かなり描写が下手くそですが見逃してください。捏造も度が過ぎてる気がしますけど。
HLには多くの次元の隙間が存在する。次元を操ったり空間を操ったりとそんな能力を持った者が跋扈しているのだからなんら不思議ではなかった。
レオナルド・ウォッチもまた己が見るということにおいて世界最高峰なのではないかと思うほど強力なモノを保有していた。
神々の義眼。
それは価値のつけようがないくらい希少な神工器官の一つである。その眼を保有する少年の命は常に危険と隣り合わせである。HLというただでさえ危険な場所で、宝を持っているモノだ。
レオは今とある場所に来ていた。
その場所はライブラより空間が入り組んでいて異なる多次元をまたぎ時間すら超越した人類には想像できないような未知の領域であった。
様々な装飾が施された、レオナルドの身長の何倍もある扉が目の前にある。
本当にいいんでしょうかクラウスさん。僕はあなたに罪悪感を持ってしまう。
「とりあえず………入るか。」
レオナルドはその扉をゆっくりと開けた。
「ヤァヤァ、遅かったねレオぉ?まぁいつも君は怖くて怖くて心の準備がいるのはわかるけれどね?幾ら何でも扉の前で躊躇するとか乙女かよぉ。HAHAHAHAHA!」
「うっせぇ。僕はお前らと違って弱い人間なの。お前らの気ままで殺されちゃう可哀想な存在なの。わかるか!?言わせんな死にたくなる。」
レオナルドの目の前で大きなディスプレイが幾重にも置かれている中椅子に手を組んで座っているのは堕落王フェムト。
HLにおいて、ひいてはライブラにとってその名を知らぬ者はいない。
「お前、あの爆弾不発にしたろ。」
レオは向かいにある長い机から“いつもの” “自分の”椅子をとってフェムトの隣に座った。
「ああ……、まぁね。」
「なんでだよ。」
レオは死にたかったわけではない。それは絶望屋の専売特許だしな。とレオは思った。だがそれでもあれが不発なら、レオとフェムトを疑う種になる可能性がある。
「いんやぁ?まぁ強いていうならいくら牙狩りだろぉと、能力を封じられた上で、電子機器も使えない魔法も無理ならお手上げで、そんな愚かな豚どもに僕の親友を殺されちゃあ困るってだけさ。」
フェムトはデスクの紫色の奇妙な液体を口にした。
「飲む?」
「………いらね。」
「そ。」
ディスプレイにはHLだけではない戦争地域の状況や永遠の虚の様子など様々な阿鼻叫喚の絵図が映し出されていた。
レオはなぜ自分がこんなところにいるのか未だわかっていなかった。ただレオにとって悪いことばかりではなかった。
レオがここにいるのはフェムトとアリギュラが誘って来たためである。別段王になれとか、何かをよこせとか、そういった要求はされなかった。
レオにとって堕落王と偏執王は敵中の敵であり、ライブラ構成員としてクラウス案件であった。だがしかし、フェムトとアリギュラはこう言ってきたのだ。
「君ぃ、妹を救いたいんだって?視力を取り戻したいんだってねぇ?あわよくば足も治ればいいと思ってる。違うぅ?」
「ねぇあんたってーどっかで会わなかったっけぇ?“私たち”とぉ?」
レオは正直キャパオーバーすぎて数秒停止する予定だったのだが、ミシェーラのことが出たならそうはいかなかった。もう動かないという選択肢はなかった。
そこから早一年。
フェムトもアリギュラもすっかりレオを気に入り、レオも少しずつフェムトとアリギュラを信頼し始めていた。ただし、それは苦悩の種でもある。
レオは基本善人である。
自他共に認めるほど。
故に正義の味方としてのライブラでならなんら問題なく仕事ができる。がそのライブラの敵対組織である、かの13王は主に快楽狂人集団であり、世界を滅ぼすことのできる能力を持っているわけである。そんな彼らと関わるのはレオにとってどちらに対しても嘘をついていることになる。
一応フェムトの目的や、アリギュラのことなど、ほか11名全員のことをそれなりに理解しているので自分の目的と相反することは起きないとわかってはいるが、果たして親友が気ままに人を殺すのを傍目で見ていられる人間がどれほどいるだろうか?
「それで?一応礼は言っとくけど今度は何をするんだ?」
「僕がネタバレするわけないだろう?まぁまぁとりあえずは今んとこHLには何もしない。HL“には”ね。」
「ミシェーラが困らないようにしてくれよ。」
「そこは承知してるよぉッ!ね?アリギュラぁ?」
いつの間にかレオの斜め後ろにアリギュラがいた。レオは別段驚かなかったが少しため息が出る。
「そうよそうよぉ!レオきゅんにとって本当の不利益はむしろ私たちが許さなーい。わかったぁ?」
レオがため息を吐くのは、アリギュラである。
というのもアリギュラは所構わずレオに抱きついてくる。なんでも臭いがいいとかなんとか。ちょっと前にレオの臭いを採取して彼氏にくっつけるとかいうちょっとやばいことを言ってた気もするが気のせいだ。
レオは2人がレオを殺せることを知っている。故に普段からそれなりに警戒はしているが、それでも青春真っ只中の青少年といっても仕方ないレオ少年はアリギュラに抱きつかれてちょっと動揺を隠せない。
「アリギュラ!放せって!」
「ふぅー、照れちゃってぇ!」
「チッゲーっし!」
「君たち騒ぐのいいけどカーペット汚さないでよぉ?」
アリギュラとレオがモミクシャして机のコップが揺れる。
レオは背中に当たる少しだけ柔らかい感触に動揺していた。
アリギュラ体細くて貧乳に見えるけど、やっぱり女の子だけあるからそれなりに柔らかいんだよなぁ。着痩せする方だし。はぁ
「ねぇレオぉ、一緒に朝ごはん食べよう!」
「………、僕に食べれる食材ならいいよ。」
「よし!じゃあアリギュラは食器を用意!僕は料理を運んできてあげよう!『おーい!もしもし!?暴食!!料理を人間用3人分!あ!?トマト入れるなよ!?』」
「じゃあ僕は机拭くよ。」
レオは正直言ってこの空間が好きでもあった。お互いに何も隠すことはなく何も隔てるものはないような外聞も体裁もきにする必要のない空間が。
そして何よりレオは思っていた。
クラウスさん、ごめんなさい。でもライブラに入って早数年、未だ妹の眼の解決策は見つからなかった。でもフェムトは妹の足を綺麗に直してくれた。
それだけで僕は彼らを信頼してしまいました。
レオは机へと向かった。
HL郊外
多くのマンションが立ち並ぶ比較的安全で高級な住宅街の一つ。
最上階の見た目清潔感のある一室の前でレオは立ちすくんでいた。
今日はライブラの休養日。
酒の席とはいえ一応部屋に来いと言われたので来てしまった。というか正直どうしたらいいのかわかんねぇ!
インターホンないし!
レオとチェインがバーでお酒を飲んだ後、チェインは珍しくぶっ倒れ、レオが背負って家に帰ることになった。家の場所はなぜかレオのポケットにあった。
レオとチェインはかなり身長差があるが、それでもチェインを背負うのはレオにとってそこまで苦ではなかった。
もしかすると質量希釈をしているのではと思うほどにチェインの体は軽かった。人狼だから元から軽いという可能性も十分にあるがレオは知らない。
レオは珍しく義眼を使ってできるだけ安全な道を通ってチェインを家まで届ける。
レオは戦闘能力がない、チェインはそれなりに戦えるが今は無理だろう。ソニックにも偵察してもらってなんとか何にも起きずに家にたどり着いた。問題は鍵である。チェインは希釈すれば入れるので鍵は一つしか持っていなかった。しかもそれは中にある。が、レオは郵便受けの紙束を取り除いて、ソニックに中に入ってもらった。ギリギリ入れたので良かったものの入れなかったらどうしようかと思った。
そのままレオは室内に入るが、そこはゴミ屋敷。ゴミ屋敷。
酒臭さと湿気のこもったなんとも言えない感覚が鼻孔を刺激してレオは咳込む。
えー、いやまぁ別に華やかな乙女の部屋とか想像はしてなかったけどまさかここまでとは。ははは。
苦笑い。
レオはとりあえずベッドにあるゴミや服をとってチェインを横向きに寝かせた。吐いた時仰向けだと窒息死する可能性があるからだ。そして一応上着を脱がす。
今起きられたら心臓発作で死にそうだな僕。
そのままレオはチェインに布団をかぶせる。その布団すら少し汚いがまぁないよりはいいと割り切って部屋を見回す。
レオはとりあえずゴミだけでも片付けようと考えて、ゴミ袋を探し、ゴミを片付けていく。が結局部屋をそれなりに綺麗にし始めた。
そこから数時間が経過して見違えるほど綺麗になった部屋を見てソニックは苦笑した。
レオはその後一旦出かける。
帰って来て、今に至るのだが。一度は行ってから出た手前、もう一度入るのがなんだか気恥ずかしかった。というのも単純にあの後五時間ほど時間が経っているのだがチェインが死んでないかの確認できたのだ。チェインがあんなに飲んだのも少しはレオの責任であると思っていたからである。
よし、まごまごしていても仕方ない。レオは鍵を開けて入った。部屋は以前湿気に包まれているが第一印象とは雲泥の差がありベッドにはおとなしく寝ているチェインの姿があった。ただ布団を押しのけてワイシャツのボタンが弾け飛んでいるのと腹が出ていることさえ除けばだが。
おいおいおいおい!
ボタンが弾けるってどんだけだよ!?ザップさんがセクハラしちゃうのもわかるよ!しないけど!!!
レオはとりあえず布団は畳んで毛布だけ被せた。そして窓を開ける。掃除の時に換気をしたかったのだが夜なので寒いというのと物騒というのもあって閉めていた。窓を開けると爽やかな気持ちの良い風が入って来た。レオはそのまま椅子に座る。
ソニックは窓から出てってどこかに行った。
レオはふと冷蔵庫を開ける。
正直自分がやっていることがかなり失礼に値するのではと思いつつも、色々と頭の中で免罪符を立てて覗き込む。案の定食材はあったがもう少しで期限切れが多い。レオは少し悩んだ後冷蔵庫から食材を取り出した。
気分がいい。
心地よかった。こんなに気持ちいいのは何年振りだろうか?いつもなら酒を飲んだ後はだいたい気持ちが悪いのに。
少し暖かくてでも涼しい。そんな春のような空気が全身を覆っていた。
良い匂いがする。
美味しそうな匂い。
自然とお腹が空いてきた。そういえば今は何時だろう。いや、私のことだもうお昼かもしれない。いつも1日寝るなんてザラだからむしろ早いかもしれない。明るいからお昼ではあると思う。
目を開けるのが億劫だ。汚い部屋を見るのも嫌だし、淀んだ空気を吸い込むのも嫌だ。
でも?あれ?なんだかひどく明るくて綺麗な匂いがする。
それに誰か………いる?
おかしいな?いつもは管理人のノックですら警戒して飛び起きるのに。今日はなんだか安心感が私を支配している。
「チェインさーん。そろそろ起きてくださーい。もう昼ですよぉ?」
レオの声がする。
まだ夢の中なのかな?
だって部屋がこんな良い匂いなわけないし心地いいわけもない。
誰かが近づいてくる?
スティーブンさんだったらいいなぁ。夢の中なら何してもいいし。
でもなんだかスティーブンさんより緊張しないなぁ?
「チェインさん、起きてください。」
急激に目が覚めて行く。
誰かが私の体を揺さぶる。
誰?
目の前にはボケっとした顔があった。
「わあーーーーーーーー!!!」
チェインはとっさに飛び起きそのまま蹴ろうとするが寸前で止まって距離を取る。しかし、レオはここで己の考えの浅さを呪った。
レオはチェインのベルトも取っていた。結果飛び起きて垂直立ちなどズボンがずり下がるは必死。
というより驚いて義眼を使ったら、ゆっくりとチェインのズボンが下がって行くのが見て取れた。
「うおおおおお!!!」
レオは今世紀最大の全力疾走でチェインに駆け寄る。がチェインがそれを攻撃だと勘違いしレオを止めようとする。レオはそれより早く下半身に手を伸ばす。がチェインの突き出した手によって肩を押されたレオの体は軌道をずらして腰より下に向かう。
所詮ラッキースケベ。
「ごふっ!!?」
「ふげ!!」
チェインは後ろに転がりレオはチェインの股間に直撃しそのまま床に落ちた。まだいい方ではある。男女逆だったら悲惨だった。がレオはすぐさま状況を把握して自分が死ぬのだと理解した。
はたから見れば勝手に上がっている男が女性の下半身に頭部を向かわせ、あまつさえ倒したなんて。社会的に終わる。
さよなら、ライブラ。さよならフェムト、アリギュラ
レオはうずくまる。前方から服を着直す音と、足音が近づいてくる。レオナルドは覚悟した。このまま背中を踏み抜かれて直接心臓が潰されるのも仕方なしと思ったのだ。
だがしかし、一向に心臓に衝撃は来なかった。
レオは恐る恐る顔を上げる。
チェインは部屋を見渡していた。
「これ………どこ?」
チェインからの質問にレオは自分が実は住所を間違ったのかもしれないことに思い至った。
「え!?は!!もしかしてチェインさんの部屋じゃなかったんですか!?」
「いや?家具見るからに私の部屋ではあるんだけど、こんなに綺麗じゃない。」
ああ、とレオはひとまず安心して
「あ……ああ、僕が勝手に片付けさせてもらいました。」
「そっそう……。」
チェインはなんともいえない恥ずかしさと有難さ、申し訳なさを感じていた。
「えっと、とりあえずもうお昼なんでご飯食べません?ありあわせですけど。」
「えっ………はい。」
「ぷっ!『はい。』ってなんですか『はい。』って。」
レオは少し笑いながら台所に戻って行った。
チェインが最初に倒れてから思ったのは、なぜ自分がレオに攻撃されているのかということである。だがしかしチェインは自分のズボンがずり下がっているのを見てすぐに慌てた。
だが目の前のレオはそれを察していたのか顔を伏せている。そのレオの誠実さに逆に驚いた。どこぞのクソ猿なら下着見てはしゃいでいただろう。だがこのレオは初々しいというかそれこそ本当に子供のように目を背けていた。
とりあえずチェインは服を着なおして状況把握をしたかった。
周りを見渡せば多少汚れはあるがかなり綺麗な部屋だ。
だが驚くことに酒瓶や家具を見るにチェインの部屋だとすぐに気がついた。
故にチェインはレオが掃除したことに行き着いたのだが。
それでも信じられずレオに「ここ………どこ?」と質問したのだ。
少ししてチェインは別室で服を着替え普段着になった。客の前に出ても大丈夫な服装だ。そのままいい匂いがするリビングに戻ってくるとレオがカレーを持ってきていた。
「美味しそう。」
「え?そうですか!なら作った甲斐があります。」
レオはとっさに漏れたチェインの言葉に喜んでいた。
「じゃあ早速食べましょうよ。」
レオはお茶とコップ2人分を持ってきてチェインをテーブルに誘う。
チェインはレオと対面に座ってされるがままだった。
「じゃあ失礼して、いただきまーす!」
「い、いただきます。」
チェインはまだ状況を読み込めていないのだが、目の前に美味しそうなカレーがあってもう昼なのでお腹も空いている。食欲には逆らえない。
チェインは一口食べた。
「うっま。」
正直な感想である。
「それで?今の状況をある程度説明してもらえたりするの?」
「え?ああ、確かにちょっと変ですよね。えっとまぁ……」
レオはチェインが倒れてからのことをそれなりに詳細に語った。レオにとって自分のしたことは自己満足である。その自己満足でチェインが困っていたらどうしようかと不安ではあった。
フェムト曰く、「君はもっと自己満足になっていい。大丈夫さ、君はいわゆる凡百な人間だ。だからほとんどの君の自己満足は誰かを救うだろうね。」と。
チェインにとって、衝撃だったのはレオナルドがここまで普通の人間だったということだった。誰だって隠しているものはある。チェインだってスティーブンがまさか紳士的な塊の人間であると思っているわけではない。時折見る暗い笑や、狡猾で残忍な手段からして自分達に何かを隠しているのは明白だった。
当然レオナルドにも何かあると思っていた。
チェインは自分がそれなりに美人であることは知ってる。
それ故にレオがなにか良からぬことをしてくる可能性も考慮していた。それを考えた上で2人で飲みに行ったのもあった。自分ならレオに勝てるし、レオもそこまで度胸はないだろうと。
ただし度胸以前に人として品性と理性のもった一般人としてレオはかなり確立されているのだと思う。
HLでは珍しい。それこそ本当に“13王”や血界の眷属にも引けを取らないほどに。
「そう、じゃあまぁお礼を言っておこうかな。」
「いや!でも僕勝手に部屋に入ったし、勝手に片付けて、勝手に食材使ったりして何だか申し訳なくて。」
レオは頭を下げる。
「なーに言ってんの。レオはあたしを襲うことだって出来たのにしなかったし、送り届けるだけでもこの街じゃ感謝ものなのに部屋を片付けてくれたしご飯も作ってくれた。あれ賞味期限ギリギリだったからでしょ。おかんね。」
「おかんですか。ははは。」
レオは苦笑した。
「まぁ下着をかたしたことは、見なかったことにしてやろう。」
「えーーーーー!!それ言っちゃいますかっ!?」
「いやー!ここで私が叫んでも文句は言えんですなぁ。」
「うわー!この人ひでぇー!!」
笑い声が部屋に響いた。
ソニックは今ちょうど帰ってきたが。レオが楽しそうにしているのを見ていい天気だなぁと言ったように空を見上げた。
レオ「(チェインさんのブラ、でかいなぁ。)」
ソニック「うぅーー?(何まじまじと見てんだこいつ?)」
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