続きが見たい、という希望があれば続く可能性はわずかながらございます、はい。
いつしか世界の海に現れるようになった「深海棲艦」。
その脅威は世界の海から、人類を完全に排除した。しかし、人類側も「深海棲艦」の脅威に屈するだけではなかった。
それがかつての艦艇の魂をその身に宿す「艦娘」たちの出現。「艦娘」の存在を頼りに、人類は「深海棲艦」に支配された海を取り戻すべく、立ち上がった。
――などと学校では習ったものだ、と有馬信乃は思い出す。
「…………はぁ」
ため息がこぼれる。信乃は鏡に映った自分の『姿』に、どこか暗い表情を見せた。
信乃は年頃二〇歳そこそこの若さで、新たな鎮守府の提督として選ばれた才女である。提督、というのは艦娘たちに指揮を出す者の俗称だ。本来の意味での提督は海軍の将官でも元帥や大将、中将 、少将、准将や代将などへの敬称や総称だ。もちろん、選ばれたばかりの者が名乗る称号ではない。というか、何十人、何百人も提督が射るということ自体、通常の提督という称号ではありえないことだ。
「…………はぁ」
何はともあれ、信乃は再びため息をこぼす。ただ、提督の多くは提督服という制服が支給されるのだが――。
「――あなたが、有馬提督?」
ふと、思考を止めて信乃は振り返った。そこに立っていたのは、事前に資料でも見た顔だった。
「私は貴女の初期艦として配属された特型駆逐艦、5番艦の叢雲……なんだけど……」
ただ、写真では見なかった表情をしている。怪訝な、疑問を抱いた、疑わしい――その表情の意味はよく理解できた。
「はい、この度提督となった有馬信乃少佐です」
「あ、うん」
敬礼して名乗る信乃に、ようやく叢雲は少し視線を落として言った。
「……何で白露型の制服着てるの?」
私が聞きたいです、と喉元まで出かかった言葉を、信乃はギリギリで飲み込んだ。
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身長一三八センチ。それが二〇歳の有馬信乃の身長だった。
「はぁ、それで提督服のサイズがなくて? 来るまで駆逐艦の制服を代理支給された、と」
「何ですよねぇ」
そう、それが鏡に映った自分を見て信乃がため息をこぼした理由だ。
――ついに合法ロリになったか、おめでとう!
二〇歳になった時に言われた同期からの言葉が、今も忘れられない。もちろん、武道の選択授業で柔道だったから、大いに投げ飛ばしてやったのだが。
「ま、まぁ……服で仕事が決まるでなし、ですよ」
「いや、それでいいなら私はいいけど……」
「よくはないけど、仕方はないんですよ」
の自分に割り当てられた提督室で、信乃と叢雲がそんな会話をしていた時だ。コンコン、というノックが聞こえ、返答する前にガチャリと開いた。
開いた扉から顔を覗かせたのは、白い提督服姿の女性だった。女性は信乃と叢雲の姿を見て、キョトンとした顔で問いかける。
「……あれ? 新任の提督はまだ来てないの?」
「それ、私です」
「はい?」
挙手して答える信乃に、女性提督は目を丸くした。
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「私は榊原沙織中将よ、よろしく」
「有馬信乃少佐です、よろしくお願いします」
差し出された手に応え握手を返す信乃に、沙織は小さく微笑んだ。身長は一七〇あるかないか、白い提督服の上からでもわかる女性らしいプロポーション。長い黒髪や切れ長の瞳、整った顔立ちから美人と呼ぶのにふさわしい女性だった。
「そうよね、随分と可愛らしかったし新しい白露型の駆逐艦の娘かと思ったわ」
「……勘弁してください。気にしてるんですから」
可愛い、と言われると気恥ずかしい。そう赤くなりながら不本意だと主張する信乃に、名残惜しげに沙織は手を離した。
「わたしは、有馬少佐に提督業の説明する役でね?」
「香取型練習巡洋艦一番艦の香取です、私は叢雲さんに秘書艦業務の説明ですね」
「一週間ぐらいの期間で、簡単に教えるぐらいだから。新米提督の義務みたいものね」
沙織の言葉に、信乃は小さく頷く。試用期間のようなものだ、と語る沙織に、信乃もそんなものかと疑問を抱かずに受け入れた。
――それがまさか、あんなことに繋がることになるとは夢にも思わなかったのだが……。
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この世界、艦娘を管理する提督というのは複数おり、信乃はその一人に過ぎない。ただ、それでも駆逐艦の制服を着ている提督というのは自分一人ぐらいなものだろうと思っていた。
「似合うからいいんじゃない? 可愛い可愛い」
「……あんまり嬉しくないですよ、それ」
昼食時の食堂で向かい合っていた信乃と沙織は、もう何度目かになったやり取りを行なっていた。艦娘も使う食堂には、大勢の艦娘も食事に来ている。一度、白露型の駆逐艦の娘に姉妹に間違えられたのは、信乃にとって苦い思い出だ。
「えー、もったいないなぁ。ねえねえ、他にも駆逐艦の制服着てみる? うちの駆逐艦の娘たちの制服、借りてきてあげるけど」
「本末転倒ですよ、それ!? 提督服の代わりなんですから、これ!」
「いや、大本営もわかってるよね。別に駆逐艦の制服でなくてもいいのに、それを支給するんだもん」
「……最悪です、最悪ですよ、上層部……」
せっかくの海軍カレーも苦くなる、と信乃は眉根を寄せる。沙織はけらけらと笑って、目を細めて言った。
「でも、信乃って提督服でも可愛くなりそうだし?」
「うぐ……っ。子供っぽくってすみませんねっ」
「合法ロリ枠は貴重だぞ~?」
「そういう枠になりたくないですって!」
沙織から教えを受けるようになって三日目だが、随分と打ち解けたとは信乃も思っている。明るく、さっぱりとした沙織の性格は大変好ましいものだと思う……自分が不必要に真面目だ、という自覚があるからこそ、この肩の力の抜き方は憧れるところもある。
軽妙さと軽薄さは違うものだ、と沙織と接していればわかる。実際、提督としての沙織は優秀で、知識も経験も豊かで確かなものだった。彼女の艦隊――管理する艦娘たちは、優秀な戦績を収めていることで知られていた。
「午後からは私は自分の業務に戻るけど、信乃はどうするの?」
「はい、叢雲と顔を合わせて打ち合わせを。私も艦娘の建造とか、色々考えないといけませんし」
「そうだねー。じゃ、また明日?」
「はい」
食事を追えると、信乃は沙織と別れて自身の提督室へと向かう。この鎮守府に所属する提督は二七名、一番新しい新米提督である信乃の部屋は一番奥であり……。
「……?」
ふと、扉が少し開きっぱなしであることに気付いた。部屋の鍵は自分と叢雲だけが持っている。だとすれば、叢雲だろうか――そう思ってドアノブに触れようとしたその時だ。
「……ん、く……」
小さなくぐもった声が聞こえ、信乃は動きを止める。扉の隙間から見えた、家具の少ない部屋の中――そこから見えた光景に信乃は凍りついた。
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「……ん、く……」
部屋の壁に手を付き、腰を突き出した体勢で叢雲は声を押し殺す。その横には、揺れる叢雲のスカートの中へ手を伸ばした香取の姿があった。
「そう、声を出しちゃ駄目ですよ? 扉は開いてますから、そこから声が漏れたら……わかるでしょう?」
「……ふ、く……っ」
鞭で顔を動かされ、叢雲は香取と視線が合う。眼鏡の奥、細められた香取の視線を見れば、ゾクゾクっと叢雲は小さく震え視線で頷いた。
「同型艦でも、個体によって細かな違いがあるものですが……貴女は被虐性癖が強いようですね。ええ、とても指導のし甲斐があります」
「んひ!? んんんんんんんんんんんんんっ」
「つい先日まで自慰も知らなかったのに……」
小さな水音がすると、叢雲の小さなお尻が左右にくねる。細く白い足は震え、その度にカリカリと壁に爪をひっかく音がした。
「本当はお仕置き、と言いたかったのですが、貴女は秘書艦としても優秀ですしこれはご褒美ということにしましょう」
「……ん、んん」
――ありがとうございます、香取先生……。
口の動きだけでそう答えた叢雲に、香取は嬉しそうに笑みを返すとくちゃり……とスカートの中から指を抜くと愛液に濡れた白帯を叢雲に見せつけた。
「……ん、う……」
命令されるでもなく、叢雲はその指に舌を這わす。職務も調教にも優秀な成績を見せる生徒に、香取は満足気に目を細めた……。
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「――こぉら」
「ッ!?」
耳元で囁かれ、信乃は驚きの声を上げそうになるのを必死に堪える。扉向こうの淫靡な光景に見入ってしまっていた自分に気付き、視線で声の主を振り返った。
「信乃ってばムッツリすけべさんかな? 部下の情事を覗き見しちゃうとか……」
「ち、ちがいま――す……」
声の主、忍び寄っていた沙織に後ろから抱きしめられ、信乃はびくりと体を跳ねさせる。沙織の手が、ひどく卑猥に優しく自分の上半身を撫で始めたからだ。
「さかき、ばら……さん……っ」
「いやー、私ってばソッチだから信乃とは仲良くなりたいと思ってたけど」
「ひうっ!?」
ちゅ、ちゅ、と耳にキスを何度も落とされ、信乃がのけぞる。その反応の良さに沙織は笑みを濃くすると耳の縁を舌先でなぞって囁いた。
「うちの艦隊の娘との、結構仲良くやってるんだけど……どう? 信乃が良かったら艦隊レベルで仲良くしない?」
「そ、それって……んう、あ……っ」
「せっかくうちの香取とそっちの叢雲も仲良くなったみたいだし、ね」
ほら、と沙織が指差す方向に視線を向ければ、叢雲が香取の腕の中で抱きしめられながら何度も絶頂を繰り返していた。よく見れば、叢雲自身の指が下着の中で激しく蠢いているのが見える。香取が耳元で何かを囁く度に、指の動きが激しくなり叢雲の反応も乱れていく……。
「羨ましい?」
沙織の脳髄を蕩けさせる甘い甘い問いかけに、信乃は知らず知らず頷いていた……。
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有馬信乃が提督として赴任してから、二週間が過ぎていた。
「ああ、あ……ん、あ……あっ……」
二人の駆逐艦が、四つん這いになっていた。そして、淫らに腰を振りながら秘所とアナルに仕込まれたローターの刺激に嬌声を上げる。
それを満足気に眺め、沙織は手元の報告書に視線を走らせた。
「鎮守府海域の任務、ご苦労さま。この調子なら次に建造に進んでも良さそうだね」
「ああ、は、い……。ありが、とうございます、『提督』……」
そう答えたのは駆逐艦の片方、白露型の制服を来た『少女』だ。沙織はそれに頷きを返し、隣に立つ自分の秘書艦に告げる。
「香取、秘書艦への指導はお願いね」
「はい。かしこまりました……いいですね? 叢雲さん」
「はい……か、とり……先生……」
そう、溢れるよだれに気付くことなく頷くのは叢雲だ。声を出した途端、堪えが効かなくなってガクガクと震えながら軽く絶頂してしまう。
「艦娘は、根本の部分は提督に似るらしいよ? どんな艦娘が建造できるか、楽しみだね。信乃」
「んぅ、はい……信乃のよう、に……かわいがって、あげてください、『提督』……」
「ああ、もちろんだよ」
――もう一週間前に、信乃のための提督服は届けられていた。しかし、一度として袖を通されることなく、彼女の提督室に大事に仕舞われている。
大本営も、それに口出しすることはなかった。あるいはこの鎮守府に配属され、榊原沙織に指導が任された時点で決定事項だったのかもしれない。
これはとある鎮守府での物語。提督でありながら、駆逐艦の制服が正式な正装となった『少女』の始まりだった……。
※“駆逐艦提督”の憂鬱の有馬艦隊に加わる駆逐艦について、と活動報告の方でも試しに募ってみました。是非、皆様のご意見をいただければ嬉しいです。
もしも、続きがあったら有馬艦隊に欲しい艦娘は――
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やっぱり駆逐艦は最高だぜ
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軽巡・重巡辺りも食べごろです
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軽空母・空母は必須でしょう?
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戦艦はでかくていいね(どことは言わない)
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スク水もいいものですよ? 潜水艦