※この作品はR-18です。

優しき日輪と鬼殺隊の美蝶   作:蓮紅

45 / 65
※キャプション必読・リクエストに関しての説明あり
*未成年飲酒は犯罪行為です。絶対に真似しないで下さい。お酒は二十歳になってから。
・鬼滅の刃原作に関するネタバレあり。原作未読の方は閲覧注意。
・鬼滅の刃二次創作小説です。
・原作・キャラクターの性格・設定等改変の可能性大。一部キャラ崩壊注意。
・思い付き次第で何度も編集を繰り返す可能性大。お時間がある時で良いので、良ければ読み返してみて下さい。
・誤字脱字等のミス・内容の矛盾等の指摘は大歓迎。理不尽なクレームは受け付けません。
・コメント・メッセージ大歓迎。創作意欲の燃料になります。コメント・メッセージの返信は必ずさせて頂きますのでどしどし御投稿下さい。
・SS内容に関してはネタパクリと言う名の盗作を間違えてしないよう気を付けてますが、もし私が投稿した作品が既に別の作者様と作品内容が酷似していた場合、メッセージにて御連絡下さい。

※リクエストに関して
メッセージにてリクエスト内容を御連絡下さい。
以下規約
・100%受け付けられると保証された訳では御座いません。創作意欲次第で承諾する場合もお断りする場合も御座います。
・炭治郎×鬼滅女子のみ。
・作者は遅筆。またリアルの都合や他SSの執筆で投稿が遅くなる可能性大。
・CP、全年齢かR作品か、ネタの内容を御記入下さい。ネタの内容が詳細で有れば有る程、筆が進むので御協力をお願い致します。


第肆拾伍話 藤蝶は日輪の手練手管を披露する ★

カナヲを慰めたしのぶ達は、珠世と禰豆子を連れて温泉に入った。

 

「あ~っ! 禰豆子ちゃんっ! こっちこっち~!!」

 

先に温泉に入って居た蜜璃が、手招きに禰豆子を誘う。既に酒が入っていた所為か、その顔は少しだけ赤く紅潮していた。

 

「んっ~!」

 

蜜璃に誘われた禰豆子は、喜んでその隣へ移動した。

結果、蜜璃が禰豆子の左側におり、自然と右側に集まった。そして初対面の雛鶴達が禰豆子の真正面に居た。

 

「……医者の観点から見ると、あまり感心出来ない光景ですね。」

 

「そうですね。珠世さん。……もう、甘露寺さんったら、普通にお酒を飲むのと温泉やお風呂に入った状態でお酒を飲むのとでは、全然違うんですよ? 後者だと、普通に飲むより酒精が早く回って来て酔い易いんですからね? だから雛鶴さん達も、あまり飲み過ぎてはいけませんよ?」

 

「は~い。」

 

「まぁまぁ、そう固い事を言わず。さぁ胡蝶様も一杯どうぞ。」

 

珠世としのぶが医療の観点から感心しない様に苦言を漏らすと、まきをがしのぶを宥める様に酒盃をしのぶ達に渡して徳利から酒を注いだ。しのぶ達は顔を見合わせると、溜息をついてグイっと酒を呷る。

 

「あっ……美味しい。」

 

「そうね、美味しいわ。」

 

「流石はあまね様が収集されたお酒ね。」

 

カナヲの評価にアオイとしのぶも同意して、口内に残っていた酒の味の余韻を堪能する。

 

もう一杯続けて酒を酒盃に注ぐ。匂いを嗅げば、豊かな果物の香りが鼻の中へと入って行く。しのぶ達は違う意味で溜息を吐いて、再びその味を堪能していた。

 

「その徳利、中身は日本酒では無いみたいですね?」

 

「はい。中身は果実酒や葡萄酒、柚子酒など果物が中心のお酒になります。」

 

珠世が質問をすると、アオイが肯定して酒の種類について伝えた。

 

「……ムゥ。」

 

「?……どうかしたの? 禰豆子ちゃんっ?」

 

縦に割れた鬼特有の両眼を細めて不機嫌な声を上げる禰豆子に、蜜璃は怪訝そうに尋ねた。

禰豆子が不機嫌な理由だが、それは彼女の眼前の光景に在った。

 

禰豆子が見渡せば、其処には八人の見目麗しい美女が居る。その美女達が誇る女性の象徴が、温泉に浮かんでいたのだ。

 

「……ムゥ。」

 

大草原に生える小さな丘の如き自身の乳房とは異なる、合計で十四もの豊満な乳房。唯一、珠世だけが慎ましいものを持っていたため、数には含めていない。それでも禰豆子よりは、明らかに大きいものであったが。

 

胸に手を当てて己の乳房の大きさを再度確認した禰豆子が不機嫌になったのは、其処から生じる嫉妬心が理由であった。

 

「……んっ!」

 

『!?』

 

禰豆子は再び、鬼化して美少女から魅惑的な美女へと変貌を遂げる。その際に大きく成長した豊満な乳房が、たぷんと音を立てて温泉に波紋を広げた。

 

「……ふふっ。」

 

一転して機嫌を良くした禰豆子は得意気に、豊満になった乳房を両手で持ち上げた。無論、しのぶとアオイ、そしてカナヲの三人を横目で見ながら。

 

そんな禰豆子の視線に気付いたしのぶ達は、声を顰めながらヒソヒソと話し始めた。

 

「……あからさま過ぎませんかねぇ?」

 

「……昨日しのぶ様が禰豆子さんに「貧相で退屈な身体」なんて言うからじゃないんですか?」

 

「私もそう思う……でも今の禰豆子ちゃんの乳房(おっぱい)、本当に大きいなぁ……。」

 

しのぶがイラッとしながらそう言うと、アオイはしのぶの所為だと非難し、カナヲはアオイに同意しつつ禰豆子を羨望の目で見ていた。尤も、カナヲも十分な大きさを持っているのだが。

 

しかし、しのぶが苛立っていたのは禰豆子に風貌(スタイル)を見せ付けられている事だけでは無かった。

 

――禰豆子さんだけ真っ白な素肌ね……私達は身体中に付けられた炭治郎君からの口付け痕(キスマーク)の所為で、とても恥ずかしい思いをしたのに……いや、凄く嬉しいんだけどこう言う状況では気恥ずかしいわ。

 

しのぶは禰豆子と身体を比較して、自分達に付けられた口付け痕(キスマーク)について嬉しい反面、人前に素肌を晒せない事情が出来た事を複雑に思っていた。

 

「わぁ~~禰豆子ちゃんのその姿、やっぱり色っぽいなぁ。」

 

そんなしのぶの心情など知る由も無く、蜜璃は禰豆子の鬼化した姿を見て素直に称賛していた。

 

「……あっ! 忘れてたっ!!」

 

『?』

 

蜜璃は何か大切な事を思い出した様子で、ポンと掌を打った。そこから透かさず蜜璃は実行に移す。

 

「禰豆子ちゃん、珠世さん、紹介するね? この綺麗なお姉さん達。左から雛鶴さん、まきをさん、須磨さんよ。皆、宇髄さんの奥さんなの。綺麗でしょ~~。」

 

『!』

 

雛鶴達を自己紹介した事で、蜜璃の行動理由を漸くしのぶ達は理解した。確かに禰豆子と珠世の二人は、雛鶴達とは初対面だ。一体誰なのか、訳が分からなかったに違いない。

 

「珠世です。既にご存知かと思いますが、改めてよろしくお願い申し上げます。」

 

珠世は天元に妻が三人居る事に少しばかり驚くも、その驚きは刹那にも満たない間であった。戦国期の生まれであるため、男性が複数の妻妾を持つ事に抵抗感や違和感は比較的少なかったのだ。

 

「あっ、はい! 甘露寺様よりご紹介頂きました、天元様の妻の宇髄雛鶴です。こちらが同じく天元様の妻のまきを、もう一人が須磨になります。」

 

三人を代表して、雛鶴が珠世に挨拶を行う。まきをと須磨もまた、珠世に向かってお辞儀をした。

 

「んっ!」

 

禰豆子が挨拶する様に声を上げる。その際に、少しばかり身を前に乗り出した。

 

「「「!!」」」

 

すると、雛鶴達はビクッと身体を震わせて身を後ろに引いた。

 

「……っ。」

 

その様子を見た禰豆子は、直ぐに動きを止める。その双眸は不安に揺れていた。

 

「えっ?……もしかして、禰豆子ちゃんが怖いんですか?」

 

「「「っ!」」」

 

蜜璃がまさかと言わんばかりに、雛鶴達に尋ねた。すると図星だったのか、雛鶴達は再びビクッと身体を震わせて視線を逸らした。

 

「……っ。」

 

禰豆子は雛鶴達の態度が衝撃的(ショック)だったのか、シュンと項垂れてしまう。

 

「ね、禰豆子ちゃんっ! 気にしちゃ駄目よ?」

 

蜜璃は慌てて禰豆子を慰めに走った。しのぶ達もまた、心配そうに禰豆子を見守る。

 

「……」

 

『!?』

 

するとその視線も、一瞬で驚愕に早変わりする。禰豆子が身体を縮ませ始めたからだ。それは通常の身体に戻るどころか更に小さくなっていった。

 

「禰豆子ちゃんっ!?」

 

禰豆子は日中の間、炭治郎が抱えている日除け箱の中へ入れる程に小さく変化すると、そのまま温泉の中へと沈んでいき、ぶくぶくと泡を起こした。その様子を見た蜜璃が、慌てた様子で禰豆子を引き上げた。

 

「……ぶうぅっ!」

 

「っ!……ほっ!」

 

禰豆子は鬼であるため、溺死する心配は無い。しかしそれとこれは別である。禰豆子を引き上げた蜜璃を筆頭に、温泉に居た誰もが安堵の溜息を零した。

 

「ね、禰豆子ちゃん? ごめんなさいね?」

 

雛鶴が罪悪感を胸一杯に抱きながら、禰豆子に謝罪した。まきをと須磨もまた、同様であった。

 

「……」

 

その様子を黙って見ていた珠世が、顎に手を置いて一考してから開口する。

 

「禰豆子さん。もう一度、鬼化して貰えないかしら?」

 

『!』

 

「う?」

 

珠世が鬼化を禰豆子に頼んだことに、しのぶ達は驚いた。禰豆子もまた何故珠世がその様な事を頼むのかと、首を傾げていた。

 

「……うぅ~。」

 

「「「!」」」

 

禰豆子は困った様子で、雛鶴達を見た。どうやら再び雛鶴達を怖がらせないか、その事を心配しているみたいであった。そんな禰豆子の様子を気付かない雛鶴達では無かった。最初に行動に移したのは、須磨だった。

 

「大丈夫よっ! 禰豆子ちゃん。私達、もう慣れたからっ!!」

 

「っ!……ええっ! だから私達に遠慮なんてしなくても良いのよ。」

 

「最初は初めて見たから吃驚しただけ。もう平気だから、安心してね?」

 

須磨に続けて、まきをと雛鶴もまた禰豆子を安心させる様にそう言って声を掛けた。

 

「……んっ。」

 

禰豆子は雛鶴達の言った言葉を信じて、再び鬼化を行う。瞬時に幼児体型から、魅惑的で妖艶な美女へと変貌を遂げる。

 

「……」

 

珠世はその姿を見て、再び沈黙して一考する。しかしそれは長くは続かず、暫くして開口した。

 

「禰豆子さん。その姿ではやはり他の人達に警戒されるのも仕方が無いと思うわ。」

 

珠世はそう言って雛鶴達を擁護した。珠世は鬼化した事で出て来たある部位に注目していた。

 

「やはり……この角と爪牙が問題ですね。珠世さん。」

 

「ええっ、しのぶさんの仰る通りよ。ついでに言うと左目も何とかしたいわね。身体中の紋様は衣服で隠せるから良いとして。」

 

しのぶは珠世が察した様に、禰豆子が鬼化した事で額の右側に生えた一本角と鋭く生えた牙、鋭利な両手の爪と左目の罅割れ模様に注目していた。珠世はしのぶの指摘に頷いて、禰豆子に尋ねた。

 

「禰豆子さん、その姿で居たい?」

 

「……んっ!」

 

珠世に尋ねられた禰豆子は、力強く頷いて肯定した。しかし、その事に珠世は困った表情を浮かべた。

 

「……だったらそのままでは不味いわ。一目で鬼だと、少なくとも人間ではない何かだと分かってしまうもの。」

 

「珠世さん。その通りですけど、何とか出来ないんですか?」

 

珠世の苦言は尤もだと蜜璃も同意するも、何とか禰豆子の願いを叶えたいと考えて珠世に尋ねた。すると珠世から直ぐ様、返答が返って来た。

 

「だったら、擬態能力を磨くしか無いと思います。」

 

『!』

 

珠世が考え出した対策に、しのぶ達は注目する。

 

「私の様に一目では鬼と見抜かれず人間なのだと思わせられる程の、高い擬態能力が禰豆子さんには必要よ。百歩譲って身体と左目の紋様は別に良いとして……最低でも、その一本角と爪牙は隠せなくては駄目ね。」

 

「……んっ!」

 

珠世が禰豆子に擬態能力の強化を提案すると、禰豆子は納得する。そして直ぐに行動に移し出した。

 

「んんっ~~!! んんっ~~~~!!!」

 

『!』

 

禰豆子は双眸を強く閉じて、念じる様に唸り始めた。どうやら擬態を試みている様だ。

 

「禰豆子ちゃんっ! 頑張って!!」

 

蜜璃が全員を代表する様に、禰豆子を応援する。禰豆子は五分程奮闘したが、姿を変える事は出来なかった。

 

「んん……っ。」

 

禰豆子はシュンとした様子で、項垂れてしまう。そんな禰豆子を見て、珠世が励ますために声を掛けた。

 

「そんな一瞬で出来るものでは無いから、落ち込まなくても良いのよ。」

 

「ん……。」

 

珠世に励まされた禰豆子だったが、不満は隠し切れなかった。しかし、珠世はある事実を見逃してはいなかった。

 

「禰豆子さん。貴女は私達の背中を流してくれた時、カナヲさんの頭を洗った時に、爪は伸びて無かったでしょう?」

 

『!……っ。』

 

珠世の指摘を受けて、しのぶ達はハッとした表情を浮かべた。あの一時の様子から其処まで観察していた珠世の洞察力に、しのぶ達は思わず感嘆した。

 

「禰豆子さん。爪だけ短くして貰える?」

 

「ん?……んっ!」

 

禰豆子は珠世に言われた通りに、爪の長さの調整を始める。すると二十秒も掛からない内に、剃刀の如く鋭かった爪が通常の丸みを帯びた人間の爪と変わらない長さになった。

 

「ん!」

 

禰豆子は爪の長さの調整に成功して、嬉しそうに両手の指を珠世に見せ付けた。

 

『おぉっ!』

 

禰豆子が爪を調整出来た事に、大浴場では小さく歓声が上がった。続けて珠世は禰豆子にある事を求めた。この成功を見て、珠世はある可能性に気付いた。

 

「爪の長さの調整は大丈夫みたいね? 爪の長さは元に戻して良いから、今度はもう一ヶ所だけ集中してやってみましょう。試しに角を収めてみてくれる? それから左目の紋様、最後に牙と行きましょうか?」

 

「んっ!」

 

『……』

 

しのぶ達が二人を見守る中、珠世が提案した通りに禰豆子が一ヶ所だけ擬態に集中する。

結果、爪より時間は掛かるものの他の三ヶ所も擬態に成功した。

 

しかし、これが二ヶ所以上同時に行うとなると、爪の長さは維持出来なかったり、出来ても他の部位で失敗に終わってしまった。この実験結果を見て、珠世は確信を抱いて禰豆子を褒めて激励する。

 

「今の段階でも一ヶ所の爪だけ、上手に擬態する事が出来る……そう分かっただけでも大収穫よ。禰豆子さん、少しずつで良いから精度を高めましょう。それが出来ればきっと炭治郎さんも喜ぶわ。」

 

「んっ!」

 

禰豆子は珠世の激励を受けて、満面の笑顔を浮かべる。そして内心で、擬態能力の精度を上げると禰豆子は強く決意した。

 

 

 

 

 

 

「あの、珠世……様。私から一つお聞きしたい事が有るのですが、構いませんか?」

 

「!」

 

珠世の話が終わったのを見計らって、雛鶴が珠世に尋ねる。珠世も質問の内容が気になって、逆に聞き返した。

 

「何でしょうか? 私に答えられる事でしたら何でも……それから私に様付けや敬語など不要ですよ?」

 

珠世は質問を答える事に承諾すると、雛鶴に自身への丁寧な言動は不要だと伝える。しかし、この事に雛鶴は頸を横に降って拒絶した。

 

「いいえ、そういう訳には参りません。珠世様と愈史郎様のお二人は、鬼殺隊において柱に相当する方々です。その点はご自覚下さい。」

 

「っ!……分かりました。」

 

珠世は雛鶴に強くそう注意されて、仕方無く了承する。それを見て、雛鶴は改めて珠世に尋ねた。

 

「珠世様。先刻(さっき)の話の続きですが、一瞬では不可能とはいえ……禰豆子ちゃんの擬態能力の向上にはどれだけの時間が掛かると思われますか?」

 

『!』

 

禰豆子の擬態能力に関する質問と知って、しのぶ達も真面目に自然と耳を傾ける。

 

「一概に断言する事は不可能です。……私が断言出来る事が有るとすれば、一朝一夕では出来ない。現状では、全て禰豆子さんの才能と努力次第としか言う事が出来ません。」

 

禰豆子の擬態能力を向上させるのに必要な時間がどれくらいかと雛鶴に尋ねられた珠世は、申し訳無さそうに頸を横に振って自身の見解を述べた。

 

「人間の私達に、その苦労が分かるとは思わないけど……元の状態から変化させた上でそれを維持したまま、一部だけまた変化させる部分限定の擬態なんて想像以上に難しいかも……。」

 

まきをがこれから禰豆子が習得しなければならない擬態能力について考えると、その苦労を察して禰豆子に同情する。

 

「そうですね。まきをさんが今仰った様に、難しいと思います。」

 

「珠世様。何かコツとか無いんですか?」

 

まきをの呟きに同意した珠世に、須磨が擬態能力のコツの有無について尋ねる。

 

「いいえ、私から助言出来る事など特には……身体全体を変化させてる禰豆子さんと違って、私は元の状態から目と牙、そして乳房の三点を変えているだけですから。」

 

「そうですかぁ……ん?」

 

『!?』

 

須磨が珠世の説明を聞いて頷き掛けたところを、一点だけ引っ掛かる言葉を耳にして首を傾げた。そして珠世の説明に反応したのは、須磨一人だけでは無かった。

 

「乳房……?」

 

「えっ? 珠世さん、其処変えているんですか?」

 

アオイとカナヲが純粋に疑問に思って、珠世に尋ねてみた。この時になって初めて、珠世は自身の失言に気が付いた。

 

「……っ!」

 

珠世は咄嗟に右手で口を覆う様に押さえるが、一度吐いた言葉を戻す事など出来はしない。況してや、無かった事にする事など不可能だ。

 

聡明な珠世は直ぐに諦念を抱いて、静かに溜息を吐いた。

 

「珠世さん、別に隠す事でも無いのではありませんか? そもそも、変える必要すら感じませんけど。」

 

しのぶは慰める様に、珠世に言葉を掛ける。その一方で内心では、有る疑問を抱いていた。

 

――珠世さんって、私と殆ど変わらない身長よね……乳房の大きさなんて、一体どういった理由で変えているのかしら?

 

しのぶは心中で疑問を抱きながら、珠世の身体的特徴について分析していた。其処へ、珠世から衝撃的な理由が伝えられた。

 

その……大きいからです。」

 

「……はい?」

 

しのぶは理解出来ず、咄嗟に聞き返した。すると珠世が少しばかり恥ずかしそうに、先刻よりも大きな声でその理由を述べた。

 

「わ、私の乳房は少しばかり大き過ぎるので、そのままでは悪目立ちしてしまうからっ! 態と小さくしているのですっ!」

 

『!?』

 

思わぬ理由を聞いて、しのぶ達は驚愕を隠せない。しかし、納得する者も現れ始める。最初に頷いたのは、アオイだった。

 

「そうなんですか……確かに乳房が大きいと、着物を着るのに苦労しますよね……帯の上に乳房が乗って、太って見られたりするし。そうでなくても、嫌らしい目で見られるし。」

 

アオイが自身の着物に関する苦労話を、愚痴を零すが如く話し始めると同意する者達が次々と現れる。

 

「だからって晒でキツく締め上げたら、呼吸をするのもしんどいのが困ります。」

 

「私も着物なんてものを市井の女性はよくきっちりと着てられるなぁって、思いました。」

 

「だから、どうしても私達は何時もの格好を好んで着てしまうのよね。慣れているから。」

 

普段から胸元が開いている扇情的な衣装を着ている雛鶴達が、珠世やアオイに同意して次々と自分達の苦労を話し始める。

 

黙って話を聞いていたしのぶ達も、その内容が理解出来るのか度々うんうんと頷いていた。その姿を見て、珠世が微笑みながら話し始めた。

 

「ですが、私の見識は狭かったみたいです。四百年以上もの時を生きて、大勢の患者を診て来ましたが……はっきり言って皆さんの様に乳房が大きい人は、数える程しか居ませんでしたから。」

 

珠世は仲間を見つけられたとばかりに、嬉しそうに自身の苦労を理解出来るしのぶ達を見ながらそう言って喜びを露わにした。

 

「それなら良かったです!……珠世さん、でしたら私達しか居ないんですから、隠さなくても良いんじゃないですか?」

 

「!」

 

蜜璃から暗に擬態を解いてはどうかと提案された珠世は、少しばかり思考してからその提案に同意した。

 

「そう、ね……打ち明けた以上、隠す必要性など何処にも無いわね。」

 

珠世は自身を納得させる様にそう呟くと、擬態を解いて本来の乳房の大きさに戻した。

 

『!?』

 

「ふぅ……何だか、すっきりした気分だわ。でもやっぱり重いわね。隠さなくても良いのは嬉しいけれど。」

 

たっぷんという幻聴が耳に入って来そうな程の、大きな乳房が温泉に浮かぶ。ただ大きいだけで無く、形も綺麗に整った乳房だ。

 

『……』

――……でかっ!?

 

しのぶ達は心を一つにして、全く同じ感想を浮かべた。

 

「おお〜〜っ。」

 

「おっきいですねぇ〜。」

 

ただし、禰豆子と須磨の二人は驚愕ではなく感嘆していた。

 

両眼を見開いて固まっているしのぶ達とは対象的に、見開いた両眼を感嘆してキラキラと輝かせていた。

 

「「「……」」」

 

しのぶとアオイ、カナヲは思わず自身の乳房に手を置いて触れる。

 

小さくなど無い。それどころか、万人に聞けば万人が大きいと評価するだろう。否、これを小さいなどと言おうものなら、此の世の貧乳の女性全てを敵に回すに違いない。最愛の炭治郎が手に触れても、その手からはみ出る程の大きさは有るのだから。

 

しかし眼前の二人の、合わせて四つ在る巨大な母性の象徴を見せられれば、自分達の乳房は大したものでもないと勘違いしそうになる。

 

「「「……っ。」」」

 

しのぶ達は炭治郎と結ばれるまでは常々邪魔だと思っていた乳房を、今では正反対に大切に重宝しているのだから、自分達の心変わり具合に苦笑せざるを得ない。

 

――今の禰豆子さんと珠世さんの大きさ……私もお母さんと姉さんの二人しか見た事が無いわね。

 

『殿方の視線が気にならないかですって? 別に気にしないわよ。見られて減るものでも無いし……まぁ流石に手を出して来たら張り倒しちゃおうかしらね?』

 

『邪魔だとは、其処まで思わないけれど……文句が有るとしたら、強いて言うと肩が凝り易いわね。でも何時の日か愛する殿方の赤ちゃんを産んだ時に、お乳をあげるのに好都合だと思わない?』

 

生前の姉のカナエの話していた事を思い出して、しのぶは再び苦笑する。あの当時の自分は一体何を言っているのかとカナエに文句を言っていたが、今ではその気持ちが良く理解出来ていた。

 

子供を産む事も無く、また子供を産みたいと思う事も無く仇敵の鬼に喰われて死ぬのだと想定して生きていたしのぶだ。それが今となっては、全く違う別人となっていた。

 

――まさか、それが今では愛する殿方と結ばれて……その人の、炭治郎君の赤ちゃんを産んであげたいとすら思っているなんて、当時の私に言っても絶対に信じないでしょうね。もう、珠世さんのお蔭で益々欲張りになって困っちゃうわ。

 

炭治郎と結ばれて生まれた新たな願望に、しのぶは困った様に、嬉しそうに幸せな笑みを浮かべながら酒を一杯勢い良く呷った。

 

「大きいわね。」

 

「うん、二人共凄過ぎだわ。」

 

「私達の乳房(おっぱい)が、普通の大きさに見えますね」

 

しのぶ達とは対象的に、雛鶴達は禰豆子と珠世の乳房を見ても何とも思わなかった。否、初見こそ驚いてはいたが、それだけであった。

 

何故ならば、最愛の天元ならば乳房の大きさに関係無く自分達に愛情を注いでくれると確信しているからだ。

 

たとえ大草原の如き真っ平らで貧相な乳房を持っていたとしても、きっと天元の愛情は変わらない。

尤も、天元を楽しませる事が出来るだけの大きさを持っている事に誇りを持っているのは確かだが。

 

なお余談ではあるが、実はこの大正時代はまだ痩身(スレンダー)な女性がより美人とされていたので、しのぶ達の様な肉感的(グラマラス)体型(スタイル)はまだ少しばかり特殊であった。

 

大勢の一般的な男性から見れば「顔は凄く良いけど、身体がちょっとなぁ……。」というのが主な評判だったのである。

 

逆に言えば、炭治郎の様な好みを持っている男性は感覚が先進的とも言えた。

 

更にもう一つだけ、大正時代における結婚事情には余談がある。

 

この大正時代では恋愛結婚でもなければ、基本的にお見合いによって年下の女性が年上の男性の下へ嫁ぐ事が主流であり一般的であった。二周り以上年上の男性に嫁ぐ女性も、決して珍しく無かったのだ。

 

そんな大正時代の結婚事情を鑑みれば、炭治郎の年上好きも、しのぶ達の年下好きもまた、感覚が先進的とも言えるものであった。

 

これらの要因もまた、時代や世界情勢に囚われない鬼殺隊が生み出す気風によって生まれ、促されたといっても決して過言では無いだろう。

 

逆にいえば鬼が居たからこそ生まれた可能性も有る訳なのだが、誰もその点について認める事は万に一つ、億に一つとして無い事だろう。

 

「珠世様、ちょっとお願いがあるんですけど、良いですか?」

 

「あら、何かしら? 須磨さん。」

 

『?』

 

唐突に、須磨は珠世に近付いて嘆願をして来た。珠世も不思議そうに、逆に須磨に尋ねる。

 

「そのご立派な乳房(おっぱい)、触らせて貰っても良いですか!? ほんのちょっとの間だけで良いんでっ!!」

 

『!?』

 

須磨が口にした嘆願の内容を聞いて、しのぶ達は呆気に取られた。

 

「ちょっと、須磨っ!?」

 

「あんたいきなり何言いだしてんのよっ!」

 

須磨の嘆願の内容を聞いて絶句していた雛鶴とまきをだったが、我に帰った二人は急いで須磨を止めようとする。そんな二人に、須磨は不服と言わんばかりに抗弁する。

 

「だって二人共見て下さいよ! この珠世様の乳房(おっぱい)っ……大きさは勿論ですが形といい張りといい、弾力も凄そうです。触らなきゃ逆に失礼ってもんですよっ!」

 

「どう言う理屈よそれっ!?」

 

須磨の助平(セクハラ)全開な言い分に透かさず、まきをは鋭くツッコミを入れた。

 

「珠世様、こちらの須磨がすみません。」

 

須磨にまきをがツッコミを入れている間に、雛鶴が珠世に頭を下げて謝罪する。

 

「……くすっ。あはははははっ!」

 

『!』

 

雛鶴達のやり取りを見て少しばかり呆気に取られて固まっていた珠世が突如、可笑しそうに笑声を上げた。笑い終えた珠世は、目尻を拭ってから須磨に話し掛けた。

 

私の乳房(こんなもの)で良かったら、好きなだけ触っても構わないわよ?」

 

「良いんですかっ!?」

 

最初こそ驚いていた珠世だったが、須磨の願望を知って笑いながら快諾する。

 

珠世から承諾を得られた事で、須磨は露骨な程に歓喜の表情を浮かべる。油断していると、今にも口元から涎が垂れ落ちそうである。

 

「珠世様……本当に良いのですか?」

 

「別に甘やかさなくても良いんですよ、珠世様。」

 

申し訳無さそうな表情を浮かべる雛鶴とまきをに、珠世は微笑みながら二人を宥めた。

 

「ええ、本当に良いの……でもあまり強く揉まないでくれると嬉しいわ。」

 

「合点承知の助です! ご心配無くっ!」

 

冗談でも言う様にそう珠世が須磨に言うと、須磨は当然とばかりに頷いてから答えた。それから早速、須磨は素早く行動に移る。

 

「それではお言葉に甘えて……失礼しま〜すっ。」

 

 

 

もにゅ!

 

 

 

「あっ……っ。」

 

「おぉ~~。」

 

須磨は感嘆した様子で声を漏らしながら、正面から両手を伸ばして珠世の乳房に触れていた。遠慮無く珠世の乳房に触れまくっていた須磨だったが、力一杯鷲掴みにする様な乱暴な真似はせず、優しく労わる様に珠世の乳房を揉んでいた。

 

 

【挿絵表示】

 

提供:椿様

 

「如何かしら? 須磨さん。」

 

「……凄いですよっ! 珠世様っ!! 硬過ぎず柔らか過ぎない適度な弾力が有って、これは至宝と言っても過言では無いですっ! はいっ!!」

 

「そ、そう……お気に召したなら良かったわ。」

 

須磨から想像以上の絶賛を受けた珠世は、少し困惑しながらも返答した。尤も、須磨は珠世の乳房を愛撫するのに夢中で何も聞いてはいなかったが。

 

因みに何故須磨が同性である珠世の乳房を揉むのに此処まで興奮出来ているのか、その理由は須磨が男女どちらも大好きな、両刃使い(バイセクシャル)であるからに他ならない。

 

尤も自身が身体を許す男性など、此の世で宇髄天元唯一人しか未来永劫、存在しないと須磨は考えている。他の男性に身体を許すくらいなら迷わず自害するだろうと、そう即答出来る程に天元の事を心から愛しているのだ。それは当然、雛鶴もまきをも同じ想いである。

 

「珠世様、お肌スベスベですよねぇ……もしかしなくてもお身体の方は、私達と大して年齢(とし)は変わらなかったりします?」

 

「っ!」

 

男性が女性に聞けば行儀(マナー)に反すると叱責されても、仕方が無い質問である。

 

炭治郎が以前指摘して愈史郎に殴られた年齢に関する質問を、須磨は躊躇無く口にして珠世に尋ねた。乳房を揉む手は、止めないままであったが。

 

『!』

 

須磨が気になる質問を口にした事で、しのぶ達は興味深そうに二人に注目した。珠世が四百年以上生きている事は珠世自身が口にした事なので、その事実に関しては既に全員が認識済みだ。

 

しかし、珠世が何時無惨の手によって鬼に変えられたのかは、非常に繊細(デリケート)な質問であり個人的な興味は抱けども大して重要でも無いため、誰も知ろうとはしなかった。

 

――珠世さん、一体お幾つなのかしら?

 

――折角だから、知っておきたいわね。

 

――珠世さんって大人っぽい人だから、私より年上だと思うなぁ~。

 

しかし須磨が質問した事で、折角だから知りたいとしのぶ達は強く思った。そう思っていると、珠世からその回答を得る。

 

「……私の肉体年齢だけを言うなら、年齢(とし)は十九歳です。だから女湯(此処)に居る面々を考えると……私は甘露寺さんや須磨さんと同い年……と言う事になるわね。」

 

『えっ?……っ!?』

 

しのぶ達は珠世から肉体年齢を聞いて、驚愕から両眼を見開いた。

 

「「ええっ――ッッ!?」」

 

特に同い年と知った蜜璃と須磨は、しのぶ達以上に驚愕していた。だがそれも直ぐにその驚愕振りも形を潜めて、二人は笑顔になった。

 

「私、凄く身近に感じちゃいます!! 雛鶴さんやまきをさん共々、仲良くして下さいね!」

 

「私もですぅ~憧れちゃうなぁ……。」

 

「ふふっ。私の方こそ、どうかよろしくお願いします。」

 

蜜璃と須磨の言葉を聞いて、珠世は照れ臭そうに少し頬を赤く紅潮したまま二人に答えた。

 

だがその頬の紅潮も、別の意味で赤く染まって行く事になる。

 

「……あっ……っぁ❤……んんっ。」

 

『!?』

 

須磨が珠世の乳房を揉み始めて少しすると、珠世の口から僅かに色気を含んだ嬌声が漏れて来て、それを耳にしたしのぶ達は仰天して珠世を見詰めた。

 

珠世を見て見れば、声をあげまいと頑張っていた様子だったが、その姿が逆にしのぶ達を赤面させる程に艶めかしく映っていた。

 

そんなしのぶ達の様子に気付いた珠世が、慌てて弁明する様に口を開いた。

 

「あっ、あのっ!?……違っ!……これはっ……ぁんっ!❤……す、須磨さんが、結構……んっ……お上手だから……んんっ!……んっ!……っ❤」

 

『……』

 

引き続き無遠慮に自身の乳房を揉みまくって楽しむ須磨の愛撫を感じながら、珠世は必死で耐えて弁明した。

 

弁明の最後辺りは中指まで噛んで声を抑えていたのだが、その姿が更に凄艶なものにしていた。事実、しのぶ達は珠世の姿を見詰めたまま固まっていた。

 

一方で自身の愛撫に感じている珠世を見て、須磨は乳房を揉む手を緩める事無くご機嫌な様子で声を掛けた。

 

「気持ち良いですか、珠世様ぁ? 遠慮なんてしなくても大丈夫ですから、思いっ切り気持ち良くなって下さいね?」

 

「す、須磨さ……んああっ!❤」

 

『!?』

 

須磨はもみもみと珠世の乳房を揉んでいた両手に、少しばかり力を込める。珠世は須磨の動きを察して止めようとしたのだが、突如襲来した快感に一際大きな嬌声を上げる。

 

「あぅっ……ぁあっ!❤……んっ!」

 

「……(ゴクッ。)」

 

しのぶは珠世と須磨の痴態を目を逸らしながら、誤魔化す様に酒を一気に呷る。だが気になるのか、チラチラと二人を見ていた。

 

「おぉ~~っ。」

 

「!」

 

そんな風に横目で珠世と須磨をチラチラと見続けていると、禰豆子が感心している様子でキラキラと目を輝かせて二人を凝視している事に気付いた。しかし、しのぶが目に付いたのはそんな禰豆子の様子では無い。

 

「……っ。」

 

しのぶが目を逸らす事が出来なかったのは、鬼化によって大きく成長した禰豆子の身体そのものだ。

 

特に胸部に生えたと表現出来る、禰豆子の豊満な乳房だ。欲しい訳では無いのだが、明確な危機感がしのぶの心中にはあった。

 

――もし今度一緒に炭治郎君と愛される事になったら、私より禰豆子さんに夢中になってしまうのでは……っ。

 

しのぶ自身が最高位に位置する絶世の美女だ。自身の容姿が常人より優れている事に自覚はしている。第三者から見れば『隣の花は赤い』だけなのだが、しのぶにとってはそうではない。

 

しのぶの目には大真面目に、今の禰豆子の方が自身よりも美しい美女に見えていた。自身より大きな乳房はどうでも良い。だがしのぶが望んでも得られなかった長身が、自身の劣等感(コンプレックス)を刺激していた。

 

「……」

 

顔を俯かせたしのぶは、苛立ちながら持っていた徳利を酒盃に注いで一気に呷る。

 

「……っ!……っ。」

 

続けて注ごうとしたが、徳利が空になっている事にしのぶは気付く。しのぶは苛立ちながら空になった徳利を空入れ用のお盆に乗せると、適当な徳利を取って何と酒盃に注がず直接口に付けて一気に呷った。

 

「……っ!?……ね、姉さんっ!?」

 

「しのぶ様っ!?」

 

「ちょっ!? しのぶちゃーんっ!?」

 

しのぶの行動に仰天したカナヲ達が、慌てた様子でしのぶの名前を呼ぶ。だが、しのぶは構う事無くゴクゴクと喉を鳴らして一気に中身の酒を飲み干した。

 

 

 

 

 

※お酒の一気飲みは危険行為です。絶対に真似をしないで下さい。

 

 

 

 

 

「……ふぅ。」

 

『……』

 

酒を飲み終えて空になった徳利を、しのぶはそのまま温泉の外に放り投げる。それから間髪入れずにある行動に出た。

 

「えいっ♪」

 

「ひゃああぁぁっ!?」

 

『!?』

 

しのぶは突如、禰豆子の背後に回るとそのまま両脇に腕を差し入れて、その豊満な乳房を鷲掴みにしたのだ。禰豆子は自身を襲う唐突な快感に、些か困惑を隠せない。

 

 

【挿絵表示】

 

提供:椿様

 

しのぶの突拍子も無い行動に、アオイ達は仰天して目が点になり、須磨もまた珠世の乳房を愛撫していた手を止める。

 

「あっ!?……うっ?」

 

「はあぁ……やれやれ。」

 

禰豆子は困惑しながら首を動かして横目でしのぶを見ると、しのぶは何故か呆れた様子であった。モミモミと禰豆子の乳房を揉みながら、しのぶは禰豆子に語り始める。

 

「ひゃぁあっ……あんっ……ああぁん❤……。」

 

「ねぇ、禰豆子さん? 鬼化して強くなる……戦闘力を上げるために、高身長になる理由は分かるんですよ。筋力も増えるし、間合いも伸びる……でも。」

 

「あっ!?❤……ああぁっ……んあっ!!……っ。」

 

しのぶは語るのを止めて一度口を閉ざすと、力を入れて乳房を揉んだ。禰豆子はその快感に堪らず声を上げる。しのぶはその嬌声を聞きながら、再び語り出す。

 

「どうして、乳房(おっぱい)を大きくする必要があるんですかねぇ? 天然の盾のお心算です……かっ!?」

 

「んああああぁっ!❤」

 

しのぶが非力な自身が出せる最大限の力を出して禰豆子の乳房ごとその先端の赤い蕾を揉むと、禰豆子には丁度良かったのか一際大きな嬌声を上げて仰け反った。

 

「あうぅん……んふっ❤……ああぁ……はぁん」

 

「やれやれ、同姓()の私の愛撫でこんなに感じちゃって……。」

 

しのぶは相変わらず愛撫する手を緩める事無く、唇が耳に触れる寸前まで顔を耳元に近付けた。

 

これが()()()の手だったら、どんなに感じるんでしょうね……。」

 

「っ!……あっ……あっ!……ああんっ!❤」

 

禰豆子の耳元に囁くそうに、しのぶはそう呟いた。しのぶの言葉の意図を理解した禰豆子は、内側からじわっとした快感を感じてビクッと身悶えた。

 

「あぁっ……っっ❤……あっ!」

 

「おお~っ。禰豆子ちゃん、凄く気持ちよさそうです。」

 

「ふふっ。炭治郎君に随分と仕込まれちゃいましたから。炭治郎君の手練手管には敵いませんけど~。」

 

『!』

 

恥ずかしそうに、されど嬉しそうに笑みを浮かべてしのぶは須磨にそう答えた。その回答に、心覚えがある者は赤面して顔を俯かせた。

 

「私も負けてられませんね……っ!」

 

「あっ!……す、須磨さんっ!」

 

何故かしのぶに対抗心を燃やし始めた須磨が、再び珠世の乳房を鷲掴みにして愛撫を再開する。須磨は満足して終わったのだとばかり思っていた珠世は、再びやって来た微小の快感の波に困惑しながら、須磨に抗弁する。

 

 

【挿絵表示】

 

提供:椿様

 

「も、もう満足したのでは、無かったの?……。」

 

「すみません、珠世様。こんな機会じゃないと経験出来ませんし……代わりと言っては何ですけど、いっぱい気持ち良くしてあげますからっ!……くノ一仕込みの手練手管、どうぞご存分にご堪能あれ。」

 

「まっ!……ああっ!❤」

 

水面を走る波紋の如き微弱なれど確かな快感の波を受けて、珠世は身悶えて嬌声を上げる。

 

「はい、それそれ♪」

 

「あぅっ……はぁっ❤……んっ。」

 

「あらあら、私も負けてられませんねぇ。……ふんっ!」

 

「ああんっ!❤……んふぅっ……んんっ!」

 

 

【挿絵表示】

 

提供:椿様

 

何故か妙な対抗心を抱いたしのぶが、更に気合を入れて禰豆子への愛撫に力を籠める。

 

「んっ!……はぅっ……くぁっ!……んんっ!❤……ああっ……ああんっ❤……あああっ!」

 

「くひぃっ!……ひぃあっ!!❤……ああんっ!……あぅっ!……あぁぅんっ!!❤」

 

『…………(ゴクッ!)』

 

禰豆子と珠世の官能的な二重唱(デュエット)が女湯で響き渡る中、アオイ達は両頬を紅潮させながら二人から目を離せずに居た。

 

「んくぅっ!……ああっ!……あぅっ~❤!……あっ!❤……あああんっ!」

 

「ああ……禰豆子さん、凄く色っぽいです……普段の禰豆子さんからは想像も出来ません……っ。」

 

アオイはしのぶに愛撫されて嬌声を上げる禰豆子の、その妖艶な姿を凝視していた。

 

「あんっ!❤……須磨っ……さんっ!……もう、そろそろ……止め……てっ、んぁああっ!❤」

 

「珠世さん、綺麗……私には無い大人の色気が有って……羨ましいなぁ……。」

 

一方でカナヲは珠世から放たれる大人特有の色気を感じて、羨望の念を隠せなかった。

 

「……」

――カナヲちゃんは見てないから知らないけど、しのぶちゃんもアオイちゃんも珠世さんに負けず劣らず色っぽかったよ。カナヲちゃんも、別に気にしなくて良いんじゃないかな……?

 

蜜璃は以前に蝶屋敷で覗き見た炭治郎達の情交(セックス)を思い出して、カナヲが羨望の念を抱く理由など別に無いと考えていた。

 

「「「……っ。」」」

 

二人の凄艶な嬌声を耳にして、アオイとカナヲ、蜜璃の三人は股をモジモジと擦り合わせていた。

 

「「ああああっっ!!❤」」

 

『!!』

 

すると禰豆子と珠世が二人同時に、一際大きな嬌声を上げる。二人は仰け反ってしのぶと須磨に凭れかかっており、瑞々しい唇からは一筋の唾液が垂れていた。

 

「ふぅ~~満足しました。ご馳走様でしたっ!……って珠世様、大丈夫です?」

 

「あらあら、禰豆子さんも珠世さんも、そんなに気持ち良かったんですか?……きっと隣にも……炭治郎君にも聞こえちゃいましたよぉ~。」

 

『っ!』

 

「あっ……うっ……っ。」

 

「うぅっ~~。」

 

禰豆子と珠世はしのぶの指摘を受けて、羞恥心が頂点に達した所為か顔を俯かせて赤面していた。

 

 

 

 

 

 

『ゆ、愈史郎さんっ!? しっかりして下さい!!』

 

『善逸テメェッ!? 汚ねぇモンを派手に撒き散らそうとすんじゃねぇ!!!』

 

なお、既にこの時の隣の男湯では大惨事が起きており、怒号も時折響く程の混沌とした状況であったのだが、しのぶ達は誰も一切その事について考える事も、関心を持つ余裕も無かった。




お待たせ致しました。

やはり男性陣より、女性陣の方が華が有って書き易いです。盛り上がるし楽しい。
何より男性陣だと少しでもじゃれ過ぎると直ぐ腐臭が漂って来ますが、女性陣だとよっぽど行き過ぎなければ百合臭くならないという利点があります。

しかし、珠世と須磨なんて拙作で無ければ出来ない組み合わせだと我ながら思います(笑)

そして再び椿様から挿絵を頂いてしまいました!! 何時もお世話になりっぱなしです!!! 本当にありがとうございます!!!!!

椿様:https://www.pixiv.net/users/61503296

それから今回のイラストで乳房のランクがほぼ確定しましたね。

『優しき日輪と鬼殺隊の美蝶』におけるバストピラミッドがこちらになります。


超:竃門禰豆子(鬼化)・胡蝶カナエ・珠世
爆:神崎アオイ
※巨:胡蝶しのぶ・栗花落カナヲ・甘露寺蜜璃
普:該当者無し
小:竈門禰豆子(通常)
※「巨」は「爆」寄りか、真ん中か、「普」寄りかはご想像にお任せします。
※変更の可能性は微レ存ながら有り。どうなるかは見守って下さい。


現状、この様な形が現状となります。はっきりとバストサイズ(カップ)を決める心算はありません。其処は読者の皆様方の想像力を働かせた方が楽しいでしょうから。

それと雛鶴・まきを・須磨の三人はヒロイン、もとい炭治郎ラヴァーズでは無いので、バストピラミッドには記載していません。「爆」か「巨」かはご想像にお任せします。

ただ、書いてて思いました。もし私にこの先、炭治郎君以外でエロssを書く機会が有るなら、宇髄夫婦か狛恋だけだなと。積極的に書こうとは思いませんが。

因みに今回の須磨は鬼殺隊見聞録・弐で出て来た情報を活用してみました。
もし須磨の情報が無ければ、禰豆子が珠世の乳房を揉んで、戯れる二人を見たしのぶが乱入、一人で二人を相手にするという構図になる筈でした。

ついでに言うと私の欲求不満の発散も兼ねています。濡れ場が書けなくて久しいので……皆様、如何だったでしょうか? 腕が錆びついてやしないか心配です(-_-;)

次回の更新ですが、男性陣に視点は戻らず女性陣のままです。しかも今回の戯れは前座に過ぎません。次回は女子会クライマックスです。お楽しみに!

その前に読者の皆様に拙作について重大な発表があります。pixivでは改めて投稿連絡、ハーメルンでは活動報告で連絡させて頂きます。必ず目を通して下さいます様、ご協力をお願いします。
(※安心して下さい、打ち切りや更新停止の連絡ではありません。)

登場人物の性器発言ってどう思います?

  • 有り(エロくなるからばっちこい)
  • 無し(日輪刀、鞘とオブラートに揶揄って)
  • 作者にお任せ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。