side 抜刀斎
新撰組参番隊組長、斎藤一。かつては壬生の狼と恐られた、最強の剣客集団。その中でも極めて強い隊長格、それが奴だ
「長州派維新志士、人斬り抜刀斎。貴様の腕がどれほどだろうと、この俺が斬らせて貰う!」
「寝言は寝てから言え。その眠りは永遠だがな」
【牙突】
【飛天御剣流・龍槌閃・惨】
突進と共に、左片手平突きを繰り出す斎藤に対し。抜刀斎は壁をを蹴り、より高く飛翔し、斎藤に向かって刀を突き刺すように落下する
「甘い!対空迎撃が出来ないと思ったか!」
「はああああ!」
【牙突・参式】
【飛天御剣流・龍巻閃・嵐】
斎藤が対空迎撃の牙突を繰り出すが、抜刀斎は空中で回転し、遠心力を用いた斬撃に変更した。互いに少なくない傷を負い、鮮血が滴る
「流石にやるな抜刀斎。だが、もう終わりだ」
「もう終わりはこちらの台詞だ」
通常の牙突・壱式で突進してくる斎藤、それに対し抜刀斎は腰から鞘ごと刀を抜いた。
その瞬間、双方の仲間が雪崩込んで来た
〇視点変更〇
水入りにより引き分けに終わってしまった。彼らには因縁が出来そうだ
「しかし、凄まじい技だな。赤髪の少年は高く飛んだり、空中で回転したりと器用な戦い方だ…あれは乱戦でこそ生きる。で、あっちは新撰組か。斎藤一と沖田総司」
さて。これからどうするか
とりあえず俺は赤髪の少年を追う事にした
身軽なのだろう、京都の入り組んだ地形を利用し、追っ手を撒くかの様に走っている。俺でなければ着いていけないだろう
古いながらも活気のある宿に着いた、赤髪の少年が入って行ったから間違いないだろう
中に入ると刀を構えた男達が待っていた
「貴様、何者だ。緋村に着いてくるとは大したものだが、新撰組か?薩摩の者か?」
「すまないな。新撰組と斬りあっていたあの少年と手合わせしたく、追って来たのだ。争う気はない。ただの武芸者だ」
すると男が前に出る
「貴様の力を見せてもらおう、表へ出ろ」
「わかった。宿を壊したくないしな」
外へ出るなり五人程が俺を囲んだ
「まずはそいつらを倒してみろ。長州が誇る荒くれ者だ。」
「構わないぞ。五人でいいのか?」
五人が刀を抜いた瞬間、俺は既に動きだしていた
正面の男の顔面に拳を叩き付け、殴り飛ばし、腰から刀を抜いて三人を刀ごと薙ぎ払う。
背後から斬りかかってくる最後の一人、ぐるりと急回転しながら刀をへし折った
「さて、これで終わりか?」
「…緋村」
14~5歳くらいの赤髪の少年が出て来た。空気がヒリつく剣気、鋭い眼光。間違いない。人斬りの…強い者の気配
「…さっさと構えろ」
「いつでも構わない。これが俺の構えだ」
俺の流派に構えは無い、無手と刀術を組み合わせた荒々しさこそが本領である
抜刀斎は小柄を活かした速度がウリだろう、俺の視界外からの斬撃が飛んできた
ギャリィィン
「!?」
「俺の強みはな、攻防一体…よ!」
左側面から繰り出された刃を手甲を装備した左手で受け止め、同時に体ごとぶつかり、よろけさせようとした。
しかし、体重が軽すぎたのか吹っ飛んだ…のではなく、わざと飛んだらしい。
【飛天御剣流・龍巻閃・旋(つむじ)】
壁を蹴り、こちらに向かって飛んでくる
空中で体を捻りながら刀を抜刀し、そのまま斬り付けてきた
それに対し、俺も地を蹴り飛んだ
刀で斬撃を受け止めつつ、叩き落とす
先に着地し、体勢を整えた抜刀斎に向かって鞘付きの刀を振り降ろす。
「ちっ!」
抜刀斎が慌てて避けると、地面に当たって衝撃と土埃が舞う
その隙に、抜刀斎の細身の首を掴んでいた
「へへっ、後は何をされようが首の骨を砕ければ勝ちだな。言っておくが腕を切り落とすよりも力を入れる方が速いからな」
「…卑怯者め」
「戦場では卑怯でもなんでもないぜ?刀が手から離れたらどうするんだよ。」
「それまで!勝負あった!刀を納めろ。」
こうして
人斬り抜刀斎・緋村との手合わせを終えた俺は、今後の話をしたいという男…桂さんに中に招かれたのだった