なんか本職にしようとしてることの制作の気分転換に書きました。あんまりエロくないかも。におい系私はあんまり好きじゃないんだけど、狼とか犬とかにおいに敏感だよねってことで。
ともかくどうぞ。
レオは下戸だ。
お酒は飲めない。しかし全然飲めないというわけでもない。
友人に酒豪がいるので比較するとほぼ飲めないようなものだが、ちびちびと時間をかけて飲めばボトル半分程度は飲める。
レオの生活スタイルは周りの人間によってだいぶ左右される。それでも時たま、スカッシュに立ち寄り、しばらく飲めないお酒をゆっくりと煽って時間をつぶす。
昔はお酒に時間や金を使うなんてことは一切予想していなかった。
「レオくんは可愛らしい飲み方をするのですね。」
隣の同僚は聞こえの良い声で笑っていた。
ツェッド・オブライエン。
斗流血法の使い手。
礼儀正しく、紳士的で、聡く、知識人。彼の得意な見た目がそれらとのギャップから更に彼の良さを引き立てる。
今日、普段チェインと一緒に来るバーでツェッドと飲んでいるのは偶然ではない。
以前から一緒にどこかお店でも行きましょう、と誘われていた。
もちろんツェッドがレストランという意味で言っているのはわかっていた。ただ彼が「普段チェインさんとはどこに食事に行っているんです?」と訪ねてきたので、レオが「バーにしか行ってない」と案内した形だ。
言われたとき「そういえば全然チェインさんとそういった普通のお出かけみたいなことをしたことがなかった」と気づいたレオは、今度誘おうと決意する。
「まぁあんまり一気に飲むと倒れちゃうので……はは。」
レオは目の前のチェイサーを掴んで口に含む。
レオが飲んでいるお酒は比較的アルコール度数の高いレモンチェッロにエルダーフラワーコーディアルのシロップを混ぜて作るカクテル。
なぜ再三「お酒が飲めない」と語られる彼がそんな酒を飲んでいるのかといえば、いくつか理由がある。
1つは味。単に味が好きなので好んで飲んでいるに過ぎない。もちろんノンアルコールでも美味しいのだが、アルコールが入っていたほうが深みが違うのでこちらを好んでいた。
2つ目は、見栄。男として夜深い時間にお酒を飲みながら日々の疲れやストレスを憂いる仕草・雰囲気は一種の「かっこいい自分」というものに酔えるからだ。
そして3つ目は、友人と一緒に楽しくお酒を飲めるようになりたいから。
レオはお酒が飲めずとも隣の相手が美味しそうに飲んでいれば満足だ。そしてレオの隣に座るであろう彼の友人たちもまたレオの楽しむ姿をみたいであろうと思う。
味や匂いを楽しみ笑い合う関係は酒の席では大切な価値ある時間だと思う。
であるならばもっと、もっと友に楽しんでほしい。だからゆっくりでもお酒に慣れていきたい。
レオはそういった理由からカクテルを飲んでいた。
こちら側のお酒を飲めないなんてあちら側のお酒をガブガブ飲む一部の人間と一緒にいるのはひどく申し訳がない。
「最近はどうなんですか?」
誰のことを聞いているのかなんてわかりきっている。
特にレオはよくツェッドに口を割る。
信頼しているし、彼は誠実だ。だから彼が苛立つ要因(モンキー)に伝わることもないだろうし、大人な客観的目線でアドヴァイスをくれるし、話していて楽しい。
「普通に楽しく、普通に仲良く、普通に喧嘩して、普通に笑い合ってます。」
「なら良かった。」
ツェッドは1人だけアルコール度数160%(当然こちらの世界のものではない)のお酒をグラスの半分ほど飲み干す。
ツェッドがレオにこの手の話題をふった理由はいくつかあった。
最近人狼局がかきいれ時らしく忙しい。
もちろん彼女もまたエキスパートなので、たかだか任務に行った程度でいちいち心配するほどレオは子供ではない。ただ彼がゆっくりとぼーっとすることが増えたなとツェッドは思っていた。
もちろんBB戦等においてはきちんと仕事をこなしてはいるのだが、いかんせん執務室にいるときやご飯を摂っているときなどレオ自身から話題を切り出す回数が激減していたのは確かだ。
だから今日、いつもどおり挨拶して帰宅しようとするレオにツェッドは一緒に話す時間を設けた。
「……僕は今、結構幸せなんです。」
「……。」
鼻筋を赤くして、天井のオレンジ色に輝く電燈を見上げるレオ。
「でも最近、ミシェーラのことを思い出す時間が減ったような気がしてにぃちゃん失格だなって、思ってしまった。」
レオはクラウスやツェッド、それこそチェインにすら重大な隠し事をしている。
それは、明かせば彼の立場がゆるぎかねないほどの。
小さなことでも変に考えてしまう彼には、そういった罪悪感が薄れていくこの日常が、紛れもなく幸せなんだなと思う反面、自身の意志への懐疑的なものになっていく思いが募って仕方がない。
「ですがレオくんの妹の件、今すぐどうこうなるものでもないと……。」
「はい。」
そう、現状は長らく「保留」だ。
ライゼズ院長マグラ・ド・グラナも語ったとおり、義眼は移植というより一種の契約だと確信した。それは13王たちが明かした情報からも確認済みだった。
いわばレオの人生、何を見、何をし、何を得るのかを視るための神工視器官。
レオの能力はミシェーラの視力と等価交換させられたわけだ。
「だからまぁ……その解決策自体はゆっくり。ただ……。」
ツェッドはグラスをバーに音をなるべく立てないようにして置く。
多少客もいてうるささもあるのに妙にレオたちの周りだけ静まるように感じた。
「ただ?」
言葉をうまく紡げないレオから時間をかけて引き出す。悩みの種を。
「僕は幸せです。でもうら若い妹が世界を視ることもできずに苦しんでいる。そんなときに僕はその幸せを当然のように受け取っていて……良いのかなって……。」
「レオくんは自分の幸せが誰かの不幸の上に成り立っていることに……苦しんでいるんですね。」
明確な言語化がなされ、レオは生唾を飲み込んだ。
ツェッドの方とは反対側に顔を少しそらしてうつむく。
強くて大きな幸せを享受しているからこそ、レオの考えすぎな思考がより強まってしまう。
強い光に照らされた物の後ろには同じく強い影ができるように。
「……僕はさほど社会経験が豊富とは言えません。」
「……。」
「伯爵は、僕を生み出し、知識を与えて育ててくれた伯爵は見方を変えればひどく…残酷な方だ。」
ツェッドは吐き捨てるように語った。
自身の過去を明かす彼にレオは途端に申し訳なくなって、口の中がしょっぱくなったように錯覚する。
「僕はほとんど自我というものをこの肉体とさほど変わらない時に形成し、この地に足をつけました。」
「ツェッドさん……無理に話さなくても…。」
ツェッドは決して嫌な話とは思っていない。だからこそあえてその言葉を無視する。
ただ気遣うレオになんだか面白みを感じた。「苦しんでいる人間が他者を労ろうとするのか」と。
「雄大な大地に重力に従って立つ。水よりも抵抗のない空気を感じながら乾燥していく皮膚のひきつれ。すべてが……そう、すべてが新鮮だった。」
「自由を感じたとき、それは大いに甘美に受け止めることができました。」
「それでも、僕は思います。感じます。言います。……伯爵に感謝を。」
レオはツェッドを見つめる。
「束縛がなければ自由は認識できません。知識がなければ世界の広さに驚かない。」
「レオ君……」
ツェッドはグラスの青いお酒をすべて口に含んで微笑む。
水色の肌を紫色にして笑う彼はいささか新鮮だった。酔っているのだろう。
「辛いこと、嫌なことがあったから今の幸せがある。」
「そして今レオくんが後ろめたく思うもの、それは悪いことばかりではない、ということです。」
「でもっ」
「だから考えるなとは言いません、しかし状況が悪いなら有利な点を、悪いことがあるなら良いことを見つければ良いんですよ。」
レオはぽかんとした顔でバーへ向き直り、真っ直ぐ見やる。
レオが隠していること、不安に思っていること、気にしていること。その全てが悪い面だけではない。
13王と知り合いであることは背信行為かもしれない、しかし逆に妹を回復させられる何かしらのきっかけになるかもしれない。
レオは強くないかもしれない。しかしそれは「視る」ということに一生懸命に力を注げるということかもしれない。
「まぁ御託を並べましたが結局の所、『世の中そんなに2極に分かれるだけが全てではない』ということを伝えたかったんです。」
ツェッドは席を立つ。
彼は当然レオを奢る気でいたのだが、それは今の話も含めレオが気にすることを知っていたのでツェッドが飲んだ分だけ会計してバーを出ていった。
レオは申し訳無さを感じる自分の心を切り替えて言葉を浸透させる。
もらった言の葉は胸にスッと飲み込まれて、薬を処方されたように支えたものが溶けていくような錯覚を感じた。
恐る恐る、手を震わせながらバーに置いたコーディアルのを口に含む。
舌の上でさっぱりとした柑橘系の味が染み渡り、視界をクリアにする。
言葉というものは酒をこんなにも変えるのか。
「君は考えすぎなんだ。」
「っ!?」
レオの左隣から声をかけてきたのは見慣れた仮面の男。
普段楽しそうに大きく口を開いて笑っている彼とは思えないほど冷淡に無表情にレオを見つめバーに肘をかけて頭を支えていた。
「おまっ!?」
レオは急いで店内を確認すると誰もいない。
ツェッドと飲んでいるときだって幾人かはいたはずだ。マスターすらいない。
まるでこの空間だけ別の場所にあるような、認識されない次元のような耳鳴りがレオを襲っていた。まさか、殺してないよな?と不安になる。信頼はしているが。
「一昨日僕とご飯食ったときも君はぼーっとしていた。さっきの魚くんじゃないけれど気にし過ぎなんだ、君は。」
「……気になるものは気になるんだよ。」
「そうかもね、でも君が気にしたところで世界は動かないっ!だろう?」
声高にレオに叫ぶフェムト。
肩に腕をかけ、レオに体重をかける。
「なぁレオナルド・ウォッチ。あの牙刈りは君を特別視する。『君を』かは置いといてね。」
フェムトが意味ありげにフルネームで語る時はたいてい信実だ。
「だが君は僕が最初君にした評価通り『普通』なんだ。……普通の人間のように悩むことは君らしさなのかもしれないが、所詮人間が、義眼のこと、僕らのこと、世界のことを考えたってなにもかわりゃしなぃんだ。わかる?」
決して馬鹿にするような物言いではない。
純然たる事実という認めなければならない現実をはっきりと教えてくれる。
「……。」
「せめて今の現実を謳歌しろよ凡人。」
「この狂ったつまらない世界で僕が面白おかしくする中、命を大切にして楽しめよ『人間』。」
フェムトがはっきりと冷たい声でレオを人間と言う。
その言葉は普段の彼の軽薄さとは打って変わって厚みがある重い言葉だった。
レオを叱るでも褒めるでもなく。
ただただ頂上の存在としてのアドヴァイスを彼はしてくれたのだろう。
「まぁ!ともかく!楽しめレオナルド!明日死ぬか10年後死ぬかわからんのが人生なんだからなぁっ!」
フェムトがいつものようなハイテンションになって椅子から飛び上がる。否、蛸のような触手が彼を下から持ち上げていた。おおよそ見ていて心地の良い見た目はしていない。
指を鳴らすとあたりが明るくなる。
レオはガバっと周りを確認するともう王は消えていた。
「レオナルドさん、大丈夫ですか?」
「ぇっ…あっ、はい。」
レオを心配してバーのマスターが声をかける。
慣れないお酒を飲ませすぎたのかと思ったのだろう。ツェッドがいた頃と同じように少しだけにぎやかな酒場に戻っていた状況にレオは考えても仕方ないと最後に残ったグラスの中身を飲み干した。
不思議と後頭部をいつもなら襲うクラっと来る感覚がなかった。
レオは不思議と気分が晴れやかになっていた。
性格も人格も考えも似通わない2人の男からの言葉で悩みは消え去った。
事実としてだけ認識し、もっと、そう「ゆるく」考えた。
「僕は幸せ者だなぁ。」
多くの人が困っていれば助けてくれる。
しかしレオは認識していない。彼らは与えているのではない。返しているのだ。
レオはレオが思う以上に多くの人をちゃんと助けている。
命を救ってはないなくとも、助けている。
それだけで彼は愛されるには十分な資格を持っている。
「マスター、これ美味しいです。」
「それはよかった。」
「もう一杯いただけますか?」
「かしこまりました。」
レオが注文して1秒と経たないうちに目の前に先ほどと同じコーディアルが現れる。
まるで時間を巻き戻したように。
気分が高揚しているのか何杯でも行けそうな気がした。
●
レオが出されたグラスをつかもうとしたとき近くに人影を感じる。
よく知ってる匂い。
レオは反射的に振り向く。
「あ……こんばんはチェインさん?」
目の前のチェインはうつむいて浮かない顔だった。
レオが挨拶しても気にした様子はない、いや気づいていない?
レオは不安に思って椅子から降りる。
足が床についた直後、チェインから猛烈な力で引っ張られた。
「うぇぇえっ!?」
無言のまま引っ張られるレオは人狼の本気を垣間見る。
レオは店外へと連れ出される。お酒で火照った体に夜風があたって気持ちよかった。
と思う暇もなくスッと頭が冷える。有り体に言えば無銭飲食に気づいたからだ。
レオが店内に目を向けるとマスターはこめかみ(彼の頭部に果たしてこめかみがあるかどうかは謎だが)をポリポリとかいて反対側の手で少し親指と人差指をずらした形の握った手(お札を払うときの手に似ている)をしていた、ふるふると振っている。
ツケにしておくという合図だ。
安心すれどすぐにチェインの奇行に切羽詰まった顔になる。
不安なのはチェインが何かしら操られているとか、なにか怒っているとか傷ついているとか。
連れて行かれた場所はバーを出て50mほどの細い薄暗い路地。
あのバーのおかげで比較的治安の良い裏路地ではあるのだが、レオは落ち着いていられない。
「……レオ。」
「あっどっどうかしたんでぇぇえっ!?」
レオが驚くのも無理はない。
レオがいわゆる壁ドンという体勢(壁ドンしたのではなくされた)になって壁に押し付けられたのも柄の間、チェインがかがんでレオのズボンのベルトを外しにかかる。
「ちょっ!?なにしてんすか!?」
チェインは答えないまま、まるで目的のものを待ってましたと取り出す。
「うぉっ!?」
レオは自身の男性器が素早く取り出されて乱暴に外気に触れたことを感じ取る。
ぼろんっ
レオの体格とは比較的見合わない巨根といっていいサイズの性器がチェインの顔前にお折りだされた形になる。もちろんまだそのナリは見せてないが。
レオは当然勃起させてはいないものの、チェインに見られている状況、しかも顔がすぐ近くにおかれているということで海綿体に血が集まるのはもはや必然だった。
竿に走る血管が太く盛り上がり、先程まで柔らかかった局部は立派なものへと変貌を遂げる。
「んふー……♡」
遠くで車の走る音がうるさく聞こえるにも関わらず耳に届くチェインの鼻息。
レオはとりあえずチェインを見ると、服はところどころ汚れており、ワイシャツはよれよれだった。髪もいささか乱れているように思う。
汗臭さと合わせて、彼女が任務を終えてすぐさまレオに会いに来たのだと察する。
困惑もあるが少しだけ、少しだけ嬉しい。
チェインは2週間ほど人狼局の極秘任務に追われライブラには顔を出すこともできないほど忙しい遠征を行っていた。
電話も使えぬ極地。
久々の邂逅がこんな展開とは誰が予想できようか?
チェインはがに股でかがみ、レオの竿の根本を右手の人差し指と中指で輪っかを作って支え、頬ずりする。
「うひっ!?」
レオは突然の刺激に肩を飛び上がらせる。
かがんだことでパンツスーツがぴっちりとチェインの脚のラインをだす。
胸元はボタンが取れだいぶ露出していたのだが、屈んで圧力がかかるのか今にも弾けそうだった。
しゅぐっ…しゅっ…しゅっ
「ちょっチェイぃっ!?」
レオのペニスをゆっくりと優しく扱き始める。痛みはないのに激しく上下にこすられる。すでにヌルヌルになっているのは気づかぬうちにチェインの唾液が潤滑液になっていたのだろう。いつたらされたのか。
すぐに亀頭をチェインの唇が啄む。まるでキャンディを舐めたい子供のように。
「ちゅっ…んぐゅっ♡」
「あぉっ!?だっダメですってこんなっ!」
レオはたまらずチェインの頭に手をおいて抵抗するように腰を引く。
だが逃げる彼の意志とは相反するようにチェインはレオの腰に手を回すと強く抱きしめる。
「ぐぉっおおっ!」
凄まじい吸引。
レオは少しだけ、本当に少しだけ残念だった。
コレほど気持ちの良い突然の口淫。絶対に初めてではない。チェインの透けてみる経験人数の多さを想像して嫉妬した。
そんなレオの思いとは裏腹に、亀頭は竿が反り返っているためチェインの上あごのザラザラした天井部に刺激され、凄まじい快楽を生み出す。
「ぐっぽじゅるっ!ずるっじゅっ♡」
レオは快楽に耐えるので精一杯ではあるものの、状況把握や抵抗というよりは受け入れようと意志がゆらぎ始めていた。
理由はチェインのこの行為もそうだが、普段彼女のクールな顔が今や美味しいものを頬張るように口をすぼめてレオの象徴を飲み込んでいたからだ。
こういった行為を下品と表現するのが通説だが、チェインのフェラチオは何故か美しさがあるように感じた。どのペニスでも良いという感じではない。レオも、うぬぼれでも良いから自分だからこんなに乱れているのではないかと思ってしまう。
舌がレオのカリ周りを舐め回す。
決して綺麗とは言えない。仕事からそのままツェッドと飲みに来たのだから臭うだろうに、チェインは気にした様子はない。それが先程のうぬぼれに至る要因の一つだ。
「あぁあぐぁっ!?」
レオは快楽の波が押し寄せてついついチェインの頭を強く押し込んでしまう。
それはある意味でさらなる天国(地獄)の始まりでもある。
「おごぇっ!?ふぶっ♡」
チェインの喉を貫いて食道へと達する。
粘ついた痰と泡だった唾液が絡まって細いチェインの本来食べ物が通る部分がレオのペニスを強く締め上げる。
角度的にチェインの顔は見えないが確実に先程までの余裕はないだろう。
「ちょっ抜かなぃとっ!」
レオは急いで自分の過失を理解してチェインの頭を掴み直し腰を引くが、やはり離れない。
レオの根本に鼻を押し付けて陶酔した顔でチェインは動かず止まる。決して嫌がっている素振りは見せていなかった。
どう考えても息はできないのに苦しそうには見えない。
数秒後ズルズルっとチェインのふっくらとしたきれいな唇から肉棒が吐き出される。
月の光に反射するレオのてらてらと濡れたペニスはびぐんっと震える。
ぐちゅ…んぽぉ……♡
「レオ……ごぇん…。」
「チェインさっあぁ!?」
またもフェイント。
陰茎が乾く間も与えずまたすぐに咥える。
バキバキに勃起したペニスが今度はずるっとスムーズに喉奥へ侵入していく。
彼女の意志通りに一瞬で消えた息子にレオは驚愕する。
ただでさえ反り返っているレオのペニスを飲み込むとなると脊椎側の食道を抉るように刺激しているに違いない。
ぐっぽっくぶぼっ♡
レオは知らないが、狼は消化のいち過程として「反芻」ということをする。食べたものを吐き出す行為だが、それ故人狼は生まれつき食道が柔軟に形成されており怪我をすることはない。言い換えればディープスロートのしやすい口内構造とでも言えるだろう。
「あぁぐぁっチェインっさっああぁ!」
レオはもうこの状況を受け入れていた。
何があったのか知らないが、健康そうだし、なにか様子がおかしいわけでもない。謝った一瞬の顔は時折、日常でも見せる顔だったからだ。
なら、そう、レオも吝かではない。男の欲望はいつだってあったのだから。
レオは今度はがっしりとチェインの頭を掴む。髪を指にからませてしっかりと固定する。
もとより限界は近い。
性経験がさほどないレオにとってすでに準備は整っている。
何度も何度もチェインの口腔内を余すことなく蹂躙する。
時折犬歯があたって痛気持ちよかった。
ザラザラの舌が尿道と裏筋を刺激して興奮を高める。
「ちぇっいんさっ!」
「ぐぼちゅっ!ちゅずるるるっ♡」
「もっでっ射精ますからね!?」
レオの言葉を理解してかどうなのか、チェインは自然と口淫の速度を上げる。
泡立ち粘ついた粘液が下唇から溢れ出してレオの大きくふくれた睾丸へ垂れ、糸を引く。
ぐぼぉっ♡ぶちゅぐぼっ!
どんどんピストンが早くなっていく。
遠慮はもうない。
レオはもう後で殴られようが蹴られようが、最高の射精を迎えたかった。
酒で酔いが回っているというのもあるかもしれないが、レオは普段の優しい彼とは打って変わって乱暴にチェインの頭を動かしてペニスを扱く。
まるでチェインの口をオナホールのように強く「使う」。
ぐちゅぼっ♡
「だぁっぐっでるっ!射精るぇっ!!?」
「ふぼぉっ!?」
レオの恥骨がチェインの歯茎にぶつかるのではないかというほど、思いっきり喉奥で射精する。
ぶびゅるっびゅぐっびゅるびゅぷっ!……びゅぐっ!……とびゅっ♡
一気にチェインの食道で射精の爆発が起こる。
気管に入っていないだけ幸いか、そのまま口内いっぱいに精液が充満し、チェインは口でしかしていないにも関わらず絶頂しそうにヒクヒクと体を震わせていた。
一気に広がるレオの精液の匂いがチェインの鼻を埋め尽くす。
遅れて逆流し、鼻から精液を吹き出す。
すでに窒息しそうで意識は朦朧としていた。
そんな彼女に、普段ならすぐに楽にしようとするレオはいささか意図的に長く余韻に浸っていた。
びゅっ………びゅっ♡
頬を大きく膨らませて、チェインは抵抗する意志を見せずに停止したまま体を軽く痙攣させる。
レオは少ししたあと、ゆっくりと腰を引いていく。
ゴリゴリと亀頭を刺激してくるチェインに勘弁してくれと思いながらゆっくりと引き抜く。
ずろろろっぽちゅっ
レオの精液を残すまいと竿から唇を強くすぼめてこそぎ落とすチェイン。
その口からちゅるんっと竿が吐き出された。
一気に腰が抜けたようにレオは壁にズルズルと体重をかけながら腰を落とす。
「はぁっはっ……チェインさっ……すみま…」
レオが謝る必要はなくとも、途中からは変に楽しんでいた気がするレオは目の前で半目で酔ったような面持ちの彼女に罪悪感を覚えた。
口に大量にレオの精液を溜め込んだままチェインはゆっくりとポケットに手を入れる。
中から出したのはデザイン性のかけらもない藍色のハンカチだった。
「ふぼっぷぶっ……おごぇっ……♡」
チェインが口からレオのザーメンを吐き出す。
以前にもチェインはレオに対して「人間か?」という問いを呈したが、まさに今日もそれを上回る人外っぷりだった。
口から溢れ出すように黄ばんだ白濁液がハンカチへ垂れ落ちる。
彼女の鼻から垂れた精液もゆっくりと落ちていった。
大きく舌が現れ、どぽぉっと精液がとめどなくハンカチに水たまりを作る。いや精液溜まりを。
一通り吐き出したあと、チェインは舌で口周りを舐め回して、口内にこびりついた白濁液もまとめて今度こそしっかりと飲み込む。
流石に口内をハンカチで拭くなんてことはできない。
その嚥下にレオは義眼が開くほどに見つめてしまう。
再びぴくっと少しだけ柔らかくなった息子が硬さを取り戻していく。
「ふー……ぅっ。」
チェインはハンカチを大切なものを包むように精液を閉じ込めて折りたたむとポケットにしまった。
流石にレオは「ええぇ……。」と謎すぎる行動に落ち着いた思考で眺めるだけだった。
自身の汚液がチェインのスーツを汚すのはまずいのでは、と。
しかしそんな腰が砕けたままのレオにチェインは目を向けると、チェインは何も言わず、真っ赤な顔をしたまま質量希釈を使って飛び上がってどこかへと行ってしまう。
「えっちょっチェインさん!?」
当然、その声に返事する者はいなかった。
レオは呆然としながらとりあえず、ズボンを履いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
薄暗い部屋。
綺麗にまとめられた空気のきれいな部屋にチェインはそっと帰ってきた。普段なら窓から入るところを質量希釈して完全に壁を抜けて部屋に入った。
チェインの寝室だ。
ベッドはずっときれいにしてくれていたのであろう。シワひとつない毛布と布団、シーツが敷かれておりチェインはにっこりしながらベッドへだいぶした。
疲れた。
その一言に尽きる。
「はぁああ゜あ゜ぁっ~~!」
チェインは体重で潰れる肺から空気が出る気持ちよさに声を乗せる。
スーツはすでにベッドに倒れる段階で希釈して床にグチャッと落ちていた。下も同様だ。
ワイシャツにパンツ一枚という状態はなんとも若い淑女がする格好とは思えないかもしれないが、着替える気力はない。
「(………疲れた)ふぅ…。」
チェインはぼーっと壁を見る。
疲れたなら眠ればいいのに、目が冴えている。
眠たいのに眠くない。
原因はわかっていた。
だからあんなことをしたのだ。明日謝らねば。きっと彼なら許してくれる。
チェインは手に持ったハンカチを見る。
ちゃんと毎日換気していたであろう部屋にはそぐわない雄臭さ、生臭さが一際するハンカチ。
「(ごめん……レオ)…。」
本当は挨拶したかった。
「よっやっと終わったんだよねぇ仕事。おひさっ!」ってフランクに話しかけるつもりだったチェイン。ちゃんと家に一旦戻って、着替えて、そこからレオの家に突撃して、いなかったらスカッシュに行って、と考えていたのが1週間前。
2週間前、人狼局で遠征任務しつつ生理が来た。
しかしちょうど人手不足で動けるものはチェインしかおらず、比較的他の局員より軽い方であるチェインはそのまま任務を続行した。
チェインはただでさえ2週間もライブラの面々と話せないことに不満があったが、社会人として仕事はきちんとこなさなければならない。
その不満に加算する形で女性特有の生理現象で内面はぐちゃぐちゃだった。
それでも1週間前まではなんとか落ち着いて「早く帰りたいな―。」と考えていたのだが、3日前にはもう限界だった。
疲れたし、安心できないし、落ち着かないし、生理は辛い。
怪我することなんてないが、精神的にだいぶ不安定ではあったように思う。最後らへんはもはや記憶が曖昧だ。
だから、そう。
だからレオを見たとき何かが吹っ切れた。
特別な感情とかそういう意味じゃあない。
私にとって穏やかに落ち着いていられる存在が目の前にいるのだから平静を欠くのは仕方ない。
もちろん彼に会いに行こうとしている時点でわかりきっていたことではあったのだが、想像と目で見るのは違うというやつだ。
「私最低だったなぁ……。」
相手の優しさに漬け込んで、辱めた。
「(嫌われたり………ないよね)…。」
言ってて自分でゾッとした。
レオがチェインを嫌う。そんなこともう考えたくないと思うほどにレオに依存している自分に少しだけ自嘲気味に笑うチェイン。
もじもじと股をこする。
チェインは気づいていないが彼女は今ものすごく発情している。普段の彼女のサバサバとした態度が先程のようにおかしくなったのにはきちんとした理由があった。
いわゆる魔が差した。
任務での過労、精神的な支えの欠如、加えて生理から2週間後の発情、彼女は人狼であり発情という生物の当たり前の状態がより顕著に出やすい、そしてレオに対する依存度の高さ。
チェインはそっと秘所に手を添える。
「ん……♡」
ひとりでするのなんていつぶりだろうと思う。
性欲はない方だとチェインは思っていた。
仕事で、プライベートで時たま男の相手をすることは昔はあった。それでも自分ですることはなかった。大抵、夜は酒で酔いつぶれて、朝は急いで仕事に行く。そのループだ。
自慰行為にふけるような意識を割く時間はなかった。
「ふぁっ……ひっ……♡」
手に持ったハンカチを鼻に近づける。
一気に強くなる精臭。
頭に浮かべるのは長身のガタイの良い顔に傷のある男。
多分優しく抱きしめてくれる。紳士的でそっと乳房に触れて……。と想像していくチェイン。雄の匂いを強く感じ取ってチェインは指を強める。
「ふぎゅっ!……はぁっ♡」
大陰唇をかき分けて、指をゆっくりと膣口へ入れる。
チェインは頭の中で意中の、未だ忘れられない相手を思い浮かべて自慰にふける。ゆっくりと秘部は濡れそぼっていき、とろとろと粘つく液体が指にまとわりつく。
「あぁっ………ひぁっ!」
指が粘液でにゅるっと抵抗なく飲み込まれ、チェインの気持ちよくなるスポットを的確に刺激した。
息は荒れ、酒も飲んでいないのに顔はずっと真っ赤なままだ。流石にチェインは自分がありえないほど発情しているのがわかった。
考えても見てほしい、発情している犬がいたとしてその前に雄の精液があれば当然興奮度は増すだろう。
「(これ………右手でやったら…まずい……)よね。」
チェインが右手に持っているものは正真正銘、先程搾ってきた活きの良い雄汁。
今のチェインがもし仮にそれを秘所に押し付けようものならまずいことになる。
いや、なんならすでに危ない状況ではあるのだ。
「(でも………)ふー…♡」
そう、やめられない。
簡単にやめられるなら発情なんてしていない。
チェインはもちろん気をつけているが、そのまま続行した。
ちゅっくちゅるっくちゅっ
静かな部屋にかすかに水音が響く。
「スティーぶ……さっあぁっ!」
先程から頭の中では特定の相手が投影されていた。
裸の自分が恥ずかしそうにベッドに寝ているのだ。それに覆いかぶさるように彼がいる。しかしそこからが進まない。
何故か進まない。
たまらず指を動かしてシーツを汚していく。
ちゅくっ…ちゅっぐちゅっ…♡
「はっあぁ……あ……。」
チェインは快楽に悶て瞑っていた目を開く。
暗さに慣れた目には片付けられた綺麗な部屋が如実に『もうひとり』の彼の存在を語っていた。
チェインは朦朧とする意識の中、罪悪感を抱えた。
「れ……おっ♡……ふぅっ!?」
一気に突き上がる快感。
下腹部から電撃が走りチェインの肉体をぶった切るように脳へ雷を打つ。
先ほどの意中の相手との妄想とは比べ物にならないほどに布団が湿っていき、足先から鳥肌が浸透してくる。
指は一心不乱に腟内をかき回している。
ぐちゅっ!つぐりゅっちゅ!
「ふぃっあっぁぁあお゜っ!?♡」
「(なん……でぇ……♡)はぁあっ♡」
固く勃起した陰核を手のひらの付け根付近で優しくこすり揉みながら中指と薬指で舌の口を混ぜる。
一層部屋に響き渡る淫らな音は増していく。それと同様にくぐもった雌の声も添えて。
前述したとおりひとりエッチの回数は少ないが、チェインは自分がこんなにも濡れやすかっただろうかと驚く。
どちらかといえばマグロよりだった自分がものすごく興奮している。コレが発情の力なのだろうかと考えながら上ってくる大きな波を感じ取る。
「こん……な♡すぐっ!?ぇあ゜っ!?」
驚愕の連続で強くハンカチを握る。
中から大量の精液が溢れ出し、握った手を汚す。鼻筋から脳へ直接刺すような雄の匂いに体をピクピクと震えさせる。まだギリギリ、イってはいない。
腹部が快楽に耐えるために呼吸して膨らんだり凹んだりと激しく動けば動くほど、彼女を淫乱にする臭いが肺を埋め尽くす。
先程たっぷり口に残って飲み込んだレオのザーメンの臭いが喉奥から上って鼻腔を強姦し続ける。
ぐっちゅっぐちゅっちゅっ♡
「ふっ♡ぎぃっぐっ……いっ…♡」
チェインはやけどするほど熱く下腹部が燃え上がる感覚を感じていた。
元よりレオから搾り取った際、甘イキしていたからだろうか?股間は大洪水だった。溢れる愛液が太ももを滑って泡立つ。
「(レオっ………はふぅ゛っれっ……オぉっ♡)」
ついに引き返せない一線を超え、大きな、チェインには大きすぎる波が足元からせり上がるように脳天へ走る。キュッと肛門がキツく閉まる。足がピンっと張る。眼球はぐるりと上へ引っ張られ普段の余裕のあるクールな顔を想像などさせない淫らな表情になっていた。
「いぃっいぐっ!レォ゛っイぐっ!あっぁあ゜♡」
ぷしゅっぷしゅあっしゅっとしゅっ♡
幸い、というべきか。
チェインはうつ伏せで自慰行為に耽っていたため、潮が家具へ飛び散り、汚すことはなかった。ただ股の間にじわりと広がっていく水たまり。どんどんマットレスに吸収されていく。
チェインは真っ白に染め上げられていく思考の中で「なんで!?」「どうして!?」と思わずにはいられなかった。
彼女はこれまで絶頂に達したときに潮を吹き出したことは一度もない。
だからこそじんわりと股間から広がる温かみに驚愕していた。
うつ伏せで大の字に脱力するチェインは人生で最高の絶頂を意識する余裕もなく大きな痙攣を2、3度したあと、そのまま眠りについてしまった。
幸い今は比較的暖かい気候なので風邪を引くことはないだろう。
●
翌朝、チェインは頭を抱えることになる。
まずレオに行った準レイプ行為。
次にデロデロになったシーツ。
次に大遅刻。
はい、というわけでフェラ回とオナニー回でした。
さっさとセックスさせたくはあるんだけど、もう少し日常とか色々あってゆっくり一線を越える感じにしたいので申し訳ありません。
あとこれだけは言っておきますがレオくんのナニについてはその…作者も納得はしていません。ただ書いてると楽しいのは巨根・大量射精ネタなので……。
作者は15.5cm程ですがもしかすると漫画みたいな20cm巨根に憧れているのかも?まぁ実際でかいと女性も痛くてセックスどころではないらしいですが、フィクションということで一つ納得していただけると幸いです。
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