※この作品はR-18です。

天衣ドルマスター   作:りりーまるれーん

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数話ぶりのR18シーン。


初ピクにっく ~二年目、五月~

 ぴちゃぴちゃとまるで子猫のように舐めてくる。おかげで互いの口の周りは彼女の唾液でべたべただ。何事についても覚えの良い彼女のこと。別にキスが下手というわけじゃない。けれど今日はそういう気分なのだろう。その小さな舌が俺の口の外まで這い回る。明らかにわざとだ。

 

 彼女の背筋を撫で下ろした右手で、叱るように軽くぴしゃんと肉付きの良い尻たぶを叩いてやると逆に睨み付けられた。そしてまた俺の口元を涎塗れにする作業に戻る。仕方なく俺も彼女の背中に浮いた背骨の感触を味わいながら手持ち無沙汰な時間を潰す。

 

 俺たちは朝日が降り注ぐベッドの上で裸で戯れていた。仰向けになった俺の上にうつ伏せで乗っかる彼女。ぴったりとくっついた肌から伝わる子供特有の高い熱が寝起きの俺にはとても心地よい。

 

 重力の関係でひっきりなしに流れ落ちてくる彼女の唾液。これだけあふれさせてよく喉が渇かないものだと変なところに感心する。俺の口元をコーティングすることで忙しい彼女の顔は無心で。その行為に反して淫靡なものでもなければ、先日の小学生将棋名人戦での峻烈な姿とも異なる無邪気さだった。

 

 先に行われた小学生将棋名人戦で彼女は見事に優勝を果たした。その道中から決勝戦まで見事なまでの虐殺劇を見せつけてくれた。ある者は圧倒的な序盤力で押し潰され、ある者は中盤のねじり合いで大差をつけられ投了し、またある者は短手数で即詰みに討ち取られた。

 

 共通するのは皆ボコボコにされたということ。ことさらに才能の差を見せつけるような勝ち方だった。結果、全国から集った腕自慢の天狗鼻ボーイズ&ガールズは軒並み鼻っ柱をたたき折られ、会場はあちこちで小学生が号泣する阿鼻叫喚の場と化した。

 

 おそらくそのうちの何人かは将棋の道を諦めたことだろう。彼女はそんな中でもしれっとしていたが。どころか口の端を歪めて嗤っているようだった。

 

 誤解を恐れずに言えば、こと将棋に限っては彼女の性格は悪い。それは以前「将棋で一番楽しいのはどんな瞬間だと思う」という俺の問いかけに彼女が「そんなの勝ったときに決まってる」とノータイムで答えたことがあったので分かってはいたが。

 

 そのあまりの強さに会場にいた子供たちからは『子ドラゴン』と。その容赦ない戦いぶりにスタッフたち大人からは『夜叉姫』とあだ名されていた彼女はここにはいない。俺に全身を擦りつけながらぺろりぺろりと舐めてくる愛らしい子猫ちゃんだ。

 

 ひとしきり舐めて口元には満足したのかずりずりと足方向へ下がっていく彼女。今度は胸を舐めてくる。男の乳首なんて舐めて何が楽しいのか知らないが右へぺろぺろ左へぺろぺろ。

 

 舐めながら彼女は俺の上でもぞもぞしている。最近の彼女のお気に入りのアソビ。俺の堅く勃ち上がった逸物に下腹部を押しつけてくるのだ。彼女の弱点の一つである子宮を外から男根で圧迫する。自覚しているのかいないのかは分からないが、そうするとたいそう興奮するらしい。しこりきった小さな乳首が擦れる感触をはっきりと腹に感じるし、何より俺の太股辺りが冷たい。彼女の股ぐらから愛液が滴っているのだ。

 

 この二年で彼女はよく濡れるようになった。風呂場で愛撫混じりに彼女の体を洗い上げれば、座っていた椅子は溢れ滴ったものでべっとりとねばつく。その椅子を次に俺が座る前に彼女が真っ赤な顔で必死に洗い流すところまでが毎日セットになっていた。

 

 そのように快感に浸る彼女を知っては、俺の股間もよりいきり勃たずにはいられない。それがより彼女の興奮を誘って……。悪循環だ。いやこれはむしろ好循環なのだろうか。彼女のもっちりとした尻たぶを両手でむにむにと揉んで気を紛らわせようとする。けれどそれで自分を誤魔化しきれるものではない。そのまま30分くらい経った頃だろうか。とうとう我慢しきれなくなった俺は彼女の下腹部へと白濁を吐き出したのだった。

 

 天に唾するならぬ天に射精した俺はその報いの不快さに耐えかねて起き出した。彼女の背を押してシャワーを浴びる。彼女はべっとりと張り付いた下腹部の白濁を片手で塗り広げながら惚けていたが、それも強制的に洗い流す。彼女の抗議を無視して身を清め終えたころには10時を回っていた。

 

 今日は俺の対局はないし、彼女も学校が休みなら例会もない。どうやって過ごそうかと彼女の希望を聞いてみたところ弁当を持って外で食べてみたいとのことだった。なにやらクラスメイトから吹き込まれたらしい。

 

 特に断る理由もない。彼女の提案に乗ることにした。今から準備を始めれば昼過ぎぐらいにはランチにできるだろう。彼女と話し合った結果おにぎりに適当なおかずでも持って行こうと決めた。ひとまず彼女に台所を任せ、俺は近くのコンビニに足りないものを買いに行く。

 

 外に出れば青空が広がっていた。天気がいい。実にピクニック日和だ。俺もより楽しみになってきた。コンビニで海苔にツナ缶、ふりかけと適当に買い集め家路を急ぐ。

 

 家に帰れば彼女がある程度のところまで進めてくれていた。米は炊飯器にセットされ、卵焼きや焼き目のついたソーセージなどいくつかのおかずもできあがっている。今は鮭の切り身を焼いているようだった。

 

 俺も彼女の隣に立ち手伝おうとするが、ツナ缶を開けてマヨネーズで和えたところでやることがなくなってしまった。仕方なく海苔をガス火で炙る。ほとんど意味はないに等しいが少しは香ばしくなるだろう。

 

 そんな俺の行いを彼女は不思議そうに横目にしながらも、焼き上がった鮭を手早く解していく。料理を初めてから既に8ヶ月以上。彼女もそれなりに手慣れてきた。それだけじゃなく、先日は研修会に復帰して即A2クラスへ昇格。奨励会6級への編入を決めていた。

 

 比較して俺はなんとか竜王防衛に成功し連続三期となったものの、その他の棋戦ではなかなか波に乗れず、今年もC1級への昇格を逃していた。最近世間では賞金が高い竜王戦にだけ全力を注ぐクズなんて不名誉な言われかたもし始めているらしい。

 

 考えていると鬱になってくる。すっぱり思考を切り替えよう。炊き上がった米を内釜ごと炊飯器から取り出し、素手で触れるくらいまで冷めるのを待つ。調理を終えた彼女が手洗いを終えて戻ってきた頃にはちょうど良い塩梅になっていた。

 

 湿らせた両手に塩をふり米を握る彼女。できあがったのは意外なことに不格好なおにぎりだった。そういえば彼女がおにぎりを握るのは今回が初めてだった。それにその紅葉のように小さな手では綺麗な三角形に握るのは難しいのだろう。自分の不出来をじっくりと観察されるのが嫌だったのかも知れない。ふさがった両手の代わりに肘でどつかれてしまった。

 

 できあがったおにぎりとおかずをラップでくるんで適当に袋へ詰めたら出発だ。道中の自動販売機で飲み物を調達して、目的地の大阪城公園へ。既に花の見頃も終わっているためか、そう人もいない。適当なところにブルーシートをひいて腰を落ち着けた。

 

 見上げれば青空と新緑。暖かな春の日差しと風。そして傍らには極上の美少女。とても優雅な休日だ。ささやかな幸せに浸っていると、すっと彼女が身を寄せてキスをしてきた。ちょ。ま。慌てて周囲を確認する。辺りにはジョギングしている人が多少いるくらい。こちらを注視している人はいないようだった。

 

 確かに食事前の我が家のお作法なのだけれど外ではまずい。当然それは彼女も分かっているはずだ。抗議しようと彼女を睨めば本人は素知らぬ顔でおにぎりに手を伸ばしている。けれどその耳が赤くなっていた。彼女にとってもそれなりのリスク(羞恥)を背負っての行為だったとみえる。それでもキスしたかったのだ。そのことに気づいてしまうといじらしいやらなにやらで責めるのも躊躇われた。

 

 仕方なく俺もおにぎりに手を伸ばす。不格好な、けれど美少女によって握られたそれは外ご飯効果もあってかとてもおいしく感じられるのだった。

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