※この作品はR-18です。

今井リサの弟ですが、諸事情で異世界転生させられました。   作: 提 督

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Nerf

誰かにゆすり起こされる夢を見た。

とても優しい声と鼻腔をくすぐる甘い香りは

その手が最愛の姉であることを示していた。

はずだった。

 

『おい! risa_brother_provisional君!

おーい! 頼む時間が無いんだ。起きてくれ!』

 

僕を起こしたのが

メガネにスーツの何処にでもいそうな男だと気が付くには

そこからにさらに5秒を要した。

 

困惑することが多すぎたからだ。

まず、僕がいたのはどこまでも白一色の世界

広いのか狭いのか分からない世界に

ぽっ とパソコンのウィンドウのように画面が出ており、

そこからそのスーツの男がこちらを見ている。

 

『気が付いたか!?

良かった。無事に接続できたぞ!

いや~、双方向通信の機能を付けておいたのはやっぱり先見の明が…』

 

『部長!

急いでくださいよ。既に何件の爆破予告が来てると思ってるんですか!!』

 

『こっちにもカミソリが入った封筒がたくさん来てるんですよ!』

 

『わ、わかった。

公開する謝罪文の準備を進めてくれ』

 

「これは…えっ……何なんですか。

僕は…死んだんですか?」

 

『…違う。

君は殺されたんだ。僕達に。』

 

男は俯かずに告げた。

 

『僕達は神でも何でもない。人間だ。

ただ存在している次元がたった一つ違うだけだ。

自分の保身のために人を消してしまう…人間だよ。』

 

何も理解はできなかった。

それでもただ漠然とした諦観が現れてきたことは驚くべきなのだろうか。

違うかな。

もともと自分はそういう人間だ。

どうしようもならないことがあればすぐに姉を頼っていた。

自分で解決しようとした試しなど一つもない。

…最後に姉へありがとうの一つも言えないどうしようもない弟だった。

 

「僕は…死ぬんですね…」

 

『この世界から君は消える。

でも死ぬわけじゃないんだ!

死なせるもんか!

君は僕達のエゴで作られたのに、名前も与えられないまま消すのは

僕の趣味ではない。

趣味とか言ってる時点で傲慢でしかないけどね。

君を別の世界線に飛ばそうと思う。』

 

「…セカイセン?」

 

『つまり、アレだ。

異世界転生ってやつだ。

残念ながらそんなに大手じゃないから転生できる世界は限られてるけどね。

どんな世界がいい?

カードゲームの世界とか舞台演劇の世界とか、あとは今度始まる世界もある。

これならもしかしたら主役級に割り込むことも…』

 

「…ねぇと会いたい。」

 

『え?』

 

「リサねぇと会いたい!

まだ、返していないお礼が沢山あるんだ!!」

 

『そ、それは…

ピコとかだったとしても受け入れてはもらえないだろうし…

転生は出来ても君は良くて今井リサの友人ポジションに…

第一、今井リサは君の記憶を既にデリートされているんだよ。』

 

「最悪記憶はなくてもいいよ。

でも、ぼくはリサねぇにまだ弟として何もしてあげられてないんだ!」

 

『それはそうかもしれないが…』

 

『部長…この世界だったら…』

 

『おまえ何言ってんだ!

入念にストーリーを作ったガルパでさえこうなってるんだぞ

20ページもないこの世界ではどんな不条理があるか』

 

『でも、これならリサの家庭事情は書かれてないから転生させられます!

リサも始めから友希那と結ばれているからそうそう不幸にはならないでしょう。

多少過激ですが。』

 

『…………

…君はそれでいいか?

転生する先が不安定な世界でも』

 

「リサねぇがいるなら。」

 

『君の知っている世界とは少し違うかもしれない。

それでも?』

 

「リサねぇに感謝を伝えられるなら。」

 

『結構エッチシーン多めだと思うけど…』

 

「………は?」

 

『まぁ、それはいいか。

じゃあ、異世界転生もののお約束で特殊能力をあげるね。

え~と、透明人間と…これはアレか

スマホで自由に相手を支配できる系のアレ。

これ20ページしかないのに随分いっぱいジャンル入ってるな。』

 

『内容がどちゃくそ濃いんですよ。』

 

「あの…」

 

『あぁ、すまん。こっちの話だよ。

やっぱりこの世界は不確定要素多そうだし、

特に能力のナーフは必要ないかな。

そのまま二つともあげるよ。』

 

「いったい僕はどんな世界に…」

 

『部長!!!急いでください!!

新宿の駅ビルで建て籠っているテロリストが

今井リサの弟を消さないと1時間に1人づつ人質を殺すと宣言してきました!』

 

『そういうことだ。時間がない。

君に幸運があることを祈ってるよ!』

 

 

こうして僕は違う世界に旅立った。




『ところでなんで会社にリサ友希同人誌もって来てるの?』

『ストーリーが最高すぎるので…
 特に友希那がふたなりじゃなくて始めから男として書かれてるとことかが‼』

『答えになってないけど…』
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