こちら日本国行政特区魔界風俗街2丁目8番地リサイクルショップ【大慈大悲館】 作:一条和馬
【行政特区魔界風俗街】
ノストラダムスが予想した1999年7月に出現した『魔界』の門と、その住民との接触によって世界各地に誕生した行政特区の一つ。『魔界』とは言うが正確には『魔法界』であり、悪魔や怪物の異形よりはエルフやドワーフなどの亜人類が多数を占める。(魔法界では人間は既に絶滅している)。
『行政特区風俗街』は日本に存在する二つの行政特区の内の一つ。日本のジャパニーズオタクカルチャーを見た魔法界の人間が「この国が一番クレイジー」といって特区一つを丸々歓楽街にしたのがきっかけである。多種族のモンスター娘(雄の店も当然存在する)が毎晩夜のお客を求めて日々客を誘惑している。因みに、もう片方の行政特区では『チート貰って異世界転生した少年少女体験ツアー』で大儲けしてるらしい。
また、このエリアには『魔界乳業』と呼ばれる一大ブランドの乳製品加工工場の本社があったり、『大慈大悲館』というよくわからない医療施設があったりと異彩を放つが、その詳細を調べようとした者は悉く消息を絶っているとか。
【大慈大悲館】
行政特区魔法界の隅っこにポツンと佇む洋館。その実態はドクトルが運営する『修理屋』である。ご不要になった家具を…というのではなく、主に『廃人』になってしまった生物を治療する魔法医学の診療所。一応普通の病気の応診も出来なくはないが、主治医が性癖を拗らせた変態であるため、健常者は立ち寄ろうともしない。
洋館は二階建て+地下で、一階に応接間と診察室。地下に『工房』、二階がプライベートな空間となっている。また、そこそこの広さの庭があり、正門前には小さなログハウスが建っている。
・ドクトル・ドピューデル
32歳男性。人間。無精髭でやせ型のいかにも頼りない風貌。
幼少時代に過酷な環境を過ごし、その仮定で性癖を拗らせてしまう。が、彼はそれを逆手に取る方法を思いつき、その結果誕生したのが『大慈大悲館』である。国家資格である『魔法医療学』修得の為の勉強や試験その他含めて10年以上を費やしていたが、それ以前に何をしていたかは不明。本名は玉無枯葉(たまなし かれは)というが、本人はそれをめちゃくちゃ嫌っている。
【キサラギメイド軍団】
『大慈大悲館』に努める使用人達の総称。メイドとは言っているが男も混じっており、その際は大体執事服を着用している。希望があれば女子も執事服を着用するとか。
彼女らの普段の仕事は無駄に広い『大慈大悲館』の手入れにあるが、一応『商品』である。
ただ、ここに留まっているのは大体『商品化』を拒んだは良いものの、行く当てがない者
ばかりだとか。
『キサラギ』というのは初代メイド長の名前だが、ドクトル含め、現在の彼女の行方を知る者はいないらしい。
・サトウ
身長160センチ、黒髪ショートでEカップの人間の少女。年齢は20歳。
キサラギメイド軍団の現メイド長。
彼女は他のメイドとは違い『不感症』である為に風俗街からも捨てられた過去を持つ。その為か、キサラギメイド軍団唯一の『非売品』である。
不感症故か、いつも死んだ魚の様な目をしているが、ドクトル的にはこれがたまらないらしい。「いつか心の底からヒンヒン言わせたる」とは本人の談。
因みに『サトウ』とは大慈大悲館に来てから与えられた名前で、本名は不明。
・シュテル
身長170センチ、茶髪セミロングでBカップの自称人間の女性。年齢は自称24歳。
キサラギメイド軍団のメンバーではなく、気が付いたら居候していた女。
一応元はどこかの騎士団に所属していたらしく、腕っぷしは本物なので警備担当として置いておくことにしているという。
日中は基本大慈大悲館のどこかに居るが、寝泊まりだけは外に勝手に作った事務所兼自宅でしている。
万年ジャージだが、過去に右腕を失っており、そこだけ鎧を加工した義手を使用している為、見てくれがやたらシュールである。
背中に二つの大きな傷があり、それを見られるのを極端に嫌う。
【魔界乳業】
行政特区魔界風俗街に本社兼工業が存在する会社。元々魔王城として使われていた施設をそのまま人間界に引っ張り出してきたため、外見がやたら厳か。ただ、内部は徹底的に改装されている為に関係者以外立ち入り禁止となっている。
その実態は何かしらの理由で集められた多種族のメスから乳を採取し、加工して全世界に送り届けるというもの。魔法界ではメジャー商品だが、人間界ではどう考えても違法なので行政特区魔界の中でしか扱えないブランドとなっている。
・ポイズン・パラディン
元魔王軍幹部にして『魔界乳業』の代表取締役。
金髪褐色巨乳のお姉さん(種族サキュバス)。年齢は2032歳(人間換算外見年齢約26歳)
元々は冷酷無比な性格で『魔界乳業』開業時はフル稼働のブラック企業だったが、ジャパニーズオタクカルチャーに触れてから改心。特に『ウス=異=本』と呼ばれる魔術書を手に入れてからは度々それを参考にし、業績不振だった『魔界乳業』をトップ企業にまで登り詰めらせた。コミケにはその時期にやっているアニメのコスプレをして毎回参加しているとか。ドクトルには『ポイパラちゃん』と呼ばれるが、彼以外がその名を呼べば死ぬ。ドクトルが言っても半殺しにされる。
・オクヤマさん
『魔界乳業』営業部に所属するオークの男性。年齢は30歳(人間換算年齢約40歳)
オーク族であるために4メートルを超える体躯の持ち主。
だが一方で気弱で几帳面という珍しい性格をしており、服装もオーダーメイドのスーツに黒メガネが基本スタイル。
『魔界乳業』のイメージアップの為の広報活動が主な仕事であり、査察に来たスポンサーや、正式な手続きを踏んでやってきたメディア関係の人間に社内案内も担当しているとか。
また、この営業職につく際に人間界の人達にプレッシャーを与えない様にと「オーク山崎」と改名したが、この時の彼はまだ人間界の言葉に疎く、種族名を名前にしてしまった事に気が付いたのはずっと後である。
『大慈大悲館』に依頼を頼みに行く際に、ほぼ確実にパシリさせられる可哀想な人(?)。