※この作品はR-18です。

優しき日輪と鬼殺隊の美蝶   作:蓮紅

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※キャプション必読・リクエストに関しての説明あり

・鬼滅の刃原作に関するネタバレあり。原作未読の方は閲覧注意。
・鬼滅の刃二次創作小説です。
・原作・キャラクターの性格・設定等改変の可能性大。一部キャラ崩壊注意。
・思い付き次第で何度も編集を繰り返す可能性大。お時間がある時で良いので、良ければ読み返してみて下さい。
・誤字脱字等のミス・内容の矛盾等の指摘は大歓迎。理不尽なクレームは受け付けません。
・コメント・メッセージ大歓迎。創作意欲の燃料になります。コメント・メッセージの返信は必ずさせて頂きますのでどしどし御投稿下さい。
・SS内容に関してはネタパクリと言う名の盗作を間違えてしないよう気を付けてますが、もし私が投稿した作品が既に別の作者様と内容が酷似していた場合、メッセージにて御連絡下さい。

※リクエストに関して
メッセージにてリクエスト内容を御連絡下さい。
以下規約参照
・100%受け付けられると保証された訳では御座いません。
・炭治郎×鬼滅女子のみ。
・作者は遅筆で怠惰癖あり。またリアルの都合や他SSの執筆で投稿が遅くなる可能性大。
・CP、全年齢かR作品か、ネタの内容を御記入下さい。ネタの内容が詳細で有れば有る程、筆が進むので御協力をお願い致します。


第陸拾壱話 日輪は主命に従い月蝶を堕とす ❤

東京府・産屋敷邸

 

大正二年(一九一三年) 三月十六日(日)

時間帯:早朝

天気:曇り

 

「い……おいっ。」

 

「ん……。」

 

炭治郎は耳に入って来る声を聞きながら、眠気が支配する脳裏を覚醒をさせようとした。

 

「ん……。」

 

しかし眠気が勝ったのか、炭治郎は覚醒する事無く再び沈黙しようとした。

 

「……っ。」

 

そんな炭治郎の呑気な様子に、声を掛けていた人物は額に青筋を浮かべる。

 

「何時まで寝てんだっ! さっさと起きねぇかっ!?」

 

「うわっ!?」

 

炭治郎は殴られたが如く入って来た怒声に、身体を勢い良く起こして起床した。

 

「……えっ?」

 

起床して炭治郎が目の当たりにしたのは見慣れた蝶屋敷の自室の天井では無く、分厚い雲に覆われた空であった。匂いも畳の井草の香りでは無く、自然の草木の香りであった。

 

「やあぁっと起きやがったな。炭治郎。」

 

「はいっ? えっ? ご、後藤さんっ?!」

 

炭治郎に声を掛けていたのは、鬼殺隊の下部組織『隠』に所属する後藤隊士であった。更に炭治郎が周囲を見渡すと、二つの事に気が付いた。一つは、自身を背負っている後藤隊士の存在。

 

「此処って……御館様の御屋敷?」

 

「そうだ。御館様がお前を連れて来いってさ。だから寝てる所を悪いけど、俺が背負って運んだんだよ。」

 

炭治郎は驚きながら産屋敷本邸の正門を見ていると、後藤隊士が炭治郎を運んだ理由を説明した。

 

「…………」

 

炭治郎は後藤隊士の説明を聞いて、ある疑問が脳裏に浮かんだ。直ぐに炭治郎は、後藤隊士にその脳裏に浮かんだ疑問を尋ねた。

 

「後藤さん。その……しのぶさん達はこの事は?」

 

炭治郎の疑問は、其処であった。しのぶ達に断って連れて来るなら、自分を起こしてから運ぶだろうと言う考えがあるからだ。単純に寝ていた自分に気を遣ってと言う事情もあるかもしれないが、やはりしのぶ達がこの事実を知っているかどうか知りたかった。

 

「……」

 

炭治郎の質問に、後藤隊士は答えなかった。後藤隊士に背負われている炭治郎の視点からでは後藤隊士の後頭部しか見えなかったが、視線を思い切り勢い良く逸らす後藤隊士の表情が明確に脳裏に反映されていた。

 

「もしかして……しのぶさん達は知らないんですか?」

 

「……置手紙は残しておいたから、大丈夫だと思うぞ。」

 

「…………」

 

後藤隊士が後ろめたそうに口にした発言内容を聞いて、炭治郎は静かに頭を抱えた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

東京府・蝶屋敷

 

大正二年(一九一三年) 三月十六日(日)

時間帯:朝

天気:曇り

 

「「「…………」」」

 

「むぅ――。」

 

蝶屋敷にある炭治郎の自室で、炭治郎の恋人達であるしのぶ達と実妹の禰豆子が居た。

 

しのぶ達の視線の先には、蛻の殻となっている炭治郎が使用していたと思われる布団一式があった。禰豆子はその布団一式の上に乗って、面白く無さそうにぽふぽふと叩いていた。

 

「!」

 

更に視線を向けていると、カナヲはある事に気付いた。布団の上に、一枚の紙が落ちていたのである。カナヲが指摘するとアオイがその紙を拾い、中身を広げて見せた。

 

 

おはようございます。御機嫌は……良く無いっすよね。

 

単刀直入に言うと、炭治郎を御館様の御屋敷に連れて行きます。

 

これは御館様直々の御命令ですんで、悪しからず。

 

『隠』の後藤より

 

 

次の瞬間、しのぶ達による声無き怒号が蝶屋敷にある炭治郎の一室で響き渡った。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「いきなりで悪かったね。炭治郎。」

 

「い、いえ。別に俺は気にしていませんから。」

 

炭治郎は耀哉と共に、整備された道を歩いていた。炭治郎と耀哉の二人だけでは無い。耀哉の愛妻であるあまねが耀哉を支える様に右側に控えており、輝利哉とかなたは炭治郎と手を繋いで歩いていた。

 

更に炭治郎の後ろを、二人の姉妹であるひなき、にちか、くいなの三人が羨ましそうに控えて歩いていた。

 

雨雲が厚く上空に展開しているので、『紙眼()』が日光に当たって焼け散る心配も無い。

 

「あの、御館様。どうして俺をお呼びになったんですか?」

 

「うん。輝利哉達がもっと炭治郎と一緒に居たかったみたいでね……それに蝶屋敷では、あまりゆっくり休めないんじゃないかと心配して呼んだんだよ。休暇だと思って、ゆっくり過ごして欲しい。」

 

「!……ありがとうございます。御館様。」

 

炭治郎は耀哉の配慮を聞いて中らずと雖も遠からずと思いながら、耀哉に向かって頭を下げた。

 

「えーと……これから俺達は、何処へ行くんですか?」

 

「うん。墓参りをするんだ。」

 

「お墓参り……ですか?」

 

炭治郎が復唱する様に呟いた後、耀哉が静かに頷いた。

 

「そう。今日まで戦って散って逝った、隊士(こども)達の墓参りだ。」

 

「!」

 

耀哉の説明を聞いて、炭治郎はハッとなった。

 

「耀哉様は毎日、お亡くなりになられた隊士の皆様の墓参りをなさるのが日課なのです。お身体が悪化してそれも難しくなっていたのですが……。」

 

「珠世が治療をしてくれた御蔭で、またこうして歩ける様になった。彼女には感謝しなくてはね。」

 

あまねが補足する様に説明をした後、耀哉は身体を動ける様になった事を珠世に感謝した。

 

「……でしたら、少し急いだ方が良いと思います。まだ大丈夫だと思いますけど、雨の匂いは確かにしますからっ!」

 

炭治郎は自身の胸中が少し熱くなった感覚を覚えた後、足を速めて先に進んだ。耀哉の体調を慮って無理の無い速度ではあったが。

 

 

 

♦︎

 

 

 

それから炭治郎は耀哉が鬼殺隊に所属する隊士の名前を一人残らず覚えていると言う事実を知って驚きながら、産屋敷家と墓参りを続けた。

 

墓参りを終えた後に、産屋敷本邸の使用人達が用意した朝食を堪能した。その際に炭治郎は次々とひなき達から食事を食べさせられて、少し困った様子ながらもそれを甘んじて受け入れた。

 

耀哉とあまねはそんな炭治郎達の様子を見て、嬉しそうに微笑んでいた。尤も、あまねの表情はあまり良く分からなかったが。

 

朝食後に炭治郎はひなき達と遊戯に専念した。当初は炭治郎達全員で手鞠を楽しんで遊んでいたが、雨が降って来たので早々に邸内に退避した。

 

それからままごとやカルタ取りなど邸内で、可能な室内遊戯に炭治郎達は切り替えた。ままごとでは誰が炭治郎の妻役をするかで少々揉めたが、結局全員が順番ずつ行った。その間、輝利哉が非常に退屈な時間を過ごす羽目になったと言うのは、最早言うまでも無い。

 

かくれんぼもしようと炭治郎が提案したが、嗅覚で何処に隠れても直ぐにバレてしまうと輝利哉達から指摘を受けて却下となった。

 

炭治郎は昼食を終えた後も、輝利哉達との遊びに専念した。日課の鍛錬を疎かにするのはどうかと一時悩んだが、休むのも鍛錬だと輝利哉達に説得されたので、炭治郎は鍛錬を忘れて輝利哉達との遊戯を楽しんだ。

 

それから夕食を共にした後、炭治郎は輝利哉達に共の風呂をせがまれた。室外の温泉は雨で入れなかったが、室内用の浴場があるので其処へ行こうと誘われたのである。

 

しかし耀哉が炭治郎と大事な話があると言って輝利哉達を止め、先に自分達だけで入浴を済ませ就寝に就く様にと強く言われてしまった。

 

流石の耀哉にそうと言われては輝利哉達も従わざるを得ず、残念そうにしながらも耀哉の言い付けに従った。

 

 

 

♦︎

 

 

 

東京府・産屋敷邸

 

大正二年(一九一三年) 三月十六日(日)

時間帯:夜

天気:雨

 

「……」

 

額に特徴的な痣を持つ鬼殺隊の隊士、竈門炭治郎は産屋敷本邸の邸内を歩いていた。

 

床を踏んだ際にギシギシと音が鳴るが、ザーザーと強い降雨の音が炭治郎の足音を掻き消していた。

 

「…………っ……。」

 

炭治郎は途中で足を止めて立ち止まったが、再び歩き出した。その表情からは、困惑と緊張が見て取れた。

 

それから暫く産屋敷本邸の邸内を歩いていると、ある場所へ到着した。

 

「着いた……着いちゃったよ……。」

 

炭治郎が困った様子でそう呟きながら、前方にある建物を見た。

 

その建物とは炭治郎が最愛の恋人達であるしのぶ、アオイ、カナヲ、蜜璃、そして実妹の禰豆子と身体を重ねた産屋敷別邸であった。

 

「スゥ――――ハァ――――」

 

炭治郎は深呼吸をした後、ゆっくりと襖を開けた。産屋敷別邸の室内には、既に炭治郎以外の人物が先に入室していた。

 

「お待ちしておりました。竈門炭治郎様。」

 

其処には炭治郎達の主人とも言える、鬼殺隊の首魁にして産屋敷家現当主、産屋敷耀哉の愛妻のあまねが正座して座っていた。そんなあまねが、正座をしたまま炭治郎に一礼する。

 

――どうして、こんな事に……。

 

炭治郎は単純な動作にも関わらず、気品すら感じるあまねの姿に見惚れながら、これまでの経緯を思い出していた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「炭治郎、今日は輝利哉達と沢山遊んでくれてありがとう。」

 

「いえ。俺も楽しかったです。何も気にせずにあんなにのんびりとした日を過ごせたのも、久しぶりですから……。」

 

炭治郎はそう言うと、ちらっと後ろを見た。その視線の先は、自身の背中を見ようとしている様に見えた。

 

「禰豆子が居ない事が気になるかな?」

 

「えぇ、まぁ……。」

 

耀哉の指摘を受けて、炭治郎は言葉を濁しながらそう言った。

 

「でもしのぶさん達が禰豆子の面倒を見てくれてるから、心配は一切してません!」

 

炭治郎がキリっとした表情を浮かべてそう言うと、耀哉は面白そうにクスッと笑みを浮かべた。

 

実は炭治郎達が朝食の最中に、しのぶから鎹鴉を通して手紙が届いたのである。其処には一行だけ、「禰豆子さんのお世話は私達が全力でしますから、ゆっくりお過ごし下さい。」と書かれてあったのだ。

 

常に禰豆子を傍に置いておきたいと考えている炭治郎であったが、最愛の恋人達であるしのぶ達にそう告げられては全面的に信頼も信用もしない訳が無かった。

 

「それ以上に……その後の皆の事で、俺は驚きましたよ。」

 

「そうだね。」

 

炭治郎がそう言うと、耀哉が静かに首肯して頷いた。しのぶ達の手紙は、朝食の時だけでは無かったのだ。その後、昼食の最中にしのぶ達から再び鎹鴉を通して一通の手紙が届いた。

 

 

 

♦︎

 

 

 

その内容は、珠世と愈史郎の歓迎会に出席した行冥達のその後について書かれてあった。

 

行冥は獪岳と沙代を連れて、自身が住む岩屋敷と呼称されている自身の屋敷に帰ったと言う。獪岳には次期柱候補の一人として、自ら修行を課すらしい。

沙代は住む当ても無く、また行冥と再び一緒に暮らしたいと言う本人希望もあって移住が決定したそうだ。

 

次に天元は何と、善逸を継子に指名して半ば強制的に自身と愛妻の雛鶴達と住む音屋敷と呼称されている自身の屋敷へ帰ったそうだ。

その際に善逸が五月蠅く喚き散らしていたらしいが、天元が拳骨を一発喰らわして気絶させて沈黙させたとの事だ。

 

次に実弥は和解した実弟の玄弥、そして耀哉に強制的に継子に指名された愈史郎、最後に何と伊之助も連れて自身が住む風屋敷と呼称されている自身の屋敷に帰ったと言う。

しのぶ達の手紙曰く、天元に継子に指名されて連れて行かれた善逸の様子を羨ましそうに見送ったらしく、そんな伊之助の様子を見て自分の下で修業しないかと実弥が誘ったらしい。伊之助が駆使する獣の呼吸も、風の呼吸の派生である事も大きな理由であった。

伊之助は実弥の誘いを喜んで受け入れ、嬉々として実弥の後を付いて行ったそうだ。対照的に、愈史郎はかなり嫌々とした様子で実弥と共に蝶屋敷を出て行ったと手紙には書かれてあった。

 

特筆されていた柱はこの三人だけで、他の義勇、小芭内、蜜璃、無一郎に関しては何も書かれていなかった。

 

その代わり、獪岳と善逸の育手である慈悟郎は何と蝶屋敷にそのまま滞在する事になったそうだ。

曰く、自身の屋敷に帰っても何もする事は無く、それならば負傷から復帰に向けて訓練する隊士達の訓練教官になった方が有意義ではないかと珠世に提案されたのだと言う。

しのぶも滞在許可を出した事もあって、慈悟郎も初日から鬼教官となって隊士達を扱いていると手紙には書かれてあった。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「珠世と愈史郎が来てくれて、鬼殺隊は一気に変貌を遂げた。それも、大変良い方向へ……。」

 

「はい。御館様が仰る様に、とても良い方向へ向かっていると思います。これも全部、珠世さんと愈史郎さんの御蔭です。」

 

耀哉の言葉を聞いて、炭治郎は直ぐに賛同した。

 

「……あまね」

 

「はい。」

 

耀哉の賛同を聞いた後、背後に静かに控えていたあまねを近くまで呼び寄せた。すると耀哉はあまねの耳元まで、顔をゆっくりと近付けた。

 

()()に手紙を出しておいてくれ。それから君は、()()()()へ……。

 

「!!……承知致しました。」

 

あまねは一瞬だけ両眼を見開いた後、直ぐに元の無表情に戻って一礼してから部屋を退室した。

 

「……」

 

炭治郎は耀哉があまねに何を言ったのか気になったが、声が小さくて聞こえなかった。其処へ意識が囚われた炭治郎を他所に、耀哉は炭治郎に話し掛けた。

 

「炭治郎。早速だけど、本題に入っても良いかな?」

 

「え? 本題?……はい、大丈夫ですっ。」

 

耀哉に声を掛けられた炭治郎は、慌てて背筋を伸ばして耀哉と正面を向いた。

 

「私が君を呼んだのは、他でも無い。君にしか頼めない頼み事があるからだ。」

 

「!!」

 

耀哉から頼み事があると聞いた瞬間、炭治郎の表情に緊張感が宿った。炭治郎が緊張するのも、無理も無い。

 

鬼殺隊の頂点に立つ首魁であるから、と言う理由だけでは無い。これまでの経緯から炭治郎はこれまで二度に渡って、自身の度肝を抜く提案を耀哉から受けている。

 

やれ血脈保存の為に鬼殺隊を辞職しろだの、その血脈保存の為にお見合いを受けろだのと自身の判断力の許容範囲を容易に超えて来る無理難題を言われているのだ。

 

「ごめんね。炭治郎。何度も君に無理な事を言って。」

 

「……いえっ。大丈夫です。御館様からの頼み事でしたら、喜んで引き受けます。」

 

炭治郎が耀哉にそう言ったのは、何も上辺だけの返事では無い。本心から敬愛する耀哉に、炭治郎は尽力したいと願っている。

 

「……と言っても、俺に出来る事なんて限られてますけど。」

 

尤も、炭治郎の力に叶えられる頼み事と言う範囲に限定されるが。幾ら炭治郎がお人好しと言っても、出来ない事を出来ると言える様な不誠実な性格はしていないのだ。

 

「あはははっ。大丈夫だよ……これは()()()()()()()()()()事だから。」

 

「えっ? 俺にしか?」

 

耀哉が口にした内容を聞いて、炭治郎の胸中に疑問が宿った。耀哉は一体、自分に何を頼む心算なのだろうと。

 

「うん。その通りだ……実はね。」

 

耀哉は一呼吸置いてから、頼み事と言う本題を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耀哉が口にした炭治郎への頼み事と言うのは、これまでとは別の意味で比較にならない程の驚愕すべき内容であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「炭治郎。君にあまねを抱いて欲しいんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………………」

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………………………………は?」

 

炭治郎が耀哉の内容を聞いて、理解するのに時間が掛かった。否、炭治郎は未だに内容を理解出来てない。寧ろ言われた内容を飲み込む事すらやっとであった。

 

「……炭治郎。君にあまねを抱いてやって欲しいんだ。匂いで分かるだろうけど、私は言っている事は冗談でも何でも無い。大いに真面目な話だ。」

 

「冗談、な訳ありませんよね……っ……本気で言っているんですかっ。」

 

「ああ、本気だとも。」

 

「っっ。」

 

耀哉の声色からその真剣さを感じ取った炭治郎は、何も言えずに口を噤んでしまう。

 

「スゥ――ハァ――。」

 

炭治郎は自身を落ち着かせる為に、一度深く呼吸を吸って深呼吸を行った。

 

「っっ……御館様は、あまね様を愛していないのですか?」

 

「いいや、愛しているよ。心から彼女を、私は愛している。」

 

「だったら、どうしてっ……っ!」

 

「愛しているからこそ、手放さなければならないんだよ。炭治郎。」

 

「!?」

 

耀哉が応えた内容を聞いて、炭治郎は再び驚愕する。そんな炭治郎に、耀哉は畳み掛けて行く。

 

「例えば炭治郎。君が死んだとして……しのぶ達には自分への貞操を貫いて一生独り身を貫いて最期まで生きて欲しいかい? それとも……自分の事など忘れて、幸せに生きて欲しいと願うかな?」

 

「そ、それはっ!……っっ。」

 

耀哉の質問に、炭治郎は即答する事が出来なかった。

 

「私はあまねが生きて、幸せになって欲しいと思っている。例え他の男性と結ばれ、私の事を忘れてしまっても私は構わない。」

 

耀哉は其処まで断言すると、一呼吸おいてから『紙眼()』で闇夜に降り注ぐ雨を見ながら話し始めた。

 

「炭治郎。君は産屋敷家に関して、輝利哉から聞いているね?」

 

「っ!……え、えぇ。輝利哉君から聞いてます。」

 

「なら産屋敷家の人間(私達)が短命である事も、知っているかな?」

 

耀哉から尋ねられた炭治郎は、静かに首肯した。そんな炭治郎の様子を見て、満足気に耀哉は一度頷いた。

 

「なら良いんだ。それを踏まえて聞くけど……私の母や祖母、曾祖母はどうなったと思う? 因みに言うともう皆、もうこの世には居ないんだ。」

 

「御館様のお母さんやお祖母ちゃん、ですか? それは…………あれ?」

 

炭治郎は耀哉の質問に答えたが、自分自身で思い付いた回答を口にしようとして、即座に疑問を浮かんだ。

 

「えっ? あれ? でも……何でっ?」

 

炭治郎は自身の胸中で、困惑が生まれている事をはっきりと自覚していた。そう、耀哉の母や祖母に当たる女性達は、産屋敷家の外部の人間である。呪いとは関係無いため、耀哉の年齢を考えれば存命の筈なのだから。

 

「すみません。分かりません……御病気か何か、でしょうか?」

 

「いいや、違うよ……その方が、どれ程良かっただろうね。」

 

「!!」

 

耀哉は寂しそうに、そう言った。炭治郎は余計な事を言ってしまったかと後悔したが、それ以上に耀哉が口にした言葉の内容が気になった。

 

「鬼舞辻無惨と千年以上戦い続けて来た産屋敷家に、生まれてしまった忌むべき悪習……何時から始まったかまでは分からないけれど、当主が死んだ場合、その妻は殉死する事になっているんだ。」

 

「!!?!?」

 

隠されていた産屋敷家の闇と言える悪習を知り、炭治郎は驚愕し愕然となった。

 

「ただ、勘違いしないで欲しい。これは誰も強制をした訳でも無い。ただ、歴代の当主の妻は自主的に後を追って殉死している。そして悲しい事に、この流れは今日まで止められていないんだよ。私の母も祖母も曾祖母も皆、父と祖父と曾祖父の後を追って毒を飲んで死んだ。」

 

「……っ。」

 

罪悪感の匂いを漂わせながらそう言った耀哉に、炭治郎は悲しい気持ちを抱いた。

 

「……あまね様も、御館様の後を追うと言ったんですか?」

 

「私はしないで欲しいと伝えたのだけどね……あまねは意外と、頑固な一面があるから……。」

 

耀哉はそう言うと、疲れた様子で溜息を一息吐いた。耀哉の様子から自身を想ってくれる事を嬉しく思う反面、生きて欲しいと言う願いが複雑に織り交ざっている様に炭治郎は感じた。

 

「其処であまねに一つ、私から賭けを持ち掛けたんだ。」

 

「賭け?」

 

炭治郎は耀哉の意図が理解出来ず、思わず首を傾げた。

 

「そう、賭けだ……あまねが炭治郎に抱かれて私への想いが揺らがなければ、殉死を認める。もし少しでも炭治郎に心変わりしたなら、殉死はしないという賭けをね。」

 

「…………」

 

炭治郎は耀哉からあまねとの賭け事の内容を聞いて、思わず頭を抱えた。

 

「と言う訳で、炭治郎。私の事は気にせず、人助けも兼ねてあまねを可愛がってやっておくれ……しのぶ達が夢中になる程の君の手練手管に、私は期待しているんだ。よろしく頼んだよ。ああ。それから風呂には入らずに、真っ直ぐあまねの下へ向かって欲しい。その方が良いと、私が思うから。」

 

「………………はい。」

 

話の一連を聞き終えた炭治郎は、力無く耀哉に返答して一礼するのがやっとであった。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「おっ……お邪魔させて頂きます。」

 

炭治郎は緊張しながら、産屋敷別邸の室内に入室した。それからあまねの正面に、炭治郎は正座して座った。

 

「竈門様。」

 

「ひゃいっ!!」

 

あまねに呼ばれた炭治郎は、思わず飛び上がりそうになりながら急いで返事をした。その際に少し噛んでしまったが、この際どうでも良かった。

 

「先ずは私達夫婦の問題に巻き込んでしまった事を、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。」

 

「!!!」

 

あまねが土下座をして炭治郎に謝罪をしたので、炭治郎は大いに慌てた。

 

「頭を上げて下さいっ! 俺だって、断れば良いのにこうして何だかんだ言いながら引き受けてしまってますからっ!……っ!!」

 

炭治郎が慌てながらそう言うので、あまねはゆっくりと頭を上げてた。

 

「いえ。私の方こそ、引き受けて頂けて感謝しているのです……これで竈門様に抱かれても何とも思わなければ、好きにして良いと耀哉様からお言葉を頂いておりますので。」

 

「…………」

 

あまねが炭治郎に抱かれる事がまるでどうでも良い様に聞こえて、炭治郎は男としての『何か』に響くものがあると思いながらも敢えて聞き流した。

 

「……それから、一つだけお願いがあるのですがよろしいでしょうか?」

 

「っ! はい。何でしょうか?」

 

「……私は身体は、竈門様の好きになさって頂いて構いません。……ですが接吻だけは、しないで頂きたいのです。どうかお許し願えないでしょうか?」

 

「……分かりました。」

 

あまねの懇願に等しい頼み事を聞いて、炭治郎は直ぐに力強く首肯して承諾した。

 

「感謝致します。では……。」

 

あまねは僅かばかりに安堵の表情を浮かべると、着用していた寝間着を脱いだ。

 

「!?」

 

炭治郎は両眼を見開いて驚愕しながら、全裸になって座るあまねの姿を見た。

 

僅かな蝋燭の明かりで照らされているあまねの裸体は、逆に幻想的に映っている様に見えた。これで天気が晴れて月明りであまねの裸体が照らされていたならば、更に神秘的な光景だっただろうと炭治郎は思った。

 

「胡蝶様達と比べたら、歳を食い張り艶も無い身体でしょう。竈門様も食指が動かないであろうと思われますが……。」

 

「そんな事は無いですっ! 全くありませんっ! あまね様は、とっても美しいですっ。」

 

卑屈に自身を評価するあまねに、炭治郎は慌ててそれを否定してあまねの美しさを評価した。

 

「と言うか、あまね様はまだ二十七歳じゃないですか。まだ十分、お若いですよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

炭治郎の称賛を聞いて、あまねは頭を下げて感謝を述べた。

 

「見るだけでなく、お好きな様にどうぞ。」

 

「……はい。」

 

あまねに促された炭治郎は、右手を伸ばしてあまねの左乳房を揉んだ。

 

――張りがあるな……でも硬いだけじゃない。揉んでて気持ち良い……。

 

炭治郎は右手だけで左乳房を何度か揉んだ後、左手も伸ばしてもう片方の右乳房も同時に揉み始めた。それから時折、親指と人差し指で優しく乳首を挟む様に摘まむ。

 

「……」

 

自身の乳房を揉むそんな炭治郎を、あまねはただ静かに見下ろしていた。

 

「……はむっ。」

 

そんな様子のあまねに気付かないまま、炭治郎は乳房を揉んだまま右乳房を口に咥えて吸い始めた。

 

「ちゅうっ……ちゅううっ。」

――……んっ?

 

そのまま吸っていると、炭治郎は漸くこの状況に違和感を覚えた。

 

――凄く静かだ。何故?

 

産屋敷別邸の室内では、炭治郎が乳首を吸う水音しか聞こえない。

 

これがしのぶ達であれば、熱い吐息と幸福の香りを共に嬌声を上げている場面だ。だと言うのに、とても炭治郎が知っている情交(セックス)とは思えない程の静寂であった。

 

「(チラッ)……っ!?」

 

炭治郎が乳首を口に咥えたまま、両眼だけを動かしてあまねの表情を伺った。すると其処には、無表情に炭治郎を見下ろしているあまねの姿があった。

 

「はっ……っ……あまね様、気持ち良く無かったですか?」

 

「いえ、別にその様な事は……ただ、赤ん坊の頃の輝利哉達に母乳(ちち)を与えていた頃を思い出しておりまして。」

 

乳首から口を離した炭治郎がそうあまねに尋ねると、あまねはそう言って炭治郎がにそう応えた。

 

「!!」

 

その際に炭治郎は、あまねから嘘の匂いを感じ取った。輝利哉達に母乳を与えていた頃を思い出していたのは、嘘と言う訳では無い。炭治郎の質問に否定した際に、嘘の匂いを感じ取ったのだ。

 

つまり、あまねは炭治郎の愛撫に何も感じていなかったのである。更に輝利哉達に母乳を与えていた頃を思い出す余裕すらある事が、炭治郎の自信に傷を付けた。

 

「っ…………あまね様。仰向けに横になって、足を広げて頂けますか?」

 

「分かりました。」

 

炭治郎は乳房への愛撫を止めて、あまねに秘部を広げる様に頼んだ。あまねは抵抗する事無く、無造作に両足を広げて秘部を炭治郎の前に広げて見せた。

 

「これでよろしいでしょうか?」

 

「はい。綺麗ですね……此処から、輝利哉君達が生まれて来たんだ……。」

 

「その通りです。」

 

炭治郎が口にした感想を耳にしても、あまねは羞恥心を抱く事無く応えた。

 

「……」

 

炭治郎は何も言わず、あまねの秘部に顔を埋めて口淫を始めた。それも態と音を立てて、嫌らしく秘部を嘗め回し始めた。

 

「……何だか、子犬に舐められているみたいですね。」

 

「!!?」

 

しかし先刻と同様、室内に炭治郎が立てる水音が鳴り響くだけであまねから一切の嬌声は上がらなかった。それどころか、あまねは何とも思っていない様子でその様に感想を述べた。

 

――あまね様、もしかして感じないのか?

 

炭治郎はあまねの特異性を感じて、困惑しながらも秘部への愛撫を続ける。しかし、あまねからは一向に変化が起きる様子が無い。

 

――……ううん。不感症……かと思ったけど、もしかして経験が無いからかな。御館様、激しい動きは出来ないだろうし。

 

炭治郎はある書物で不感症の文字を思い出してそうなのかと思ったが、考えを改めた。余談だがアオイが所有していた艶本に、不感症に関しても記述があった。しかし当時は他人事と思っていたので、まさかこの様な形で関わるとは炭治郎も思ってはいなかった。

 

そして炭治郎が後から予想した考えが、実は的中していたりする。

 

耀哉とあまねの初夜は実に淡白なもので、愛撫らしい愛撫の無く挿入して射精するという実に呆気ないものであった。それでもあまねが輝利哉達を授かる事が出来たのは、あまねの危険日を正確に計算し更に産屋敷家に代々伝わる排卵剤を摂取していたからであった。

 

この日以降、耀哉があまねと情交(セックス)をする事は無く、あまねも半ば女を捨てていたのである。子を作って早死にするという事情があれば、それも仕方がないものだと思われる。しかしそれは夫婦としてはあまりにも、淡白過ぎるものだった。

 

――いや、まだ何とかなる筈だ。

 

炭治郎は気を取り直しつつ、あまねの秘部から口を離した。

 

「あまね様、失礼します。」

 

炭治郎はあまねの身体を頭から足まで一度見渡した後、優しく確認する様に触れ始めた。

 

――何処にある? あまね様が敏感に感じる場所は……。

 

炭治郎はあまねの反応に注意しながら、身体をあちらこちらを触ってあまねの反応を確認し始めた。

 

炭治郎はこれまでしのぶ達と情交(セックス)をする時も、身体を触れて敏感に感じる場所を探しその反応を楽しんでいた。尤も、しのぶ達は敏感で何処に触れても感じてくれていたので、その必要性も薄れて忘れ掛けていたのだが。

 

「……」

 

炭治郎があまねの身体をあちらこちら触る中、あまねはただ炭治郎を無言で見下ろすだけだった。そんなあまねの態度が、炭治郎に焦燥感を抱かせて行く。

 

――……あっ!

 

対応に難儀している炭治郎であったが、その際にある事を思い出した。

 

それは不感症に関して書かれてあった、同じ書物に書かれてある事でもあった。

 

「……あまね様。すみませんが、身体を起こして下さい。」

 

「分かりました。」

 

両足を広げて秘部を晒していたあまねは、炭治郎に言われるがまま身体を起こしてそのまま座った。

 

「失礼します。そのままじっとしてて下さいね」

 

「?」

 

炭治郎はあまねの左側にそのまま移動すると、ゆっくり座り込んだ。そして徐に、あまねの左腕を掴んで上に上げた。

 

「……!? 竈門様、何を。」

 

「失礼します。れろっ……。」

 

「!!」

 

炭治郎はあまねの左腕を掴んで上げると、あまねの左側の脇が露わになった。炭治郎は直ぐ様、顔を埋めて左脇を舐め始めた。

 

「あっ!……かま、ど……さまっ!」

 

「!!!」

 

炭治郎は産屋敷別邸に入って初めて、あまねから感情の乗った声を耳にした。その声色には、困惑と快感が宿っていた。

 

――やっぱり……此処が、あまね様の性感帯なんだ。

 

炭治郎はあまねの脇を舐めながら、嬉しそうにそう思った。

 

のだ。しかし不感症と見せ掛けて、常人よりも感度や性感帯が異なる事に関しても記述があった。

 

其処で炭治郎はあまねの性感帯がしのぶ達と異なる場所にあるのではないかと考え、先ずは脇を攻める事にしたのである。

 

――さて、他には無いかな? あまね様の性感帯……。

 

炭治郎はあまねの脇を舐めながら、ゆっくりと右手をあまねの背中に回した。そして右手を添えると、そのまま指を密着させる様に背中を優しく撫で始めた。

 

「んんんっ!!?」

 

「!」

 

炭治郎が背中を撫でると、あまねはビクッと身体を震わせた。それを見て、炭治郎は再び嬉しそうに微笑んだ。

 

――二つ目、見付けた……何かお宝探ししているみたいで、楽しくなって来たなぁ♪

 

当初抱いていた焦燥感などは何処へ行ったのかと問い詰めたくなる程、炭治郎は一転して機嫌が良くなっていた。

 

それから炭治郎はあまねの性感帯が他にも無いか、注意深く探し始めた。

 

その結果、耳の裏と首筋もあまねの性感帯である事が分かったのである。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「あまね様っ……ちゅっ、ぢゅうっ……ちゅううっ。」

 

「んふぅっ!? んんっ!……あっ、あぁああっ!?」

 

炭治郎はあまねの首筋に顔を埋め、執拗に舐めたり吸い付いたりしていた。調子を取り戻し始めた炭治郎は、愛撫の最中に考え事を行う余裕すら出てき始めている。

 

――確かあの艶本(ほん)には、感度が低い人の治し方も書いてあったな。今回はその応用が利きそうだ。

 

炭治郎は更に右手であまねの乳房を揉み、先端の乳首を優しく摘む。そして左手は優しく中指の腹で背中を撫で続けていた。

 

「ああっ!……嘘っ、何か来るっ…………~~っっ!!!」

 

「!!」

 

あまねは突如、身体を大きく震わせた後に動かなくなった。そんなあまねを見て、炭治郎も愛撫するのを止めてあまねを見た。

 

「はぁっ……はぁっ……一瞬、視界が真っ白に染まって……い、今のは一体……。」

 

「あまね様は、イったんです。つまり絶頂したんですよ。それだけ、気持ち良くなってくれたって事ですよね?」

 

「!!」

 

息も絶え絶えにしながら困惑するあまねに、炭治郎はあまねの現況に関して指摘した。炭治郎に指摘されたあまねは、驚愕するのを隠せなかった。

 

「あまね様は、身体の一部分だけ敏感みたいです……だから暫くの間、他の部位でも感じられる様に愛撫を続けますね。」

 

「か、竈門様っ。どうかお待ちを、あぁっ!」

 

炭治郎を静止しようとするあまねの声を無視して、炭治郎は再び愛撫を続けた。

 

炭治郎は敏感な部位と鈍感な部位を同時に愛撫する事で、鈍感な部位の感度を回復させようと試みているのである。この方法も、アオイが所有していた艶本の一冊に記載されていた方法であった。

 

 

 

♦︎

 

 

 

それから暫くの間、炭治郎は執拗なまでにあまねに愛撫を続けて行った。そしてあまねは、休む間も無く幾十回と絶頂を繰り返す事となったのである。

 

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……っっっ。」

 

炭治郎の手で繰り返し絶頂させられたあまねは、肺に新鮮な酸素を送り込もうと荒々しく呼吸を繰り返していた。

 

「気持ち良かったですか? あまね様。」

 

「!……っ。」

 

炭治郎は他意など一切無く質問した事であったが、あまねは答えずにそっぽ向いてしまった。しかしその行動自体が、肯定していると言っても過言では無かった。

 

「なら良かったです。それにしても……っ。」

 

炭治郎は何かを言おうとしたが、逆に口を噤んでしまう。その理由は、あまねの全裸にあった。

 

あまねの全裸を見た当初は、彫刻などの芸術作品の様な美しさを感じていた。逆に言えば、色気が感じられず人形の様であった。

 

しかし、現在のあまねは違った。炭治郎によって何度も愛撫をされて絶頂を繰り返した結果、その裸体には赤み掛かった熱量が生じていた。薄っすらと見える汗も相俟って、より肉感が表現され人間らしい美しさと色気を発生させていたのである。

 

「……(ゴクッ)」

 

炭治郎としては、現在のあまねの方が好みであった。あまねの裸体を見て生唾を飲み込み、自身の逸物が膨らむのを感じ取った。

 

「あまね様だけ全裸(はだか)なんて、不公平ですよね。すみません。俺も今から脱ぎますから。」

 

炭治郎はそう言うと、急ぎ隊服を脱ぎ捨てて行く。

 

「はぁ……はぁ……っ……ひっ!?」

 

呼吸が落ち着いて来たあまねであったが、自身の両眼にある光景が写った時、思わず悲鳴を上げてしまった。

 

「どうかしました?」

 

「そ、それは何なのですかっ?……っ!」

 

あまねの短い悲鳴を聞いた炭治郎が心配そうに尋ねると、あまねが身体を少し震わせながらある一点に向って右人差し指で指差しをした。

 

右人差し指の先には、炭治郎の勃起した逸物の存在があった。

 

「何って……俺の男性器ですけど?」

 

「嘘っ……そんなっ。私が知っている男性器(もの)とは、全然違う……っっ。」

 

キョトンとしながら答える炭治郎に、あまねは当惑を隠す事が出来ずに思わず呟いてしまう。その呟きを、炭治郎ははっきりと耳にしていた。

 

――御館様と比べられたのかな?……どうしてだろう? 勝っても嬉しく無いや。ははっ。

 

心中で複雑な笑みを浮かべつつも、表面には出さずにゆっくりとあまねに接近し左手の指を優しく挿入する。

 

「あっ!?」

 

「これだけ濡れていたら、大丈夫ですね。じゃあそろそろ……。」

 

炭治郎はあまねの秘部の濡れ具合を確認した後、左手で自身の逸物を握ってあまねの秘部へと狙いを定めた。

 

この炭治郎の行動に、あまねは焦燥感を抱いた。

 

「なっ!?……そっ……まっ。」

 

「あまね様は、好きにして良いと言いましたよね?……なので、好きにさせて頂きますっ!」

 

あまねが制止の声を上げようとするのも黙殺し、炭治郎は自身の逸物をあまねの秘部へと挿入した。

 

「あああぁぁぁぁっ!!??」

 

炭治郎に規格外の逸物を自身の秘部に挿入されたあまねは、その逸物から発生する圧迫感と熱量を直に感じてこれまでは比較にならない嬌声を上げた。

 

「ふうぅぅっ……思っていたよりも、きついですね……。」

 

「あっ……あぁっ。」

 

炭治郎はあまねの秘部の締め付け具合を感じて、思わず腰を震わせる。一方のあまねは、挿入時の衝撃に両眼が点になっていた。

 

そんなあまねに構わず、炭治郎は即座に次の行動に移った。

 

 

 

パンッ! パンッ! パンッ!

 

 

 

「んああっ!……くうふぅっ!?……ああぁんっ!」

 

炭治郎が始めた反復動作(ピストン)を受けて、あまねは我に返り幾度と襲って来る衝撃に嬌声を漏らし続ける。

 

「あまね様……気持ち良いですか?」

 

「ひぃあんっ! ああぁっ! んふうぅっ!?」

 

炭治郎の問いに、あまねは答える余裕が無い。自身の愛撫でも何も感じなかった当初とは違い、現在では自身の反復動作(ピストン)に感じてくれている事を嬉しく思いながら、炭治郎は続けていた。普段ならばもっと激しくしているが、今回はあまねに考慮して比較的優しめであった。

 

「あぁっ! あうぅっ!!……っっっ!!!」

 

その為か暫く炭治郎が反復動作(ピストン)を続けていると、あまねに耐性が僅かながら付いた様で顔を動かすと炭治郎と目が合った。

 

「嫌っ! 見ないでっ……見ないで下さいっ……っっ!」

 

「!!?」

 

しかし次の瞬間、あまねは明確な拒絶を示しながら顔を隠す様に両手で顔を覆った。あまねがそう言うのを聞いて、炭治郎は思わず動かしていた腰を止めてしまう。

 

「あまね様っ?……。」

 

「っ!!……すみません。竈門様……っっ。」

 

あまねはそう言って炭治郎に謝罪したが、自身の顔から両手を離そうとはしなかった。

 

「……いえ、大丈夫ですよ。あまね様。」

 

炭治郎はあまねから罪悪感の匂いも同時に嗅ぎ取った。其処で炭治郎の脳裏では、ある推測が浮かんでいた。

 

――御館様じゃなくて俺に抱かれてるから、顔を見られたくないし俺の顔も見たくないのかな。

 

炭治郎はそう思うと悲しくなるが、同時にあまねの気持ちも理解出来るので何も言えなかった。

 

――……そうだっ!

「あまね様、こうしましょう!」

 

「はい? んあぁっ!?」

 

炭治郎は逸物を挿入したまま、クルリとあまねの身体を器用に動かして俯せの態勢にした。それからあまねの豊満な乳房を、両手で鷲掴みにする。

 

「これで俺の姿を見る事はありません。御館様に抱かれてると思って、気持ち良くなって下さいっ!!」

 

「んあああぁぁっ!? 待って、駄目っ……あっ! ああああっ!!」

 

炭治郎は鵯越え(後背位)で再び、勢い良く反復動作(ピストン)を再開させた。肉がぶつかる音が産屋敷別邸の室内で響く中、あまねの嬌声も更に声量が大きくなって室内に響いていた。

 

「はうぅっ! あううぅっ!!」

――駄目っ……後背位(この体勢)だと却って、竈門様の逞しい御身体を……殿方の匂いを、男性器の大きさを意識してしまう……何とか、しないと……。

 

炭治郎から責められているあまねは、襲って来る快楽に抗いながら何とかこの状況を打開しようと思考を巡らせていた。

 

「ああぁぁっ! あああぁぁんっ!」

一ああ、何も出来ないっ……竈門様に一突きされる度に、私の中で何かが上書きされて行くっ……。

 

しかし快楽に抗えず、あまねはただ嬌声を上げる事しか出来なかった。

 

「ああんっ!……あっ!? 何か、私の膣内(なか)で膨らんで……。」

 

「あまね様っ……うぅっ! そろそろっ、射精()しますっ!」

 

「ひっ!? ま、待って下さいっ! そんな事をされたら、私はっ!……あっ!?」

 

あまねは炭治郎が射精すると聞いて、慌てて止めようとした。しかしそれで炭治郎も止まる筈も無かった。更に自身の子宮が異様な熱を帯びた事に困惑し、声を止めてしまう。

 

 

 

ビュルルルルルルルルウウウウウウウウウゥゥゥッッッッ!!! ビュルルルルウウウウウウウウゥゥゥぅぅぅッッッッ!!!

 

 

 

「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!???」

 

其処へあまねは白濁の溶岩と表現出来る様な、炭治郎の精液の熱量を子宮に浴びて大きく絶頂した。

 

「う……そっ。何なの……この量……あぁっ……ああぁぁぁまたんああぁぁぁっ!!!」

 

あまねは耀哉とは比較にならない子宮が溺れる程の精液を受けて、絶頂したばかりにも関わらず再び絶頂した。

 

「があぁっ……絞り取られる……。」

 

炭治郎は口元から涎を一筋零し豊満な乳房を鷲掴みにしながら、射精の快感に腰を震わせて精液をあまねの子宮に目掛けて射精を続けていた。

 

――あぁ……膣内(なか)に……出されてしまった……信じられない量…………っっっ。

 

あまねは半分放心状態になりながら、自身の現況について見詰めていた。そして分かってしまった事が二つ程あった。

 

――っ!!……何なの。この感覚は……私は……っっ。

 

一つは、自分の中で何かが満たされた様な満足感であった。例えるならば、乾いた大地に恵みの雨が降り注いだ様な渇きの解消だった。

 

「……っ!?」

――まさかっ、そんな……どうしてっ。まだ固くて大きいっ。一回出したのに……っ!

 

もう一つは炭治郎の逸物が未だに臨戦態勢にある事に、あまねは内心で戦慄していた。それは耀哉に一回射精されただけで終わった事実が、全ての男性に共通する事だという思い込みによるものであった。

 

「ふううぅっ……ふううぅっ!」

 

「あぁっ! んぁっ! そんなっ! またっ……んんんっ!!」

 

炭治郎が再び反復動作(ピストン)を始めた事で、絶頂の余韻が冷めやらぬまま、あまねに再び快楽の波が波状攻撃の状態で襲って来た。

 

「……っ!? えっ!?」

 

すると炭治郎が突然、驚愕の声を上げながらあまねの豊満な乳房から両手を離した。炭治郎の両手は何故か、白く染まっていた。

 

「すんすん……この匂い……母乳?」

 

「!」

 

炭治郎が懐かしさすら感じる母乳の匂いを指摘すると、あまねが横顔を炭治郎に向けていた。あまねの表情は、羞恥心から僅かに赤面していた。

 

「実は……輝利哉達を産んでからも、母乳は止まらず……定期的に絞っていたのです。でもどうして? この前、絞ったばかりなのに……。」

 

「……っ(ゴクッ)。」

 

あまねは乳首から零れる母乳に当惑の声を上げるが、炭治郎には聞こえなかった。あまねの母乳事情よりも、甘味すら感じる母乳がどんな味なのかが炭治郎にとって重要であった。

 

「あまね様っ!」

 

「ひゃああっ!?」

 

炭治郎によって、あまねは再び体勢を変えられた。そしてあまねは身体をクルリと仰向けの体勢に変えられ、更に臀部を両手で掴まれて身体を強制的に起こされた。

 

炭治郎の眼前で、あまねの豊満な乳房が再び姿を見せる。その乳房の先端の乳首からは、白色の母乳が溢れ出ていた。

 

「頂きます。あむっ。ちゅうううっ。ちゅうううぅぅっ!」

 

炭治郎はあまねの乳房に向かって、勢い良く吸い付いた。

 

「ああっ! かっ、竈門様ああぁぁぁっ……そんなにっ……吸われたらああぁぁっ!! はあぁぁんっ!」

 

炭治郎が吸い付いた事で、母乳が炭治郎の口内へと入って行く。当初は炭治郎に吸われて何とも思わなかったのに、感度が上昇した事で天を仰ぐ程の快楽にあまねは悶絶していた。

 

「ちゅううぅっ……んくんくっ……。」

――ほんのり甘い……それに何だか、懐かしい味な気がする……。

 

炭治郎はあまねの母乳を堪能しながら、再び腰を動かし始めた。産屋敷別邸の室内で、再び肉がぶつかる音が響き渡る。

 

「あああぁぁっ! あああぁぁぁっ!」

 

あまねはこれまで以上に強烈な快楽に、涎を一筋垂らしながら嬌声を上げつつ嫌々と頸を左右に振る事しか出来なかった。

 

 

 

ドビュビュビュビュルルルルルルルウウウウウゥゥゥッッッ!!! ビュビュビュルビュルルルルウウウウウウウウゥゥゥぅぅぅッッッッ!!!

 

 

 

「んあああああああぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!」

 

炭治郎から白濁の溶岩を受けて、あまねは再び大きく絶頂した。

 

それからこれだけでは終わらず、炭治郎に続けてあまねは延々と攻められ続けられた。あまねは何度も絶頂を繰り返し口元は涎塗れであったが、後々に涎以外のあるものも流れ出ていた。

 

「ごめん、なさいっ…………あなた。」

 

あまねの右目からは、一筋の涙がゆっくりと目尻から流れ、ゆっくりと頬を伝う様に落ちて行った。

 

 

 

♦︎

 

 

 

「……んっ。」

 

あまねは気怠そうな声を上げながら、意識を取り戻した。

 

「!!」

 

意識が完全に覚醒したあまねは、飛び上がる様に勢い良く身体を起こした。どうやら炭治郎に抱かれている内に、意識を失ってしまった様だった。外からは雨音が聞こえるが、まだ暗いので朝を迎えた様では無かった。

 

「起きたんですね。あまね様。」

 

「!」

 

声が聞こえた方にあまねが顔を向けると、其処には炭治郎が居た。炭治郎の手には、水入りの茶碗が一杯あった。

 

「水、飲みますか?」

 

「……ええ。頂きます。」

 

あまねは炭治郎から茶碗を受け取り、一気に水を飲み干した。

 

「ありがとうございます。」

 

「如何致しまして。」

 

あまねは炭治郎に礼を述べると、炭治郎は笑みを浮かべながら空になった茶碗を受け取ってそれを片付けた。

 

「「……」」

 

それから炭治郎とあまねは何も話さず、沈黙だけが続いていた。それが五分ほど経過した後に、漸く変化が訪れる。

 

「「あのっ……っ!!」」

 

炭治郎とあまねが、異口同音に開口した。その事実に、二人は驚く。

 

「あっ、あまね様がどうぞっ!」

 

「……分かりました。私の話を、聞いて下さいませんか?」

 

炭治郎があまねに譲渡すると、あまねは礼を述べた後に炭治郎に尋ねた。

 

「勿論です。」

 

「ありがとうございます……これは一人の女の、他愛の話です……。」

 

炭治郎は即答で了承すると、あまねはある事を語り始めた。それは自身の半生に関してだった。

 

あまねの生家である神籬家は神職の名門であり、古くから産屋敷家に使える傘下の一つであったそうだ。

 

産屋敷家が妻を迎えるに辺り、神籬家の様な傘下の神職を十数家ほど抱えているらしい。

 

代替わりで各神職の名門が娘を産屋敷家当主の妻として嫁がせており、丁度自身の生家である神籬家がその順番に当たっていたとの事だ。

 

「ですが、私は耀哉様とは結ばれる予定はありませんでした。」

 

「!!」

 

衝撃の事実を知って驚愕する炭治郎を他所に、あまねは更に話を続けた。

 

当初は耀哉と同年齢の妹が、お見合いの後に耀哉と結婚する予定であった。長男である兄が神籬家の後継者である以上、自分に出来る事は無かった。

 

其処であまねが考えた産屋敷家への貢献方法が、鬼殺隊への入隊であった。

 

「あまね様、鬼殺隊の隊士だったんですか?」

 

「はい。これでも『(きのえ)』にまで、上り詰めていたのですよ。」

 

鬼殺隊で順調に出世して行ったあまねであったが、此処で想定外の事態が発生してしまう。

 

何と耀哉とお見合い予定だった妹が、生家の石階段から足を踏み外し転落死してしまったと言うのだ。

 

其処であまねが急遽、耀哉とお見合いをする事となったのである。

 

「耀哉様とお会いしたのは、その見合いの席が初めてでした……半ば強制的に見合う事になった私を耀哉様が『貴女が嫌なら私からこの話を断ります。』と仰って下さったのです。」

 

「私を思い遣るあのお言葉で、私は耀哉様との結婚を決意致しました……そして同時に決意したのです。この方が死ぬ時は、私も御傍に居ようと。」

 

「!!!」

 

あまねの決意を聞いて、炭治郎は思わず表情を強張らせた。

 

「ですがその決意も、無に帰してしまいました……夫を愛している、死んでも御傍に居るのだと言いながら、遊郭の遊女の様に快楽に溺れてしまったのですから……。」

 

「!」

 

表情が乏しかったあまねの顔色に、自嘲が宿った様に炭治郎には見えた。

 

「耀哉様に殉死をお許し頂く予定でしたのに、それも出来なくなってしまった……耀哉様が亡くなられた後は、私はどの様に生きて行けば良いのでしょう……。」

 

「……」

 

其処まで言ったあまねは、今にも泣きそうな様子である様に炭治郎には思えた。

 

「……俺は、それで良かったと思っています。」

 

「!!」

 

炭治郎の一言を聞いて、あまねは驚きながら炭治郎を見た。その表情には、僅かながら怒りがある様に見えた。炭治郎はそんなあまねに臆する事無く、あまねを真っ直ぐ見詰め返した。

 

「あまね様は御館様の事ばかり仰ってますけど……輝利哉君達の事を忘れ過ぎだと思います。」

 

「!!……あの子達には耀哉様と共に、厳しく教育を施しました。それこそ、私達が居なくなっても自立出来る様に……。」

 

「いいえ。それは間違ってます。あまね様。」

 

「!」

 

あまねの意見に対して、炭治郎は毅然と反論しそれを明確に否定した。

 

「どれだけ大人びて居ようと、輝利哉君達はまだ八歳の子供なんです。お母さんに甘えたいに決まっています……貴女も母親としての自覚があるなら、輝利哉君達の傍にいてあげるべきです。」

 

「……」

 

炭治郎の正論に、あまねは反論出来ずに俯いてしまう。

 

「すみません。あまね様の事を考えない言い方をして……だけどそれでも俺は、あまね様に生きていて欲しいです。」

 

炭治郎はそう言うと、申し訳無さそうに頭を下げた。

 

「……頭を上げて下さいませ。竈門様。」

 

「!!」

 

あまねに促されて、炭治郎は下げていた頭を上げる。すると自然と、あまねと視線を交えた。

 

「確かに、竈門様の仰る事は尤もでした。私があまりにも、身勝手過ぎました……。」

 

「い、いえ。其処まで言いたい訳じゃなくてですね……あまね様にも、生きて幸せになって欲しいんです。俺に出来る事でしたら、何でもしますからっ!!」

 

「!」

 

炭治郎は力強くあまねにそう宣言した。あまねは炭治郎の宣言を聞いて、思わず両眼を見開いた。

 

「何でも、して下さるのですか?」

 

「はい、勿論ですっ!」

 

炭治郎から確認を取ったあまねは、炭治郎にある事を尋ねようとする。

 

その内容は、炭治郎の背筋を凍らせるものであった。

 

「でしたら竈門様……此度の一件は、どの様に償って下さるご予定ですか?」

 

「……えっ?」

 

あまねが尋ねた内容を聞いた炭治郎は、内容が理解し切れずに当惑するしか無かった。

 

「私の身体をあれだけ弄び、欲望のままに子種を注いだのです。どの様にして、償って下さるのですか?」

 

「ええっと……それは、その……っっ。」

 

あまねの質問に、炭治郎は咄嗟に答えられなかった。焦燥感からか、炭治郎は全身から冷や汗が流れ続けている。

 

「……クスッ。」

 

「え?」

 

「あははははははっ!」

 

「!!」

 

突如あまねが声を上げて笑い出した事に、炭治郎は驚愕を隠せない。普段は表情が乏しいあまねがその様に笑うなど、普段から傍に居る耀哉達ですら見れば驚愕するに違いなかった。

 

其処で漸く、炭治郎は気が付いた。あまねからは怒りなどの匂いが一切していない事に。その意味は即ち、あまねはこの一件に関して怒ってなど居ないと言う証明でもあった。

 

「すみません。私はこうしろとか、何かを要求する心算はありません……でも。」

 

「でも?……っ!!」

 

あまねは其処まで言うと、両腕を炭治郎の頸に回して抱き着いた。

 

「竈門様……いえ、()()()様。」

 

あまねはそう言うと、右手を優しく炭治郎の頬に添えた。あまねの表情は、恋の味を覚えたての乙女の様に炭治郎には見えた。

 

「私に極上の快楽を……至極の熱を……女の喜びをこの身に焼き付け覚え込ませた責任、取って下さいましね? た・ん・じ・ろ・う・様❤」

 

「!!!」

 

あまねはそう言うと、優しく炭治郎と口付け(キス)を交わした。炭治郎は唯一拒絶されていた口付け(キス)に驚きながらも、直ぐにそれを喜んで受け入れた。

 

「ちゅっ…………はいっ! でしたら、早速っ!!」

 

「ああんっ! 炭治郎様ぁ❤」

 

あまねとの口付け(キス)を解いた炭治郎は、直ぐにあまねを押し倒して情交(セックス)を再開した。あまねも喜々とした様子で炭治郎を受け入れ、嬌声を上げ続けたのだった。

 

炭治郎はこれから定期的に、産屋敷家に訪問する事になる。日中は輝利哉達の遊び相手として。夜はあまねの情夫として、炭治郎は熱心に足を運ぶ事になるのである。




お待たせ致しました。

pixivユーザーだったSaiHaruki様のリクエスト『炭あまで寝取らせ』です。

当初はこのリクエストは不受理の予定でした。何せ、寝取られ系が嫌いな純愛派だからです。

しかしこうでもしないとあまねが救われない、私以外にこの先書いてくれる作者は居ないから頼むと懇願され、受理して執筆した次第です。と言ってもリクエスト主様とは半年以上連絡が取れておらず、肝心の御本人が読んで下さっているか分かりませんが……読んで下さっているなら幸いです。遅れて申し訳ございませんでした。

まぁその結果、読者の皆様の反応が怖い拙作一の問題作が誕生してしまいましたが……書いて後悔はありません。どちらかと言うと、意地でも書いてやろうと思いながら書き切りました。

日本情勢が大変な状況になりましたが、私は皆様が一時でも気を紛らせる事が出来たり気分転換の一環になれる様に、一層の執筆を頑張ります。

皆様。どうか改めて宜しくお願い致します。御一読、ありがとうございました。

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鏡花水月様
pixivユーザーID
https://www.pixiv.net/users/37498144

日堕(蟲)
https://www.pixiv.net/novel/series/1375857

拙作を執筆する大きな切っ掛けになったR指定炭治郎愛され作品。炭しのも炭カナも炭アオもある盛沢山のssで、何と炭あまの先駆者でもあります。
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