pixiv、小説家になろうにも投稿しています。
念のためですが、ハイエナはハイエナ科であって、イヌ科とは全く別の生物です。
リントヴルムという、国民のほとんどが何かしらの魔法を使えるという珍しい魔法大国の王都からかなり離れたところに、この国でも有数の都があった。
その都の一角、小さな公園に若い獣人が2人。10を超えて数年経ったハイエナ獣人の少年と、街でも有名になるほど整った顔立ちの白いイタチの獣人の少女。
「なぁ…俺…お前のこと、好きだ。」
この場所に誘ったのは少女の方。だから、これ以上先手を取られないようにと、少年は顔を熱くしながら告白した。
王立騎士を目指す少年と、幼馴染の少女。絵本のようなカップルは周りにも認知されていて、友情が異性への感情に変わったばかりの頃は囃し立てられたものの今では静かに見守られている。
そこらの大人よりも大人びた雰囲気の彼女は一瞬動揺を見せたもののすぐに消える。そして上目で答えを待つ彼を真っ直ぐみた。
「私とあなた、どんな立場にあるか知っての発言ですか?」
予想していなかった冷たい口調に、ハイエナの少年は固まる。
「今までは周囲を気遣ってあなたとも友好的にしてきましたが、私はもう間も無く巫女としての役割を担うことになる。信仰者でもない、ましてやハイエナ族であるあなたと付き合う理由もない。身の程を知ってください。」
この都は元々別の小国の王都で、後から併合されたのだ。そしてそこには独自の宗教があった。
その開祖であり、神聖な一族とされた白イタチの一族は、国王の政治に口を出すほどの権力を持ち、また宗教を好まず周辺国との対話を進めようとしていたハイエナ族を「穢れた獣」として毛嫌いしていた。
…と、いうのも昔の話。時代が進み、大国リントヴルム王国が次々周辺の小国を併合・属国し始めるとこの国にも外国の使者が訪れるようになり、それによる他文化の流入も影響してその宗教は衰退。
代わりに外交・貿易を推し進めていたハイエナ族が力を持つようになり、信仰者のハイエナ族嫌いは深まる一方だった。
「あなたは穢れた獣らしく、私達の故郷、この国を奪った大国の犬になれば良い。それでは。」
呆然と立ち尽くす彼に脇目も振らずにその場を去った。その後彼は騎士団見習いを卒業して王都に移り住んだという噂を聞いた。
それから2年。彼女は宗教のシンボルである塔の祭壇の前で、巫女としての大事な仕事をしていた。
「次はあなたね。」
彼女と、彼女を囲む裸の同族の雄達。年齢は彼女の歳下から倍の歳まで。彼女がそう言うと、少年が一歩進み出て彼女と抱擁を交わす。
「お、お願いします。」
今年精通を迎えたばかりの少年の肉棒をためらうことなく咥え、股間に顔を埋める。少し捻りを加えながら吸い上げて1分もすれば、可愛らしい声を漏らしてビュルビュルっと濃い精液を出す。それをゴクリと飲み込んで、謝る彼に優しい言葉をかけながらもう一度抱擁を交わすと今度は大人の雄を相手にする。
彼女はもうじき、神聖な一族の巫女として、次の世代を産まなければならない。巫女は神の使いであり、神に身を捧げる者あって独占されてはならない、つまり特定の夫を持ってはならないという決まりがあった。
なので巫女は一族の精通を終えた雄を相手にして、神が選んだ相手との子を身篭り、生まれた子供も一族で育てるということになっている。
「ステラ…上手くなっているよ。」
「良かったです。」
大人はさっきの少年のようにはいかない。仰向けに寝た彼の雄槍に手淫で快楽を与えつつ、身体を撫でたり舐めたりして彼の肉欲を高めていく。
彼の限界が近づくと身体を重ねて雄槍を腹と腹の間におさめる。そして先程の少年を除く、絶頂間際で奉仕を中断された雄達も彼女に肉棒を差し出した。本来の儀式ならここで次々に挿入して子種を仕込んでもらう。今はその練習だ。下にいる雄が種を吐き出し終わると決められた順番で雄達が彼女と抱擁して雄槍を擦り付け、彼女と一つになっているところを想像しながら射精する。
それらを終えると、先に達してしまい気まずそうに立って見ていた少年に歩み寄って股間を隠していた手を退けさせる。
「い、いいんですか?」
「はい。経験しておいた方が良いでしょう。」
こうして少年も擬似的な交わりを終える。
「坊主を最後に、つまり坊主が最初にステラとひとつになった方が良いんじゃないか?」
「そうだな。ステラが誰の子を身籠るかは神のご意思だが、そもそも重ねる前に終わったら意味ないからな。」
彼女は雄達に付き添われながら祭壇を後にし、身を清める。皆気の良い雄達だ。数年前に彼女の弟となる子供が産まれる時は儀式に参加した雄達みんなが集まって母親と交わって出産を促し、産まれるとみんなで祝った。今度は自分がそうなるのだと思うとなんだか嬉しくなる。
しかし本番前にもう一度だけ練習を行う予定だったが、それは取り消された。
近年、宗教は急激に衰退し、教会などの様々な聖地も減り、信者が激減したことで存続が危ぶまれてきたのだ。
いまやこの街を仕切っているハイエナ族や、形だけとなった旧王族は、これらを旧国の貴重な文化遺産であるとして毎年保護を申し出ていたもののイタチ獣人は断ってきていた。
けれど現実は甘くなく、これ以上聖域が消されることを危惧した一族はついにハイエナ族達の、すなわちこの街の管理下に入ることに決めたのだ。
そこまでは良かったのだが、ひとつの厄介な障害があった。他でもない「教え」。
「私達は彼らを、ハイエナ族を聖典に受け入れることにしました。我ら神に仕える一族を、我らの聖殿を守るというのなら、彼らの一族にも神は加護を与えるでしょう。ステラ、巫女として我らの一族にハイエナ族の血を加えるのです。」
その夜、先代巫女である母親に言われたのがこれだ。要するに、今まで罵ってきた彼らの庇護下に入るのではなく、あくまでこちら側に受け入れるというもの。そして、近いうちに聖殿でハイエナの雄達と交わって子を産む、というものだった。
この時初めて、彼女は母や一族に疑問を持った。ハイエナ族はそんなことを要求していない。一族のプライドを守るだけのために「穢れた一族」と教えられてきた見ず知らずのハイエナ族達と身体を重ねることに何か意味があるのだろうか。
「儀式は1週間後からです。身体を整えておきなさい。」
そう言われ、その後は家に引きこもった生活になる。あの雄達になんと詫びれば良いか分からなくて会おうにも会えなかった。
こうして1週間はすぎ、彼女は婚礼装束を着せられていつもの塔へ。しかしその入り口で揉め事が起きていた。
「なぜ1人なのです。神が次の子を選ぶ、それはお話したはずでしょう。」
数人のハイエナ獣人と、見慣れない黒い竜人の青年。一瞬竜人が相手なのかと思ったが違うらしく、仲介人のような存在らしい。
「分かっています。…こいつはこの街のハイエナ族で唯一の王立騎士。それも2級。国に認められた騎士なのです。今回の協定であなたたちはこの街の、もといこの国の管理下に入る。それなら、この街の管理を任されている一族であり、かつ国に認められた騎士である彼がお相手に相応しいんじゃないですか?」
「しかし、巫女は…」
「巫女は信者に独占されてはいけない。でも、こいつは信者じゃありませんよ?加えて信者でもなければやる気もない、言われたから仕方なく参加するハイエナ族達じゃあ神様もご不満なんじゃないんですか?」
たった1人の他所者に押されている白イタチ一族には一見の価値があった。
「あの…」
「おや、」
竜人の青年と、ハイエナ族達が振り返る。
「君が当代の巫女かい?こりゃかなりの美人さんだねぇ。初めまして、リントヴルム王国王立騎士団1級魔術師ハクメイ。弟子をよろしくねぇ。」
1級魔術師と聞いて納得した。5級まである王立騎士団の中では実質2級が最高位。1級は1人で小国を落とせるような規格外の力を持つ者で、他国への抑止力にもなっている存在。説き伏せられて当然だ。
どうやらその弟子らしき人に独占されるらしい。しかしそれが巫女のつとめならば、複数だろうが独占されようがどうでも良かった。
「…初めまして。この度の我らへの助力、巫女として感謝申し上げます。もう聞かされていると思いますが……」
「…ステラ。」
名前を呼ばれて言葉を切った。先程ハイエナ族唯一の騎士と聞いて、そんな気はしていたものの、顔はよく見ていなかったし、記憶していた姿よりもずっと逞しくなって、背丈も大きくなっていたので別人かと思っていた。
「2級騎士カイル。…よろしくな。」
彼女は自分の心の言葉を撤回した。それだったら当初の通り見知らぬ者達と儀式を行う方がはるかに良かった。冷たい言葉を浴びせた彼とどんな顔で身体を重ねれば良いのだろうか。しかも身籠るのは彼の子供であると決まってしまっている。
「羨ましいぞーカイル。それじゃあ俺はこれで。」
「し、師匠!もう行っちゃうんですか。」
「いやだって、儀式は今日じゃないことになったし、俺邪魔じゃない?」
「儀式をやらない…?」
それは聞いていなかった彼女が思わず口にすると、竜人の青年は微笑した。
「いわゆるお試し期間って感じかな。カイルに独占されちゃうのが嫌だったら君らの儀式をやれば良いんじゃない?」
こうして、彼女は一旦簡素な服に着替えてから改めて対面した。
「そ、その…綺麗だな。前よりもずっと……」
「…ありがとうございます。」
「…お、俺さ。つい最近2級になれて、長期休暇中なんだ。それで…ここに帰ってくるのも久しぶりだし、その、一緒に街、回ってくれないか。」
ハイエナ族と白イタチ族が並んで歩くことはやはり珍しく、彼女が巫女であることもあって道行く人たちが振り返る。
「流石に2年じゃあんまり変わらないか。なんか新しくできた店とか知ってる?」
「…すみません、普段はあまり街に出ないので…」
「そっか…大変だな。」
懐かしそうにあたりを見回しながら歩く彼とは違い、彼女は終始気難しい顔をしていた。どう接して良いかわからないのだ。彼女が初めて表情を崩したのは彼の「家」に行った時だった。
衣食住を共にするよう言われていたので彼に連れられるまま街を管理する者達が住む場所へ向かったまでは良かったが、掃除用具の物置のようなところに連れてこられて驚き、彼が扉を開けると普通の平家並みの広さの部屋に続いていてさらに驚いた。
「2級からは個室なんだけどお世辞にも広いとは言えない。そしたら師匠が、2人で過ごせるようにって空間結界で部屋の空間を広げてくれたんだ。部屋を広げるレベルだと難易度かなり高いから普通なら大金を取られるんだけどタダでやってくれた。」
「すごいですね。ここまで精巧に……2級騎士の部屋?なら、もしかしてここは…」
「ここはリントヴルム王国王都の騎士団の宿舎だ。師匠が俺の実家の物置と繋げてくれたのさ。」
彼はさらりと言ったが、違う空間同士を繋げることができる魔術師は片手の指の数ほどである。
巫女を迎えることを意識したのか壁も床も大理石で統一され、深い色合いの木のテーブルと椅子が中央に置かれていたり、三人がけくらいのソファが置いてあったりと、貴族顔負けである。
「これちょっと豪華すぎる気がするな…師匠、絶対やる気出しちゃったやつだよこれ……あれ、なんでダブルベッドなんだよ…!とりあえず最初は別にしろって言ったのに…」
彼が "浄化魔法を染み込ませてあるから遠慮しないでね☆" という書き置きをクシャクシャに丸めている間、彼女はソファを触ってその感触を確かめていた。
「あー、それは俺が買ったやつ。テーブルと椅子も。その他のタンスとか絨毯とかは魔法で作ったやつだけどな。」
「騎士として成功していたならなぜ…そもそも一体どうやって知ったのですか。」
「師匠だ。1級魔術師だから地方のこととか一通り耳に入ってるんだろ。ここの他のハイエナ族達も儀式には乗り気じゃないから話はすぐに通ったみたいだ。」
「そうですか…すごい方なのですね。」
彼はそれ以上言わなかった。彼女も深掘りするほど愚かではなかった。
食事を済ませ、湯浴みを終えるとと彼は武器の手入れなどを行い、その間彼女は着替えたり祈りを捧げたりして過ごす。
「ステラ、俺はもう寝るよ。」
「はい。では私も。」
彼は腰に一枚布を巻いているだけの格好だったが、何も求めてこない。
「身体を重ねるのではないのですか?純潔を捧げるのは儀式の時であるのが普通ですが決まっているわけではないですし。」
思わず言うと、彼は動揺した。
「い、いや…あくまでお試しだし、別に今じゃなくてもいいだろ。」
この時の彼女は怪訝そうな顔をしながら目を瞑ったが、それから数日過ごす内になんとなく理由が分かってきた気がした。
今日リントヴルムの王都を案内しているときも、彼は昔のように明るく彼女に話しかけていた。少しわざとらしいと感じたときもあったけれど、お陰で巫女になる前の感覚を少しずつ取り戻していた。
「カイル!!」
「ウォンか。どうした。」
彼は友達が多いらしく、今日も虎獣人の少年に話しかけられた。
「どうした。じゃねぇよ!いつの間にそんな可愛い子連れて…ぁ…俺…ウォンって言います……」
彼女には友達と呼べる存在はいない。巫女になった後はほとんど街に出なかったので、それまでいた友達は皆いなくなった。
こっちの人は自分たちが崇めている神を信仰するどころかその存在すら知らない。そんな自分がいかに異質な暮らしをしていたのかを痛感する。
そして街中で夫婦やカップルを見かけるたびに、今更ではあるものの罪悪感が込み上げてきた。あれを忘れることはないだろう。それなのに彼はあの時と変わらず明るく引っ張ってくれる。
「どう?」
「美味しいです。」
「だろ?この店のパイはよく食べに来るんだ。」
心を開いて欲しいという彼の気持ちは彼女に十分伝わっている。今みで厳かな日々を送っていた彼女も、彼との"デート"で少しずつ安らぎを感じ始めている。そしてこの日、ベンチに座っていた際彼に肩を抱かせることを許したのだった。
「夢みたいだよ。またこんな風に過ごせるなんて。」
その言葉で彼女はまた複雑なものを感じて彼を見たが、彼は心地良さそうに欠伸をして頬を預けてきただけだった。温かい視線だったり、時には嫉妬のような視線を送ってくる通行人を気にすることなく、彼はこの時間を楽しんでいる。
もし自分が巫女でなかったら、あの時彼の想いを受け入れて、今頃はもう子供がいたかもしれない。そんなことを思いながら、彼女はされるがままになって時間が過ぎるのを待った。
「すみません…私まで眠ってしまうとは……」
「お互い様だ。身体冷えてない?」
「それは大丈夫です…」
夕食の買い物をするはずが、2人して夕暮れまで寝てしまったのだ。騎士団の食堂では騒がし過ぎるので、彼が給仕係に頼んで部屋に持ち帰らせてもらい無事に夕食を済ます。
「ステラ、」
「はい。」
「風呂入るんだけど、背中、流してくれないか。」
彼女は了承した。もちろん、それがそのあとの誘いの意味もあると知ってのことだ。
けれど彼女は、自分は雄の身体を見慣れていると思っていたが、何故だか彼の裸体をあまり直視ができなかった。…当然だ。彼は初恋の相手なのだから。彼と出逢わなければ素直に巫女としての責務を果たしていただろうに。せめて彼が再び現れなければ、こんな中途半端な心情になることもなかったのに。
対照的に、彼は昼間とほぼ変わらない。一般では年頃になれば娼館で初体験を済ませることも良くあることで、騎士団では13を超えるとわずかながらその足しにするための金がもらえるほど年頃の雄雌が娼館へ行くことは普通であり、2級騎士ともなれば相手からのアプローチがあってもなんら不思議ではない。彼の方がなれているのだろう。
それでも彼は来てくれたのだ。
彼の背中を洗い流して今度は彼女が背中を洗ってもらう。この時はお互い心は和やかだった。
「…良い毛質だな。友達の背中を洗うことはよくあるけど、毛があるやつはみんなゴワゴワだから。」
「…あなたは随分逞しくなりましたね。最初見たときわからなかった。」
「ま、騎士だから。師匠、武術も普通に達人だからさ、毎日コテンパにされたよ。」
「竜人の魔術師は珍しいですね。身体能力が高い種族でありながら凄腕の魔術師とは。」
「あぁ。本当にすごい人だ。」
背中を揉み解す優しい彼の手つき。いっそのことこのまま何も言わずに犯された方が楽だ。しかし彼は絶対にそうしない。
それが一般世間では普通であるのだろう。彼女にとっては違う。巫女になった後の感覚と、彼と別れる前の感覚で彼女は揺れていた。だから、彼の手が、おそらく彼も無意識なのだろうが腰や脇腹あたりを重点的に撫でていることで彼が身体を求めてくるのは間際であると感じていても、巫女として、彼に独占されることへ抵抗する自分とそうでない自分がいた。
洗い終え、滴る水を全て拭き取る。彼女が部屋着を着て喉を潤してから、もう一度彼を夜伽に誘おうかどうか迷っていると、彼が名前を呼んだ。
「…聞きたいことがあるんだけど、」
「はい。」
「あの時のこと、本当は…本当はそんなことは思ってなかったんだよな?その…俺がハイエナだから…言わされたんだよな?それとも…文句言わずに今も俺といるのは、神様のためか?」
「それは……」
彼女は口をつぐんだ。それは今まさに彼女自身が悩んでいることでもあった。
「…ならあなたは、なぜ来てくれたんですか?あんなことを言ったのに、どうして。もしかしてそれを確認するためですか。それとも…」
「お前今、来てくれたって言ったな?」
「えっ……はい……」
腰巻きだけを着けた、いつもの格好の彼が一歩歩み寄る。異性で、種族的にも体格に差がある彼に正面に立たれると圧を感じる。
「来てほしかったのか?」
彼はニヤリと口角を上げた。
「俺は今でも好きだ。あれを言われた時は本当に傷ついたけど…まぁ好きじゃなかったらこねーよ。」
「…変わらないですね。」
「お前は随分変わったな。それで、あの時みたいに突っぱねるのか?別に良いけど、今度はもう少しマイルドに頼む。」
「別にあなたの子を身籠ること自体に抵抗はありませんよ、あなたかあなたじゃないかの違いですから。ただその…どの雄との子が相応しいかは神がお決めになることで、私も神のご意思に身を委ねるつもりでしたから…」
「なるほど、分かった。」
いつまでも遠慮していたら、あの時のように離れてしまう。ちなみに彼の師匠は週1以上で娼館に通うくらいそっちの経験も豊富で、彼も当然影響を受けた。
「今の俺は、いわゆる特権を貰った感じなんだ。巫女様を独占できるチャンスをもらってるわけだ。お前が迷ってるのがそこなら、後は簡単な話、俺が確かめりゃ良いんだ。お前の本音を。」
「確かめるって…」
「抱けばわかるだろ。信仰のために抱かれた方が良いのか、お前を好きだと思ってる奴に抱かれた方が良いのか。」
彼は軽々彼女を抱き上げ、ベッドに向かう。
「…変わりましたね。」
「師匠のせいだな。今は前みたいに内気じゃないぞ。これからは俺に独占されるんだって、巫女様の身体に教えてやる。」
彼はベッド上で彼女を下ろし、腰巻きを外すと彼女の服を脱がせて寝そべったまま抱き締めた。
「これでも我慢してたんだ。そういえばお前は最初からそのために俺といるんだし、ちょっと遠慮しすぎたかもしれないな。」
抱き合ったまま彼の大きな手が彼女の腰を撫で、それに応えるように彼女も彼の筋肉質な胸や腹を撫でる。そして彼の股間の、雄槍が収まっている柔らかい皮に手を伸ばして軽く揉めばすぐに濃い匂いをまとう上反りの肉棒がそそり立った。
彼の鍛えられた肉体に相応しい、彼女にとっては凶悪な肉棒。思わず凝視してしまったのを誤魔化すようにその張り詰めた雄の象徴を癒そうとそっと手のひらで包んで擦り始める。きめ細やかな彼女の毛が、彼に甘美な快楽を与える。
「ステラ。」
思いの外近いところから呼ばれてハッと視線を上げると鼻同士がくっつきそうなくらい距離の距離で甘い視線を注がれていて胸がドキリとする。肉棒を刺激されて恍惚とした顔つきになる雄は見慣れているものの、ここまでしっかり目を合わせられたことは一度もないので彼のくりっとした目から目が離せなくなった。
「どう?2人だけでするのは。」
彼が言葉を発するために口を開くその動きと、チラリと牙と舌が見えて、そして息がかかってさらに心拍が上がる。
「へ、変な…気持ちです…緊張…のような…嫌というわけでは…」
「そっか…穢れた獣に抱かれて興奮しちゃったか…」
「こっ…興奮…?あっ…」
彼の舌先が彼女の口を軽く撫でる。そしてモゾモゾと彼女を抱き寄せて口付けをした。
「んっ……んっ…!」
彼女の柔らかい口を割って、その口内に舌を入れて犯す。きっとこんなことをされた経験はないのだろう。固まった彼女になおも口を押し付けながら彼女の腰、尻、そして秘裂の周りに指を伸ばすと可愛らしい声を漏らした。
彼は中々彼女を解放しなかった。長い口づけの間、彼女が思い出したかのように再開した手淫の感触を愉しみながら彼は焦らすように彼女の尻や秘裂の周りを揉んだ。
顔を熱くしながらも彼の口や舌や牙の感触に慣れ始めた所で彼は彼女の口から舌を抜き、接吻を解く。無意識に彼の口を追いかけてしまい、しかも舌を出しっぱなしで彼の口と唾液の糸を引き、彼女は思わず目を逸らす。
「雌っぽくなってきたな。じゃあそうだな…親交を深めるためにも、まず1発抜いてもらおうかな。」
この距離のままではどうにかなってしまいそうだったので、彼女はホッとしながら身体を起こして仰向けのままの彼の肉棒に顔を近づけた。
雌に子種を送るための雄槍。滑らかな竿を舐めれば舌からその熱が伝わってくる。異種族で体格差もあるのである程度予想していたものの、手のひら2つ分の長さのそれが自分に入るのだと思うと不安を感じる。
血を繋ぐための崇高な儀式であると言われて今まで雄達を射精に導いてきたが、彼の子種が詰まっている睾丸の感触や雄槍の形や匂いでむず痒い気持ちになるのは、彼の雄槍だけが原因ではないのだろう。
彼の腰を抱くようにしながら裏スジに向かって尖っている亀頭を頬張って、その大きく肉厚な亀頭を舌で転がすと先走り液が漏れる。
前よりも大人びて、巫女らしい上品な佇まいの彼女が肉竿を握って亀頭をしゃぶる様子はかなりそそった。半ばまで咥え込み付け根の周りをさすりながら、さらに溢れてきた雄汁をじゅる、と吸われて彼は思わず身震いする。
「上手いな。溜まってるし、長持ちしそうにないや。」
上目で彼を見ると、今まで行為をしてきた同族とは違う雄々しい躰と恍惚とした彼の顔が飛び込んできてすぐに視線を下ろした。
これまで通り、精を出させるだけ。しかし熱も胸の高まりも治らない。慣れているはずなのに、彼についていけない。これでは一方的に奉仕しているだけである。
彼が心地良さげに息を吐いて、まるで赤子に触れるような手つきで彼女の頬を撫でる。
「あー、そろそろ出る…」
彼は半身を起こして、ほとんど土下座と変わらない格好で肉棒をしゃぶっていた彼女の背中に足を置く。力は入れてないものの、そのまま離れるな、という意思は伝わった。
仔馬が乳を飲むときのように顔を彼の下腹部に埋める彼女を眺めつつ、まじめに愛撫しながらなおも顔を前後させて射精を促そうとしている彼女の頭を軽く撫でながら快楽が沸点にたどり着くのを待つ。
「ふぅ…イクぞ…」
うっ、と彼が呻く。そして大人しく舌に包まれていた肉棒が突然暴れて温かい粘液塊を吐き出した。
独特の生臭さと彼特有の雄の味、そして多少のエグ味と甘味。喉奥まで飛ばないよう上顎で受け止めながら飲み込むが、粘り気が強くて喉に引っかかる。それでも彼女は次々に供給されるそれを無理やり飲み込んで、脈打つ肉棒を鎮めるために彼の内股を撫でた。
途中口から吹きこぼしてしまったが、その時にはほとんど終わっていた。
彼が足を退けて、彼女は吸いながら肉棒から口を離し、残りの精液を飲み込んだ。
「良かったぞ。穢れた獣の種の味はどうだった?」
答えは求めていないらしく、彼女を抱き寄せると彼女の口周りを汚していた自らの精液を舐めとり、そのまま口づけをする。彼の手が彼女の腰回りを撫で、尻を撫で、秘裂周りを撫でて、今度は指を入れた。
「んっ…」
彼女が反応し、入れていた人差し指が肉壁にぎゅっと握られる。まだ何にも染まっていないそこを、関節を立てて指の腹で撫でた。
「あっ…」
「もう結構濡れてるな。穢れた精液飲まされて興奮したか?」
指が一本追加されて、慣れない快感に思わず彼の身体の毛を掴む。そんな可愛らしい仕草を見せる彼女を言葉とは真逆の手つきで撫で、彼女が雄を受け入れられるよう胎を解していく。
しばらくそうした後、指を抜いて彼女を仰向けに寝かせて甘い雌の匂いを放つ、彼女の穢れなき聖域に舌を挿れた。
彼女の脇腹を両手で鷲掴みにして、彼女の愛液に唾液を織り混ぜていく。彼女は口に腕を当てて内側を舐め回される感触に耐えた。
「もういいかな。」
舌を抜いて、彼女に股を開かせると十分に濡れた薄桃色の秘裂に亀頭をあてがう。彼女が緊張した面持ちでそれを見ていたので、彼女に覆い被さるように身体を倒すとそっと彼女の額を舐める。
「力抜けよ?」
「はい…」
自分より、同族の雄よりも体格が大きく、以前穢れた獣だからと拒絶した相手に覆い被さられてさぞ圧を感じていることだろう。彼女の顔のすぐ横に片肘を置いて、もう片方の手で己の怒張を支えながらムニ、と亀頭を押し付けた。尖っている先端だけが刺さる。
「終わったら答え聞くからな、俺のものになるか、そうじゃないか。」
焦らして愉しんでいることは彼女もわかった。猛々しい肉棒を押し付けられる不安よりも、ただ触れているだけというもどかしさが勝ることが彼の思惑通りだとわかっていても、諦めて委ねるしかない。
「…わかりました。」
「じゃあ遠慮なく。」
ぬるん、と肉厚な亀頭が秘裂に潜り込む。途端に膣がキュッと締まってそれを押し返そうとする。
「こっち見て。」
雄が侵入しているところに釘付けになっていた彼女を呼んで、目を合わせる。彼女は思い出したかのように彼の背中に手を回した。
「はぁ…あ…」
彼が腰を少し押し出すと、彼女が息を漏らす。彼女が思っていたよりも内側からの圧迫感が強く、狭い道を押し広げれて奥に侵入してくる感覚に思わず身を捩る。
「よーしよし、ふふっ、ステラのなか、狭いなぁ。弾かれそう。やっぱハイエナのブツは嫌だってか?」
やはり結合部が気になるらしい彼女の顎を鼻面で押し上げ、口づけする。以前自分を拒絶した彼女が完全に手中にあることが彼に加虐心を芽生えさせた。
「深呼吸しろ。」
言われた通りにする彼女の頭を優しく撫でる。彼らの聖典に書かれているような意地悪い笑みを浮かべながら。それも優しさの上だと油断している彼女の華奢で小柄な身体に、彼女が息を吐いて膣が少し緩んだタイミングで己を一気に押し込んだ。
不意のことで膣が雄槍を締める間もなく奥深くに侵入される。腹の中、ヘソ下からヘソ裏、そのさらに奥まで彼が入ってきて、彼女は声を上げて彼にしがみついた。無理やり広げられた胎を埋めようと意思に関係なく膣が不規則に締まり、そのたびに彼の雄槍をより強く感じてしまう。
「待っ……」
「まだまだ。ほらっ…」
ぐりっ、と内臓が押し上げられるような感触。彼の雄槍の先が腹の奥に刺さるような感触もある。
「どうだ?はじめての雄の味は。」
肉棒が奥まで入って、それによって息絶え絶えになっている彼女を見てさらに昂った。彼女の腹を軽く押すとその感触が肉棒まで届き、彼女は喘ぐ。
「大事なところを穢れた獣に犯されちまったな。巫女様の聖なる仔袋を穢れた子種で孕ませてやる。」
雌との経験は十分にあるが、彼はかなり興奮していた。一息ついて、彼女の未熟な膣の締め付けを味わうと、そっと身体を倒して彼女を抱きしめる。
「苦しい?」
「…続けてください。」
実際は彼の剛直に純潔を貫かれる痛みに加えて肉を引っ張られる痛みと奥を押し上げられる圧迫感で心臓が飛び出るくらい早鐘を打ち、意識が遠のきそうだった。
「とっとと済ませてくれって?やだよ。」
挿れたまま、彼は彼女を撫で続ける。時折彼女の中に包まれている肉棒がビクリと跳ねて、彼女が息を荒げる。
「大丈夫、激しくしないから。ふふ、嬉しいなぁ、やっとステラと一つになれた。ほら、さっき頑張ってイカせた俺のイチモツがお前の中に入ってるんだぞ。」
彼女のお腹をさすり、手を引っ張って結合部を触らせる。そしてその手を上へ上へなぞらせていき、最後は顔を触らせた。
「お前になら撫でられてもいい。…そんな不安そうな顔すんなって。愉しもうぜ。」
「愉しむような…ものでは…」
「固いこと言うなよ。お前の身体だって、息するたびに俺を締め付けて、モグモグしてるみたいだぞ。…俺にとっちゃ、お前は巫女でもなんでもないんだから。今だって祭壇の前でやってるわけじゃないんだし、素直になれよ。」
彼が試しに腰を1往復させると彼女は顔をしかめて身をよじる。やはり初めてで種族的に体格差がある雄を受け入れるのは難しいらしい。このままの姿勢だと腕や腰が疲れてくるので、彼は彼女に自身の身体を抱きしめるように言って彼女の身体を抱き、そのまま身体を起こして繋がったまま彼女と向かい合って座る。
彼女が奥をさらに押し上げられて身体を震わせたので、少しだけ身体を後ろに倒して壁を背もたれにする。彼女と密着して抱き締め、腰や背中を撫でた。
「あったかいな。これで少しは楽になったか?」
「はい…」
「余裕があるなら撫でてくれよ。欲にまみれた獣を満足させてくれ。」
胎を占める剛直に息を乱しながらも、身体を少し起こして彼のたくましい胸板を円を描くように撫でる。この体勢だと嫌でも彼の腰に脚を回さないといけない。彼が主導の上で、彼を求めさせられている。
彼の手が後頭部を撫で、舌が額を這う。向かい合っているからすぐそこに彼の顔がある。目を少し上にするだけで視線が交わり、彼に見つめられてまた顔が熱くなって目を逸らす。
雌への欲に染まりながらも彼の視線や手つきは優しげで、これが雄の雌に対する愛しさなんだと言われているようで彼女は複雑な気持ちになる。
あの儀式の練習の時もこんな目で見られることはない。それは当たり前なのだ。巫女は信者の代表。巫女は信者に等しくあらねばならず独占されてはならないのだから。
「気持ち良いよステラ…あー、興奮してきた…そういや抱き合うのも初めてだなぁ…あったかくて気持ち良いだろ?」
「それは…はい……」
雄に貫かれる苦痛は彼に身体をさすられると多少なりとも和らぎ、彼と密着している下腹部はお互いの温もりでじんわりとしている。無意識に彼の胸元に額をつけて行き場のない熱に耐えていると彼が顎を乗せてくる。
「落ち着いてきた?さっきより柔らかくなってきてる。」
「そう…ですか…」
「うん。吸い付いてきて、吸い込まれそうな感じ。俺が今までより優秀な雄だって気づいたみたいだ。」
自身の肉棒がヒクヒクと動いて彼女の中に先走りを塗り始めているのを感じながら、彼女をギュッと抱きしめる。彼女も彼の背中に手を回して愛撫を続ける。
「俺ハイエナだけど、1級騎士になれば白イタチの一族もステラと結婚させてくれるかもしれないって思ってたんだ。まだ1級じゃないけど、夢は叶ったな。あとはお前をその気にさせるだけだ。」
「んっ…」
ごく当たり前のように彼の柔らかい口が重ねられ、彼の怒張を咥えている膣がキュンと締まり、存在感が強くなってまた身体が震える。彼の口が吸い付いてきて、舌が入ってくる。彼の手に導かれるまま彼の頬に手を添えると、さらに押し付けてきた。
彼の抱擁の力が強くなり、さっき咥えた亀頭がもっとも聖なる領域をこじ開けんばかりに圧迫し、尖った先端が肉壁に刺さって強い刺激を送ってくる。
「んんっ…!むぅっ…」
身体を震わせても、声を漏らしても彼は離してくれない。それが少し続くといつの間にか目を瞑っていて、気がついて目を開けると彼も瞼を閉じている。彼の肉棒は雄々しく雌を貫いているというのに彼の顔は穏やかで、それを見てまた身体が疼く。そしてようやく、それが雌としての興奮であると理解した。
「はぁ…はは、盛り上がったな。」
彼が頬擦りしてくる。もっと動きのある行為を想像していたのに、今のところ繋がったまま抱き合っているだけ。それでも彼は満足げだった。
「苦しい?」
「…はい。」
「でも"その気"にはなってきただろ。」
彼女は黙って彼の背を撫でた。彼の肉棒が収められているお腹を自ら彼の腹筋に押し付けている。その温もりが一種の快感となって、それを無意識に求めていたのだ。
「よく、わかりませんが…」
彼にそれを言うのは少し抵抗がある。独占されることを認めることになる。けれどここまで気を遣ってくれているのだから伝えるべきだろう。
「心地…良いです。あなたが感じてるそれとは…違うと思いますが…その…安心というか…」
「いや、俺もそうだよ。すごく満たされた気分だ。…股間を除いて、だが。」
明らかに緩んできた彼女の顔を見て内心安堵する。彼ら一族にとって巫女になることは名誉なことなのだろうが、以前の彼女を知っていると今の彼女は哀れに思えてくる。
「ステラの中…だいぶ俺に慣れてきたみたいだ。まだキツいけど、うねってて、ステラの中が俺を揉んでるみたいで気持ち良い。」
彼が少し身体を揺らすと肉棒がズレて、ジン、と"それらしき"ものを感じる。
「無理して鼻で息するなよ。今は品格なんて気にしなくて良いだろ?口で深呼吸して。」
彼女がいう通りに深く息をするとそれに応じて彼女の膣が蠢いて甘い快楽を肉棒に塗りたくる。当然彼女もその刺激を感じて、息を吐くときに小さく声が漏れる。
「感じてきた?まだ痛い方が強いかな。初めてだからな。…ステラの、巫女様の大事な初めて、ハイエナの俺がもらっちゃったな。」
「あ……んぁ…」
彼が少し腰を動かせば彼女の喉からは甘い雌の声が漏れ出て、本人も驚いて口を閉じる。
「もっと聞かせろよ…俺だって、さっき情けなくお前にイカされたし、恥ずかしがることないって2人きりなんだから。さぁ、ただ委ねて下されば良いんですよ巫女様。俺に委ねて、俺の仔を孕んでください。」
密着している彼の身体から鈍り始めている脳に響く彼の声。信者の誰か、ハイエナの誰か、ではなく彼の子を孕む。彼に独占される。そう考えると体の熱と疼きが大きくなって自然と彼を抱く手に力がこもる。彼を受け入れているところから鈍い快楽が生まれる。
苦痛を伴っているのに、嫌な気はしない。雌としての昂りがあるのに、心は妙に穏やかで。彼に抱かれて、心が安らいでいるということを認めざる得ない。
つまり身体がそれを望んでいる。彼の雌になることを望んでいるのだ。
「カイル…」
「やっと名前で呼んでくれた。」
「私…自信がない…」
「そりゃあな。今までやってきたことぜーんぶ棒に振るんだ。まぁでも、今回のことは突然だったけど、1級にあがれたらお前のところに行くつもりだったんだ。見返してやろうって。まだ2級だけど、2級騎士の躰も悪くないだろ?」
2級も十分なエリート。むしろ彼は最年少の2級騎士である。まさかこんな短期間でここまでのし上がるとは思ってもおらず、彼への罪悪感が湧き上がる。
「わたし…」
「いいから黙って委ねてろって。結論、俺の仔だけ孕むことになっても良い、なんだろ?」
「…はい。」
彼の口角が釣り上がった。そして彼女を抱き直すと身体を揺らし始めた。ほんの少しが出入りする程度だが、ただ挿れられている時とは違う擦れる感覚に彼女は喘ぐ。
「辛い?」
「少し…でも続けてください……」
「わかった。」
肩に顎を乗せている彼女の頭に頬擦りしながら腰をうねらせて彼女を雌にしていく。
「奥が先っぽに引っ付いてくるの分かる?さっきよりもちもちしてる。俺が欲しくて降りてきて、俺から精液吸い上げようとしてるぞ。」
なんと返答すれば良いかわからず視線だけ送ってくる彼女。その整った顔にはいつもはない幼さも見えている。昔、勇気を出して彼女の頬を舐めた時を思い出して独り笑いした。
「どう…したんですか…?」
「いや、気持ち良いなって。」
「…すみ…ません、ずっと…気遣ってもらって…んっ…」
「不満そうな顔してる?」
一旦動きを止めた。
「……とても意地悪な顔をしてます。」
「だって巫女様を孕まそうとしてるんだもん。ずっと好きだった可愛いステラと子作り中だなんて、興奮しないわけないだろ。」
彼女は黙って彼の胸に顔を埋めて背中の毛を握り、彼はまた腰を動かした。
緩慢な動きでベッドが静かに擦れる音と熱い息遣いだけの時間がしばらく続く。雄槍と胎内が擦れ、コリコリと最奥をなぶる。そこに確かな性快感はあるものの、やはり穢れ知らずの彼女に彼のモノは大きすぎて苦痛の方が勝る。それでも彼女は彼にしがみつきつつ自ら腰を動かし始めた。気遣ってばかりの彼にもっと感じて欲しいと思ったのだ。
「あっ…あぅ……」
「あぁ…良いよステラ…すごく良い……」
彼の手が強めに腰を撫で、彼女のふさふさな尻尾がビクビクと反応する。儀式の相手になるはずだった雄達も普段から良くしてくれていたし、身籠ることにも一切抵抗はなかった。でもそれはあくまでも教えに従っただけ。
雄に心地良いと言われてこんなに嬉しいと思ったのも初めて。
好きな人と一緒にいる感覚を、ついに思い出してしまったのだ。
そもそも、ハイエナが穢れた一族というのは後付けであり、神の教えではない。彼と共にいることはこれまでの贖罪なのだと言えば信者も納得するだろう。
言い訳を全て終えると彼の匂いを吸い込んで、彼女はただの雌になった。自分を犯す雄槍を奥へ奥へと受け入れ、欲が渦巻く彼の身体を愛撫する。
彼に身体を押し付け自分の意思で肉棒を締めつけると痛みも増すが一体感も増す。もっと、もっと熱くして、彼を感じたい。既に彼の肉棒で一杯なのに、寂しげに疼く胎内の奥を埋めてほしい。そして自分を想い続けてくれるこの雄の子を身籠りたい。
彼女は堕とされた。
「はぁっ…あっ……」
小さい身体で雄の全てを受け止めようとしている姿はとてもそそったが、少し苦しそうだったので動きを止める。彼女の顔はすっかり年頃の雌のそれになり、子種をねだる熱い膣が肉棒を包み込んで実に心地良い。
「深呼吸して。」
先程よりも呼吸による波打ちが大きい。緩んだり締め付けたりを繰り返しながらヒダを絡ませてくる。興奮と快楽に大きく息を吐いて彼女の背中をさすると膣がヒクヒクと動いて彼女も息を荒げる。
見つめると気づいて見つめ返してくる。素直に雄の味を享受することにしたらしいその姿にまた昂って額に口づけをしたが足りない。ペロペロと口付けした場所を舐めていたが、快感と彼女との温もりと、そして不意に漏れた彼女の嬌声で興奮が抑えられなくなり、彼女が肉棒を咥えた時のような動きで口を開き彼女の頭をすっぽり咥えてしまった。
マズルが太いハイエナの、鋭い牙が並ぶ口にとらわれても彼女は何も反応しない。それに気を良くして彼はさらに彼女の顔を奥に咥えてしゃぶり始めた。
マズルの横から唾液が垂れ、彼女の顔も唾液まみれになる。彼は、食べてしまいたいほど愛おしい、と言う言葉を身をもって知った。このまま彼女を丸呑みしたらさぞかし心地良さそうだ。もちろんその前に自分が窒息死するだろうが、代わりに彼女を味わいながら腰を動かした。
彼女はの方は彼の真っ暗な喉奥を見つめながら湿度の高い彼の口のなかでとろんとした目をしていた。舌の上は案外心地よかった。
いくらか雌雄を擦らせ、いよいよ彼女の鼻が喉奥に呑み込まれかけたところで彼は動きを止め、彼女を解放する。
「こんなに…興奮するのは初めてだ……」
息を荒げながら彼女の顔を一通り舐めて、そしてまた抱きしめる。興奮は少しも冷めず、彼女の膣は尚も快楽を送ってくる。穏やかだがねっとりと、確実に。少し撫でればヒクヒクと締め付けてくる。
「ステラ…はぁ……ステラ……」
彼女の息も荒いまま。感じていることが表情から読み取れる。こんなに動かない性交は初めてだが、彼女に胸を撫でられただけで快楽が膨らんでいく。気遣ってばかりで申し訳ないなんてとんでもない。もし動いていたらあっという間に終わってしまっていただろう。
「ステラ…良いよな…このまま…穢れた獣の精子で…ステラの中一杯にして…孕ませても良いよな…?」
精一杯虚勢を張ると、彼女は喘ぎながらも少し悲しげになる。
「……もう…そのことは…あっ……許してください…そんなこと…思ったこと…一回も…ありません…から……」
「うん……ステラ…大好き……はぁ…もう無理…」
下腹部の快楽が膨れ上がってくる。彼女の手が頬を撫でてきて、お返しをしながら同じように喘いでいる彼女の口に自分の口を重ねる。彼女の歯に触れる感触も、舌を絡ませ合う感触も快感に変わり、彼女の身体に埋められた肉棒が小刻みに動く膣に追い討ちをかけられて、玉袋がキュッと縮んでいく。
彼の鼓動が早くなって彼女にもそれが伝わり、彼女が促すように彼の脇腹を撫でると彼が吐息を漏らしながら接吻を解いた。
「あっ…はぁっ…イクっ……」
彼女を固く抱きしめて、前屈みになりながら彼女を下腹部に押し付けて、腰を彼女に押し付ける。その刺激で彼女も喘ぎ、とどめとなる締め付けで欲が決壊した。
「うっ……あぁ……出るよステラ…!」
ビグン、と胎ごと肉棒が飛び跳ねる。そして溜まりに溜められた白濁が、彼の雄の根本から彼女の胎奥までいっぺんに放たれた。
「あぁっ…!はぁっ…!…」
未熟な彼女の胎に、未熟な彼女の聖域に、亀頭がしっかり密着して荒々しくも丁寧にドクリドクリと雄液を送り込む。その勢いたるや、外から結合部を見てもはっきり脈を打っているほど。2人はその命の脈動を胎内だけでなく結合部付近からも感じて興奮と快感は最高潮になる。
最後の未知だった、胎内で雄が暴れ回り熱い精液が流れ込んでくるのを感じた瞬間に彼女から痛みが消える。そしてそれまでじんわり感じていただけの快楽が、雄槍がもう一つの心臓のように脈打つたびに強く、また強く、恐ろしくなるほど強くなって、それが少しずつ全身に広がっていき彼と触れている部分全てに快楽を感じはじめたところで、破裂した。
「……!!っくぁ…!あーっ!!」
全身が震え、脳天から尻尾の先足の先まで快楽が走り、喉から勝手に声が出て、彼の感触はそのままで視界が白くなる。さすられただけでまた破裂し、理性が焼き切れる。膣が別の生き物のように動いて、精液を吐き出し続ける彼の肉棒を扱き上げ、その快楽でまた身体が痙攣する。
「ステラ…うっ…ステラ…大丈夫…それで良いんだステラ…」
激しい絶頂に涙をボロボロこぼしながら嬌声を出し続ける彼女を強く抱きしめ優しく囁きながら、射精中の肉棒を揉みくちゃにされる快楽に身を委ね、愛しい雌に子種を注ぎ続ける。
雌雄が繋がっているところの隙間からは白濁が漏れて周囲に雄の匂いを漂わせた。それでもなお、確実に種付けしようと肉棒は自らを栓のように胎を塞ぎ、それを漏らすまいと膣は肉棒を締める。
「まだ…うぅ…愛してるよ…ステラ…」
びゅる、びゅる、としぶとく射精は続き、ようやく波が引いてきた彼女は震える手で彼を愛撫して彼の油送を助ける。
やがて全てを出し尽くすと彼はふーっと長く息をついた。雄槍は貪欲に空撃ちしている。彼女の息もまだ荒い。自身も余韻に浸りながら初めてにしては盛大過ぎた快感に震える彼女の身体を穏やかにさする。
彼女が恍惚とした、だらしない、美しい顔で彼を見上げる。お互いに微笑み合い、彼が彼女の頬に手を添えるとどちらともなく口を重ねた。さっきほど深くはないが、一番長く熱いキスを交わした。
萎えかけた肉棒が引き抜かれると白濁が溢れ、熱い粘液が逆流する感覚に彼女は思わず力を入れて止めようとしたが、彼に優しい視線を送られて力を抜き身を任せた。逆流が止まっても、彼の精液の温もりが胎ではっきりと感じられて、理由もなく微笑んでしまうような不思議な幸福感に包まれる。
…巫女なのに、彼に注がれて満足している。そして意中の雌に子種を注いで満足げな様子の彼を愛おしく思う。
「…結婚してくれる?」
彼の問いに彼女は頷いた。生涯彼に身を捧げる。それ以外の考えはもう消え去った。
「…ありがとう、カイル。私も愛しています。」
その言葉が彼女の心の全てを表した。解き放たれた彼女は、自らの伴侶に抱かれて幸せな眠りに落ちていった。
それから1週間後、彼らは塔の祭壇で、他の白イタチ一族や信仰者の前で儀式をおこなった。
いつもとは違う、ハイエナの青年の裸体に視線が集まり、彼も最初はかなり気まずかったものの観衆が予想以上に大勢だったこともあって開き直った。
信者たちは巫女がハイエナの前に跪いて雄槍を昂らせる様子を静かに見守る。
彼女の手淫と口淫で昂らせて最後の瞬間だけ繋がるのがいつもの儀式。けれども彼女は早いうちに台座の上で仰向けになって彼を誘い、彼が絶頂に達するまでのしばらくの間、熱いまぐわいを見せつけた。
巫女がハイエナの下になって彼に突かれるとは誰も予想していなかったが、これはハイエナである彼を受け入れるという彼女なりの"示し"であり、彼もそれを察していつもの夜のように穏やかに腰を前後させ、まだ昨日の精液が残っているであろう彼女の中に、彼女や彼女の一族がハイエナ族を迎え入れることを宣言してから巫女様に精液を注いだ。
「いやー…振り返るとやっぱり恥ずかしくなるな……つーかなんで師匠までいるんだよ…何が最年少2級騎士と騎士団内最年少結婚の二冠おめでとう、だよ全く…」
その夜、2人は2人きりでもう一度交わる。
「確かに、人前で致さなくても、という気持ちはわかりますが……あれを信者の前でやるのは新しい巫女が初めて精を受ける時だけで、その年は…新しく生まれる子供がとても多くなるそうです。」
「子孫繁栄のためか。納得した。」
彼女と密着して、胎をかき混ぜるように腰を前後させる。今頃、先程自分たちのまぐわいを見ていた者の一部が同じように想い人と交わっているのだろう。
絶頂した彼女を撫でながら自身も彼女の中で果て、その後は彼女が眠るまで子種がたっぷり詰まった彼女のお腹を2人で撫でて自分たちのところにも早く来ないものかと微笑み合うのだった。