※この作品はR-18です。

“駆逐艦提督”の憂鬱   作:イツカ・ドコカデ

5 / 6
 今回はR18展開はありません。溜め回だと思っていただければ幸い。


XX:“駆逐艦提督”の知らぬ間に:2

 ――それはある日のこと。

 

「どうしたの? 提督」

「ん? ほら、これ」

 

 有馬信乃の提督室。秘書艦の叢雲からの疑問に、真顔で眺めていた雑誌を見せた。

 

「月間鎮守府? ああ、大本営が出してる雑誌だっけ?」

「うん。ほら、艦娘のグラビアとか提督とかのインタビューとかコラムが載ってるの」

「……一般にも出回ってたわよね、確か」

 

 こんなものが一般書店でも販売されているのだと思えば、叢雲は世も末だと思う。しかも、それなりの販売数を誇るらしいから驚きだ。

 

「ちなみに、私的には俳句のコーナーがオススメなんだけど……」

「年寄り臭い!? まさか、真顔で俳句のコーナー見てた訳じゃないでしょう?」

「ううん、見てたのはこっち」

 

 見てた、という言い方に疑問を抱き、叢雲は信乃が開いたページを覗き込み――納得した。

 

「あー、これは真顔にもなるわね……」

「でしょ?」

 

 そのページの記事は、『20XX年度 美人すぎる女性提督TOP10』という記事だった。ちなみに、その三位に信乃と叢雲もよく知っている人物が映っていた。

 

「榊原中将って、ここ数年の常連だったんだね……」

「知らなかったの? 提督」

「このテの雑誌、購読してなかったし」

 

 もはやプロパガンダを通り過ぎたネタ雑誌だから、仕方がない。大本営も随分と楽しんでいることだろう。

 

「えーと、二年連続トップが四宮理恵中将で……二位が今年は古賀佳代子大将? 一応、私も名前は聞いたことあるわね。それぞれ配属された鎮守府じゃトップの戦績を残してる人たちよ」

「そうなんだ」

 

 楚々とした日本美人という四宮中将の柔らかな笑みと、どこか宝塚の男役を思わせる、中性的な美形の古賀大将に、二人のよく知る顔が並んでいた。更に、小柄な――信乃ほどではないが――天真爛漫という笑顔をした藍田有希中将、細目ながら整った顔立ちの上田奈々子大将が、個人的に友好のある女性提督として名前が上がっていた。なお、二人は六位と八位にランクインしている。

 

「……こうやって見ると、すごい経歴なんだよね。全員」

 

 TOP10に名前を連ねる女性提督たちの経歴も載っているが、そのどれも新聞やニュース、ものによっては近代史で習うような大規模作戦ばかりだ。そして、そのどれにおいても、彼女たちは男性提督に負けない――あるいは、それ以上の戦績を記録している。

 

 彼女たちが優れているのは容姿だけではない――そのことを思い知るには、十分な情報だ。

 

「ま、アンケートで票が入るってことはそういう面も大きいわよね」

 

 叢雲が言う通り、ある意味で有名な女性提督TOP10という側面があるのは否めない。どんなに美人だろうと、相応の戦績を積んで有名にならなければ票が入らないからだ……とはいえ、確かに美人と言われれば納得の顔ぶれなのだが。

 

「ほら、提督も経験詰めばいけるんじゃない?」

「……そう?」

「うん……可愛すぎる女性提督とかなら」

「うがーっ!?」

 

 視線を逸らして言う叢雲に、信乃は爆発する。どうせ美人とか言われないですよーだ! と頬を膨らませて拗ねるのだが……そういうところだと思うのよね、と叢雲は胸の内だけで終わらせた。

 

 叢雲にも情けはあるのだ、武士ではないけれど。

 

   ■□□■□□■

 

 

   【――とあるSNS上のやり取り】

 

 

同志N:『何なん!? 同志Sのこんな真似を許すって仔猫Sは天使かなんかなん!?』

 

同志R:『プレイとしての難易度高いですよね、これ。それを受け入れるあたり素質十分……いえ、抜群と言いますか……』

 

同志K:『素直に羨ましいんだけど!? アタシのところにもこういう研修生来ないの!?』

 

同志S:『あー、そこは人徳かなー?』

 

同志R:『ふふっ、ないす冗句っ』

 

同志K:『同志R、発音がおかしいが何故モンティ・パイソンなんて知ってるんだい?』

 

同志Y:『やっほー! って、すごいね、この画像。もう完全に調教済みって感じ』

 

同志Y:『そう言えばさ、まだ仔猫Sの新造艦の情報まだー? うちは結構準備大変かも』

 

同志K:『同志Yは巨乳派だからね。そうなるか』

 

同志Y:『んー、ケッコンカッコカリしとかないと――』

 

同志N:『鬼か!? ガチで行く気やね! うちも嫌いやないで、そういうの!』

 

同志S:『あ、ごめーん。それなんだけどさ。なんかうちの叢雲改二が、なんでか知らないけど無茶苦茶やる気出してるから、私の担当叢雲希望ね!』

 

同志R:『おや、珍しいですね。同志Sのところの叢雲さんは、典型的な叢雲さんだからこういうのに興味ないと思ってましたが……』

 

同志S:『うーん、何かあったのかなー……』

 

同志N:『うちはどの娘でもOKやでー。駆逐艦は充実しとるから!』

 

同志R:『憲兵さん、こっちです』

 

同志Y:『憲兵さん、こっちです』

 

同志K:『憲兵さん、こっちです』

 

同志S:『憲兵さん、こっちです』

 

同志N:『うわ、こういう時だけチームワーク抜群やな!?』




――引き続き、アンケートをよろしくお願いします!

※“駆逐艦提督”の憂鬱の有馬艦隊に加わる駆逐艦について、と活動報告の方でも試しに募ってみました。是非、皆様のご意見をいただければ嬉しいです。

有馬艦隊に新しく建造で配属される駆逐艦はどの子たちがいいでしょうか?

  • 暁+初春+時雨+不知火
  • 雷+電+黒潮+夕立
  • 暁+初春+白露+陽炎
  • ん? なんでウチが駆逐艦扱い?(龍驤)
  • 思う存分、好みの駆逐艦を投入せよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。