※この作品はR-18です。

天衣ドルマスター   作:りりーまるれーん

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忍び寄る恐怖 ~四年目、八月~

 熱い舌がにちにちと肉棒に巻き付き舐め回してくる。日々の鍛錬で練り上げられた極上のテクニック。俺も負けじと目の前のクレヴァスにしゃぶりついた。谷底に潜む肉の洞穴を舌で穿れば熱い甘露が湧き出してくる。

 

 けれど相手もさるもの。強烈な快感に襲われているであろうに、怒張を喉奥まで飲み込むことで漏れ出でようとする嬌声を押し殺すと、そのまま攻勢を強めてきた。しっかり唇を閉めると強烈にバキューム。真空状態になった口内の粘膜がぴったりと逸物に張り付いてくる。その状態で小さな頭を前後させ始めた。

 

 幹の根元まで飲み込んだ状態から亀頭だけを口に含んだ状態へと一気に引き抜いていく。その状態でしばし亀頭を舌先であやすとまた飲み込んでいく。さして間を置かず彼女の形の良い小鼻が俺の陰嚢を押し上げていた。口腔内から喉奥にかけての粘膜を余すことなく味わう極上のディープスロートだ。腰が蕩けそうになってしまう。

 

 俺はとんでもないセックスモンスターを生み出してしまったのかもしれない。けれど俺も男だ。このままなし崩しにやられるわけにはいかない。何とか気力を振り絞り必死に食らいつく。

 

 手探りで胸元の尖りを暴き出す。既に存在感を増していたぶっくり乳首は簡単に見つかった。すぐさま両方とも捻り潰す。三点責め──いや、それに加えクリが存在すると思われる辺りを顎で押し潰した。四点責めだ。

 

 どこもかしこも一級品の性感帯。それらすべてへの一斉攻撃だ。これにはさすがに一溜まりもあるまい。けれどはふはふと熱い鼻息を断続的に俺の玉袋に吹きかけてくるだけで、頭の前後運動は止まらない。どころかその吸い付きがより強くなっていた。

 

 俺の責めが効いていないわけじゃない。その証拠に相手の体温が肌で感じられるほど高くなり、姫割れからの湧出量は既に湧き水のレベルを超え、間歇泉かというようなレベルに達している。

 

 誤算だったのは、相手が快楽に耽溺し手を止めるのではなく、快感を興奮に変え一層激しい奉仕を行ってきたことだった。最早、相手への妨害工作は無駄。どちらが先に仕留めるかの勝負でしかない。ヤるか、ヤられるか、だ。

 

 俺は伸びろ乳首と心の中で叫びながら思いっきり捻り上げ、小刻みに下顎を振動させつつ、洞穴を少しでも奥へと掘り進んだ。相手も両腕を俺の腰に回してしっかりとしがみつきながら激しくヘッドバンキングさせてくる。

 

 そして勝負の軍配は──俺に上がった。ほっそりとした肢体がガクガクと震える。口の中にも甘酸っぱい噴水が飛び込んできた。やったぜ。俺は勝利の味と潮を噛みしめ、ゆっくりと身を起こそうとした。それが油断であると気づかずに。

 

 思いのほか早く絶頂から帰ってきたのか猛烈な勢いでフェラチオを再開したのだ。もともと限界だったところに不意をつく攻撃。今度はこちらがガクガクと腰を揺らす番だった。温かな口内にザーメンを勢いよく吐き捨てていく。

 

 俺は起き上がるのを諦めベッドの上で絡み合ったまま脱力した。俺が吐精している間、出を良くするためかやんわりと陰嚢をもみ上げてきた。そして射精が収まっても、ちゅーちゅーと肉棒をストローに見立てて吸い、最後の一滴まで逃さぬ貪欲ぶりだ。

 

 やがて心ゆくまで堪能したのかそっとベッドの上に身を起こすと、こちらを見下ろしてくる。その口元から白濁が一筋垂れている。それをペロリと舐めとると「ごちそうさま」と微笑んだ。淫魔というのはこのような姿をしているのかもしれない。そう思った。

 

 

 

「ふうっ」

 

 淫戯の残滓をシャワーで洗い流した後、俺は彼女を先に浴室外へと送り出して一息ついた。続けて自分のことも済ませ俺もバスルームを出た。部屋に戻るとまだ裸のままでいた天衣が備え付けの小さい冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルをを取り出してコップへと注いでいるところだった。

 

 コップの一つをこちらへ差し出してくる。礼を言って受け取る。そして一息に飲み干した。寝起きのまま一戦交えて乾いていた身体に冷たい水が染み渡る。一心地ついた俺は窓に歩み寄るとブラインドの隙間を指で広げ、隙間から外を覗いた。

 

 ビル群の窓が朝日に照らされてキラキラと輝いている。うん。いい天気だ。今日は八月一日。そしてここは東京都は千代田区にあるシティホテルの一室。今日この朝をここで迎えたのは理由がある。

 

 この後、彼女はある将棋大会に挑むことになる。人生初の公式棋戦に臨む彼女に何かしてほしいことはないかと尋ねたところかえってきたのは、試合当日もいつものように朝エッチを楽しんでから臨みたいという答えだった。

 

 そんな彼女の望みを叶えるため、当日早朝移動でも間に合うところを前日前入りすることにした。そして昨日は東京で特に何をすることもなくホテルにしけ込みいちゃいちゃし。今朝も彼女のモーニングフェラで目覚めるなり、そのまま一戦と相成ったわけだ。

 

 本日行われるのは女流タイトル戦マイナビ女子オープン、その一斉予選だ。マイナビはオープン棋戦のため女性であればアマチュアでも参加できる。予選の予選であるチャレンジマッチが二週間ほど前にあったのだが、奨励会初段の彼女はパスしてこの一斉予選から参加することができるのだ。

 

 彼女に調子を尋ねれば全く問題ないとのこと。さっさと空銀子の記録を塗り替えてくるわと強気の返事が返ってきた。うーん。確かに挑戦者決定まではありえるかもしれない。さすがに姉弟子に番勝負で勝ちきるのは辛いと思うが。ただ初の公式棋戦で力を出し切れるのかどうかだけがな。その上一斉予選は彼女が不慣れな公開対局でもあるし。

 

 そんな俺の不安をよそに、彼女は予選決勝まで自分の対局は見ないでいいなどと仰る。本日の俺は大会の解説者として招かれている。なので確かに彼女だけを見ているわけにはいかないのだが……

 

「だから心配し過ぎよ。特に最初の一戦なんてアマチュア相手よ。わざわざ八一先生が見る価値なんてないわ。どうせならブロック決勝で華々しく勝つところを見てちょうだい」

 

 仕方なくそんな彼女の心意気を信じることにした。ただ、女流二級という餌を目の前にぶら下げられたアマチュアこそ本当は手強いのだと、油断することのないよう釘を刺しはしたが。

 

 

『『よろしくお願いします』』の唱和とともに予選第一回戦が始まった。俺の仕事もここからが本番だ。解説ステージに俺とともに立ち、場を取り仕切ってくれるのは山城桜花の供御飯さん。実は最初は姉弟子に話が行ったそうだがけんもほろろに断られたらしい。

 

「竜王サン、何でも今日はお弟子サンも今日の大会に出てられるそうで」

「ええ。よくご存じですね」

「よくもなにもすごい噂になっておざります。竜王サンのお弟子サンというだけでも要注目やのに、その上えろうかわいらしゅうて、強くておざるとか」

 

 やはり話題の中心は彼女のこと。事前の注目度(個人スポンサー)もすごかったしな。ちょっとここで様子を見てみましょうと対局中の彼女がモニターに大写しになる。おいおい。対局相手見切れてるじゃないか。露骨に彼女だけを追うカメラ。ギャラリーの集り方もすごい。既に優位を築いているのか、彼女は凜とした表情のまま迷い無く手を進めていく。

 

「いやあ。想像以上のルックスでおざりますなぁ。これは空銀子の再来や言う声があるのも頷けます」

「そんな声が? まあ天衣のほうが当時の姉弟子よりも年下で、逆に段位は上ですけどね」

 

 供御飯さんから、彼女は一斉予選を突破できそうかと質問を受けるがこればっかりはなんとも言えなかった。それは彼女と同ブロックにいる一人の棋士に原因があった。女流帝位──祭神雷。順調にいけば彼女と決勝戦で当たるかも知れない相手。

 

 将棋の才能でいえば最強の女棋士である姉弟子をはっきりと上回る。数々のプロ棋士も打ち破った異才の魔物。とはいえマイナビのシード選手になっていないことからも分かるようにその時々のテンションによって強さが大きく左右され不安定だ。

 

 おまけにこの解説ステージに俺に会いに来たがゆえに第一回戦に遅刻し、持ち時間がないときている。そもそも祭神が決勝の舞台に立てるのかさえ不透明だ。そんなことを話して一旦彼女の話題は打ち切った。

 

 大会の主役は彼女だけというわけじゃない。その他の組み合わせも順繰り映し出しながら対局内容や対局者自身のエピソードについて解説を加えていく。そうしてしばらく経ったころ、対局会場で大きな歓声が上がった。人垣で中は見えないが、どうやら終局したところが出たらしい。

 

「あの辺りは確かお弟子サンがおった場所でおざりますな。ちょっと映してみまひょう」

 

 そう言って供御飯さんはモニター映像を切り替えようと手元のタブレットを操作しだす。その間俺は歓声が上がった人だかりを見つめながら眉をひそめていた。先の歓声、どちらかといえば驚きや動揺する声だったような……

 

「えっ……!?」

 

 隣で供御飯さんが驚きの声を漏らした。目を疑うような顔でタブレットを覗き込んでいる。俺はどうかしたんですかと声をかけた。すると供御飯さんは何度も確認するようにタブレットの画面を睨んだ後でこちらを見ないまま言った。

 

 

 

「お弟子サン……負けてしまわはりました」

「…………はぁ!?」

 

 いやいや! そんな馬鹿な!? 

 

 奨励会初段だぞ!? 祭神相手ならいざ知らず、それ以外の相手に彼女が負けるはずが──。慌てて俺も手元のタブレットを操作した。各対局のステータスが一覧で表示される画面。そのうちの一つがたった今更新された。そこに映っていたのは──

 

 

 

 

 

 

 夜叉神天衣 奨励会初段  ● - ○  雛鶴あい アマ

 

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