※この作品はR-18です。

“駆逐艦提督”の憂鬱   作:イツカ・ドコカデ

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3:“駆逐艦提督”の初期艦

 鎮守府正面海域――そこは多くの艦娘たちにとって最初の戦場となる海域だ。自身が所属する鎮守府の目と鼻の先、いわば人の生活圏のすぐそこまで深海棲艦という驚異が近づいてくるという現実を物語っていた。

 

「……ッ」

 

 その海域で、叢雲が水面を疾走していた。波を切り裂くように進む叢雲は、不意に横へとステップを刻む。その一秒遅れで、叢雲の進行方向に水柱が上がった。

 

 叢雲が視線を地平線の方へ向ければ、緑色の光がそこにあった。一見すれば、黒い単眼の髑髏に見える。その単眼部分が光源であり、光学器官だった。

 

 駆逐ハ級、もっとも鎮守府正面海域における最初のエリアで現れる中では高い戦闘能力を誇る深海棲艦の駆逐艦だ。

 

 ――5inch連装砲。中距離だとやっぱり厄介ね。

 

 叢雲は冷静に駆逐ハ級の戦力を測る。今まではイ級やロ級とやりあって来た。5inch連装砲は駆逐の基本装備だが、資料ではハ級は21inch魚雷前期型も装備している。長引いて夜戦にでもなられれば、やはり面倒だ。

 

 対して、叢雲の装備は12.7cm連装砲A型と開発で入手した61cm三連装魚雷だ。共に近距離の兵装であり、距離を詰めるしか手はない――。

 

「ふぅ……ッ」

 

 大きく息を吸って、止める。それと同時に覚悟を決めた叢雲が、一気に駆逐ハ級へと駆け出した。それに対して、駆逐ハ級は即応で5inch連装砲で応戦する。

 

 それを見た瞬間、叢雲が左右に蛇行した。一発目は大きく逸れ背後に着水、二発目はすぐ真横を通り過ぎて衝撃を背中に感じさせる。

 

 叢雲は止まらない。狙いがつかないように、右へ左へ。速度にも緩急をつけて間合いを詰めて――跳んだ。

 

「――ここぉ!!」

 

 駆逐ハ級の真上、叢雲の12.7cm連装砲A型が火を吹いた。ガン、ガン! と駆逐ハ級の装甲が穿たれ、発火する。叢雲は駆逐ハ級の上に降り立つのと同時、穿たれた穴に魚雷を押し当てた。

 

「――ッ!」

 

 零距離での魚雷の発射、すぐに叢雲が後方へ跳ぶと内側から駆逐ハ級が爆散した。

 

   ■□□■□□■

 

「あの海域での戦闘は、安定してきましたね」

 

 叢雲の戦闘結果を資料で確認し、香取は微笑む。その評価に、叢雲が密かに安堵の息をこぼしたのを香取は見逃さなかった。

 

 ――優秀ではありますね、この子は……。

 

 特型駆逐艦五番艦叢雲。性能だけを見るのなら、駆逐艦の中でも平均的な艦娘である。可もなく、不可もない。提督に対して最初に提供される初期艦としても、癖のない運用ができる駆逐艦だ。

 

 そうなると、優秀なのはこの叢雲という個体なのだろう。艦娘は提督から受け継ぐ資質が多い。特に運用面において、提督というのはとても重要なファクターを占めているのだ。

 

 ――本当に優秀なのですね、有馬提督は……。

 

 香取はそう納得すると、資料を机の上に置いて言った。

 

「お疲れさまでした、提督たちも直帰ですから、貴女は今日はゆっくりとおやすみなさい」

「はい、香取先生。失礼します」

 

 叢雲は礼儀正しく一礼し、部屋から退室する。それを見て、香取は思わずこぼした。

 

「うちの鎮守府の叢雲も、あのぐらい素直になってくれるといいのですが……」

 

   ■□□■□□■

 

 叢雲は鎮守府備え付けの寮へと戻る。それぞれの艦隊に寮は割り振られているが、今はいるのは叢雲だけだ。有馬艦隊は現在叢雲のみ、今は呼称上の存在でした無いからだ。

 

「は、あ……う、あ……ああ、あ……っ……あ」

 

 自室のベッドの上で、叢雲の小さな体が跳ねる。スカートをめくり、右手を下着の中へと激しく陰核を刺激し続けていた。

 

「あ、あああ……ひゃ、ああ、あああ……あっ!」

 

 艦娘と言えど、命の懸かった実戦にストレスを感じない訳がない。その強弱などは個体ごとに違うだろうが、この叢雲はそれを強く感じるタイプだった。

 

「ひ、あ、ああ……あ、ああ、あ……あ」

 

 それをどう発散するのか? それも艦娘次第である。叢雲にとって、その発散の仕方が快楽に溺れることになってしまったのはその被虐の素質と調教の結果だろう。

 

「ああ、あ……あ~、あ、あ……っ」

 

 涙で滲む視界で、自分の動く指を他人のものにように眺める。腰は勝手に淫らにくねり、下着に愛液の染みが広がっていく……指が下着の下でうごめく度に、卑猥な水音が大きくなっていった。

 

 ――おかしい、私……おかしくなってる……。

 

 初期艦として配属され、香取から調教を受けるようになったのはすぐだった。壁に押し付けられ、乱暴に愛撫されイカされて――それからは、抵抗する気力さえ消え失せてしまった。

 

『貴女のそれはきっと、提督譲りですね』

 

 香取の楽しげな言葉は真実で、今では提督も一緒に調教される仲になっていた。本来の叢雲の性格であれば、強い反発を抱くのだろう。だが、この叢雲は逆に受け入れた……受け入れてしまった。

 

「あ、ああああ、あ――ッ!!」

 

 不意に、目の前が真っ白になる。絶頂し、体中に快感が駆け抜けていく。腰がヒク、ヒク、と何度も快楽にくねると、ぐったりと叢雲の小さな体がベッドに崩れ落ちた。

 

「あ、あ……う……」

 

 イったはずなのに、叢雲が切なげに吐息を漏らす。最初はこれよりも軽い絶頂でも満足できた。しかし、今では深く絶頂できるようになったはずなのに足りない。イった体を容赦なく責め立てられ、苦しいぐらいの快感で何度もイカされたい――その快感を知ってしまったからだ。

 

「うう、う……う」

 

 恐る恐る、叢雲は下腹部へ指を伸ばす。このままでは、どんどん快楽に溺れてしまって戻れなくなるのではないか? そんな怖さもあるのに手が止められない。

 

 もう一回……と下着へ手を伸ばした、その時だ。叢雲のスマホが、鳴ったのは。

 

「あひッ!?」

 

 その音で、叢雲は正気に戻る。慌ててスマホに手を伸ばすと、SNSアプリに着信があったのだと気付く。

 

「……提督?」

 

 そこにあった一枚の画像は、確かにこの叢雲の提督である有馬信乃だった。ただ、その服装はいつもの制服と違っていた――叢雲と同じ制服姿だった。

 

「え? ちょ……どうして――」

 

 疑問に答えが出る前に、二枚目、三枚目の画像がアップされる。

 

 二枚目は榊原沙織提督の膝の上に座らされ、足を広けて自慰に耽る画像だった。自分がよくする、下着に手を入れてする仕方に、ドキリとした。

 

 三枚目は水洗トイレに座らされ、放尿しているところを撮られた画像だった。よっぽど恥ずかしいのだろう、耳まで真っ赤になりながらおどおどとカメラを見上げていた。

 

「……これ」

 

 よく見れば、画像をアップしているのは『SS』――沙織だ。おそらく会議から帰宅する途中で、どこかに連れ込まれたのだろう。

 

 そう訝しんでいると、『SS』の書き込みがあった。

 

   ■□□■□□■

 

『叢雲ちゃん、今から言う指令をちゃんとこなしてね? まず――』

 

   ■□□■□□■

 

「……何をやってるんでしょうか? あの人は」

 

 沙織の提督室で、香取はこめかみに手をあてた。この有馬艦隊のSNSには、香取も一緒に登録しているから、画像も確認できるのだ。

 

 信乃の画像は当然のこと、沙織の指令とそれを受けて叢雲がアップした画像を見る。

 

 叢雲が上げたのは、一枚の画像だ。

 

「…………」

 

 信乃が仕舞っていた提督服を着た、叢雲の自撮りだ。画像を見れば、信乃の提督室であることがわかった。香取がため息をこぼし、席から立ち上がる。それと同時に、香取のスマホに着信があった。

 

「――はい、待っててくださいね? 叢雲」

『……はい、先生』

 

 要件はもうわかっている。ただ、ああ、と香取が思ってしまうのは、やはり提督から受ける資質の影響からは逃れられないのだ、という少しの呆れと――確かに感じてしまう興奮だった……。

 

   ■□□■□□■

 

 以後、互いに沙織と香取が画像を上げあった。

 

 叢雲の制服姿の信乃が四つん這いになってクリトリスを弄る画像がアップされれば、同じ体勢の提督服姿の叢雲が鞭でお尻を叩かれる画像がアップされる。

 

 信乃が沙織のペニスバンドを咥える姿がアップされれば、叢雲が香取のペニスバンドを咥える姿がアップされ。

 

 鏡の前で立たされバックから犯される信乃の画像の後に、鏡の前で犯される叢雲の画像が。

 

 ホテルのお風呂でおしっこする姿の信乃の画像が出れば、トイレでおもらしする叢雲の画像があげられる。

 

 繰り返し、繰り返し、同じシチュエーションの画像がアップされ続けた。

 

「……そろそろ止めておかないと、明日に響きますよ?」

『アッハイ』

 

 結局、香取が通話でストップを入れるまで、このやり取りは続いてしまった。途中、香取自身も興奮して止まれなくなったために、強くは非難できないのだが。

 

「今日は、貴女の部屋で一緒に寝ましょうか?」

「はい……せんせー……」

 

 ろれつの回らない叢雲に抱きつかれ、香取は苦笑する。本当に、同じ叢雲でも榊原艦隊の叢雲とは大違いだった……ただ、こんな可愛い顔を見せられたら手を出さない自信がないので、困りものなのだが。

 

 香取はぐったりと疲れ切った叢雲を抱きかかえ、歩き出す。もう夜も遅い鎮守府に、人の気配は疎らだ。だから、人に見つからないよう香取は有馬艦隊の寮へと移動した……つもりだった。

 

 後に痛恨のミスだと香取は思い知るのだが、そんな自分たちの姿を見つめる小さな瞳があったことに香取は気付かなかった……。




――引き続き、アンケートをよろしくお願いします!

※“駆逐艦提督”の憂鬱の有馬艦隊に加わる駆逐艦について、と活動報告の方でも試しに募ってみました。是非、皆様のご意見をいただければ嬉しいです。

有馬艦隊に新しく建造で配属される駆逐艦はどの子たちがいいでしょうか?

  • 暁+初春+時雨+不知火
  • 雷+電+黒潮+夕立
  • 暁+初春+白露+陽炎
  • ん? なんでウチが駆逐艦扱い?(龍驤)
  • 思う存分、好みの駆逐艦を投入せよ!
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