※この作品はR-18です。

転移放浪記~まさかの幕末!?   作:北ノ覇王

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流れ者、出会う

 

手合わせを終えた緋村は部屋に戻ったらしく、酒と膳を用意された部屋に通された。

 

「まずは飲んでくれ」

「飯は貰うが酒は良い。下戸でな」

 

確か昔は15で成人だったらしいが、あと二年は飲まない。死と隣り合わせの時代だ。用心して損は無いからな

 

「ふむ。なら茶を用意させよう。」

「折角だしな。食わせて貰うぜ」

 

大盛りの玄米、味噌汁、魚、漬物が乗っている

おそらく飯をたらふく食う食事なのだろう

味も量も充分に満足できた

 

「さて、腹も膨れただろう。単刀直入に言う。私達と共に来ないか?緋村の様に」

 

「…断る。」

 

俺の返答に取り巻き共が、刀に手を掛ける

 

「やめろ。死にたいのか!彼が刀を抜いたら俺達もコイツもただでは済まないぞ」

 

「ま、奴以外なら全員斬れる自信あるな」

 

緋村とは殺す気でやらないと危ないが、こいつら程度なら手加減出来る。桂さんが止めなければ実行してかもな

 

飯を食わせて貰い、桂さん達のアジトから出ると、暫く歩いた先に緋村が立っていた

 

「また何処かで会えるといいな。緋村」

「オレは会いたくないがな」

 

 

二人の剣客はこの場で別れた…が

 

俺は新撰組の隊士に囲まれている

 

ただの隊士なら問題ないが

 

「やれやれ…何者か知らんが刀を渡して、屯所まで来てもらうぞ」

 

煙草を吸いながら此方を見る男は

 

【齋藤一】だからだ

 

「わかった。だが、この刀はかなり重い。一人では持てないぞ」

 

腰から刀を抜いて渡すと隊士達が慌てているのを眺めながら、手を縄で縛られ、新撰組の屯所に連行された

 

________

 

「ふむ…旅の者だったか。随分、特殊な刀を持っているんだな」

 

「我が一族に伝わる刀でしてね。銘を破壊刃と申します。硬さと重さで、斬るよりも壊す刀ですね」

 

「…ただの旅人が、あれ程の腕を持っているのは疑わしいがな」

 

さっきの大立ち回りを見られていたのか、なら下手に言い逃れようとするよりも

 

「俺も武芸者です。貴方と戦っていた少年、彼の強さを目の当たりにして、興味が湧いたんです。」

 

「…なるほど。まあ、あんたは長州の協力者とかではないだろう。協力者が身内をあれだけ痛め付ける理由がない。そっちはどうでもいい。俺達、新撰組の敵になるなら…その時に斬れば済むからな。おい、帰してやれ」

 

__________

拍子抜けするほど、あっさりと解放されたな。別に何処かの勢力に属している訳でもないし、刀も返してくれた。このまま気楽に動けるってもんだ

 

いつも泊まっている安宿に帰る道中、泥だらけで傷だらけの男が目に入る。

 

「おい、あんた…大丈夫か?」

「ん…あたた…おぉ、平気じゃ」

「少し、待ってろ」

 

河原で手拭いを濡らして絞ると男に渡す

 

「顔くらい拭けよ」

「おぉ、かたじけない。ひゃー冷たいのぅ!」

「で、なんでそんなにボロボロなんだよ」

 

顔を拭きながら男は少しずつ話し始める

 

「わしゃ土佐から出て来て、江戸の千葉道場で剣の修行をしてたんじゃ。で、最近こっちに来てのぉ。血気盛んな若い奴らと毎日、国の為に活動しちゅうわけよ。」

 

「その活動してるあんたが何故、ボロボロになってんだよ」

 

「あちゃ~それを言われると弱いのぉ!わしの考えが先を見据えた考えじゃと言われてな。喧嘩をな…多勢に無勢じゃった」

 

男の装いを見ると刀は抜かれた様子はなく、服や体はボロボロだが大した傷を負ってはいない。数人に殴られ蹴られをさした割にはだが…

 

「アンタ…名は?」

「ん~?どしたんじゃ。やぶから棒に」

「俺は天涯孤独の流れ者でな。親から名を貰えなんだ。故に名はない。で、アンタは?」

 

未来の日本から転移してきたとは流石に言えないしな。

 

「ほうか…うむ。わしゃあ、坂本龍馬ちゅう。世話んなったのぉ!これも何かの縁じゃ。いつかまた会いたいのぉ!はっはっは」

 

「ああ、坂本さん。いつか何処かでな」

 

坂本さんとはそのまま別れた。人と人との出会いは一期一会とも言う。縁があればまた会えるだろう

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