※この作品はR-18です。

今井リサの弟ですが、諸事情で異世界転生させられました。   作: 提 督

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さよつぐ前編

「せっかくのお誘いですが、辞退させて下さい。」

 

「…そうですか。

その、もし良かったら理由をお聞かせ願えますか。」

 

「…あまり学友がいるバンドに厳しいことを言いたくはありませんが

このバンドは少し雰囲気が緩み過ぎです。

確かに先ほど聞かせていただいた演奏には…こう…

引き付けられる魅力がありました。

 

しかし、いくら才能でごまかしても

基礎のレベルを上げなければ

FUTURE WORLD FES.には出れません

より厳しい練習を行うべきです!」

 

「…なるほど。」

 

「この後用事がありますので、

要件は以上でしたら失礼いたします。」

 

「はい、ご足労頂きありがとうございました。」

 

紗夜さんは軽く会釈すると立ち上がり、

CIRCLEの待合室から出ていこうとして立ち止まった。

 

「……あの。」

 

「はい?」

 

「私はこんなこと言ってますが

仲間と一緒にバンドをすることも大切なことだと思います。

第一…私も最近気が緩んでいますから…

そういう意味では自分を見つめなおすいい機会でした。

それでは。」

 

……ふう。

僕の知っているよりかなり早く

羽沢珈琲店の常連になったこっちの紗夜さんは

どうやら厳しい紗夜さんから優しい紗夜さんへと変体している途中で

かなりツンデレだった。

実際思考を覗くとこちらの頭が痛くなるぐらいごちゃごちゃで

覗くのを諦めた。

 

というわけで僕の知ってる世界のあこさんよろしく

一度バンドに誘って断られることで関係性を作り、

そこからなんとか引きずり込もうという考えだ。

だって洗脳してロゼリアに入ったんじゃ意味ないからね。

 

 

                          

 

 

って思ってました。

数秒前まで

 

紗夜さんがCIRCLEから去って1時間後、

練習が終わったので商店街に立ち寄ると

羽沢珈琲店の前でどう考えても怪しい動きをしている人がいた。

 

電柱の陰に身を潜め、

帽子とマスクにサングラス、

そして既に暑いであろう春物コートに身を沈めたその人は、

不審者としか形容出来なかった。

 

それでも僕がおもむろに機械を取り出し、

紗夜さんの視界を覗き見たのは

その特徴的な色の髪が見え隠れしていたからだ。

 

「何…しているんですか…

…氷川さん?」

 

「ひゃっ!?

あ、あなたは先ほどの!?

まさかっCIRCLEから付けてきたんですか!

ストーカーですよ!!」

 

「……鏡要りますか?」

 

「何をおかしなことを!」

 

「やっぱり必要みたいですね…

あっ、続きは向こうで聞きますから。

さあこっち来てください。」

 

「ちょ、ちょっと!

今井さん、手を放して!!」

 

強引にその場を離れたのは

彼 に気が付かれると余計面倒というのもあるが、

それより紗夜さんを遠巻きに見ていた商店街の人達が

僕へ高圧的な言葉を発する紗夜さんを見てスマホを取り出し始めたからだ。

未来のロゼリアから逮捕者は出したくない。

こうして公園の、その隅っこの方へと僕らはやってきた

 

「それで…

なんで羽沢さんをストーカーしてたんですか。」

 

「そんな、ストーカーなんて私は」

 

「じっと物陰から羽沢さんを見てたじゃないですか!!」

 

「じっと見つめて…なんて///」

 

「照れないで下さい。」

 

紗夜さんを軽くにらみつつも

右手をポケットに入れて事前に調整しておいた機械のダイヤルを少し回す。

これで以前同様人に話しやすくなったはずだ。

紗夜さんはストイックな性格で例え同人誌の世界でも

おいそれと犯罪を犯す人ではないと思う。

理由があるなら知っておく必要がある。

 

「…………

少し家族の話をしてもいいでしょうか?」

 

「ええ、大丈夫です。」

 

「私には双子の妹がいるのですが

       ・

       ・

       ・

(僕の知ってる内容なのでチート機械のスキップ機能使用

既読スキップ機能はたぶんこっちに来るときに貰った機械の機能で一番便利)

       ・

       ・

       ・

それで、つぐみさんやaftergrowの皆さんと話しているうちに

なんだか妹と一方的に話し合うのが馬鹿らしくなってしまって…

でも、ギターを辞める気にもなれず

FUTURE WORLD FES.を目指し続けようと決めてもスランプに入ってしまったんです。」

 

ここまでは僕の世界の紗夜さんと大差ないかな…

 

「そこで友人に相談したんです。

この気の抜けてしまった私がどうすれば治るのかと

その人の教えはとても正確でした。

世間知らずの私には少々衝撃的でしたが確かにやる気がどんどん湧いて」

 

「あの…」

 

「あっ、すみません私ばかり話してしまって。」

 

「いえ…その相談された方ってもしかして白金さん…ですか?」

 

「ええ!!そうです! よくわかりましたね。

やっぱりあなた方のバンドでも良き相談役なのでしょうか」

 

 

……なるほどね

 

 

「ちなみにどんな感じのアドバイスを…」

 

「はい、まずは気になっていることを潰していくのが大切だそうで、

私がよく通っている羽沢珈琲店のことを話すと、

 

『気になる相手のことはよく知らないといけません。

万難を排していかなる手段を用いても

趣味思想理想弱み住所家族構成好物癖弱点行動パターン家が留守の時間などは

相手と有効なコミュニケーションを取るうえで大切』

とアドバイスをいただきました。」

 

 

「あ、そこらへんで大丈夫です。」

 

こっちの世界でメンヘラ度が急上昇した燐子さんは問題しか起こしていないね…

メンヘラに育てたあこのせいでもあるし、

ここはそういう世界と言えばそういう世界だけど。

 

「いいですか氷川さん、悩んでいるのは分かりましたが

それは偏った考えであって本当は

 

「あっ、紗夜さん!

やっぱり紗夜さんだ!!」

 

「「え?」」

 

 

振り向くとそこにいたのは羽沢つぐみさんその人だった。

 

 

「こっ、これは違くてその…」

 

「紗夜さん…こちらの方は?」

 

「ただのバンド仲間です、

ええ、決して逢引きをしていたわけじゃなくて」

 

「あはは、やだなあ紗夜さん。

そんな風に思うわけないじゃないですか。

…私は羽沢つぐみです。よろしくね。」

 

「あ、はい。今井です。」

 

「そっかあ、ついに紗夜さんにもお友達が…

感無量です。末永くお友達で居てあげて下さいね。」

 

「ちょっと、羽沢さん!」

 

 

こっちのつぐみさん少しテンション高いな…

 

 

「あっ、そうだ。

紗夜さんさっき家の前にいらっしゃいましたよね?

お母さんが教えてくれました。」

 

 

普通にストーカーばれてるし

 

 

「今日のお菓子作り教室に来て下さったんですよね!」

 

「えっ、その私は…」

 

「違いましたか?

紗夜さんのことだからてっきり遅刻しないように2時間前に来たのに

中で待っていちゃ悪いかなとか考えて外で待ってたのかと。

花粉症対策で暑そうなのに真面目ですよね。」

 

「でも、今日のお菓子作り教室はたしか子供向けと伺ってますが…」

 

「あ、そんなこと気にしていたんですか。

紗夜さんと私の仲なら全然大丈夫ですよ。

今井君も来ますか?」

 

「いえ、僕は用があるので。すみません…」

 

「大丈夫ですよ。今度是非羽沢珈琲店に来てくださいね。

紗夜さんと友達になった経緯を聞かせて下さい!

じゃ、紗夜さん行きましょう!」

 

 

 

……連れて行かれてしまった。

 

あの紗夜さんのコンプレックスを

いったいどうやって短期間で直したのだろうと思ってたけど、

こっちの世界のつぐさんはツグってるだけじゃなくて

普通にコミュ力が高いのか…

 

あの感じなら今日はストーカーしようもないし

明日にでも燐子さんの発言の重要度を下げる洗脳だけやっとこうかな。

 

…僕も人の洗脳に慣れ始めているし人のこと言えないな…

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~翌日昼休み~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「はぁ…」

 

「氷川さんが寝不足なんて珍しいですね。」

 

「昨晩、少々いろいろありまして。

一睡もできませんでした。」

 

「…………?

……………!?」

 

「白金さん?

え、ど、どこを触ってるんですか!?」

 

「骨盤の形が少し変わっている…

氷川さん………おめでとうございます…!」

 

「………………」

 

「…氷川さん?」

 

「……あまり……

あまり喜ばれるようなことでは、なかったものですから…」

 

「……氷川…さん……」




初体験で骨盤が少し上がるって本当なんでしょうか?

ところで、バンドリ3周年特番見てたら
小説を書き忘れてた提督がいたそうです。
困ったものですね。
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