※この作品はR-18です。

今井リサの弟ですが、諸事情で異世界転生させられました。   作: 提 督

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リンあこ前編

「もうちょっと!

本当にもうちょっとだけだから!

あと少しで許可を取れそうだから!」

 

相変わらず近い距離感だが、

こっちの世界線ではやれ恋人だと揶揄されることも

不純異性交遊で生徒指導になることもない。

 

「別に大丈夫だよ。

こっちもこっちでギターとボーカルのスカウトに手間取ってるし。」

 

「本当!?

さっすがー、話がわかる!」

 

「でも、無理はしなくていいからね。

あこにもいろいろあるだろうから。」

 

「大丈夫大丈夫!

絶対いい返事をもらってくるからキチホウを待っているが良いぞ。」

 

「…それ"きっぽう"って読むんだよ。」

 

 

 

 

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あこにとってリンリンはとっても大事な人

 

それはなんでだろう?

 

親友だから?

恋人だから?

かわいいと褒めてくれるから?

かっこいい言葉を教えてくれるから?

 

「うーん」

 

やっぱり頭を使うのは苦手

頭が筋肉痛になりそう。

帰り道でずっと考えててもまとまりそうにないや

一度家に帰ってお風呂にでも入ってからまた考えをまとめ…

 

「あこちん?」

 

「え? うわあっ!?」

 

「もうー。そんな驚かないでよ。

さっきから声かけてたのにー」

 

「モカちん…、全然気が付かなかった。」

 

「そんな難しい顔してどったの?

らしくないねー」

 

「その…実はあこ、ちょっとわからないことがあって…」

 

「ん? …うむ!

つまり、このお悩み相談系美少女モカちゃんの出番ですな!」

 

「えっ! 相談に乗ってくれるの!!」

 

「ふっふっふっ、大船に乗った気持ちでいいよ。

モカちゃんは国語が大得意だからね。」

 

 

 

 

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 

夕日が差し込む図書室、その隅のカウンターで一人座っているのは

絵にはなるかもしれません。

私に心理的余裕があったらの話ですが。

 

「はあ……」

 

図書委員の仕事もほとんどなく、

暇つぶしに開いている本も今日めくられたページは10に満たないでしょう。

ため息だけは絶え間なく続いています。

 

「白金さん。」

 

「ふぇ!?」

 

「そ、そんなに驚くことですか?

確かに名前をお呼びしたのは初めてだったかもしれませんが。」

 

「あっ、えっと、氷川…さん?

すみません…考え事をしていたもので」

 

「いえ。こちらこそ急に声を掛けてごめんなさい。

本の返却をお願いしたいのですが、」

 

「あっ、はい。

お預かりします…」

 

丁寧に差し出された本を受け取り慣れた作業を開始する。

 

「なにか悩んでいることでもあるのですか?」

 

「え?」

 

「随分と深刻そうな顔をされていたものだから。

もしご迷惑だったらいいのだけれども

相談になら乗れますよ。」

 

正直意外でした。

氷川さんにはもっと厳しい人というイメージがあったので

 

「意外そうな顔をしてますね。」

 

「いえ、全然そんなことは…」

 

「いいんですよ。

実際、私も意外でした。

普段はこんなこと言わないんですけどね。

……以前、私も相談に乗ってもらったことがあったので

それでつい言ってしまったのかもしれません。」

 

「そう……だったんですか。」

 

でも、このことは事務連絡意外ほとんど話したことない人間に

話すようなことではないと思う。

むしろここで話したことが原因で

他のクラスメイトもこのことを知ってしまうかもしれない。

そうしたらひたすらに目立たないよう頑張ってきた努力が無駄になってしまう。

 

 

「……実は…」

 

 

それなのに、

どうして私は話してしまったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なるほど…」

 

「はい…

ですから彼氏の負担になってしまっているんじゃないかと思ってしまって。

かわいいのでつい過保護になってしまって。」

 

「それは…大変ですね…」

 

「………」

 

「………」

 

「(そ、そういう感じのやつだったんですね……

白金さん、あまり社交的じゃないようですから

友達ができにくいとか、先輩との付き合いがとか

そういうものだと思って聞いたんですが…

どうしましょう…あいにく私、恋愛経験は…)」

 

「わたしも良くないとは思ってるんです。

…過保護とか言ってもその実、ただの独占欲で動いてるだけですし……

でもあこちゃ……彼氏にはあまりひどい目にあって欲しくなくて…

バンドの中には少々危ないところもあるといいますし…

それに何よりもう私に構ってくれなくなるんじゃないかって……」

 

「(しかも結構重い!

私の妹コンプレックスもそこそこだけど

その比じゃなく重いし結構メンヘラも入ってる気が…)」

 

「ごめんなさい……

急にこんな話して。

わたし……メンヘラですよね…」

 

「い、いえ

そんなことはないと思いますよ!!

ほら、彼氏を束縛したいとか誰でも多少は思いますし!」

 

「氷川さんもお付き合いされている方が?」

 

「え!?

あ、え~と、そう…ですね。

ちょっとだけ」

 

「ちょっと?」

 

「ほら、アレです。あの………

今はいないんです!

昔、昔はいましたけど。」

 

「なるほど…氷川さんも苦労された経験がおありなのですね…」

 

「えぇ…まぁ……

(小学校2年生の時だけど…嘘ではないからいいでしょう……)

 

(さて…私が口出せる問題でもないですし、

そろそろ私は帰りましょうか…)」

 

 

「わたしって……ホント駄目ですよね。

………逃げてばっかりで…」

 

「…」

 

「昔、ピアノのコンクールで失敗してから

どうしても大勢の人の前だと緊張してしまって。

それで、友達も少ないから彼氏に固執してしまって…」

 

「……私は、自分が『逃げている』と認めることすら

できませんでしたよ。」

 

「……え?」

 

「また急に語りだしてしまってごめんなさい。

でも、私も最近までとても悩んでいたことがあったんです。

 

白金さん。

貴方は怖いこと、恐ろしいことからは逃げてしまったとしても

自分が逃げていると知っているのでしょう?

それは自分自身からは逃げていないということです。」

 

「自分からは…逃げていない…?

わたしが…?」

 

「はい。彼氏さんも件については私の知識不足で

何が正解なのか私にはわかりません。

でも、話を聞いている限り臆病な自分を変えたいと思っているのでしょう?

それは自分を見つめ続けていたからこそ、

このままでいいのか不安になった。

そうじゃありませんか?」

 

「わたし………

……このままでは周りに迷惑をかけるばかりです。

でもどうしたらいいのか分からなくて。」

 

「目指す場所なら決めなくても大丈夫です。

…正しい気持ちで一つ一つ分帰路を選べば、

たどり着いた場所に後悔はしないものです。

……私ができているかは別問題ですが。」

 

「わたし……あこちゃんとは離れたくない…

でも、あこちゃんの願いは……じゃましたくない……

 

…………氷川さん…バンドをやってましたよね?」

 

「え、はい。

今は…一身上の都合で脱退してますけど……」

 

「バンドのキーボードはピアノとはどのくらい違うものなのでしょうか…!?」

 

 

 

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「(うう…

やっぱり少し緊張するなあ…)」

 

「(ダメダメ!

今日はバンドのメンバーに入れるかの審査なんだから!!

プロデューサーはもうOK貰っているけど

ベースの人と最近入ったキーボードの人に認めてもらわないとだもん

緊張でミスなんてできないよっ

………余計緊張してきた…!!)」

 

「あっ、来た来た!

君があこ君だよね!」

 

「は、はい!!」

 

「私は今井リサ、よろしく。」

 

「よろしくお願いします!」

 

「で、最近ウチのバンドに入った子があこ君の後ろに居る子で…」

 

もったいぶるような口調で言われたこともあり、

ついリサさんの目線を追って振り返る、と

 

「え、えええ??」

 

 

「始めまして……じゃないよね、あこちゃん。

キーボードの白金燐子です。

これからは…よろしくね!」




あこちゃんのセリフを考えてる時に
めぐちぃが混ざってきて困っています。
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