※この作品はR-18です。

優しき日輪と鬼殺隊の美蝶   作:蓮紅

52 / 65
※キャプション必読・リクエストに関しての説明あり
・鬼滅の刃原作に関するネタバレあり。原作未読の方は閲覧注意。
・鬼滅の刃二次創作小説です。
・原作・キャラクターの性格・設定等改変の可能性大。一部キャラ崩壊注意。
・思い付き次第で何度も編集を繰り返す可能性大。お時間がある時で良いので、良ければ読み返してみて下さい。
・誤字脱字等のミス・内容の矛盾等の指摘は大歓迎。理不尽なクレームは受け付けません。
・コメント・メッセージ大歓迎。創作意欲の燃料になります。コメント・メッセージの返信は必ずさせて頂きますのでどしどし御投稿下さい。
・SS内容に関してはネタパクリと言う名の盗作を間違えてしないよう気を付けてますが、もし私が投稿した作品が既に別の作者様と作品内容が酷似していた場合、メッセージにて御連絡下さい。

※リクエストに関して
メッセージにてリクエスト内容を御連絡下さい。
以下規約
・100%受け付けられると保証された訳では御座いません。創作意欲次第で承諾する場合もお断りする場合も御座います。
・炭治郎×鬼滅女子のみ。
・作者は遅筆。またリアルの都合や他SSの執筆で投稿が遅くなる可能性大。
・CP、全年齢かR作品か、ネタの内容を御記入下さい。ネタの内容が詳細で有れば有る程、筆が進むので御協力をお願い致します。


第伍拾弐話 日輪は白蛇の不信の皮を剥ぐ

「色々貴様には言いたい事が山程あるが……輝利哉様の手前、止めておく。しかしこれだけははっきり、言っておくぞ。如何なる手練手管を使って輝利哉様達を篭絡したかは知らんが、輝利哉様達を悲しませる様な真似をしてみろ。その時は、その命は無いものと思えっ。」

 

本音を言えばもっと他に炭治郎へ言いたい事が沢山あったのだが、言えば輝利哉達の不興を買うと判断して呑み込むことにした。

 

しかし小芭内には一件だけ、どうしても炭治郎に念押ししておかなければならない事があった。

 

「それから「伊黒さん。お顔の事でしたら、伊黒さんが良いって言うまで言いませんからっ!」……っ!。」

 

小芭内が念押しして口止めしようとした自身の容貌について話そうとした瞬間、その事を察した炭治郎が先に口外しない事を約束する。

 

「……」

 

出鼻を挫かれる形となってしまった小芭内だったが、とりあえず言質を取る事には成功した。しかし、本当にその約束を守るのかと疑いの眼差しを、小芭内は炭治郎に向ける。

 

「私からも約束するよ。小芭内。」

 

『!』

 

会話の内容が聞こえていたのか、自身も小芭内の容貌について口外しないと約束した。

 

「小芭内にどの様な事情があったかは知らないけれど……産屋敷輝利哉の名前に懸けて、今此処で見た事は誰にも口外しない。姉上達とくいなとかなたも、それは約束する。」

 

輝利哉は胸を張って断言すると、ひなき達も同意する様に一斉に頷いた。

 

「……っ。」

 

「?」

 

輝利哉達からも口止めの言質を手に入れた小芭内であったが、その表情には困惑の色が見て取れた。

 

「……輝利哉様は、御館様かあまね様から俺の事情を聞いておられないのですか?」

 

小芭内は確認する様に、輝利哉にそう尋ねた。小芭内の様子を見れば、輝利哉達は知っているものだとばかり思っていた事を察するのは簡単だった。

 

「……私も姉上達も、何一つ知らされていないよ。父上や母上が他人(ひと)様の事情を……自分の剣士(子供)が隠している秘密をペラペラと気安く喋るなんて無礼で軽率な真似をすると思う?」

 

「!……いえ……大変失礼、致しました。御無礼の段、どうか平に御許し下さいませ」

 

小芭内は慌てて、輝利哉に向かって深く頭を下げて詫びを入れた。自身に頭を下げる小芭内に、輝利哉はクスッと微笑を浮かべる。

 

「気にしてないよ……ただね。」

 

輝利哉は其処まで一度区切ると、真剣な表情で小芭内に告げた。

 

「もしこの先知る事になるなら、小芭内本人の口からその事実を聞きたい。私は……そう思っているよ。」

 

「!」

 

輝利哉がそう言うと、小芭内は顔を俯かせて口を噤んだ。両眼も閉じて、沈黙する小芭内。その表情からは、幾分かの葛藤が見えた。

 

「…………分かりました。つまらぬ私事で良ければ、どうかお聞き下さい。」

 

『!!』

 

「!!?」

 

小芭内を漸く意を決した様子で、輝利哉達に自身の秘められた過去を話す事を決意した。小芭内のそんな様子を見て、炭治郎はあたふたと慌てていた。

 

「あの、えーとっ!……俺、席を外してますねっ!?」

 

炭治郎は自身に小芭内の過去を聞く資格など無いと判断して、自主的に男湯から退室しようとしていた。

 

「待てっ。竈門炭治郎っ。」

 

「!」

 

しかし男湯から出て行こうとする炭治郎を止めたのは、他ならぬ小芭内本人だった。

 

「」

 

小芭内に止められた炭治郎は、驚きながら静止して小芭内を見詰めた。

 

「伊黒さん。俺は聞かない方が良いんじゃ……。」

 

「お前には忌々しい事に、既にこの素顔を見られている……半端に気にされたままよりも、事情を教えた方がまだ口止めになる。」

 

「!!」

 

未だに小芭内から信頼されていない事実を理解して、炭治郎は思わずムッとした不満げな表情を浮かべた。

 

「……分かりました。でしたら伊黒さんの御言葉に甘えて、謹んで拝聴させて頂きます。此処で御聞きした事は、口が裂けても言わない事を御約束します。」

 

炭治郎は不満気ながらも、意地を張って口論するのは得策では無いと判断して文句は口にしなかった。炭治郎は頭を下げながら、小芭内に向かって誓約の言葉を口にする。

 

「……フンッ。」

 

炭治郎の誓約を聞いて、小芭内は小さく鼻を鳴らした。小芭内は少しずつ、徐に自身の秘められた過去を語り始めた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

小芭内の出身地は関東地方の海を越えた、最南端に位置する八丈島であった。島と言っても人口が八千人前後居る、準都市規模を誇る大きな島である。

 

八丈島は古くから人が住み着いては居たが、嘗ては島流しの刑罰を受ける罪人達の流刑地でもあった。

 

罪人と言っても生類憐みの令を犯して理不尽に逮捕された町人や武士であったり、乱闘や博打を犯した微罪を咎められて流された罪人ばかりであった。

 

この八丈島で流刑に遭った歴史の偉人の中には、平安時代では猛将と名高かった源為朝。

戦国時代において中国地方でその謀略の才能を遺憾無く発揮した中国の三大謀将の一人に数えられる宇喜田直家の一人息子、豊臣政権五大老の一人であった宇喜多秀家も含まれている。

 

江戸時代では現在の半数に満たない人口しかおらず、年に二回しか船舶が運行していなかった八丈島であった。それでも出稼ぎの為に、人流と物流の行き来はあった。

 

そして明治二十年(一八八七年)に漸く小笠原航路が開設された事で年に四回、明治三十二年(一八八九年)には月に一回以上の寄港が行われる様になり、人流と物流の行き来が従来より盛んになる。

 

そんな歴史のある八丈島で小芭内の生家である伊黒家は、実に八百年以上の歴史を持つ名家にして八丈島随一の大富豪であった。

 

そんな伊黒家には、他の家系には無い特徴があった。

 

それは女性ばかりが生まれると言う、非常に特殊な家系であったのだ。男性も生まれない訳では無いのだが、何十年または百年以上も男児が誕生しない事など珍しくも無かった。

 

そんな伊黒一族において小芭内は、三百七十年以上振りに生まれた男児であった。

 

「俺は産まれ落ちた瞬間から……は些か言い過ぎだとしても、物心が付く前から……太陽の光が一筋も入らない、暗くて冷たい地下の座敷牢の中で過ごしました。」

 

『!?』

 

小芭内の思わぬ告白を聞いて、輝利哉達は自分の耳を疑った。炭治郎に至っては、何故その様な事になるのか何一つ理解出来なかった。

 

「だから朝も夜も区別が付かなくて……外の世界と言うものを、俺が知る事が出来るのはまだ当分先の話でした。」

 

愕然とする炭治郎を他所に、小芭内の話は続いていた。

 

実母や姉妹、叔母や従姉妹と言った一族は全員が猫撫で声で気色悪さを感じる程に親切そうに接していた。それ故か、兎に角毎日の様に無駄に食事を運んで来ていたらしい。

 

換気もままならぬ地下の座敷牢では充満する油の匂いに苛まれ、却って食欲を無くしていたそうだ。

 

――嗚呼、その口を晒したくないから人前では食べないだけだと、俺は思っていたんだけど……伊黒さんが華奢な理由って、そう言う過去があったから食事が好きじゃないんだなぁ。

 

炭治郎は小芭内の話を聞いて、食事に関心が薄い理由が分かった様な気がした。

 

小芭内の座敷牢での話は、これだけでは終わらなかった。

 

一族がやって来なくなる夜ですら、いや夜の方が更に小芭内にとっては恐ろしかった。

 

巨大な()()が這い回る不気味な音に、小芭内は常に苛まれた。

それに加えて粘り付く様な視線も、肌で感じない時は一回として無かった。全身から汗が吹き出し音が鳴り止むまでまんじりとも出来なかった。

 

そんな地獄の日々が十二歳まで続いた頃、小芭内は何の前触れも無く座敷牢から引き摺り出された。

 

小芭内が連れて行かれた場所は屋敷内にあった、ゴテゴテとした絢爛豪華で煌びやかな大広間だった。

その大広間の奥には顔貌と下半身が蛇で上半身だけ人間の形態をしているおぞましい女性鬼が、何十個もの髑髏を並べて御神体の如く鎮座していた。

 

蛇鬼は小芭内に、自分の名は蛇羅尼と名乗った。七百年以上もの歳月を生きており、自分を鬼に変えた偉大なる主人、つまり鬼舞辻無惨が自ら名前を与えてくれたと誇らしげに語っていた。

 

『!』

 

「……俺もこの時に漸く、一族の本性を知ったのです。俺の一族は長年に渡って蛇羅尼が殺した人間の財産を奪って生計を立てていたのだと知りました……その見返りの一環として、自分達が産んだ赤ん坊を生贄として捧げていたのです。蛇羅尼は赤ん坊の肉が、大好物でしたから」

 

「「なっ……っ!?」」

 

伊黒一族の穢れ切った本性を知って、炭治郎と輝利哉は大口を開けて愕然とした。

 

「生まれたばかりの、何も分からない赤ちゃんを生贄にしたなんてっ……っ!」

 

「なんという、悍ましい真似をっ……っ!!」

 

「……(ガギリッ)」

 

「……っっ。」

 

ひなきとにちかは口に出して、伊黒一族と蛇羅尼の所業に怒りを覚えた。くいなは何も言わなかったが、怒りのあまり奥歯を噛み砕かんばかりに歯軋りをしていた。かなただけは自身の身体を抱き締めて、恐怖を必死で抑え込もうとしていた。

 

「っ!……かなたちゃん。無理をしないで。」

 

「炭治郎様っ……はい、ありがとうございます。」

 

炭治郎はそんなかなたの様子に気付くと、かなたを優しく引っ張ってから包み込む様に優しく抱き締めた。

かなたは炭治郎の優しさに感激しながら、ゆっくりと炭治郎に凭れ掛かった。

 

「「「……」」」

 

ひなき達はかなたが羨ましかったが、そう思ったのは刹那の間だけであった。それ以上に、小芭内の境遇の話の方が気になっていた。

 

小芭内は何故他の赤ん坊達の如く生贄にされなかったのかと言うと、伊黒一族にとって希少な男児であり更には虹彩異色症(オッドアイ)である事を理由に蛇羅尼に大層気に入られ、成長して喰える肉の量が増えるまで生かされる事となっていたからだ。

 

伊黒一族が執拗なまでに大量の食事を運んでいたのも、小芭内を肥やそうとしている為に過ぎなかった。小芭内もまた伊黒一族にとって、今まで生贄として差し出された赤ん坊達と同様に蛇羅尼の機嫌を取る為の家畜に過ぎなかったのだ。

 

「……蛇羅尼は俺の口の形を自分と揃えると言って斬り裂いてから、溢れ出た血を盃に溜めてから飲みました。この口の傷は、その時に出来た古傷です。」

 

『!!?』

 

小芭内は口の古傷を撫でながら、傷の経緯について話した。余興感覚で残酷な真似をした蛇羅尼の所業に、炭治郎達は愕然とする他に無かった。その後止血を受けた後に地下の座敷牢に戻された小芭内は、生きる為にどうやって座敷牢から抜け出し逃げるかだけを考える様になった。

 

脱牢する為の第一段階は、隙を付いて伊黒一族から盗み取った簪で分厚い木の格子を削り始める事だった。

 

この行為は、小芭内の神経を酷く擦り減らすものであった。

 

消極的な栄養補給による体力不足と、脱牢を目論んでいる事が発覚するのではないかと言う恐怖心が絶え間無く襲っていた。

 

それでも小芭内が簪を使って座敷牢の木の格子を削り続ける事が出来たのは、偏に生きたいと言う生存本能からだ。

 

そして伊黒一族に囲まれながら孤独な小芭内を、心身共に支えてくれる存在があったからこそ諦める事は無かった。

 

「座敷牢に迷い込んで来た鏑丸と、この時に偶然知り合えたのです。鏑丸が居なければ、俺はあの座敷牢での地獄の生活に耐えられなかったかもしれない。鏑丸だけが、俺にとって信じられる存在だった。」

 

「シャ――ッ。」

 

小芭内がそう言って鏑丸を優しく撫でると、気持ち良さそうな鳴き声を鏑丸は上げた。

 

鏑丸と言う唯一無二の味方を得た事で小芭内は、木の格子を削る速度を速める事が出来た。鏑丸が伊黒一族や蛇羅尼が来る事を、事前に察知してくれる様になったからだ。

 

小芭内は蛇羅尼と初めて会ってから三ヶ月後、遂に座敷牢の格子を破って突破口を開ける事に成功した。

 

それでも出来た穴は小さいものであったが、皮肉にも小芭内が小柄であったが為に通り抜ける事に成功した。小芭内は座敷牢を脱牢すると、鏑丸と共に伊黒邸から脱出した。

 

伊黒邸を脱出した小芭内に、歓喜や達成感と言った感情は無かった。あるのは少しでも伊黒邸から、蛇羅尼から離れたいと言う考えだけだった。

 

小芭内の脱牢が発覚次第、蛇羅尼は自ら自分を捕まえる為に追い掛けて来るに違いないと懸念していたからだ。

 

事実、小芭内が恐怖と共に抱いていた懸念は当たっていた。小芭内が鏑丸と共に人目を避けて森を通っていると、それは起こった。

 

木々を薙ぎ倒す轟音が、突如森の中で響き渡った。蛇羅尼は元々の恐ろしい形相を、更におどろおどろしいものにしながら小芭内を追跡して来たのだ。

 

小芭内はそんな蛇羅尼を見て悲鳴を漏らしながら、更に自身の虚弱な身体に鞭を打って走った。しかし鬼の速度に只でさえ虚弱な小芭内が逃げ切れる筈も無く、あっさりと蛇羅尼に捕まった。

 

鏑丸は蛇羅尼に捕まった小芭内をその魔手から救おうと噛み付いたのだが、蛇羅尼は一切関心すら持たず意にも介さなかった。

 

このまま小芭内は蛇羅尼の手によって弄ばれた挙句、縊り殺されるかと思われた。

 

「あのまま俺は殺されるかと思いましたが、間一髪の所を先代の炎柱・煉獄槇寿郎様によってこの生命を救われました。俺の目の前で、あの蛇羅尼を一刀両断してくれたのです。」

 

『!』

 

――槇寿郎さんがっ!……ってそう言えば、カナエもそんな事を俺に教えてくれていたな……こんな風に助けられているとは、思ってもみなかったけど。

 

『彼も本当は優しい人なのよ……故郷で鬼に凄惨な目に遭わされて、其処を煉獄君のお父さんに救われて、そのまま煉獄家に引き取られて過ごしていたらしいわ。』

 

炭治郎はカナエから聞いている小芭内に関する情報を思い出しながら、自身の想像を絶する事態が小芭内の身に起こっていた事実に、改めて驚きを隠す事が出来なかった。

 

尤も、小芭内の様に鬼と結託して私服を肥やしていた一族と暮らしていた特殊過ぎる状況など、優しい家族に恵まれていた炭治郎に想像出来る筈も無いのだが。

 

槇寿郎によって命拾いした小芭内は、漸く脅威が取り除かれたと思われた。しかし命を脅かす程の脅威は無くなっても、悪意はまだ小芭内の近くに存在していた。

 

その悪意とは、()()()()()()()()()()親族である従姉妹の存在であった。

 

『あんたの所為よっ! あんたが逃げた所為で、皆は殺されたのよっ!!』

 

『五十人死んだわっ! あんたが殺したのよっ!!』

 

『生贄の癖にっ!! 大人しく喰われてりゃ良かったのにっ!!!』

 

「「なっ!?……。」」

 

「「「「!!?」」」」

 

炭治郎達は小芭内の従姉妹が口にした理不尽が過ぎる罵詈雑言を聞いて、愕然とした様子で思わず自身の耳を疑った。

 

しかし小芭内の苦々しい表情を見れば、その事実に誇張も嘘偽りも無い事は明らかであった。

 

「従姉妹の罵詈雑言には、正当性など欠片もありません。それでも……それでも俺の心を嫌でも抉った。他人を犠牲にして生きて来た一族を、俺は心底軽蔑していたのに……その俺が一族を犠牲にして生き延びてしまった。結局、俺も同じ穴の狢だと……屑の一族から生まれた俺も屑なのだと心底思い知らされたのです。」

 

其処まで言うと小芭内は、その裂けた口で強く歯軋りをした。裂けている為か、奥歯の歯茎までくっきりを目に映っていた。

 

『……っ。』

 

小芭内の従姉妹の罵詈雑言を聞いて、炭治郎達は露骨に強い不快感を露わにしていた。全員が額に、幾つもの青筋を浮かべる程であった。

 

「……」

 

炭治郎は自身を落ち着かせる為に一度深呼吸をすると、小芭内にある事を尋ねた。

 

「その後は、どうしたんですか?……もしかしたらそのまま、槇寿郎さんに引き取られたとか?」

 

『!』

 

炭治郎は小芭内のその過程を知っているが、何処でその情報を入手出来たかなど言える筈も無い。なので敢えて、予想する様に小芭内に尋ねたのだ。

 

「……そうだ。お前が言う通り、行く当てを失った俺を槇寿郎様は自分の屋敷に来ないかと誘って下さった。直ぐに承諾した俺は()()()()()全て捨てて八丈島を出た。」

 

「っ!……()()……()()()、ですか?」

 

反芻する様に呟き返した炭治郎に、小芭内はそう言ってから再び語り始めた。

 

「そうだ。屑の一族に生まれた俺もまた屑だ。一族の罪を忘れない為にも、これだけは捨てたくても捨てられなかった。……この小芭内と言う名前は、()()()()が付けて下さったものだ。」

 

()()()()……?」

 

「これから話してやる。黙って聞いてろ。」

 

再び反芻する様に呟き返した炭治郎に、小芭内はそう言ってから再び語り始めた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

小芭内は槇寿郎に救われた後、直ぐに八丈島を出た。

 

十二年以上も地下の座敷牢に監禁されていたにも関わらず、船酔いも波による船の揺れで転倒する事も一度としてしなかった事から、三半規管や運動神経が優れているのではないかと、この時に槇寿郎に船上で指摘されたらしい。

 

大日本帝国本土に船が到着した後、小芭内を気遣って槇寿郎は煉獄邸まで背負ってくれたそうだ。

煉獄邸に到着後、庭先で木刀を振って鍛錬をしていた杏寿郎とまだ物心も付いていない熟睡していた千寿郎と出会った。

 

しかし其処である人物の登場で、事態は大きく急変した。

 

「明るく無遠慮な杏寿郎に戸惑っていた俺は、槇寿郎様が御連れしたある御方が出て来たのを見て恐怖心から悲鳴を上げてしまった。その御方とは、槇寿郎様の奥方様で杏寿郎と千寿郎の母君であられた瑠火様だった。」

 

「杏寿郎さんのお母さんを見て、悲鳴を?……どうしてですか?」

 

炭治郎は小芭内の行動が理解出来ず、思わず尋ねた。炭治郎は杏寿郎の死後に煉獄邸を訪問した際、槇寿郎と乱闘騒ぎを起こしている。

 

しかしその後、槇寿郎から謝罪と感謝が綴られた手紙を受け取っているのだ。その手紙の内容の中には、瑠火の事も触れられている。

 

天女の生まれ変わりと言っても過言では無い瑠火を前にして悲鳴を上げるなど、一体何があったのか思わず炭治郎は小芭内に尋ねた。

 

「……瑠火様は本土に来てから、俺にとって初めて出会った女性だった。する訳が無いのに一族の連中と同じ態度を取るのではないかと、俺は反射的に怖がってしまったんだ。」

 

『!』

 

小芭内の言い分を聞いて、炭治郎は漸く小芭内の行動に対して理解が及んだ。八丈島で十二年間もの間、女性から家畜に等しい扱いを受けていたのだ。必然的に女性と言う存在に対して、恐怖心や嫌悪感と言うものを抱いても責める事など出来る筈も無かった。

 

「……だが、瑠火様はそんな無礼な態度を取った俺に、瑠火様は怒ったり傷付いたりする事は無かった。」

 

小芭内曰く、瑠火と目が合った瞬間、悲鳴を上げながら庭先で育てられていた芭蕉の下に身を隠したと言う。そんな怯えて身体を震わせる小芭内に、瑠火はゆっくりと刺激しない様に接近して行った。

 

『初めまして。私は槇寿郎様の妻で杏寿郎と千寿郎の母、煉獄瑠火と申します。貴方の御名前は?』

 

『ぁ……っ……い、伊黒と言います。』

 

瑠火に名前を尋ねられた小芭内は、身体を震わせながらも名字だけを名乗った。

 

『良かったら、下の名前も聞いて良いかしら?』

 

『っ……な、名前は……ありま、せん……八丈島(故郷)を捨てた際に、名前も……す、捨てて来ましたから……っ』

 

『……そう。』

 

瑠火は小芭内から名前は捨てたと知ると、右手を顎に添えて静かに思案を始めた。

 

『……決めました。』

 

『?』

 

少ししてから芭蕉と小芭内に一度視線を向けた後、ゆっくりと小芭内に微笑み掛けた。尤も、槇寿郎達は瑠火が何を決めたのか分からず、首を傾げるばかりであったが。

 

『……小芭内。』

 

『えっ?』

 

『"芭蕉の下の小さな男の子"……貴方は今日から、伊黒小芭内と名乗りなさい。』

 

『っ!!…………伊黒……小芭内……っっ。』

 

小芭内は瑠火に与えられた新たな名前を、ゆっくりと反芻した。小芭内と言う名前は、瑠火が咄嗟に思い付いた名前だったのだ。自身が育てていた芭蕉に、包まれる様に隠れていた小芭内があまりに印象的だったからである。

 

自分の新たな名前を実感している間に、小芭内は柔らかい温もりに包まれた。瑠火が小芭内に接近して、優しく抱擁をしたからだ。

 

『小芭内。夫から貴方の事は聞いております。過去に囚われる事無く、今日から私達が家族だと思ってこの煉獄邸(やしき)で過ごして下さい。遠慮など無用です。煉獄家の血など継いで居なくても、貴方は私達の大切な息子……家族なのですから。』

 

『!!!』

 

穢れた思惑も薄汚い下心も無い、真に優しい言葉を生まれて初めて耳にした小芭内。

 

『……~~~っ……~~~~っっっ。』

 

気付くと小芭内は怖がっていた筈の瑠火に、自らの意志で抱き着いていた。そして瑠火の胸元に顔を埋めて、声を押し殺しながら泣いていた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「こうして俺は新たな名前を瑠火様から頂いて、新たな生活が煉獄邸で始まった。煉獄家の誰もが、赤の他人でしか無かった俺を快く受け入れてくれた。」

 

『…………』

 

輝利哉達は小芭内の名前の由来と、瑠火の慈愛に満ちた一面を知って深く感動していた。

 

「ぐじゅっ!……ひぐっひっくっ……っ!!」

 

「……おい、竈門炭治郎。」

 

炭治郎に至っては号泣していて、今にも涙ばかりか鼻水すら温泉に落としそうな危機的状況を齎していた。そんな炭治郎の様子を見て、小芭内は辟易しながら睨み付けた。

 

「温泉が穢れる。間違っても落とすなよ。」

 

「ぐずっ!……わっ、わがっでますよぉ……ぐすっ!!」

 

炭治郎は片手で温泉の湯を掬って顔を洗い始める。当然だが、涙や鼻水が温泉内に落ちない様に顔だけ温泉の外に出して、両手を交互に使って顔を洗う。

 

「っ!……良しっ!」

 

炭治郎は両眼を赤くしながらも、何とか涙を流すのを止める事が出来た。それから両頬をパンパンと両手で叩いた。

 

「……伊黒さん。もっと杏寿郎さんとの御話を、俺に聞かせてくれませんか?」

 

「断る。何故、俺がお前になど……。」

 

「お願いしますっ!」

 

「……」

 

炭治郎は温泉に顔を付ける勢いで、頭を深く下げる。最初こそ拒否しようとした小芭内だったが、そうまでされては無碍に拒否する事は出来なかった。

 

「フンッ……っ。」

 

小芭内は面倒臭そうに鼻を鳴らして、炭治郎から視線を逸らした。

 

「……俺は杏寿郎より年上だが、身体はあの時から身長差で負けていた。だから年上と認識されず、「小芭内も家族ならば、俺の弟になるなっ! 何しろ、俺は煉獄家の長男なのだからなっ!!」と一方的に断言された事がある。」

 

「っ……ぷっ!」

 

炭治郎はその様子を幻視して、思わず吹き出してしまった。しかし湧き出る笑いも直ぐに治まると、小芭内が徐に語り始めた杏寿郎との逸話に炭治郎は両眼を輝かせながら傾聴する。

 

「……俺は弟が出来たと勝手に喜ぶ杏寿郎に、俺の方が一つ年上なのだと教えても、面倒な事に杏寿郎(あいつ)は頑なに信じなかった……だが以前の生活を忘れそうになる位、毎日が騒がしくて、楽しい毎日だった。」

 

そんな炭治郎の姿に気分を良くしたのか、小芭内は無自覚に饒舌になって行った。しかし明るい話題は、そう長くは続かなかった。

 

「……煉獄家の方々は、まるで俺が最初から居たかの様に扱ってくれた。俺にとっても、一日一日が、何物にも代え難い宝物だった。ずっと……ずっと煉獄家(彼ら)とこの先も一緒に暮らして行きたいと、俺は心底そう思っていた……そうなって、欲しかった。」

 

『!』

 

小芭内の声色が急激に変化した事に気付いた炭治郎達は、些か嫌な予感に駆られた。そしてその嫌な予感は、間髪入れずに的中してしまう。

 

「俺が煉獄家に来てから半年もの刻が経過した頃、瑠火様は御身体を崩される様になった。それからもう半年……俺が十三歳になり、既に杏寿郎が十二歳を迎えた頃……瑠火様は御自身の死期を悟られた。」

 

『!』

 

「……っ。」

 

炭治郎は槇寿郎から貰った謝罪の手紙で瑠火の事はある程度知っている為、悲しい顔を浮かべた。

 

「槇寿郎様は金に糸目を付けずに瑠火様に患う大病を治す為に、国中の名医と呼ばれる医者を全て呼び集める心算で医者を呼んだが……治療の甲斐も無く瑠火様は亡くなられた。」

 

小芭内は瑠火が逝去した当時を思い出して、悲しそうに唇を噛み、拳を強く握り締めた。

 

「……瑠火様の死後、俺は煉獄家を出て行った。」

 

『!?』

 

炭治郎達は小芭内が口にした唐突過ぎる展開を聞いて、自身の耳を思わず疑った。驚愕する炭治郎達に、小芭内は直ぐに説明を始めた。

 

「あの当時の俺は、自分が煉獄家に来た所為で瑠火様が死んだのだと思い込んでいた。罪悪感を抱いていた俺は、そんな折に瑠火様の御葬儀に参加した元隊士の"育手"と出会った。」

 

「俺は衝動的にその"育手"に弟子入りを懇願すると、"育手"は困惑しながらも俺の無茶な頼みを承諾してくれた。俺は直ぐに荷物を纏めて、そのまま煉獄家を去った。」

 

「出て行く前に、槇寿郎さん達には何も言わなかったんですか?」

 

炭治郎は気になってその点を尋ねると、小芭内は炭治郎を見ながら話を再開させた。

 

「言うと止められると思ったからな。置き手紙だけして、直ぐに煉獄家を去った。……"育手"が良い御仁で、熱心に指導してくれた。だから現在(いま)はこうして、柱になれたと思っている。」

 

小芭内は煉獄家との生活を話す時は、炭治郎は初めて見る程穏やかだった。しかし、此処から小芭内の表情にも声色にも陰が差し始める。

 

「鬼殺隊の隊士として鬼と戦う内に、心の奥底で封印していたやり場の無い思いを思い出してしまった。俺は全て、鬼にその思いをぶつけた。鬼を憎んで恨まずにはいられなかった。そして他の誰かの為に命を懸けて戦う事で、自分が"良いもの"だと思えた。」

 

「だが何時まで経っても恨みがましい濁った目をした五十人の腐った手が、俺を身体を掴んで爪を立てて離そうとしない。……だから無惨を倒して一族の罪を清算して死にたい。鬼の居ない平和な世の中を作ってから死んで、この穢れた血が浄化される事を心から望んでいる。」

 

『…………』

 

小芭内の重苦しい過去と悲痛な覚悟を聞いて、炭治郎達は何も言えず口を噤んだ。

 

「?…………炭治郎様っ。」

 

「んっ? かなたちゃん。どうかした?」

 

沈黙していた炭治郎は、自分の身体にすっぽり包まれているかなたに声を掛けられて反応した。

 

「何か……伊黒様のお話に何か、()()()を感じませんか?」

 

()()()……っ?」

 

炭治郎はかなたの指摘を聞いて、思わず首を傾げた。自分が小芭内の話を聞いた所、違和感を感じなかったからだ。

 

しかし、小芭内の話を聞いて違和感を感じていたのは、かなただけでは無かった。尤も、それは最初から感じたのではなく、かなたが疑問に思って連鎖する様に感付いたと言う様子であったが。

 

「……あれ?  でも、うーん……。」

 

「姉様。やっぱり、何かおかしいですよね?」

 

「伊黒家は蛇羅尼の隠れ蓑でしょう?…それを簡単に放棄?」

 

「……」

 

ひなきが悩む様に声を上げると、にちかが肯定する様に声を掛ける。くいなも、自身が疑問に思っていた事をはっきりと口にした。輝利哉だけは、右手を顎に添えて何も言わずに思案していた。

 

「っ!……まさかっ。」

 

唯一沈黙を貫いていた輝利哉は、ある可能性に気付いて両眼を見開きながら声を上げた。

 

「如何なさいましたか? 輝利哉様。」

 

小芭内はそんな輝利哉の様子が気になって尋ねる。ひなき達の様子も気になっていたのか、小芭内を追随する様に輝利哉を見詰めた。

 

「……小芭内。これは私の考察に過ぎない。後で妄想だと一蹴してくれても構わないから、聞いてくれないか?」

 

「っ!? とんでもございませんっ。一蹴だなどと恐れ多い……俺で良ければ、輝利哉様の御話を聞かせて頂きます。」

 

小芭内は輝利哉に一礼して、話を聞く事を承諾した。すると輝利哉は一度深呼吸すると、小芭内と視線を合わせてから話し始めた。

 

「結論から言うと……伊黒一族を五十人も蛇羅尼に殺されたのは、少なくとも小芭内の脱牢がその理由である可能性は無いと思うよ。」

 

「「!?」」

 

「「「「……」」」」

 

輝利哉の考察を聞いて、炭治郎と小芭内は大きく両眼を見開いて驚愕した。一方でひなき達は同意見だったのか、輝利哉の考察に口を挟まずに傾聴していた。

 

「う~ん。無いは言い過ぎたかな? でもその可能性も、私は限り無く低いと思うんだ。」

 

「……輝利哉様。何故その様な事が言えるのでしょうか? 少なくとも、俺が脱牢した後に殺されている事実に変わりはありません。」

 

小芭内は真剣な表情を浮かべて、輝利哉にそう強く断言した。そんな小芭内の気迫に怯える事も圧倒される事も無く、輝利哉は小芭内に反論した。

 

「考えても見て欲しい。蛇羅尼にとって、伊黒一族は便利で都合の良い駒だ。小芭内を脱牢させてしまった失態を償わせるって名目で二、三人程度なら見せしめに殺したりしても、いきなり全員を殺すなんて馬鹿な真似をするとは思えないよ。」

 

「っ!!……恐れながら、輝利哉様。竈門禰豆子を筆頭に、珠世や愈史郎と言った特殊過ぎる鬼は兎も角……蛇羅尼の如き普通の鬼を人間の定義で当て嵌めるのは、間違っているかと思います。」

 

輝利哉の仮説を聞いても、小芭内は頑なにそれを強く否定した。これもまた一方的では無い主従関係だからこそ得られる、明確な意思を持った論議であった。

 

「そうだね。確かに小芭内が言っている事は、誰も否定出来る要素が無い。蛇羅尼が怒りに任せて殺戮を繰り広げたと、普通に考えれば誰もがそう思う筈だ。」

 

輝利哉は小芭内が思っている殺戮の要因について、そう肯定した。

 

「……それでもね、小芭内。私の仮説には、もう一つだけ根拠があるんだよ。」

 

「っ!……では、その根拠が原因で蛇羅尼は五十人もの人間を殺害したと言うのですか? 輝利哉様。」

 

小芭内は食い入る様に見詰めながら、仮説についてそう尋ねた。その言動を鑑みれば、明らかに輝利哉が打ち立てた仮説に興味を惹かれていた。

 

『……』

 

小芭内だけで無く、炭治郎達も輝利哉が打ち立てた仮説には興味があった。一切口を挟む事無く、輝利哉が語り出すのを静かに待っていた。

 

「私の仮説だけど……蛇羅尼は腹癒せや見せしめに五十人を殺したんじゃない。自分が其処に居た痕跡を消したくて、口封じの為に伊黒一族を根絶やしにしようと考えたんだと思うんだ。」

 

「「!?」」

 

輝利哉の大胆な仮説を聞いて、炭治郎と小芭内は驚愕した。しかし同時に疑問もまた、その胸中に生まれた。

 

「口封じって……何の為に?」

 

「炭治郎。考えられる理由は、唯一つだ。槇寿郎が八丈島に来たからじゃないかな?」

 

「っ!!……槇寿郎様がっ?」

 

炭治郎が疑問に思うと、即座に輝利哉が答えた。輝利哉が答えた内容に小芭内が驚いていると、輝利哉は首肯してから自身の仮説について話を続けた。

 

「蛇羅尼が十二鬼月でも無いのに七百年以上も生きて来たと言う事は、それだけ鬼殺隊の網に引っ掛からない様に極めて慎重に活動をしていたと想定出来る。」

 

「つまり頭の回転が速く、情報収集や探知探索能力に長けていた。人間(ひと)を殺しても鬼の仕業とバレない様に工作して、鬼殺隊とは発見しても戦わずに逃げる事に徹していたんじゃないかな?」

 

「「!」」

 

輝利哉の推察に、炭治郎と小芭内は息を呑んだ。しかし輝利哉の仮説に対する説明は、まだ終わってなどいない。

 

「もしそうなら、今の今まで発覚していなかったと納得出来る。鬼殺隊も鬼の姿が無ければ、狩り様が無いからね……そうして慎重に生きて来た蛇羅尼だけど、ついに捜査の網が八丈島に広がって槇寿郎が調査をしに来た。」

 

「此処まで来ると、もう八丈島は放棄するしか生き延びる術は無い。そして蛇羅尼にとって自分の存在を知り尽くしている伊黒一族は、どんなに便利な手駒であろうと此処に来てはただ自分の足を引っ張る、邪魔な存在に成り下がった。だから口封じの為にも、伊黒一族を皆殺しにした……これが実際の真相なんじゃないかって、私は思うよ。」

 

「……」

 

輝利哉の仮説の全容を聞き終えた炭治郎は、素直に感嘆する他に無かった。吟味すればする程、その仮説が的を射ているのではないかと思う程だ。

 

「……っ。」

 

小芭内もまた、輝利哉が立てた仮説の全容を聞いて感嘆していた。しかし炭治郎の如く素直に受け止めれず、また納得している様子は見せなかった。

 

「尤も、これは私が語った事は飽くまでも仮説だ。父上にお尋ねすれば、もう少し事件の真相が分かるかもしれないけれど……それでも想像の域を超えないだろうね。つまらない妄想だと、はっきり言ってくれても構わないよ。」

 

「っ!?……いえ、とんでもない。」

 

苦笑しながら自嘲する輝利哉に、小芭内は恐縮した様子で頭を下げた。

 

「でもね、これだけははっきり言わせて貰う。小芭内の考えと私の仮説……どちらも肯定する事など出来なければ、明確に否定するだけの証拠も存在しないと言う事がね」

 

『!』

 

輝利哉は開き直る様に、真相は誰にも分からないのだと笑って見せた。要するに、気にし過ぎるなと言いたいのだと炭治郎達にも分かった。

 

しかし、実はと言うとこの輝利哉の仮説は大いに的を射ていたのだ。

 

蛇羅尼は通常の鬼に比べて少食であった。また弱者に対しては強気で傲慢に振る舞えても、強者には只管に媚び諂い平身低頭な姿勢を見せる小者であった。

 

これらの理由だけで無惨に嫌われそうなものだが、蛇羅尼は熱を感知する血鬼術を用いての情報収集や探知探査能力が非常に優れていたのだ。

 

この血鬼術を駆使する事で強者や稀血を無惨や上弦の鬼に知らせて譲渡するなどして、無惨に評価されていた。また青い彼岸花の捜索にも役立つのではないかと期待されたので、通常の鬼よりもある程度気に入られていた。

 

尤も、この血鬼術は青い彼岸花の捜索には何一つ役に立たない代物であった。更に血を与えても蛇羅尼の見かけ倒しの身体では耐えられないだろうとも酷評され、血を分け与えて貰う事は終生無かったのだが。

 

他には強奪した金品も伊黒一族だけでなく、無惨にも献上していた事で無惨の財源確保の一端を担っていると言う献身も評価されていた。

 

蛇羅尼は人間を狩る際も細心の注意を払い、鬼の仕業と勘付かれない様に気を付けた。八丈島では極力事件を起こさず、なるべく本土で人間狩りと金品の強奪を行っていた。

 

それも殺害対象が突然の失踪を起こした。または強盗殺人に遭ったと見せ掛けた。時には放火殺人を起こした上で、人間を狩っていたのである。そして一度事件を起こした場所には、少なくとも数年単位は絶対に近付かなかった。

 

そうして慎重に生きて来た蛇羅尼であったが、その綻びは唐突に生まれた。

 

現代の財務省の前身である大蔵省に勤務する役人が、伊黒一族の不審な大金の流れを発見してこの事実を纏めた報告書を、上司である高官に報告したのである。

 

収入が不透明であるにも関わらず、する必要性など全く無い無駄に派手で贅沢三昧な生活をしている事実が、行政に目を付けられた原因であった。要するに、支出が収入を遥かに上回っていたのである。

 

高官は役人の報告書を元に詳細な調査を行うと、大金の出処の一部が価値のある骨董品や宝石類、黄金や貴金属の売却で得られた利益である事が発覚。そしてそれらの一部の品々を所有していた嘗ての所有者は、不自然な失踪を行った行方不明者や強盗殺人事件の被害者と分かったのだ。

 

これが普通の高官ならば警察に通報して捜査を依頼する所だが、小芭内にとっては幸運で蛇羅尼にとっては不幸な事にこの調査を行った高官は産屋敷家傘下の人間であり、鬼の関与を疑い警察では無く産屋敷家に直接報告を行った。

 

高官の報告を受けた当時十四歳だった耀哉は、当時の炎柱・煉獄槇寿郎に直様、八丈島へ出立する様に指令を下す。

 

産屋敷家が手配した臨時船に揺られて八丈島に到着した槇寿郎だったが、その直後には蛇羅尼が動いていた。

 

熱探知により槇寿郎の存在を知った蛇羅尼は嘗て無い程の生命の危機を覚え、自身が八丈島に居た痕跡を跡形も無く抹消すべく伊黒一族の抹殺を目論んだのだ。

 

金品の見返りの為とは言え、長年自身の世話を甲斐甲斐しく熟し、大好物の赤ん坊を定期的に提供してくれた伊黒一族であったが、自身の生命に比べれば然程の価値などある筈も無く、全てを抹殺する事に躊躇など一切無かった。

 

伊黒邸に居た伊黒一族を皆殺しにした蛇羅尼だったが、その時になって漸く小芭内が脱牢している事に気付いた。

 

同時に小芭内の従姉妹の姿も見えなかったので、蛇羅尼は二人を殺害して八丈島を脱出するべく、先ずは小芭内を優先する事にしたのだ。

 

結局間に合わず、槇寿郎に頸を斬り落とされて結局死亡する事になるのだが、それは因果応報と言うものである。

 

結果論としては先に小芭内の従姉妹を殺害してから小芭内を狙ってくれた方が、要らぬ心的外傷(トラウマ)を植え付けられずに済み、後々の小芭内の為になったのだが其処は運命だと思って諦める他に無かった。

 

――伊黒さんの従姉妹の人……その後はどうなったんだろう?……とてもじゃないけど聞く勇気が持てないや……。

 

炭治郎は小芭内の従姉妹がどうなったのか思わず聞きたかったが、如何に時折空気を読まずにズカズカと恐れず質問する炭治郎でも、この場においてはその禁断の議題を口外する勇気は無かった。

 

実はこの疑問を抱いたのは炭治郎だけではなく、小芭内自身も抱いていた疑問でもあった。

 

小芭内は柱になった後、大金を払ってその従姉妹がどうなったのか密かに調査を行っていた。

 

すると従姉妹は何ら社会的な罰を受ける事は無く、家族を一夜に失った悲劇の主人公(ヒロイン)となって八丈島の全島民から同情されていた。従姉妹もその様に振る舞う事で島民達から愛され支援されながら育った。

 

大蔵省から税金として幾分か徴収されたものの、他人から強奪し続けて集めに集めた莫大な資産はそのまま相続され、屋敷にもそのまま居座った。それから優しい且つ有能な男性と見合いで出会い結婚し、子宝にも恵まれて幸せに暮らしている事実を小芭内は知ったのだ。

 

その事実を知ってしまった当時の小芭内の心境は、推して知るべしとしか言い様が無い。

 

「……実情はどうだろうと、俺は……俺が穢れた血の一族の血を引いている事実に、何も変わりはありません。無惨を倒して死にたい。それで俺の、一族の大罪が浄化される事を心から願っている。」

 

『……』

 

「……小芭内。無惨を倒すと言う大願成就や一族どうこうの罪の意識などに関係無く、ただ単に君が死にたがっている様にしか私には見えないよ。」

 

小芭内の自殺願望を見抜いた輝利哉は、もの悲しそうな表情を浮かべながら小芭内を見詰めていた。

 

「……」

 

輝利哉からそんな憐憫な視線を向けられて、小芭内は感じ悪気に露骨に視線を逸した。

 

――うーん。どうしたら良いかな?……この事実を話したら、小芭内の考えも変わるだろうか?……でも私の一存で、産屋敷家の恥部を晒して良いものか……。

 

小芭内の様子を見て、輝利哉はどうすれば良いのか悩んでいた。しかし、その葛藤も刹那と言っても良い程の短いものであった。

 

――……悩むなんて馬鹿馬鹿しい。それで小芭内一人救えるなら、安いものじゃないか……父上っ。輝利哉の勝手を御許し下さい。

 

輝利哉は心中で耀哉に謝罪し、意を決してある事実を話す事をした。そして小芭内は輝利哉がこれから発した衝撃の一言を聞いて、思わず騒然としてしまう。

 

「小芭内が言っている事が道理なら私達、産屋敷家は此の世で最も罪深い一族になるだろうなぁ。」

 

「「っ!?!?」」

 

不意に呟いた輝利哉の一言を聞いて、炭治郎と小芭内は限界まで両眼を見開いていた。

 

「「「「……っ。」」」」

 

ひなき達は輝利哉の言おうとする内容の意図を理解しているのか、何も言わなかったが眉だけ一瞬顰めていた。

 

「あの、輝利哉君。それはどう言う意味なのかな?」

 

炭治郎は輝利哉の言っている内容が未だに理解出来ず、思わず輝利哉に尋ねた。小芭内も気になるのか、咄嗟に同意する様に炭治郎を一瞥してから、再び輝利哉に視線を戻した。

 

「炭治郎。実はね…………鬼舞辻無惨は、産屋敷家の人間だったんだよ。」

 

「「…………!!!!??!?!?」」

 

炭治郎と小芭内は刹那の間、輝利哉が何を言っているのか分からなかった。そして漸く脳が輝利哉が口にした衝撃発言の内容を理解して、天地がひっくり返ったかの様な衝撃に見舞われた。

 

炭治郎と小芭内は輝利哉に向かって何か言いたかったが、あまりの衝撃に両眼と口を動かすのが精一杯で何も言う事が出来なかった。

 

滑稽とも言える炭治郎と小芭内の行動を見て、輝利哉はクスクスと笑いながら話を続け始めた。

 

「これは紛れも無い事実だよ。無惨が生まれた鬼舞辻家は、産屋敷家の分家の一つでその筆頭だった。そして無惨を輩出してしまったが為に、産屋敷家は短命の呪いを受けてしまったのだから。」

 

「「!!!」」」

 

切なそうにそう言った輝利哉を見て、炭治郎と小芭内は輝利哉がこれから語るであろう産屋敷家にとって秘中の秘である黒い歴史に備えて、騒がずにただ静かに傾聴する事を決意した。

 

輝利哉が口にした産屋敷家の黒い歴史は、要点を纏めると以下のものであった。

 

・栄華を極めていた産屋敷家で突然、宗家分家問わず幼くして死ぬ人間が続出。神主が占うと『同じ血筋から鬼が出ている。その不届き者を倒す為に心血を注げば、産屋敷家が断絶する事は無い。』と宣告された。

・産屋敷家が調査した結果、鬼舞辻無惨の存在が発覚。無惨は既に逃走。無惨の存在を隠蔽していた罪で、鬼舞辻家は取り潰しになった。

・無惨を倒す為に表舞台から消えた産屋敷家は神職から代々妻を娶る事で、寿命を少しずつ伸ばして来た。それでも三十歳まで生き延びた者は皆無。あまねの実家も神職の名門である神籬家出身。

・男性は一人のみしか、生存不可能。男性が複数居る場合は幼少期に、急病による突然死や事故死と言う不運に見舞われて一人しか生存出来ない。

・女性は十三歳までに婚姻して産屋敷の姓を捨てなければ、何らかの要因で死亡してしまう。

 

「そんな……っっ。」

 

炭治郎は産屋敷家に掛けられた呪いについて真実を知ると、思わず悲しそうに顔を歪めた。

 

「この事実は他の皆には、内緒にしておいてね?……小芭内。」

 

「っ!……ぎょっ、御意っ! 口が裂けても口外致しません。」

 

「!!……フフッ、そういう意味で声を掛けた訳じゃなくてね……。」

 

小芭内が口にした返答の内容が面白かったのか、輝利哉は笑いながらそう答えた。

 

「小芭内。無惨を輩出してしまった産屋敷家は……父上も母上も私も姉上達も、全員が罪深い存在だと思う?」

 

「っ!!?……とんでもございません。罪深いのは鬼舞辻無惨一人であり、産屋敷家の方々に罪などあろう筈が無いっ……っ!」

 

小芭内は輝利哉が言っている内容に狼狽しながら、慌ててそれを否定した。

 

尊崇している産屋敷家に罪など一欠片も無いと思っている上に、無惨を倒す為に全身全霊を捧げている産屋敷家を侮辱するなら小芭内は誰であろうと容赦はしないであろう事は、即答して見せたその姿から見て取れた。

 

「そう言ってくれて嬉しいよ……でもこれで小芭内も自分に罪が無いって思ってくれる様になったら、もっと嬉しいかな?」

 

『!!!』

 

輝利哉が口にした言葉の意図を理解出来ない愚者は、温泉内には居なかった。秘匿されていた産屋敷家の黒い歴史を口にしてでも、小芭内の意識を変えたかったのだ。

 

「輝利哉様の御優しい御気持ち、恐悦至極に存じます……しかし恐れながら、産屋敷家と伊黒家では全てにおいて天地の次元を凌駕する程の差があります。」

 

『!!』

 

「一千年も前から鬼舞辻無惨を倒す為に全身全霊を注ぎ、人々の為に御貢献されている産屋敷家と……他人(ひと)様から強奪した金品で屋敷を構え無駄飯を食らい、する必要性も無い贅沢をする。その恥を恥とも思わない、業突く張りで見栄っ張りの醜い伊黒家とは、存在価値が違うのです。」

 

しかし小芭内は飽くまでも頑なであった。産屋敷家と伊黒家では全く違う存在だと言って、飽くまでも自意識を変えようとはしなかった。

 

「……()()()が悲しむよ。」

 

「!!!」

 

そんな無意識に意固地になっている小芭内に対して、輝利哉もまた簡単に諦める様な真似はせずその様に言って諭した。

 

輝利哉が言葉に発したその一言は、小芭内に衝撃を齎すのに十分だった。

 

「輝利哉様っ……俺にはそんな母親など居ません。そんな家族は、望んでも得られやしなかったっ!」

 

「そんな事は無いっ!」

 

「!」

 

小芭内が叫ぶと、今まで沈黙を貫いていた炭治郎が負けじとそう叫んで小芭内が言った事を否定していた。

 

「竈門炭治郎……。」

 

「家族って言葉は、何も血が繋がった人達の事だけを指す言葉じゃないっ!!……自分で先刻(さっき)まで楽しそうに語っていた煉獄家の人達は、伊黒さんにとって大切な家族じゃないんですかっ!!?」

 

「!!」

 

炭治郎がそう叫ぶと、小芭内はハッとした表情を浮かべた。其処へ間髪入れずに、輝利哉も話に加わった。

 

「炭治郎の言う通りだよ、小芭内……たとえ一緒に過ごした時間が僅かであっても、産みの母以上に大切な育ての母が、君には居るじゃないか。」

 

「っ!!」

 

輝利哉の説得を聞いて、小芭内が尊敬してやまない唯一の女性、瑠火の姿が脳裏に鮮明に浮かび上がった。

 

「もし小芭内に罪があるなら、蛇羅尼の生贄にされる為だけに生まれて死んだ赤ん坊達にも罪がある事になってしまう。だからその赤ん坊達の名誉の為にもはっきり言わせて貰う。」

 

「此の世の誰が何と言おうと、小芭内に罪などありはしない。此の世に小芭内を誕生させた神仏の英断に、私は心から感謝したい。そしてそんな小芭内を鬼殺隊に迎え入れられた事を心から光栄に思っているし、それを誇りにも思っている。」

 

『っ!!!』

 

父親の耀哉を連想させる輝利哉の凛々しい姿を見て、炭治郎達は圧倒されていた。また輝利哉が口にした称賛と感謝の言葉の数々が、小芭内の心の奥底に封印されていた、ある出来事を不意に思い出させていた。

 

『小芭内。貴方に罪はありません。どうか自分を追い詰めないで下さい。』

 

『此の世の誰もが、正道(みち)を外れない限り、幸せになる権利があります。だから小芭内も幸せになる事を、諦める必要など無いのです。』

 

『誰が何と言おうと、貴方も私の大切な息子です……小芭内の親にも成れて、私は幸せでした。』

 

――っっ……瑠火様っ……義母上っ。俺も貴女の様な素晴らしい女性(ひと)に、息子と認められて光栄でした。

 

小芭内は逝去する前に瑠火に言い聞かされた言葉の数々を思い出して、思わず胸に手を置いた。

 

「…………良しっ! 決めたっ!!」

 

『?』

 

炭治郎が何かしらの決断を下した様子で、温泉から勢い良く立ち上がった。すると小芭内の正面まで移動して、正座してから小芭内と向き合った。

 

「俺、今後は……いやっ! 今から伊黒さんの事は、小芭内さんって名前で呼びますからっ!!」

 

「っ?…………はぁっ!?!?」

 

『!』

 

炭治郎の唐突過ぎる決断の内容を聞いて、小芭内は酷く周章狼狽する他に無かった。輝利哉達も驚きはしたものの、何も言わずに状況を見守った。

 

「巫山戯るなっ!? 何故俺が、貴様に名前で呼ばれなければならないっ!!?」

 

「だって小芭内さんっ! 伊黒って苗字は大嫌いだけど戒めの為に名乗っているだけで、小芭内って瑠火さんが名付けてくれた名前は大好きなんですよね? だったら俺は小芭内さんが大好きな名前の方を呼びますっ!!」

 

「っ!?……ぐっ!!?」

 

自分は正しく何も間違ってはいないのだと言わんばかりに、曇り無きキラキラとした視線を炭治郎から受けて小芭内は思わずたじろいだ。

 

「っ!……っっ!!?」

 

炭治郎に反論したかった小芭内であったが、安易に否定すればそれは瑠火を否定する事に繋がってしまう。

 

その為に小芭内は炭治郎に対して何も言う事が出来ず、酸欠状態の魚の如く口をパクパクと動かす事しか出来無かった。炭治郎が言っている内容は正しかった上に、瑠火を否定する事などたとえ死んでもしたくなかった。

 

「っ!(ガリッ!)」

 

結局炭治郎の言い分に対して、小芭内はその斬り裂かれた口で名一杯歯軋りして苛立ちを抑える他に無かった。

 

「……プッ!……あっはははははっ!!」

 

「「!」」

 

其処に楽しそうな笑声が温泉内に広がった。炭治郎と小芭内は直ぐに、その笑声の下を辿る様に視線を向ける。

 

「あはははっ!」

 

其処は面白可笑しそうに爆笑する、輝利哉の姿があった。その姿は先刻までの年齢不相応な大名門の嫡男としてでは無く、何処にでも居る普通の美少年であった。

 

「輝利哉様……。」

 

「「「「クスクスッ……あはははっ!」」」」

 

「!」

 

するとひなき達も輝利哉に釣られて、同様に楽しそうな笑声を上げ始めた。その姿もまた、何処にでも居る年齢相応な普通の美少女にしか見えなかった。

 

「ぐっ……ひなき様達まで……。」

 

「クスクスッ……小芭内、君の負けだね。」

 

「………………はっ。」

 

輝利哉は引き続き笑いたい衝動を必死で抑えながら小芭内にそう言うと、小芭内は炭治郎に言い負かされた事実を悔しく思えば良いのか、輝利哉達を喜ばせた事実を嬉しく思えば良いのか分からない、複雑な表情を浮かべていた。

 

「シュルルルルルルルッ。」

 

そんな葛藤している小芭内を、鏑丸だけが静かに慰めていた。しかし鏑丸の顔は蛇であるが為に判り難いながらも、何処か嬉しそうな表情を浮かべている様に見えた。




お待たせ致しました。

今回ですが小芭内を救う為の仮説、皆様はどう思われますでしょうか? 賛同して下さったならば、私としては嬉しく思います。

宣伝
日の出様 https://www.pixiv.net/artworks/85188695

今作でアイデアを参考にさせて頂いた、素晴らしい絵師様です。多くの鬼滅ファンを感動させた名作を、是非ご覧になって下さい。他にも義勇中心の鬼滅漫画が多数あります。そちらも是非どうぞ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。