※この作品はR-18です。

グリザイアの幻影   作:unknownname

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お気づきかと思いますが、本作品は勝手ながらR18タグに変更させていただきました。
それに伴い、性的な描写が過激化、増加するので、苦手な方そして十八歳未満の方はブラウザバックをお願いします。
そして、ご愛読ありがとうございます。こんな稚拙な文章を読んでいる貴方に花束を贈りたいです。どうか、更新頑張りますので何卒よろしくお願いします。


13.天音の告白

 照りつける太陽の下、広大なグラウンドで体育の授業が行われる。と言っても、教師はいない。生徒たち自身で考え付いた運動やスポーツを行えばオッケーという何とも緩い授業である。蓮も、秀尽にいた時はしっかり体育の授業を受けていたので、それからは全く考えられなかった。しかも、今日はテキトーにそこら辺を走って終わりという何とも舐め切った運動が、蓮を除く全会一致で決まった。

 

 「あ゛あ゛あ゛あああ…」

 

 断末魔に近い唸り声を発しながら走るみちるを最後尾に、前から天音、幸、マキナそして榊が走っている。蓮はと言うと、水分補給と言う名目でサボっていた。

 

 「もう疲れたのよさ~」

 

 マキナがそう弱音を吐く。それを制するように、天音。

 

 「もう少し我慢しなさい!いざという時に走れなかったら困るでしょ?」

 

 まあ、天音の言う通り、体力はつけておいて損はない。と、蓮はペットボトルを傾けながら共感する。しばら皆ハアハアと息を荒くして走っていると、突然天音の体が視界から消えた。その直後に、ドサッという音が聞こえてくる。

 

 「いったぁ…」

 

 どうやら思い切り転んでしまったようだ。地面にへ垂れ込む天音に、皆が駆け寄ってくる。

 

 「大丈夫?天音さん」

 

 榊が心配そうな顔で尋ねる。

 

 「だ、大丈夫…いたっ!」

 

 蓮も天音の傍による。そして、彼女が何やら痛そうに押さえている左足首を見てみると、腫れて真っ赤になっていた。

 

 「これ…ひねったのか?」

 

 「そ、そうみたい…ちょっと保健室行ってくる」

 

 そう言って、彼女は立とうとするが、想像を絶する痛みのせいか、再び座り込んでしまう。そこに、幸が凛とした表情で名乗り出た。

 

 「私が天音さんを保健室まで運んでいきます!」

 

 流石クラス委員と言ったところ。けれど、蓮は自らが名乗り出た。

 

 「天音は俺が運ぶ」

 

 「い、いいのですか…?」

 

 「ああ、天音一人なんて軽い」

 

 蓮はそう言うと、天音を背負う。

 

 「ご、ゴメン蓮クン…」

 

 

 

 天音を背負った蓮は、彼女の指示であちらこちら廊下を彷徨うように歩いていた。

 

 「ねえ蓮クン」

 

 「何だ?」

 

 「好きな人とか…いる?」

 

 突然の質問に、蓮の頭上には疑問符が浮かぶ。けれど、天音はこういう人間だということを、日は浅いながら何となく分かっていたので、迷わず答える。

 

 「“好きな人”はいない」

 

 「そうなんだ…てっきり彼女とかいると思ってたのに」

 

 その後、しばらく沈黙が続いたかと思うと、急に蓮は首筋にねっとりと暖かい何かが這う感覚を覚えた。思わずゾッとして背筋が凍ったが、不思議なことに少しづつ心地よくなっていく。一体何だ?と振り返る。そこには、彼の首筋に舌を這わせる天音の姿があった。

 

 「な、何してるんだ!」

 

 「んむ…むぅ…ぷはっ…単なるいたずら」

 

 彼女はそう言うと、色っぽく笑った。全く、本当に“エロいお姉さん”と言う評価は彼女にぴったりだ。蓮はそう思うと、何だか呆れたような気がした。

 

 「あ、保健室ここ!」

 

 「そうか。…失礼します」

 

 蓮はそう言って保健室の引き戸を開けるが、返事はない。今は保険の先生は外出中なのか?

 

 「うち、保険の先生いないんだ」

 

 「そうなのか?」

 

 「うん。なんかいい人が見つからないんだって」

 

 なら仕方ないと、蓮は天音をベッドの上に座らせ、ガラス扉の棚からガーゼや氷のうを取り出すと、せっせと彼女の治療を始めた。

 

 「ねえ…あのさ」

 

 「何だ?」

 

 「…付き合ってくれない?」

 

 突然の告白に、思わず蓮は手元を狂わせる。そのせいで、彼女の足首に勢いよく氷のうを落としてしまった。「いたっ」と少し痛そうにしていたが、すぐに元に戻った。

 

 「それで…返事は?」

 

 蓮は道具を片付け始める。

 

 「…言っておくが、俺はそんなのに値する男じゃない」

 

 「どういう事?」

 

 今度は片付けていた手を止め、天音の目を見る。

 

 「俺は…クズだ。筋金入りのな」

 

 「え?…性癖の話?」

 

 「違う!兎に角、俺と付き合っても天音が不幸になるだけだ」

 

 蓮はきっぱりそう言い放つと、止めていた片付けを再開する。そこで、天音は更に食い下がる。

 

 「私、多少の事なら許せるよ!…それに」

 

 天音には彼がとても魅力的に見えていた。けれど、それは並大抵のレベルではない。世界に一人だけだと思えるほど、彼の持つ魅力は天音をグイグイと引き寄せていた。

 

 「天音、この際だからはっきりと言っておく」

 

 ポケットに手を突っ込み、前髪をいじりながら蓮は話す。

 

 「――俺は、既に九股してる」

 

 驚愕の告白。天音はポカンと口を開けたまま、蓮の顔を見る。一方で蓮は、どこか居心地悪そうに、そっぽを向いていた。

 

 「どうだ?気が変わっただろ?」

 

 蓮はこれで天音も諦めがついただろうと、保健室を後にしようとするが、そんな彼の腕を、天音が掴んで引き留めた。

 

 「それでも…いいよ」

 

 

 

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