からでもお願いしたいと思います。アオイにはその間、休んで貰いましょうか。」
しのぶは寝ているアオイを見ながら、炭治郎の好意を無碍にはすまいとその提案を承諾すると、炭治郎は早速「じゃあ、今から洗濯物片付けてきます!」と医務室から退室してきよ達の下へ走って行った。
「……ほんと、何処までもお人好しで、優しい人なんですから。炭治郎君は。貴女もそう思いません? アオイ?」
しのぶは顔を赤くしたまま寝ているアオイに向かって話し掛けた。尤も、しのぶは返答など期待していなかったが。
しかし、しのぶが声を掛けたおかげか、アオイは「う〜〜〜〜〜ん。」と呻き声を出した。
しのぶはまるで自分がした質問への返答のようだと笑ってから医務室を出た。
♦︎
時間帯:昼
天気:晴れ
「……ん………っ。」
「っ! アオイさんっ! 目が覚めたんだね!」
正午を丁度過ぎた辺りに、アオイは目を覚ました。偶然その時にいた炭治郎が目を覚ましたアオイに気付き歓喜の声を上げた。
アオイは起き上がろうとしたが、熱冷ましのおかげで多少はマシとは言え、起き上がる気にはなれ無かった。またアオイが起き上がる気を起こさなかった理由がもう一つあった。
グゥ〜〜〜〜
空腹感である。アオイはこの三日間は食事も普段より喉を通らなかった。それもまたアオイが倒れる要因の一つになったのだが。
アオイは大音量が鳴る自身のお腹を恥ずかしく思ったが、炭治郎はくすっと笑うと「アオイさん、ちょっとだけ待っててね。」と言って医務室から出た。
暫くすると、炭治郎がお盆に乗せた土鍋を持って来た。茶碗と匙も水も隣に有った。
「お待たせ、重湯を持って来たよ。お粥でも良いかと思ったんだけど、やっぱりアオイさんが心配だったからっ。」
アオイは炭治郎の優しい気遣いに思わず涙が出そうになったが、炭治郎の次の発言でアオイはそれどころでは無くなる。
「食べるの手伝うから、アオイさんは口を開けて。はい、あーん。」
「………っ?!………あ、あーん。」
アオイは炭治郎の行動に仰天したが、身体が重くて自力での食事は難しそうだったため、炭治郎の好意に甘える事にした。
重湯の味は塩のみと淡白な味わいだったが、アオイにとって丁度良い塩加減であった。最初は見えていなかったが、別の小鉢で一緒に付いていた梅干しも良い刺激になった。
食べさせて貰っている内に炭治郎が持って来た重湯はあっという間に無くなった。
「ご、ご馳走様でした。」
「お粗末様でした。アオイさんが美味しそうに食べてくれて、俺も作った甲斐が有ったよ。あっ……これ、しのぶさんが調合したお薬だよ。解熱剤と疲労回復薬だけど、ちゃんと飲んでね。」
「はい……炭治郎さんがこの重湯を作ってくれたんですか?」
「うん。実はね……。」
アオイの質問に炭治郎が、アオイが倒れてから起きた事の要点だけを説明し始めた。
アオイは過労が原因で風邪を引いた事。
炭治郎がまだ現場復帰はおろか、機能回復訓練への参加も許されていないため、身体を動かしたいと言う名目でアオイの仕事の引き継ぎを提案し、しのぶが許可した事。
現状、炭治郎には出来ない医療関係の業務はしのぶが担当し、主に料理・洗濯・掃除を中心とした雑務は炭治郎が担当すると言う役割分担が上手く行っている事。
「アオイさん、何時もありがとう。だから今はお仕事の事は気にしないで。全部俺達に任せて、アオイさんには療養に専念して欲しいんだ。」
炭治郎は太陽のような笑顔でアオイに労いと感謝の言葉を送り、療養をお願いした。
「……っ……うぅ……ひくっ……うぐっ……うぅ〜〜っ。」
「アオイさん……っ?」
泣き出したアオイに炭治郎は戸惑いを隠せない。アオイが悲しい匂いを発しながら泣き始めたからだ。
アオイは嗚咽を漏らしながら懺悔をし始めた。
「わ、私は、愚か、者です……っ……っっ……ひ、一人で勝手に、悩んで、怒って、苦しんで……皆さんを、巻き込んで、め、迷惑を掛けてる……っ……最低の女です……っ!」
「アオイさん……。」
「わ、私は……しのぶ様達に……ひくっ……拾われなかった……ら……い、今、
「そんな大恩あるお方に、あんな……あんな酷い事を……っ! も、もう自分が情けなくて、恥ずかしくて今直ぐ死んでしまいたい……っ!」
「っ! 巫山戯るなっ!!!」
「……っ!?」
アオイの悔恨から来る悲痛な言葉を、炭治郎は激昂して否定した。声を荒げて怒る炭治郎の姿にアオイは驚く。温厚な炭治郎が激昂する姿など初めて見たアオイは、そんな炭治郎を見て動揺を隠せず、顔を俯かせて口を噤むしかなかった。
「迷惑を掛けてるから? 自分が情けないから? 恥ずかしいから?……その程度の理由で、それだけの理由で死にたいだなんて言葉を軽々しく口にするなっ! アオイさんは自分の命を何だと思っているんだっ!?」
「………っ。」
「………アオイさんは、どうしてそう、そんなに自分で自分を呪うような事を簡単に口にするんだっ。」
「炭治郎……さん?」
アオイは炭治郎から怒気ではなく悲しみを感じて、俯いていた顔を上げる。そこには目を湿らせ今にも泣きそうな炭治郎の顔があった。
「……ごめん。俺はその程度の理由とか、それだけの理由って言ったけど、しのぶさんに大恩あるアオイさんにとってはそんなことなかったかもしれない。でも聞いて、アオイさん。貴女は自分をよく卑下したり、無能だの臆病者の腰抜けだのと自嘲したりするけれど、アオイさんはそんな人なんかじゃないっ。」
炭治郎は一呼吸置くと、しっかりアオイと目を合わせてから話を続けた。
「アオイさん。貴女は凄い人だっ。
自分は戦えない剣士だと言うけれど、カナヲとほぼ互角に戦えるだけの実力があるじゃないかっ。
ううん、たとえ戦わなくても、アオイさんはこの蝶屋敷で誰よりも率先して働いて、鬼殺隊の役に立っているよ。
アオイさんが作ってくれる美味しい料理が、
アオイさんが蝶屋敷を常に綺麗で清潔にしてくれているから、皆が快適に過ごせて安心して休む事が出来ているっ。
アオイさんが治療を手伝ってくれているから、訓練に協力してくれているから、怪我をした隊士達は元気になって、現場復帰してまた鬼と戦う事が出来るんだっ。」
「これでもまだ、アオイさんは自分が無能者の役立たずだって言う事が出来る?」と炭治郎はこれでもかとアオイの功績を語り並べて見せた。炭治郎は続けてこう言った。
「誰が何と言おうと。いや、たとえこの世の全てがアオイさんを否定したって俺は何度でも胸を張って、声を大にして言えるよっ。神崎アオイさんは凄い人だ! ってね……だからもう、自分で自分を傷付けて否定しないで欲しい。アオイさんにはもっと自信を持って、胸を張って生きて欲しいんだ! ……こんな俺の言葉だけど、アオイさんの心に届いてくれたら嬉しいな。」
「――っっ!!」
炭治郎はそう言い終えるとアオイに向かって微笑んだ。その際に片眼から一筋の涙が流れた。炭治郎の温かい励ましの言葉の数々に、アオイは声にならない声を上げて大粒の涙を流す。両腕で涙を拭うが、止まる気配はない。炭治郎はアオイに近づいて、アオイの頭を優しく抱えて自分の胸に押し当てた。
「アオイさん、遠慮せず好きなだけ泣きなよ。いっぱい泣いて、溜まっていたものを涙と一緒に出しちゃおうよ。そうしたらきっと早く元気になれるから。俺で良ければ、アオイさんの気が済むまで傍にいるから、勝手に何処か遠い所へ離れて行ったりしないからっ。」
「………~~っ………~~~っっ………~~~~っっっ………。」
アオイは泣きながら炭治郎の腰に両腕を回して絶対に離れない、絶対に離さないと言わんばかりに強く抱きしめた。炭治郎はそれに答えてアオイの頭に手を置いて優しく撫で続けた。
♦︎
「アオイさん、少しは楽になった?」
「はい……炭治郎さんのおかげでとてもスッキリした気分です。」
アオイは憑き物が落ちたような笑顔で答えた。心做しか、熱も下がって顔の赤みも薄くなったようにも見えた。
「良かった……あの件についてしのぶさんも俺も気にしてないから。一言、ちゃんと謝ればしのぶさんも絶対に許してくれるよ。」
「はいっ。」
「よし、じゃあもうこの話はこれで終わりって事で………あのさ。アオイさんに質問なんだけど、しのぶさんの部屋で俺がしのぶさんと一緒に寝てるとこ、見たりしてない?」
炭治郎の質問にアオイはビクッ! となったが、一呼吸おいてから意を決して、アオイは炭治郎に正直に話す事を決めた。
「……はい、見てました。」
「やっぱりそうか。あの時アオイさんの匂いがしたから、見ていたんじゃないかって思ったんだっ。」
炭治郎は疑問が解けたからか、納得したような表情を見せた。一方のアオイは少し悲しそうに、なれど悲壮な覚悟を持って炭治郎に兼ねてからの質問をした。
「あの……炭治郎さんはしのぶ様と、その、お付き合いされているんですか?」
「………そう言われると、違う、としか言えないかなぁ……っ。」
「それは………どういう意味でしょうか?」
一緒に抱き合って眠るなどもはや恋人同士としか言えないのではないか。アオイはそう疑問に思って質問すると、炭治郎は少し悲しそうに、寂しそうに話し始めた。
「俺、しのぶさんに「大好き。」ってちゃんとそういう気持ちで言ったんだけど、その時に返事が貰えなくてさ……恐らく何だけど、多分しのぶさんは俺を兄弟……弟のようにしか見て貰えてない気がするんだ。」
「それはそれで嬉しいけどね。」と付け加えたが、炭治郎は残念そうに見えた。アオイは再び口を開こうとした瞬間、コンコンとノック音が扉の外側からした。炭治郎が「どうぞ。」と言うと扉が開いて一人の女性が入室してくる。その女性とはしのぶだった。
「失礼します……あら? 炭治郎君じゃないですか。なほ達が探してましたよ?」
「すみません、今から戻ります。アオイさん、また夕食を持って来るから。」
炭治郎はそう言って食器と共に医務室から退室した。アオイは「あ……。」と思わず手を伸ばしそうになったが止めた。
「アオイ。熱を測りますよ、それと身体の調子は如何ですか?」
「はい、大分良くなりました……でもっ。」
「でも?」
「あの……しのぶ様、先程の件は誠に申し訳ございませんでした!」
「その事でしたら、別に気にしなくても大丈夫ですよ……ですが何故、そう至ったのかは話してください。」
「はい…………実はしのぶ様が炭治郎さんと抱き合って寝ているところを目撃してしまって…………。」
「えっ゛?」
アオイが話した瞬間、しのぶの笑顔がそのまま固まる。アオイはピシッ! という幻聴を耳にした。一瞬の沈黙が場を支配した後、その沈黙を破ったのはしのぶだった。
「ア、アオイは何を目撃したのか、も、もう一度だけ言って貰えますか?」
「は、はい。しのぶ様が炭治郎さんに覆い被さるように、お互いを抱き締め合いながら寝ていらしたのを見ました。」
アオイは内心で苛立ちを覚えながらも、今度は詳細に説明した。するとしのぶは笑顔のまま脂汗を流し始める。
「…………あ、あはははははは。そうですか、見られてましたか……炭治郎君はその事を知っているのですか?」
「はい。私の匂いが残っていたので、来ていた事は察していたそうです。」
――炭治郎君、どうして私には言っておいてくれなかったのですか!? と言うか、起きた瞬間に教えてくれても良かったのに!!
後で絶対に炭治郎にお仕置きをする。いや、どうやってお仕置きしてくれようかと炭治郎への八つ当たりを大真面目に思考し始めたしのぶに、アオイは炭治郎の時と同じ質問をぶつけた。
「あの…………お聞きしたいのですが、しのぶ様は炭治郎さんとお付き合いされているのですか?」
「付き合っては……いないですねぇ。」
「……若い男女が同じ床で共に寝たのに、ですか?」
アオイは嫉妬心を抱きながら、しのぶに追求する様にそう尋ねた。
「ええ、残念ながら。炭治郎君は私に「大好き。」と言ってくれたのですが、肝心の私は嬉しすぎて返事するのを忘れて抱き着きましたし……でも恐らく炭治郎君は禰豆子さんと一緒で……私を妹のようにしか見てないと思うんですよねぇ。」
しのぶはそう言って「私の方が年上なんですけどねぇ。あはははははは。」と笑ったが、その後「それで良かったのかもしれない。」とかなり落ち込みながら言ったのをアオイは聞き逃さなかった。
「あ、あの。」
「アオイ。まだ熱が下がっても疲労は残ったままですから、後二日は休んで英気を養うように。良いですね?」
「は、はい。分かりました。」
しのぶはそう言い終えて、気持ちが沈んだ様子で医務室から退室した。アオイはしのぶからずーんという幻聴が聞こえた気がした。そして少しすると、アオイは思わず呟いた。
「もしかしなくても、しのぶ様も炭治郎さんも、お互いに勝手にフラれたも同然と勘違いしてるの?」
アオイの呟きに、答えてくれる者は誰もいなかった。
♦︎
時間帯:夕方
天気:晴れ
炭治郎がアオイの夕食である卵粥を持って医務室にやって来た。アオイは炭治郎と二人でいる時間を大切にしたくて、アオイは一人で食べようと思えば出来たのに、それを隠して炭治郎に食べさせて欲しいと懇願した。炭治郎は承諾して昼食の時と同様に食べさせた。
「炭治郎さんが作ってくれた卵粥、とても美味しかったです。ご馳走様でした。」
「お粗末様でした。アオイさんがそう言ってくれるから作り甲斐があるよ。」
そこから二人は食後の談話を始めた。ちなみに食器は様子を見に来たきよが代わりに持って行ってくれた。
「あの、炭治郎さん。お願いがあるんですけど良いですか?」
「勿論。俺に出来る事なら何でもするよ。遠慮せずに言ってご覧よ。」
「は、はい。この部屋って医務室じゃないですか。だからあまり長期間、私が使用するのはしのぶ様にご迷惑だと思うんです。」
「成程っ。じゃあ、アオイさんは自分の部屋に行きたいんだね?」
「はい。で、でも一人で部屋に行くのはちょっと億劫でして……お手数をお掛けしますが、手伝って頂けないでしょうか?」
「うん、喜んで。お安いご用だよ。」
「え、きゃぁっ!?」
炭治郎は笑顔で承諾すると、アオイに近づいてひょいっと抱き上げた。所謂「お姫様抱っこ」だ。アオイは炭治郎の行動に歓喜と困惑の交えた様子で質問する。
「あ、あのっ。炭治郎さんっ、こ、これって……!」
「ん? これがアオイさんにとって一番、負担が少ないと思ったんだけど? 嫌だったら肩だけ貸そうか?」
「い、いえ。そうではなくてですね。私、お、重くないのかなぁって。」
「……ぷっ、あはははははは。アオイさんが重たい訳がないじゃないか。むしろ軽くて心配なくらいだよっ。」
そう言って笑いながらアオイを抱えて進み始めた。アオイはこの一時が嬉しくて炭治郎の首に手を回した。
「あら、炭治郎君と……アオイ?」
「しのぶさん、お疲れ様です。」
「お、お疲れ様です。しのぶ様。」
アオイの部屋に向かう途中で、炭治郎とアオイはしのぶと出会った。しのぶは二人の姿を見て僅かながら動揺していた。
「あの、炭治郎君。これは一体何事ですか?」
「はい。アオイさんが自室で休みたいと言ったんで、こうしてアオイさんをお部屋まで連れて行ってるんですよ。」
「そ、そうですか。しかしあまり炭治郎君に甘え過ぎてはいけませんよ。アオイ、自力では歩けないんですか?」
「しのぶさん、俺が好きでやってるんで大丈夫です。あまり気にされなくても結構ですよ?」
しのぶがアオイに苦言しようとしたが、炭治郎に阻止される形でそれは終わった。しのぶは渋々「分かりました。アオイ、大事にね。」と言うとその場を去った。しかし、しのぶとすれ違った際にアオイの耳にはしのぶがぎりっと歯軋りする音が聞こえた気がした。
この時、それを聞いたアオイの心中に湧き上がった感情はしのぶへの罪悪感ではなく、しのぶを差し置いて炭治郎を独占している事実への歓喜と優越感だった。
♦︎
アオイの自室についた炭治郎は抱えていたアオイを優しくゆっくりと
「炭治郎さん、ありがとうございました。」
「どう致しまして。アオイさん、他に俺に何かして来て欲しい事はないかな?」
アオイは炭治郎の言葉に少し考えてから、一つ頼み事をした。
「で、では手桶一杯のお湯と手拭いを二枚持って来て頂けないでしょうか?」
炭治郎は承諾してそれをアオイの自室まで持って来た。
「アオイさん。言われた通り持って来たよ…………じゃ、じゃあ俺は部屋の外に出てるからっ。」
「待ってっ!!」
アオイが手桶一杯のお湯と手拭い二枚を使ってこれから何をするのか分からない程、炭治郎は鈍感ではない。急いで部屋の外に出ようとしたが、アオイが大声を出して炭治郎が退室するのを阻止した。
「炭治郎さん。一人では背中までは手が届かないので、代わりに拭いて頂けないでしょうか?」
「ア、アオイさん。俺は男だから、それならすみちゃん達を呼んで来てやって貰った方がっ。」
「私は炭治郎さんがっ! 良いんですっ!」
アオイの必死の懇願に炭治郎は面食らい根負けする。
「…………分かった。そこまで言うなら、俺がやるよ。でもアオイさんに嫌な思いは絶対にさせたくないから、何かやっちゃったらすぐに言ってね?」
「はいっ!…………では服を脱ぐので少しの間後ろに向いていて下さい。」
炭治郎はアオイの言葉に直ぐ回れ右をして部屋の扉と対面した。スルスル、バサッと脱げて行く服の音だけが炭治郎の耳に入ってきたが、炭治郎は緊張感でそれどころではなく、「禰豆子と同じ事をやるだけ、禰豆子と同じ事をやるだけ。」と必死で脳内で念仏のように唱えていた。
「……良いですよ。炭治郎さん。」
そう言われて炭治郎は再び回れ右をしてアオイと向き合い、そして息を呑む。
そこには胸を隠すように両腕を前に組んで丸椅子に座る全裸のアオイがいた。
後ろ姿だけであったが、その状態からでも分かる猫のようなスラリとした肢体。
白くてシミ一つない瑞々しく美しい肌。
背中越しからでも分かる腕から溢れそうな豊満な乳房。
抱き締めたら折れてしまいそうな括れた腰。
小さ過ぎず、かと言って大き過ぎない形の整った臀部。
現場から離れていても鍛錬を怠っていないおかげか、市井の娘にはない鍛えられた、されど女性らしさを損なっていない健康的で細身の美しい筋肉質の芳体がそこにはあった。
また、僅かに見える臀部の割れ目が殊更、アオイの色気を増大させた。
アオイの裸体を見て、炭治郎は高名な芸術家の彫刻品を見ているような錯覚に陥っていた。
アオイもまた自身の裸体を炭治郎に晒している緊張感からか、何も言わずに黙っていたが、沈黙を貫いている炭治郎に堪らず声を掛けた。
「あの……何か言って頂けませんか? 黙っていられると不安になるし、困るんですけど……?」
「……っ! ご、ごめん。あまりに綺麗だから、その、見惚れてて。」
「……ありがとうございます。そう言って貰えて私も嬉しいです……背中、お願いしますね。」
「うん……その、アオイさん。大きなお世話になるかもしれないけどさ、こう言う事は今後、間違っても善逸とかには頼んじゃダメだよ?」
「ぷっ。くくっ、あはははは! 炭治郎さん、安心して下さい。こんな事は後にも先にも、私は絶対に貴方にしか頼みませんから。」
「それは……男として喜んで良いのかな……? ま、まぁ良いか。じゃあ、始めるよ?」
炭治郎はアオイの発言に複雑な思いをしながら、お湯に濡らした手拭いを持ってアオイの背中を拭き始める。
「ん❤……んん❤……あぁん❤……はあぁん❤……。」
「俺は何も聞こえない…………俺は何も聞こえてない…………こ、こんな感じでどうかな!? アオイさん!?」
「ありがとうございます……私はこれから拭ける所を自分でやりますけど、そのまま見てても良いですよ?」
「き、気持ちだけ貰っておくよ!」
炭治郎はそう言って急いで回れ右をした。そして一息ついたが、お湯の跳ねる音が聞こえる度にアオイの芳体を想像してしまい、悶々としてしまう。また、炭治郎の意思に反して下半身の愚息が膨張し始めて、
アオイは身体を拭き終わると、寝間着に着替えて
「アオイさん、これで全部?」
「いえ、最後に……最後にもう一つだけあるんです。」
「良いよ。言ってご覧よ。」
炭治郎は此処まで来たら何であろうとドンと来いという気持ちで、アオイの頼みを聞く姿勢を取る。そしてアオイは願いを口にした。
「体が弱っているからでしょうか、ちょっと心細いんです……だから、だからっ。」
「私が寝るまで手を握っていてくれませんか?」とアオイは言おうとした。だが彼女は無意識に別の事を言ってしまう。
「私が寝るまで一緒に添い寝してくれませんか?」
「「………えっ゛?」」
炭治郎は一瞬アオイは何を言っているのか分からなかったが、アオイはそれ以上に混乱していた。
――違う違う違うっ!! 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ!!! 一体何を言ってるのよ私はっ!?
アオイは直ぐにその失言を訂正しようとした。そして炭治郎とほぼ話す瞬間が被る。
「あのっ!「良いよ。」……え?」
「俺で良ければ、アオイさんが寝るまで傍にいるよ。遠慮しなくても大丈夫だから、ね?」
「あ……はい❤」
アオイは無意識のうちに抱いていた心底の願望が叶った事に歓喜しながら、
そして顔を合わせる炭治郎とアオイはどちらからともなく会話を再開した。
「炭治郎さん。今日は今日は私の我儘を沢山聞いて下さってありがとうございました。」
「ううん。こっちこそ、新鮮なアオイさんが見れて良かったよ。」
「あと……今更なんですけど、もし風邪が
「俺は頑丈だからきっと大丈夫だよ。でももし風邪を引いちゃったら、その時はアオイさんに看病を頼んで良いかな?」
「も、勿論です! その時は喜んでお世話させて頂きますから!」
炭治郎とアオイはそのまま二人で会話を続けていたが、時間が経つに連れて睡魔が襲って来た。最初に眠りに就いたのは意外にも炭治郎の方が先だった。暗くて見えないが、炭治郎の寝息が自分にギリギリ掛かっているので位置に間違いはない。炭治郎の顔を想像しながらアオイは独自を続けた。
――私より先に寝るなんて、やっぱり炭治郎さんも慣れない事をやって相当疲れていたのかしら? でも本当に、今日は色んな事が起きたけどとっても楽しかったし、嬉しい事が沢山有った、素敵な一日だったなぁ。
アオイは今日あった事を思い出して思わず、笑みを浮かべる。だがある事を思い出して顔を顰めた。
――炭治郎さんとしのぶ様、今こそお互いに失恋したみたいになってるけど、どちらかが動けばすぐ好転する関係なのよね……応援しなきゃいけない……よね……カナヲが御二人の事を知って発狂しなきゃ良いけど……。
ズキッ!
――〜〜っ! 胸に痛みが……この痛みはっ……これって……ああ、やっぱりこれって…………。
アオイは此処に来て漸く自覚していた。自分はしのぶに嫉妬していたのだと。それは即ち神崎アオイが竈門炭治郎にある想いを抱いて居る事に他ならない。
――そうよね…………そうだよね…………じゃなきゃ身体を拭かせるなんて真似、嫌だったら絶対にさせなかったもの。炭治郎さんに拭いて欲しかったから頼んだんですもの。認めよう、認めなきゃ。しのぶ様にもカナヲにも悪いと思ったけど、やっぱりこの想いは無視出来ない、誤魔化せない、諦め切れない。ううん、諦めたくない。私は、私は炭治郎さんの事が好きっ………………大好きっ…………❤️
アオイは自身の心の奥底から芽生えて花開いていた恋心の確かな存在感を認めると、心中に抱えていたものがストンと落ちて心身が軽くなったような気がした。
そして手を動かして炭治郎の顔の位置をそっと探り始める。そして唇の位置を確認するとアオイはそこに向かって顔を近付けた。
「炭治郎さんっ、私は……貴方の事が大好きですっ❤」
アオイはそう言って寝ている炭治郎に静かに
余談だが、アオイは職場復帰するまでの間、炭治郎に毎晩添い寝を頼んでは炭治郎が寝ている隙に、
この話は個人的にかなり難産でした。
アオイは炭治郎に強く片思いをしている描写を書きたかったんですよ。しかし終盤のアオイはキャラが崩壊していると言われても否定出来ない(滝汗)。
登場人物の性器発言ってどう思います?
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有り(エロくなるからばっちこい)
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無し(日輪刀、鞘とオブラートに揶揄って)
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作者にお任せ